『亜空間通信』836号(2004/07/26) 阿修羅投稿を再録

イラク派兵違憲訴訟7/26原告・木村愛二は猛暑と戦い痛烈批判の訴状と準備書面(1)を口頭陳述

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『亜空間通信』836号(2004/07/26) 【イラク派兵違憲訴訟7/26原告・木村愛二は猛暑と戦い痛烈批判の訴状と準備書面(1)を口頭陳述】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 最早、本日(2004/07/26)、イラク派兵違憲訴訟の唯一の正統派、原告・木村愛二は、猛暑と戦い、痛烈批判の訴状と、以下の準備書面(1)を、午前10時30分から、東京地裁の713号法廷で口頭陳述する。

 これまでの腑抜けイラク派兵違憲(いけん)訴訟では、国の代理人が、紙っぺらの答弁書を出し、裁判官が「陳述しますか」と聞くと、首を軽く縦に振るだけの珍無類の光景が展開されていたが、木村愛二は、もともと実に短い国の答弁書をすべて、準備書面(1)に組み込み、口頭の意味を解説し、痛烈批判を展開する。

 裁判長は、目を白黒させるかもしれない。見物、聞き物である。万障繰り合わせ、傍聴参加されたい。国の代理人は、下記のごとく、20人も署名、捺印している。全部、税金で食っている連中である

2004(平成16)年(ワ)7044号 違憲確認・損害賠償請求事件
原告 木村愛二
被告 国
 準 備 書 面(1)
2004(平成16)年7月26日
東京地方裁判所民事17部 御中

原告 木村愛二

 2004(平成16)年7月15日付けの被告の答弁書(以下、答弁書)は、本提訴の主たる目的であるイラク派兵の違憲行為差し止めに関しては、基本的には審理の引き延ばしを狙うものでしかなく、損害賠償請求に関してのみ訴えの棄却を求めるものであり、しかも、本件の提訴の日付、3月30日から数えて、実に丸々3ヶ月と半月もの超々長期の遅延状況であり、被告の誠意と意図を、大いに疑わざるを得ない。

 答弁書には、20人の「被告指定代理人」が署名、捺印している。「送達場所」としては、「東京法務局訟務部民事訟務部門」と記されている。

 文面は、以下のごとく、実に簡単なものである。

 被告は、本答弁書において、原告の金銭支払要求(請求の趣旨第3項)に対してのみ答弁する。その余の請求(請求の趣旨第1項及び第2項)に対する答弁は、本答弁書第2の求釈明に対する原告の釈明を待って行う。

 第1 請求の趣旨に対する答弁
 1 原告の請求のうち、金1万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払済みまで、年5分の割合による金員の支払を求める請求を棄却する。
 2 訴訟費用は原告の負担とする。
 3 仮執行の宣言は相当でないが、仮にこれを付する場合には、
 (1) 担保を条件とする仮執行免税宣言
 (2) その執行開始時期を判決が被告に送達された後14日経過した時とすること
 を求める。
 第2 求釈明
 1 請求の趣旨第2項に関し、「派遣」の具体的内容を明らかにされたい。
 2 請求の趣旨第1及び第2項に係る原告の訴えは、民事訴訟であるのか、行政訴訟であるのか、民事訴訟であれば、いかなる法的権利に基づくものかを明らかにされたい。

 第3 被告の主張
 追って準備書面により明らかにする。

 原告は、すでに提訴から1ヶ月目の4月30日の日付で、以下の「審理促進の要請」を提出した。

平成16年(ワ)7044号 違憲差し止め及び損害賠償請求事件
原告 木村愛二
被告 国

審理促進の要請

本件は、現在、イラクのサマワ基地で、その周辺に迫撃砲の射撃を受けつつある自衛隊員の安否に関わる緊急の事態などを、原告が事前に予見して提起したものであり、原告が同時に提起した被告の首相の地位にある小泉純一郎個人に対する提訴の方の口頭弁論の日程が、提訴の翌日の電話連絡で、5月6日と決定した状況と比較するだけでも、審理の進行が、はるかに遅れていることは明白であり、重大な結果を招き兼ねないので、至急、検討されることを要請する。
2004(平成16)年4月30日

