『亜空間通信』623号(2003/07/06) 阿修羅投稿を再録

イラク「戦争」は何だったかの現状の象徴は7/4独立記念日19名死傷の米日報道比較

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『亜空間通信』623号(2003/07/06)
【イラク「戦争」は何だったかの現状の象徴は7/4独立記念日19名死傷の米日報道比較

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 今回の通信は、勝手ながら、電網宝庫『憎まれ愚痴』ヒット数11万突破記念号とする。

 発足当初から、「字ばっかり」と言われ、糞字字(爺)で悪かったな、この糞餓鬼奴、などと言い返したりして、その後も、難解、構成が複雑で探索し難い、などと何回も言われながらも、そこは、憚りながら、扱う問題が難しいのだから、または、「憎まれ愚痴」の主旨として、難しい問題しか扱う気がないのだから、しかも、無料の情報提供ゆえ、「辛抱せい!」と居直ってきた。

 それでもなお、1991年の湾岸戦争以来の中東問題などの蓄積が物を言い、2001年の911事件直後には、ヒット数が爆発的に激増、それまでの100以下が、いきなり1日500を超えたりして、翌年の2002年からは少し沈静したものの、今もほぼ連日、正面玄関からの訪問者が、100を超えている。

 ところが、「忙中閑あり」どころか、ますます忙しくなり、別途、『イラク「戦争」は何だったのか』の執筆、発行を、断固宣言して以後も、なかなか作業が捗らない。理由は非常に簡単で、わが預言通りのイラクの現地でのゲリラ戦の激発と、これまた、わが政策に基づく日本国内での「イラク新法」制定議論の沸騰状況である。

 この間、イラクの現地情勢を易しく解説する時間も取れなかった。未曾有の情報洪水を捌く作業は、当然、未曾有の努力を必要とする。急ぎの重要情報は、阿修羅戦争掲示板に投稿して、それで一応、「気が済む」ことにしてきた。たとえば、以下である。

----- 引用ここから ------------------------------
先にイラク・ゲリラ7月一斉蜂起説を伝えたワシントン・タイムズが7月17日のバース党革命記念日と具体化報道
http://www.asyura.com/0306/war35/msg/1055.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 6 月 24 日 00:33:20:

先にイラク・ゲリラ7月一斉蜂起説を伝えたワシントン・タイムズが7月17日のバース党革命記念日と具体化報道

バース党とジハド関係の連携も見ている。

http://dynamic.washtimes.com/print_story.cfm?StoryID=20030623-122738-6832r

The Washington Times
www.washingtontimes.com

Saddam backers plot Baghdad hit
By Paul Martin
Published June 23, 2003
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 上記の投稿の日付は、電子記録により、明らかである。「6 月 24 日」、つまり、本日(2003/07/06)より、9日前である。私は、長期的な展望に関しても、911事件からイラク「戦争」[注]に向かう時期に、「ヴェトナム化」を預言したが、その通りになった。上記の「7月一斉蜂起説」から「7月17日のバース党革命記念日」に至る短期的な状況の情報選択も、不気味に当たっていた。

 阿修羅戦争36掲示板には、本日(2003/07/06)、以下の「中東通」らしき「中東コンフィデンシャル」情報が投稿されたので、私は、上記の「再録」のフォローをして置いた。

----- 引用ここから ------------------------------
なにっ「7月17日という日が問題だっ」何なんだその日はっ(`_´)
http://www.asyura.com/0306/war36/msg/581.html
投稿者 YM 日時 2003 年 7 月 06 日 12:53:37:gOTvopzJQci7w

中東コンフィデンシャルより
http://www.tkfd.or.jp/news/meast/1_20030624_3.shtml

7月17日という日  2003年06月19日

 中東では7月17日が新たな動きの始まる日になろう、という予測が広がっている。

 7月17日はサッダーム・フセインがイラク・バアス党のトップに上り詰めた記念日だということだが、この記念日にサッダーム・フセインはアメリカ占領軍に対し反撃を開始するというのだ。

 実際、彼が汎アラブ紙のアルコドスに送りつけたサイン入りの書簡では、この日からイラクを占領する外国軍に対する反抗を開始すると宣言している。従ってイラク側の反抗を恐れる者は、この日までにイラクを立ち去れというのだ。

 サッダーム・フセインの生死については種々説があるが、どうも生きているというのが本当のようだ。……

 彼が逃亡にあたり持ち出した資金は小額ではあるまい。イランの支援を受けるハキームや、アメリカ国防相の支援を受けるチャラビよりも、あるいはサッダーム・フセインのほうが資金的に潤沢なのかもしれない。 そう私が考えるように、イラクの軍人や国民が考えてもおかしくは無い。これから先、イラクはますます暑い時期を迎えるが、そのなかからは今までとは全く違う情況がイラクで展開されるかもしれない。

