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『亜空間通信』634号(2003/07/26)
【戦争を煽る巨悪メディアの典型マードックがケリー事件でBBC・ガーデイアンと衝突】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
私は、一昨日(2003/07/26)、以下のガーデイアン最新記事を紹介した。
---------- 引用ここから ----------
ケリーBBC騒動ガーデイアン最新:ブレアと、保守党と労働党が入り乱れる権力闘争の趣。録画は史上空前の「ネタ」
http://www.asyura.com/0306/war37/msg/433.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 7 月 24 日 13:10:23:
ケリーBBC騒動ガーデイアン最新:ブレアとマードック、保守党と労働党が入り乱れる権力闘争の趣なり。
調査委員会に提出される予定の問題の録画は、これまた史上空前の「ネタ」となる。
http://media.guardian.co.uk/iraqandthemedia/story/0,12823,1004722,00.html
This BBC row is not about sources - it is about power
Downing Street and Rupert Murdoch want revenge on the corporation
Jackie Ashley
Thursday July 24, 2003
The Guardian
What a difference a day makes. The daily skirmishes between the government and BBC have seen both sides at various points claiming victory. On Sunday, when the BBC confirmed Dr David Kelly had been "the source" for its claims about the mishandling of intelligence information, the government was bullish. Now, following reports that the Newsnight's Susan Watts has a tape recording of her conversation with Dr Kelly, ministers are sounding less confident.
[後略]
---------- 引用ここまで ----------
上記のごとく、私は、この状況を、「ブレアとマードック、保守党と労働党が入り乱れる権力闘争」と要約紹介したのであるが、背景には、日本の場合と同様の大手メディアの醜い権力癒着、熾烈な販売競争が控えているのである。
読者は、もしも真相を知りたいのであれば、歪んだ曇りガラスを通して、背後の事実を見抜く能力を、磨き上げなければならないのである。
イギリスにおけるケリー事件の報道の今後の成り行きは、BBCをはさんで、まさに、「保守党と労働党が入り乱れる権力闘争」の様相を、ますます露呈するであろう。この関係は、捻れているのである。
そこで以下、今後の情報紹介の際の背景事情の説明として、イギリスの大手メディア、マードック、ひいてはアメリカの大手メディアに関する材料を簡略に紹介して置く。
1)・・・・・・・・・・
---------- 引用ここから ----------
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/HO09.HTML
森田浩之のロンドン通信
[中略]
五大紙は、タイムズ、デイリー・テレグラフ、ガーディアン、インディペンデント、フィナンシャル・タイムズである。最初の二紙は右派であるが、最近タイムズの親会社の会長、メディア王ルパート・マードック氏とニュー・レイバーの仲が良いことと、マードック氏の商業第一主義の戦略によって、ポリシーに関してはあいまいになっている。ガーディアンは古い労働党系。インディペンデントは 売り上げの伸び悩みのためこの二年間で三人も編集長が交代した。4月に 就任した新編集長は、それまでの編集長よりは、オールド・レイバー寄りだそうである。フィナンシャル・タイムズ(FT)は言わずと知れた権威ある経済紙である。
[後略]
---------- 引用ここまで ----------
2)・・・・・・・・・・
---------- 引用ここから ----------
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/-/books/4163540903/contents/ref%3Dcm%5Ftoc%5Fmore/t/249-6919051-3437148
[中略]
マードック―世界のメディアを支配する男
ウィリアム ショークロス (著), William Shawcross (原著), 仙名 紀 (翻訳)
価格: ¥2,667
[中略]
目次第1部 帝国の基礎づくり(イエロー・ジャーナリストの出現)
第2部 戦闘開始(終生のライバルとの出会い
ニューヨークに戦闘司令部
ロンドン「タイムズ」を奪取 ほか)
第3部 情報化時代の到来(映画会社とテレビ局を手中に
新聞近代化のための大ナタ
「TVガイド」の買収 ほか)
第4部 地球村に君臨する(負債増が招いた初の倒産危機
立て直しに全力投球
世界のメディアをこの手に)
日本語版への追加章 日本市場への殴り込み作戦
[後略]
---------- 引用ここまで ----------
3)・・・・・・・・・・
---------- 引用ここから ----------
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822242706/ref%3Ded%5Fxblurb%5Fb%5F4%5F0/t/249-6919051-3437148
