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『亜空間通信』461号(2002/12/19)
【アフガニスタン問題で1980年当時の日本共産党方針の唖然欠落の真因ずるけん】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
昨夜(2002/12/18)、日本共産党の中央指導部、特に「ずるけん」の秘書上がりの「ふわてつ」に批判的な日本共産党党員が運営する電網宝庫、「さざ波通信」の「理論、政策」投稿欄に、以下の記事を送った。掲載は数日後になるはずである。
2020.3.26追記:以下「さざ波通信」投稿 ➡ 憎まれ愚痴「さざ波通信投稿再録」に再録
最近、さざ波通信にて、以下を拝見。
http://www.linkclub.or.jp/~sazan-tu/info.html
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[以下、引用]
[前略]アフガニスタン問題[中略]アフガニスタン問題に関する当時の[中略]日本共産党の1・10常任幹部会声明ははっきりと次のように述べています。
「この基本的見地[民族自決権擁護と国際連帯の原則のこと――引用者]からみて、アフガニスタンにたいするソ連軍の出動に同意することはできない。……わが党は、事態の全体を原則的に判断する立場に立って、ソ連軍のアフガニスタン出動と介入を是認しない態度を表明するとともに、アフガニスタン領内からソ連軍が早急に撤退すべきことを、主張する」。[中略]
第15回大会決議はアフガニスタン問題について次のように述べています。
「ソ連のアフガニスタン介入は、アメリカ帝国主義の侵略体制再編強化の策動に絶好の口実をあたえた。わが党は1月10日の常任幹部会声明で、ソ連の軍隊のアフガニスタン領内からのすみやかな撤退を主張した。アフガニスタンの進路はアフガニスタン人民自身が選択し決定する問題であり、世界のいかなる国家も、あれこれの政変や変革を外部からおしつけたり、政変に介入する権利をもちえない。このような外部からの介入は、国内的にはその国の社会進歩の事業を国民大衆からきりはなし、国際的にも反帝闘争や社会主義の大義に打撃をあたえ、結局は、帝国主義勢力を勢いづけ、彼らに新たな攻勢や策動の機会をあたえるものである」(『前衛臨時増刊 第15回大会特集』61頁――強調は引用者)。
このように、第15回大会決議ははっきりと、ソ連のアフガニスタン介入の犯罪的、反社会主義的性格について指摘しているのです。
同大会における不破氏の報告も、このアフガニスタン問題について多くの時間を割いて詳しく論じています。そのごく一部を引用しましょう。「今日、アフガニスタンへの軍事介入とその後の情勢の展開をみるとき、私たちは、社会主義国家による民族自決権の侵害は、反帝闘争を台なしにし、プロレタリアートの勝利をくつがえすというエンゲルスやレーニンの遺訓の重大性を、あらためて深く銘記しないわけにはいきません。
アメリカを先頭とする帝国主義者の干渉に反対するためだとか、アフガニスタンの進歩的な政権とその事業を擁護するためだとかということが、軍事介入正当化の理由としてあげられていますが、かりに介入者が本気でこれらの目的を確信していたとしても、それによって内政干渉を正当化することはできません。……そして外部からの干渉による政変や変革のおしつけは、その国の進歩の事業そのものを国民大衆から切りはなし、反動勢力に民族的な『大義』をあたえることで、その国の社会進歩の過程そのものを困難にするという点でも、国際的に帝国主義に反対する闘争の原則性と社会主義の大義そのものにいやしがたい打撃をあたえる点でも、帝国主義勢力に新たな攻勢や策動の余地をあたえ、彼らを勢いづけ、結局は、帝国主義の反動と侵略の政策をささえる役割をする結果になる点でも、反帝国主義と社会進歩の事業そのものに逆行する否定的な役割しか果たしえないものであることが、強調されなければなりません」(同前、84~85頁)。ここで言われていることは、その後の歴史に照らし合わせるなら、まったく適切なものであったことがわかります。ソ連のアフガン侵攻は、世界の共産主義運動の道徳的権威に取り返しのつかない打撃を与えただけでなく、アメリカによって徹底的に帝国主義的目的に利用されました。アメリカ政府は、現在9・11テロを利用しているように、ソ連のアフガン侵攻を全面的に利用して、反ソ・キャンペーンを大々的に行なうだけでなく、反動的なイスラム原理主義勢力に大量の資金と武器を供給し、戦闘と暗殺の方法を享受し、ついにはアフガンの「社会主義」政権の打倒に成功しただけでなく、ソ連を長期戦の泥沼に引きずり込んで、ソ連の経済と政治を徹底的に疲弊させました。この事件は結局、ソ連崩壊の一要因にさえなったと言えます。そして、アメリカ政府が全面支援した原理主義者たちは、後に略奪者・強姦魔・テロリストとなって、アフガン人民を徹底的に苦しめ、ついには、アメリカ自身にさえその刃を向けることになるのです。[中略](9/18 編集部)[後略]
[引用終わり]
日本共産党は1980当時、まだソ連と訣別していなかった。私は、党員として不当解雇争議を戦っていた最中のことだった。
