2006.05.07(2019.8.28分離)
http://www.asyura2.com/0601/war80/msg/579.html
イラク戦争の裏側にナゾを見るアルジャジーラに答える憎まれ愚痴
目下、完成間近の新著『9・11・イラク戦争・情報操作の全貌』の「はしがき」では、以下の歴史的な観点を強調した。
まずは、大上段にふりかぶって、9・11事件の四次元空間的な全体的構造を問う。
最大の状況認識は、9・11事件を巡る時間的な空間、歴史的な経過の位置付けの問題である。
史上空前の大事件、9・11事件は、それ「以後」、アフガン攻撃からイラク戦争へと連動したのであるが、9・11事件が起きる「以前」とは、どのような関係だったのであろうか。
9・11事件の直前には、アメリカとイスラエルが、南アフリカのダーバンで開かれた国連の「反人種主義・差別撤廃世界会議」で孤立して、退場するという事態が起きていたのである。
前年の二〇〇〇年には、アメリカが取り持つイスラエル・パレスチナの和平交渉が決裂していた。二〇〇〇年七月には、バラク首相が進める和平交渉を妨害するために、イスラエルの野党リクードの党首シャロンが、イスラム教徒が神聖視する「神殿の丘」に武装警官隊を率いて突入し、事実上の内戦を仕掛けたのである。
この経過が、二〇〇一年八月末から九月九日にかけての国連の「反人種主義・差別撤廃世界会議」に引き継がれていた。イスラエルを人種差別国家として非難する国際世論は、高まる一方であった。
9・11事件は、このような際どい国際情勢の下で、逆手を取って、国際世論を、アラブ・イスラムに対立させるために、仕組まれたと考えるべきである。
以上のような観点で、9・11事件とイラク戦争を巡る情報の流れを見ていたところへ、以下の「アルジャジーラ特約」記事が出現した。アラブ人が「イラク戦争の裏側」にナゾを見ているのである。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1928128/detail
海外総合
イラク石油でもうけるのは誰か ナゾに包まれたイラク戦争の裏側【アルジャジーラ特約4日】2003年に米国主導で始まったイラク戦争の本当の狙いについて、さまざまな意見が交わされてきた。狙いはずばり「イラクの石油資源」と言う者もいれば、本当の狙いはそれ以上に複雑かつ多様だと主張する者もいる。
この戦争を主導した者たちは「狙いは石油ではない」との意見だ。トニー・ブレア英首相は開戦の2カ月前に当たる03年1月15日、イラク戦争は石油とは関係がないと発言した。
「狙いは石油」と主張する者たちは、ちょう笑された上、「浅薄な陰謀理論家あるいは知的枯渇者」とのらく印を押された。
米国のダグラス・ファイス国防次官は03年2月11日、「簡単に確認できる現実を無視する者だけが、そのような戦争から米国が利益を得られると考える」と発言した。
コロラド鉱山大学のチャールズ・コールハース元教授(石油工学)は「イラク戦争、石油のためではなく」と題した論評の中で、「米国の左派リベラルはイラクへの軍事行動を石油のためとしているが、これほど彼らの政治的、道徳的破綻を示すものはない」と指摘した。
▽石油略奪者
評論家の中には米国を「石油略奪者」とし、米国がイラクの港にタンカーを横づけした上で、ただで石油を積み込み、米国に運ぶと決め付けるのは単純すぎると主張する者がいる。
ヨルダンの評論家、アリ・バキール氏は「歴史上の多くの戦争と同様、イラク戦争にはいくつかの狙いが込められている」とし、続けて「米国は現状でイラクの石油を求めてはいない。米国は西半球の産油諸国からの必要な輸入量を得ている」と指摘している。
さらに同氏は「米国はイラク石油を支配することにより可能となる戦略目標を持っている。その目標とは、世界の主要な石油需要国となっているインドと中国といったアジアの急成長国家に対するカードを持つことだ。第2の目標は、1975年の米・イスラエル覚書に従い、イスラエルの石油需要分を確保することだ」との考えを示している。
同年9月に調印された同覚書は次のような内容となっている。