フォローアップ:
* ↑再録:先にイラク・ゲリラ7月一斉蜂起説を伝えたワシントン・タイムズが7月17日のバース党革命記念日と具体化報道 木村愛二 2003/7/06 13:45:22 (0)
----- 引用ここまで ------------------------------

 この間、いかにも象徴的な事態として、まさに偶々であるが、7月4日のアメリカ独立記念日の前日、7月3日と当日に、連続して、米有力紙、ワシントンポストに、ブッシュ大統領の「集結宣言」以後、最大規模の米軍への攻撃が続き、それを受けてアメリカ国内の世論が揺れに揺れる状況が、かなり詳しく報道された。

 他にも英紙、仏紙報道など、独立系、イスラム関係は言うに及ばず、捌き切れないほどの同主旨の報道例がある。

 ところが、これまた象徴的なことには、日本国内の大手メディアの報道状況を概観すると、私が常々、「アメリカの大手メディアよりもアメリカ寄り」と批判する対米従属の従軍報道が、相も変わらず続いているのである。

 これはまさに、わが湾岸戦争以来の用語、「報道ギャップ」の実態として、些細な比較検討に値する状況である。しかし、今は、その時間がまったく取れないので、典型的な事例のみを選んで論ずる。

 7月4日、アメリカの独立記念日のイラクでの「戦闘状況」について、我が家の唯一の宅配紙、日経(2003.07.05)朝刊では、本文はたったの22行、見出し3行の典型的ベタ記事で、以下のよう報じたのである。

見出し1段3行「襲撃のイラク人/11人を米軍殺害/バグダッド北方」

【テヘラン=岐部秀光】AP通信などによるとバグダッド北方のバラド近くの高速道路で4日、複数の武装したイラク人が米軍の車両を襲撃、反撃した米軍が11人を殺害した。

 これに先立ちバラド近くにある前線基地周辺で3日夜、米軍が何者かによる砲撃を受け10人以上の米兵が負傷した。イラク駐留の米軍当局が4日、発表した。複数の砲弾による爆発音が聞かれたという。

 また首都西部では米軍車両がこれとは別の襲撃を受け、乗車していた米兵1人が銃弾に当たって死亡した」

 他紙も似たような報道状況であった。これはまさに、「当方の損害軽微」の大本営発表の典型である。相手を殺した数字だけが、見出しになっているのである。
  
 以上の日経記事と、すでに」予告した「ワシントンポスト」の記事、「7月4日のアメリカ独立記念日の前日、7月3日と当日に、連続して」報じられたイラクでの「ゲリラ攻撃」のアメリカ人による報告を、比べて頂きたい。長文なので、英文は冒頭だけとするが、全文はURLをクリックして訪問できる。

1)・・・・・・・・・・
----- 引用ここから ------------------------------
ワシントンポスト:イラクでの攻撃は大胆さを増す(表紙の見出し)10名負傷(記事の見出し)
http://www.asyura.com/0306/war36/msg/520.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 7 月 04 日 21:00:10:

ワシントンポスト:イラクでの攻撃は大胆さを増す(表紙の見出し)10名負傷(記事の見出し)

サンチェス准将:一日平均13、45日で総合計585回。
(an average of 13 attacks have been launched each day against occupation forces during the past 45 days, totaling roughly 585)

http://www.washingtonpost.com/
Iraqi Attacks Grow Bolder
Two explosions injuring 10 Americans show more coordination.

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A7067-2003Jul3.html?nav=hptop_tb
washingtonpost.com

Iraqi Strikes Injure 10 U.S. Troops
Reward Offered For Hussein Tips
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------


2)・・・・・・・・・・
ワシントンポスト-AP:7/4米独立記念日「戦争終結後最大攻撃」米兵帰国願望など多彩。
http://www.asyura.com/0306/war36/msg/537.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 7 月 05 日 10:46:21:

ワシントンポスト-AP:7/4米独立記念日「戦争終結後最大攻撃」米兵帰国願望など多彩。

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A7792-2003Jul4.html?nav=hptop_tb

washingtonpost.com

U.S. Soldier Killed, 18 Hurt in Two Attacks in Iraq
11 Iraqis Killed in Later Battle as Purported Hussein Audio Tape Surfaces

By Jamie Tarabay
Associated Press Writer
Friday, July 4, 2003; 10:30 AM
後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 この2番目のワシントンポスト記事の見出しの順序は、「米兵(1名)が死に、18名負傷」の方が先で、「11名のイラク人殺害」の方が後になっている。ところが、日本の大手死、(おや、一発変化で「死」になってしまったが、この使い古しのパソコンの方が、私自身よりも文字感覚が優れているらしい、「大手紙」のことであった)朝日新聞は、以下のように報じていたのである。