ところが、ソ連と訣別していなかったはずの日本共産党指導部は、以下のような、フランスの雑誌、『ル・ヌーヴェル・オブゼルヴァトゥール』の質問に答えられるであろうか。
「ソビエトが彼らの干渉を正当化して、彼らの意図が、アフガニスタンへのアメリカ合衆国の隠密の関与に反対して戦うことにあったと主張したとき、人々はそれを信じなかった。しかし、真実の基礎があった」
日本共産党指導部は当時、ソ連から、きちんと情報を取り、分析したのだろうか。
以下は、わが電網宝庫記事からの引用。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/akuukan-01-10-47.html
『亜空間通信』47号(2001/10/17)
【ムジャヒディン援助はソ連の侵攻以前のCIA謀略と大統領補佐官が認めてた】
2001.10.18.01:00.AM.若干の補正と追記。
転送、転載、引用、訳出、訳し直し、間違いの指摘など、大歓迎!
本日の早朝、受け取った電子手紙の中に「Date: Wed, 17 Oct 2001 03:17:29 +0900」、つまり、夜中の3時過ぎに発信された以下に紹介する通信(発信者の個人情報は削除)があった。
アフガンへのソ連の侵攻には、やはり、事前のアメリカのCIA謀略があったのであって、それが文字記録として公刊されていたのだった。
ああ、大変、今日もまた一日、PCトランサー・プラチナとかを使って、訳さなくては収ま(オサマ)らなくなってしまった。
以下、個人情報削除で引用。
木村愛二様
先日、メールをお送りし、フランスからの資料をお送り頂いた者です。
10月3日付で掲載された、自衛隊後方支援関連の次の記事を拝読しました。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/akuukan-01-10-27.html
この記事の後半部に、次の箇所があります。
「カーター大統領がソ連のアフガニスタン侵攻という煮え湯を飲まされ、あわてて軍事費増大を行った」云々。
このジミー・カーターとアフガニスタン支援政策の開始について、1998年に、カーター政権当時のブレジンスキー補佐官がフランスのヌーベルオブセルバトゥール誌に語った記事の採録が、インターネットにありましたので、再録してお送りします。
これは、フランス語の記事を英訳したものです。英訳者は、末尾に掲載されています。
以下の記事によると、カーターも補佐官や情報機関も、ソ連軍がアフガニスタンに侵攻するほぼ半年前の1979年7月3日から反ソ分子への秘密援助を始めていたということです。この日、7月3日、カーター大統領が最初の秘密援助の指令に署名したとの事です。
以上、ご参考にお送りする次第です。
以上で引用終わり。
なお、上記の「煮え湯を飲まされ、あわてて」という箇所は、私の文章ではない。当時発見できた「アメリカの国防問題にふれた単行本」の希有な例として紹介した『超大国アメリカ/そのパワーの源泉』の記述である。私は、当然、この文章を引用した当時から、事前のCIA謀略を疑っていた。
以下に拙訳を添えて紹介する英文記事に関しては、念を入れてヤフーでフランスに飛び、Le Nouvel Observateurのフランス語の記事の存在を確認した。
以下のURLで、1998, Janをクリックし、キーワードにZbigniew Brzezinskiを入れて検索を命じたら、一発で出てきた。完全に同じ内容であった。
http://archives.nouvelobs.com/
以下の中の最重要箇所だけを抽出すると、「実際には、1979年7月3日」、英語でIndeed, it was July 3,1979 のフランス語は、c'est en effet le 3 juillet 1979 となっている。
追記:英語の方は、以下にある。
http://www.counterpunch.org/brzezinski.html
以下、対訳の引用。
Zbigniew Brzezinski:
How Jimmy Carter and I Started the Mujahideenズビグニュー・ブレジンスキー:
いかにして私とジミー・カーターがムジャヒディン工作を始めたかInterview of Zbigniew Brzezinski Le Nouvel Observateur (France), 15-21,1998, p. 76*
ズビグニュー・ブレジンスキーに対する『ル・ヌーヴェル・オブゼルヴァトゥール』 (フランス)1998年1月15-21日号のインタビュー記事(p. 76) *
Q: The former director of the CIA, Robert Gates, stated in his memoirs ["From the Shadows"], that American intelligence services began to aid the Mujahadeen in Afghanistan 6 months before the Soviet intervention. In this period you were the national security adviser to President Carter. You therefore played a role in this affair. Is that correct?