「イスラエルは、通常の手続きを経て需要を満たすために石油供給に向けて独自の方策を講じる。それでもイスラエルが石油需要分を確保できない場合、同国からの通告を受けた上で、米国が次の対策を5年間にわたり実施し、1年間の事前通告によりどちらか一方の政府が同内容を終わらせることができる」
両国の覚書はこれまで5年ごとに更新されている。
03年6月20日、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ財務相(当時)はロンドンで開かれた投資家会議で講演、イラクの石油が間もなく、ジャファのパイプラインを通じて供給されると明らかにした。
さらに、ネタニヤフ財務相はロイター通信に対し、イスラエル政府はモスル・ジャファ・パイプラインの再開を交渉中と述べた。同パイプラインはイスラエル建国の1948年に閉じられていた。
グレグ・ムティト氏は「イラク石油資源の横領」と題し、環境・社会開発研究所から出版した著作の中で、イラク戦争は石油と利益を求めて起こされたと断言している。
同研究はさらに、「米英両国は、選挙で最初に樹立されるイラク政府が決定する石油開発政策が両国の利益にかなうとし、共同してその実現に努力している。これまでのところ、両国はそれに向けて大いに成果を上げている。米国務省グループが最初に提案した生産分与協定は石油開発のモデルとなり、侵略後のイラク政府にも歓迎されている」と指摘している。
ロンドンの世界エネルギー研究センターのイラク人石油専門家、ファディル・チャラビ氏は生産分与方式がイラク石油資源にとり脅威ではなく、石油取引の単なる一側面だと考えている。
同氏は「生産分与方式はフセイン時代にも検討されたことがあり、石油専門家としてそうした検討会に参加したこともある。同方式は投資手段にすぎない」とも指摘している。
さらに同氏は「石油資源はイラクにとって主要な収入源で、同資源を12年間に及んだ国連の経済制裁と現戦争で破壊されたイラクの復興に使うべきだ」と主張するとともに、「石油資源が現戦争の狙いかもしれないが、それがすべてではない」と強調している。
▽賛否両論
ムティト氏は原則的にはチャラビ氏の意見に賛成しているが、石油の生産分与方式の影響に関しては同意していない。
ムティト氏は「この方式は石油会社に莫大な利益をもたらし、イラク国民が不利益を被る。生産方式はイラク国民に利益をもたらすものでなければならない」と強調している。
チャラビ氏はイスラエルの影を否定しない。「イラク戦争前に、ジェームス・アキンス駐サウジアラビア米大使と個人的に会い、その際、どうして今イラク戦争なのかと問いただした。大使の答えは『(アリエル・)シャロン・イスラエル首相と親イスラエル派のネオコンが望んでいるのだ』だった。私の著作の中で、ネオコンがイラク戦争を計画し、起こしたとの事実を明らかにしている」と述べた。
イラク人の著名な石油専門家ラムジー・サルマン氏は、石油と戦争計画とを分かつことは不可能だと指摘している。同氏は1971年に実施されたイラク石油の国有化後、同石油開発に向けた基盤整備を担当した。
サルマン氏はさらに、「米国の仕掛けたイラク戦争で、最重要の狙いとは言わないまでも、石油が重要な狙いのひとつであることは明らかだ」と指摘している。
続けて同氏は「イラクが1990年にクウェートを侵略した際、ジョージ・ブッシュ大統領(当時、現米大統領の実父)は、イラクの国際法違反よりも、席急(石油?)供給のほうを懸念していた。同大統領は『米国は一国が世界の石油資源の20%を支配することを許さない』と言い切った」と述べている。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年05月07日02時06分
以上の論評の観点は、非常に面白い。イラク戦争の原因が石油ではないとすれば、いったい何なのか。結論を、ずばり言えば、イスラエルである。
イスラエル、ユダヤ人の主流、シオニスト、ユダヤ人のネオコンが、イラク戦争の推進者だったことは、明白である。