[中略]
新聞ジャーナリズム
ピート ハミル (著), Pete Hamill (原著), 武田 徹 (翻訳)価格: ¥1,600
[中略]
レビューAmazon.co.jp
「アメリカのジャーナリズムは莫大な時間とエネルギーをかけ、多くの紙面スペースを割いて、馬鹿げたニュースばかりを報じてきた」。著者によれば、アメリカの新聞ジャーナリズムは、政治スキャンダルや芸能人のゴシップに狂奔するテレビメディアに追随して、ジャーナリズムの本道を見失っているという。原題は『News is a verb(ニュースは動詞である)』。ニュースは「動き」を伝えることであるのに、「クリントンが…」「ダイアナ妃が…」のように「名詞」だけを追いかけ、「政治問題を報じるときも、理解に苦しむほど個人攻撃を繰り返し」てきた。日本のマスメディアのことかと思ってしまうが、著者が嘆いているのは、今の米ジャーナリズムである。
著者はニューヨークのタブロイド紙「ニューヨーク・ポスト」の編集記者を振り出しに40年間、新聞ジャーナリズムの軋轢(あつれき)と葛藤を体験してきた職能的新聞人。山田洋次監督の映画『幸せの黄色いハンカチ』の原作者と聞けば、「ああ、あのピート・ハミルか」という人も多いだろう。
ところが、「ニューヨーク・ポスト」の名物編集長ハミルも、新しい「発行人」と衝突して解雇されてしまう。経営危機の同紙を買収して乗り込んできた経営者エイブ・ハーシュフェルドは、ニューヨークの不動産開発業者だった。彼は現在、自分のビジネス・パートナーを消すために殺し屋を雇おうとした罪で服役中である。こういう男にまことのジャーナリストが排除されてしまう。これがハミルのいうアメリカの新聞ビジネスの実態である。
アメリカに限らず、英語圏諸国の新聞界は、大はオーストラリアのマードックやイギリスのマックスウェル(故人)のような、新聞ビジネスを巨大コングロマリットの先兵と考える企業家から、小はニューヨークの投資家、不動産業者のような非新聞人たちのお狩り場になっている。「彼らはたまには高い志を持つ場合がある。しかし、多くの場合、傲慢さや無知、あるいはその両方によって、その志は実現されるに至らない」。
かくて、いよいよ新聞ジャーナリズムは「クリントン」「ルインスキー」「ダイアナ妃」といった固有名詞に大衆をかりたてる、低俗なメディアに成り下がっていく。ひるがえって、日本のジャーナリズムのことを考えさせられる本である。(伊藤延司)
翻訳者からのコメント
翻訳者 武田 徹
わたくし、武田徹は、このたび日経BP社より、ピート・ハミル著「新聞ジャーナリズム」を翻訳いたしました。
この本は、ピートハミルの「新聞」への想いの産物です。ニューヨークを拠点に小説家やコラムニストとして活躍し、日本では映画『幸せの黄色いハンカチ』の原作者として知られ、ファンの多いハミルですが、本職は40年間ニューヨークのタブロイド紙を中心に働きつづけた 筋金入りのベテラン新聞マン、でした。
タブロイド紙業界は、90年代、メディア産業の構造改革の洗礼を受けます。ハミルが編集長を務めていたニューヨーク・ポストもメディア王マードックが買収。マードックは売らんかなのゴシップ中心の報道体制を貫こうとして、ハミルと激しく対立します。ハミルは古巣の同紙を出て、数年後、ライバルのニューヨークデイリーニューズの編集長となるのですが、そこでもまたオーナーにゴシップ報道主体の紙面作りを強要されます。「古き良きタブロイド紙の伝統――あくまでも生活に根ざした大衆的な目線で、社会問題を深く抉る」を守ろうとしたハミルは、経営者との間で壮烈な争いを繰り広げますが、結局、この新聞の編集現場からも去らねばなりませんでした。
そんなハミルが「理想の新聞とはなにか」を語ったのが本書です。地域に根ざし、移民社会とも近いアメリカのタブロイド紙の世界は、メディア関係者も含め、日本の読者には未知の部分が多いでしょう。その意味でも一読の価値があると思います。本書でハミルが展開する、ジャーナリズムとビジネスをいかに両立させるかという視点(この視点に真剣に取り組んだこと自体、勇気のあることだと感心します。建て前と本音の乖離があって、みな口にするのを避けがちなテーマなので――)から、新聞広告や新聞漫画の在り方などについてまで論じる姿勢には、他のジャーナリズム論にはない幅広さがあります。
そして日本語版だけの特徴として、新たな序文「9.11米国テロは、ジャーナリズムをどう変えたか」が書き下ろされています。原書が1998年執筆であったため、あの「2001.9.11米国テロ」とその後のアメリカにおけるジャーナリズムの混迷ぶり、偏向ぶりについて、ストレートな感想と、9.11以後のジャーナリズムがどうあるべきか について、ハミルに改めて加筆してもらいました。アメリカではニューヨークの「ローカルレジェンド」とまで呼ばれ、世界一の摩天楼がそびえる都市に根差し、あらゆる国からそこに集ってきた人々の暮らしの息吹を伝え続けたジャーナリストとして、伝説的な存在とさえなっているピート・ハミルが、日本語で9.11テロについて語るのはおそらくこれが初めてです。その点でも貴重な文章だと思っています。
さらに豊富に付け加えた訳註にもぜひお目を通して頂きたいものです。アメリカの新聞業界、とりわけタブロイド紙の過去と現在についてここまで網羅的にフォローした訳註はおそらく前例がないのではないかと自負しています。
既に新聞業界、メディア業界に関わっているひとや、これからそこで働こうと考えているひとはもちろん、新聞というメディアに日々接している全てのひとに広く読んでいただき、新聞について改めて考えていただきたい、??生涯現役新聞記者?<sートハミルの入魂の一作です。
[中略]
目次第1章 ビジネスとジャーナリズムは両立するか
第2章 ようこそ、ソカロへ
第3章 女性が新聞を変える
アラブ人に告げよ(そして、韓国人にも、ロシア人にも、スペイン人にも…)
NEWS IS A VERB「動詞型報道」宣言
祖国を愛し、正義をも愛することができれば
[後略]
---------- 引用ここまで ----------
以上。