質問:CIAの元長官、ロバート・ゲイツは、彼の回顧録『物陰から』の中で、―「アメリカの情報機関はソビエトの干渉の6か月前にアフガニスタンでムジャヒディンを援助し始めた」―と述べた。この期間に、貴方はカーター大統領の国家安全保障補佐官であった。したがって貴方は、この工作で何らかの役割を果たしたと思われるが、その通りか?
Brzezinski: Yes. According to the official version of history, CIA aid to the Mujahadeen began during 1980, that is to say, after the Soviet army invaded Afghanistan, 24 Dec 1979. But the reality, secretly guarded until now, is completely otherwise: Indeed, it was July 3, 1979 that President Carter signed the first directive for secret aid to the opponents of the pro-Soviet regime in Kabul. And that very day, I wrote a note to the president in which I explained to him that in my opinion this aid was going to induce a Soviet military intervention.
ブレジンスキー:はい、その通り。政府の公式発表に基づく歴史によれば、ムジャヒディンに対するCIAの援助は1980年、すなわち、1979年12月24日にソビエト軍がアフガニスタンに侵攻した後に開始されたことになっている。しかし、現在まで極秘にされてきた事実に基づくと、この記述は完全に間違っている。実際には、カーター大統領がカブールのソ連寄り政権の敵手に対する秘密の援助のための最初の指令に署名したのは、1979年7月3日であった。まさしくその日、私は、大統領に向けて、この援助がソビエト軍の干渉を誘発するであろうという私の意見を彼に説明するための書面をしたためた。
Q: Despite this risk, you were an advocate of this covert action. But perhaps you yourself desired this Soviet entry into war and looked to provoke it?
質問:この危険を承知の上で、貴方は、この隠密作戦の唱導者の一人となった。とこ ろで多分、貴方自身、この時にソビエトの参戦を望み、この作戦を、それへの挑発と 看做していたのではないか。
Brzezinski: It isn't quite that. We didn't push the Russians to intervene, but we knowingly increased the probability that they would.
ブレジンスキー:全くその通りとは言えない。我々はロシアが介入するように背中を 押したわけではないが、故意に彼らがそうする可能性を増やしたのである。
Q: When the Soviets justified their intervention by asserting that they intended to fight against a secret involvement of the United States in Afghanistan, people didn't believe them. However, there was a basis of truth. You don't regret anything today?
質問:ソビエトが彼らの干渉を正当化して、彼らの意図が、アフガニスタンへのアメ リカ合衆国の隠密の関与に反対して戦うことにあったと主張したとき、人々はそれを 信じなかった。しかし、真実の基礎があった。貴方は現在、何ら後悔しないか。
Brzezinski: Regret what? That secret operation was an excellent idea. It had the effect of drawing the Russians into the Afghan trap and you want me to regret it? The day that the Soviets officially crossed the border, I wrote to President Carter: We now have the opportunity of giving to the USSR its Vietnam war. Indeed, for almost 10 years, Moscow had to carry on a war unsupportable by the government, a conflict that brought about the demoralization and finally the breakup of the Soviet empire.
ブレジンスキー:何を後悔せよと言うのか。あの隠密作戦は卓見であった。あれは、ロシアをアフガニスタンの罠に嵌める効果を挙げたのであって、それを貴誌は、私に後悔せよと言うのか。ソビエトが公然と国境を越えた日、私はカーター大統領宛てに書いた。我々は今、ソ連にヴェトナム戦争を与える機会を得た、と。その通りに事態は進み、ほぼ10年の間、モスクワは、政府が耐えられない戦争を続けねばならなくなり、その紛争が軍の士気崩壊とついにはソビエト帝国の解体をもたらしたのである[この部分を2001.10.20.読者からの御注意に従って改訂]。
Q: And neither do you regret having supported the Islamic [integrisme], having given arms and advice to future terrorists?