----- 引用ここから ------------------------------ 
駐留米軍への攻撃続く、1人死亡 イラク側に死者11人  [朝日新聞]
http://www.asyura.com/0306/war36/msg/535.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 7 月 04 日 23:59:34:

 米中央軍は4日、バグダッド中心部のイラク国立博物館を警備していた米陸軍第1機甲師団の兵士1人が3日午後8時半ごろ、何者かに撃たれて死亡したと発表した。当時、この米兵は装甲車に乗っていたという。同博物館は旧フセイン政権崩壊後に略奪にあって閉館したままだったが、3日午前、約3カ月ぶりに一部の収蔵品を報道関係者らに公開していた。

 また、中央軍によると、バグダッドの北約90キロのバラド近郊でも3日午後10時ごろ、米陸軍第4歩兵師団の拠点が迫撃砲による攻撃を受け、米兵16人が負傷。さらに、翌4日にもバラド近郊で巡回中の米軍車両がロケット砲などによる攻撃を受けた。米軍側は応戦し、AFP通信によると、イラク人11人が死亡した。

 一方、バグダッドの北東約50キロのバクバでは3日、米軍とNGO(非政府組織)などが人道支援目的で運営する「軍民共同運用センター(CMOC)」の近くで、イラク人1人が爆発物を仕掛けようとしていた際に起爆して死亡した。近くにいた別のイラク人3人も負傷した。 (07/04 23:23)

http://www.asahi.com/international/update/0704/009.html
----- 引用ここまで ------------------------------

 私は、早速、以下のフォローをした。

----- 引用ここから ------------------------------ 
↑米軍死傷者19名と報道すべきである。Re: 米軍1人死亡[朝日新聞]
http://www.asyura.com/0306/war36/msg/538.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 7 月 05 日 10:54:19:

(回答先: 駐留米軍への攻撃続く、1人死亡 イラク側に死者11人  [朝日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 7 月 04 日 23:59:34)

↑米軍死傷者19名と報道すべきである。

washingtonpost.com

U.S. Soldier Killed, 18 Hurt in Two Attacks in Iraq

軍事的には、負傷者も戦力低下である。激戦の際には、負傷者を後方に運ぶから、その方が戦力低下が甚だしくなる。

要するに、「わが方の損害軽微」大本営発表の癖が抜けない対米従属亡国植民地根性の御用報道なのである。
----- 引用ここまで ------------------------------

 この件では、共同通信の配信記事の見出しも、似たようなものだったが、実に痛快なことには、これに対して、以下の「AFP」の報道例が、同じ阿修羅戦争36掲示板にフォローとして投稿された。

----- 引用ここから ------------------------------
イラク:首都北方で迫撃砲攻撃、米兵士少なくとも19人負傷-AFP [ブルームバーグ]
http://www.asyura.com/0306/war36/msg/524.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 7 月 04 日 21:18:35:

(回答先: 米兵1人死亡、10人負傷 イラク (共同通信) 投稿者 力なき市民 日時 2003 年 7 月 04 日 19:07:11)

7月4日(ブルームバーグ):フランス通信(AFP)は4日、米軍スポークスマンの話として、イラクの首都バグダッド北方のバラド近郊で、迫撃砲攻撃によって米兵士少なくとも19人が負傷したと伝えた。

スポークスマンのロレンテ氏はAFPに対し、「米軍基地内またはその近くで、迫撃砲の攻撃を受けた」とし、「最初の報告によると、米兵士19人が負傷した」と述べた。負傷した兵士の状態は分からないという。

ここ数週間、イラクに駐留している合同軍に対する攻撃が増えている。AFPが先に米軍スポークスマン、ギブソン少佐の話として伝えたところでは、バグダッドで3日夜、米兵士1人が射殺された。

(AFPのウェブサイト http://www.afp.com )[木村愛二注:これは日替わりで違う記事が出る]

シドニー Nick Wells 東京 山口 裕子 Yuko Yamaguchi

Last Updated: July 4, 2003 02:30 EDT

http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=aJtw_i1ODRnc&refer=top_kaigai
----- 引用ここまで ------------------------------

「地獄に仏」と言うが、この「おフランス」通信社は、「米軍スポークスマンの話として」、「米兵士少なくとも19人が負傷したと伝え」ているのである。

「負傷者」(casualties)の総数が先で、その内訳が、「死者」「重傷者」「軽傷者」となるのである。戦争は、厳密な命懸けの「実務」なのである。好い加減な報道でも読者を騙せるメディアの商売とは、大違いなのである。

 はいっ、勝負あった。「日経、朝日」、串刺しの撫で切り、「憎まれ愚痴」の「勝ち!

 以上。


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