東京地方裁判所民事17部 御中

 この「審理促進の要請」の日付から数えても、被告の答弁書提出は、丸々2ヶ月と半月も遅延している。

 原告は、天候に関してまで被告の責任を問うことはしないが、2004(平成16)年7月15日付けの被告の答弁書が、原告の拙宅に特別送達されてきたのは、翌日の7月16日であって、折からの記録的な猛暑の最中であり、以後、本日に至るまで、冷房機を据え付けていない拙宅は、蒸し風呂のごとき状態になり、やむなく扇風機を多用して、夏風邪を引き、原告は、上記のごとく、まさに典型的な「木で鼻を括った」ような答弁に対して、反論の準備書面を用意する状況にはなかった。

 しかし、最近の日本の裁判所では、口頭弁論の手続きを、ほとんど書面で進行している。日本が範とする英米法では、口頭弁論は、

 Oral pleadingsまたはOral proceedings

 であり、そのどこにも書面を意味する字句はない。国語辞典でも、「口頭」を「口先」「口に出して言う」「(文字に書いたりせず)口を使ってのべること」、「弁論」を「大勢の前で違憲を述べ立てること」「論じ合うこと」「言い争うこと」「特に法律では、訴訟当事者が法廷で行う陳述」とし、「陳述」を「意見や考えを口で述べること」、と説明している。いやしくも日本語で、口頭弁論と称しているのもかかわらず、書面にして提出して置かないと、口頭の陳述だけでは記録に残らないと言うのは、日本の裁判所の中でのみ通用する実に摩訶不思議な慣行であって、一世間般の理解を得ることは不可能である。

 それでもなお、やむなく、原告は、ことの重大性に鑑み、一念発起、「熱中症による死の恐怖と戦いながら、「念力のゆるめば死ぬる大暑」(鬼城)中に、本準備書面を、したためたのである。

 被告の答弁書の内容は、以上のごとくであって、本件訴状の提出以後、実に丸々3ヶ月と半月もの超々長期の遅延にもかかわらず、要約すれば、「被告の主張」については、「追って準備書面により明らかにする」というものであり、常識的に解釈すれば、自らの主張について、「今は説明をしたくない」と言い放って、裁判の引き延ばしを図っていることに他ならない。まさに、単なる審理の引き延ばし以外の何物でもない。典型的な「木で鼻を括った」ような暴言に他ならない。原告は、裁判所に対しても、このような被告の非礼に関して、厳重な注意を発することを求めるものである。

 被告は、「請求の趣旨第1項及び第2項」(派兵差止、違憲確認)に対する答弁を、「原告の釈明を待って行う」としているのは、単なる言い掛かりにすぎず、卑劣の極みである。

 被告は、「派遣」の具体的内容を明らかにされたいと言うのであるが、原告は訴状において、自衛隊の「派遣」に関し、以下のように記している。

被告は、2003年[平15]7月26日、第156回国会において「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」を成立させ、「イラク特措法に基づく対応措置に関する基本計画」を閣議決定し、航空自衛隊、陸上自衛隊及び海上自衛隊に準備命令を発し、航空自衛隊先遣隊をクウェート、カタールに派遣し、陸上自衛隊の本隊をイラク南部サマワに派遣した。

 被告は、これ以上、何を「具体的内容を明らかに」せよと求めるのか。劣化ウラン弾の燃え滓の空中浮遊塵の検出にはまったく役に立たない線量計を持参したような、滑稽至極な税金の無駄遣いなどを、具体的に指摘せよと言うのか。被告の方に釈明を求める。

 「民事訴訟であるのか、行政訴訟であるのか」という言い掛かりについては、明治時代の言葉、三百代言を想記する。被告代理人ら、法学部出身の高級官僚による驕り高ぶった暇つぶしの罵詈雑言でしかない。本件は、東京地方裁判所の民事事件の受付で受理され、民事17部に係属しているのであるから、原告は当然、民事訴訟と考えている。もしも、被告が、このような釈明を求めるのであれば、それは、裁判所に対して行うべきである。

 「いかなる法的権利に基づくものかを明らかにされたい」という求釈明も、同様に、暇つぶしの罵詈雑言でしかない。原告は、訴状において、被告の行為は、「原告の平和的生存権および納税者基本権を侵し、日本国民である原告に、計りがたい屈辱と苦悩を与えた」と主張しており、さらには、「他の誰よりも強く、原告の人格に対する破壊行為」であると強調しているのである。最近の法律用語としては、「人格権」の主張である。

 被告が、これでも原告の提訴の権利を疑うのであれば、小学校に入り直して、日本国憲法を、学び直すのが至当である。本準備書面では、以下の条文のみを示す。

日本国憲法 第11条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

 以上。


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