質問:貴方は、イスラム[原理主義]を援助し、将来のテロリストに武器と助言を与えたことについても全く後悔しないのか。
Brzezinski: What is most important to the history of the world? The Taliban or the collapse of the Soviet empire? Some stirred-up Moslems or the liberation of Central Europe and the end of the cold war?
ブレジンスキー:何が世界の歴史の上で最も重要なのか。タリバンか、または、ソヴィエト帝国の崩壊なのか。わずかばかりの扇動されたイスラム教徒なのか、あるいは中央ヨーロッパの解放と冷戦の終結なのか。
Q: Some stirred-up Moslems? But it has been said and repeated: Islamic fundamentalism represents a world menace today.
質問:あれを、わずかばかりの扇動されたイスラム教徒と言うのか。現在、イスラム 原理主義は世界の脅威を代表すると、何度も繰り返し語られているが。
Brzezinski: Nonsense! It is said that the West had a global policy in regard to Islam. That is stupid. There isn't a global Islam. Look at Islam in a rational manner and without demagoguery or emotion. It is the leading religion of the world with 1.5 billion followers. But what is there in common among Saudi Arabian fundamentalism, moderate Morocco, Pakistan militarism, Egyptian pro-Western or Central Asian secularism? Nothing more than what unites the Christian countries.
ブレジンスキー:ナンセンス! 西側にはイスラム教に対しての世界的な方針があったとも語られているが、愚かなことである。世界的なイスラム教などはない。イスラム教を、民衆扇動の目的や感情を抜きにして、合理的な方法で見るべきである。あれは15億人の信者を擁する世界の主要な宗教である。しかし、原理主義のサウジアラビアと、穏健なモロッコと、戦闘的なパキスタンと、、西欧びいきのエジプトと、あるいは、中心アジアの世俗主義と、それらの中のどこに共通したものがあるか。キリスト教国の団結と似たり寄ったりである。
* There are at least two editions of this magazine; with the perhaps sole exception of the Library of Congress, the version sent to the United States is shorter than the French version, and the Brzezinski interview was not included in the shorter version.
*この雑誌には少なくとも2つの版がある。米国議会図書館にあるおそらく唯一の例外を除くと、アメリカ合衆国に送られた版はフランスの版より短くて、その短い版にはブレジンスキー・インタビューが入っていない。
The above has been translated from the French by Bill Blum author of the indispensable, "Killing Hope: US Military and CIA Interventions Since World War II" and "Rogue State: A Guide to the World's Only Superpower" Portions of the books can be read at:
上記は、必読文献、『希望の殺戮:第二次世界大戦以後のアメリカ軍とCIAによる干渉』および『ごろつき国家:世界の唯一の超大国への案内書』の著者、ビル・ブルームによって、フランス語から翻訳された。
両著の一部分は、下記で読むことができる:
2020.3.26追記:投稿分ここまで ➡ 憎まれ愚痴「さざ波通信投稿再録」に掲載
当時のソ連にも問題があった。しかし、以上のような当時のソ連の言い分を、なぜ当時の日本共産党指導部が掌握し得なかったのか。
その理由の一端は、ルーマニアの独裁者チャウシェスクと日本共産党の独裁者、宮本顕治(通称みやけん、別称ずるけん)の醜い癒着関係にある。
わが電網宝庫の以下を参照されたい。当時の日本共産党は、同党の中央機関紙『赤旗』のーマニア駐在員が、わざわざ本部に送った資料すら無視したのである。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/pro-9.html
元日本共産党『二重秘密党員』の遺言
(その9)続:もしやの意見書:ルーマニア問題で代々木出頭指示
[中略]
ルーマニアに赤旗特派員が駐在していた[中略]1979年当時の「ルーマニアの一教師、アムネスティ・インタナショナルに『国家機密』を伝えたかどで告発される」「ブカレストで逮捕されたギリシャ正教司祭救護のアピール」[中略]という外電翻訳が党本部に届いていた[中略]1978年のアムネスティ・インタナショナルの年次報告[中略]「ほんの一例」
こげな呆れた党が、911を「テロ」と決め付け、ビン・ラディン犯人説に熱中し、戦争屋の手先になってしまったのは、むしろ、当然の帰結だったのである。ああ。
以上。