『アウシュヴィッツの争点』を読んで
(1999年)
はじめまして。
私はマルコポーロ廃刊事件で「ホロコースト論争」に興味を持ち、(残念ながら問題の雑誌は買いそびれて読めませんでしたが…)その後木村さんの『アウシュヴィッツの争点』を読んで、大変な感銘を受け、「これは、マスコミも巻込んだ、大論争になるぞぉ」と期待していたのですが、やはり木村さんが本の中で嘆いておられたように、マスコミの「ブラックアウト」になってしまったことを残念に思っている者です。
その後、本屋で『アウシュヴィッツとアウシュヴィッツの嘘』も見つけましたが、立ち読みしただけで、だいたいの趣旨がわかりましたし、資料的にもさほど価値がないと思ったので買いませんでした。
あれから、もう4年も経つのですねぇ~。インターネットで木村さんのページを見つけ、ホロコースト関連の連載を興味深く読ませていただいております。
2月の連載で「Vergasungkeller」という単語についての考察がありましたね。私はドイツ語がまったくダメで、語学的な議論にはついていけないんですが、フト感じたことがあります。
まずひとつは、この単語が「建設工事報告書」で何の注釈もなしに使われているんだから、それほど特殊な言葉じゃないのでは…ということです。実際、私がこの単語を見て最初にイメージしたのは、殺虫剤の「バルサン」でした(まったく的はずれかも知れませんが…)。そこで、膨大な証拠資料の中で、この言葉がただ1箇所しかないというのが、どうも不自然に感じられたのです。
こんなことは、もうすでにお調べ済みのことかもわかりませんが、もし、ダッハウの収容所(およびドイツ国内の収容所)の工事記録か何かでこの単語を見つけることが出来たとしたら、ごく簡単な3段論法で、「Vergasungkeller≠ガス殺人室」を証明できるのではないかと思いついたのです。つまり、ダッハウにも「殺虫用の部屋」があり、そこは明らかに「大量殺人用の部屋」ではなかった…もし、その部屋を示す言葉にVergasungkellerが使われていたとしたら…アウシュヴィッツの工事報告で触れられている施設は「殺人施設」を指さない…ってことですよね。
まったく素人の思いつきで、取るに足りないとお思いでしょうが、こんな検証の仕方もあるのではということで、“万一”参考になれば幸いです。
須磨厚久。