アメリカの政治・外交は、イスラエル支持の強力なAIPAC(“アメリカ=イスラエル公事委員会”)の支配下にあるのである。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aus-32.html
『アウシュヴィッツの争点』
第4章:イスラエル・コネクションの歴史的構造
ユダヤ系富豪に再選の運動資金をあおいだトルーマン大統領
翌一九四八年五月、トルーマン大統領がイスラエル国家の承認にふみきるさいには、元ニューヨーク・タイムズ記者ジョージ・レストンの「回想録」(『朝日ジャーナル』92・2・7)によれば、もっとも重要な閣僚だった国務長官ジョージ・マーシャル元帥が、「すかさず」反対したという。しかも、……
「反対したのは彼だけではない。ディーン・アチソン、ロバート・ロベット国務次官、ソ連問題専門家のジョージ・ケナン、E・ボーレン、ジェームズ・V・フォレスタル国防次官、それに当時国務省国連担当室長だったディーン・ラスクがいた」
レストンによると、マーシャル元帥は「トルーマンが『生あるアメリカ人で最も偉大な人物』とみなしていた」ほどの、当時のアメリカで最有力の人物だった。そしてこの元帥は、「イスラエル承認」問題について、トルーマンが「一九四八年の大統領選挙で勝利するため」に「『見えすいたごまかしをした』と考えていた」という。
トルーマンは一九四八年秋に再選されるが、そのさいの政治資金をユダヤ系富豪のフェインバーグにあおいでいた。ユダヤ系アメリカ人のジャーナリスト、セイモア・M・ハーシュは、イスラエルの核兵器開発とアメリカ政府の「見て見ぬふり」のダブル・スタンダード政策を暴露した好著、『サムソン・オプション』の中で、フェインバーグをつぎのように紹介する。
「下着とアパレルで財をなしたニューヨークの実業家で、一九四八年の大統領選挙では敗色濃厚だったハリー・S・トルーマンに選挙運動資金を提供した。一九六〇年の大統領選挙では、民主党にとってユダヤ人支持者のなかでおそらくもっとも重要な人物になっていた。主張は明快だった。資金を提供しましょう。民主党のみなさま、今後もイスラエルを支援して下さい」
http://www.jca.apc.org/~altmedka/nise-25.html
『偽イスラエル政治神話』
3章:諸神話の政治的利用
1節:アメリカのイスラエル=シオニスト・ロビー
《イスラエルの首相は、中東に関するアメリカの外交政策に対しては、自分の国に対してよりも、遥かに強い影響力を持っている》(ポール・フィンドレイ『彼らは遠慮せずに語る』)
アメリカの議会で公式に認められているロビーの中で最も強力なのは、AIPAC(“アメリカ=イスラエル公事委員会”)である。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/nise-26.html
[外部資金による“偉大なイスラエル”への野望]
エルサレムで発行されている世界シオニスト機構の機関評論誌、『キヴーニム』(指針)の計画の目標は、極めて遠大で非常に危険な対立に満ちていたが、イスラエルのロビーは、作戦の実現をアメリカに託すことに成功した。イラクに対する戦争は、その最も戦慄すべき実例の一つである。
《二つの有力な圧力団体が、紛争に際してのアメリカの攻撃開始を推進する。
第一は、“ユダヤ・ロビー”である。なぜなら、サダム・フセインの除去とは、とりもなおさず、最も強力なアラブ人国家による脅威の粉砕だからである。……アメリカのユダヤ人は、大西洋周辺のメディアの仕組みの中で重要な役割を演じている。大統領と議会とが常に緊張関係にあるため、ホワイトハウスは、メディアを握る彼らの願望に対して最も敏感に反応せざるを得ない。
第二は、“財界ロビー”である。……彼らは、戦争が経済を活性化させる効果を考える。第二次世界大戦と、あの膨大な軍需は、アメリカにとって、一九二九年の世界恐慌以来まだ抜け切れなかった危機に、終止符を打ってくれるものだったのではなかっただろうか?
朝鮮戦争は、その後に、また新しいブームをもたらしてくれたのではないだろうか?
幸多き戦争よ、なんじはアメリカに繁栄をもたらすであろう……》
(『フィガロ』90・11・5)