『亜空間通信』621号(2003/07/01) 阿修羅投稿を再録

イラク支援活動を続けるJVCのニュースが届きカンプチア以来の現地入り覚悟で対応

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『亜空間通信』621号(2003/07/01)
【イラク支援活動を続けるJVCのニュースが届きカンプチア以来の現地入り覚悟で対応】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 昨日、わが家に、日本国際ボランティアセンター(JVC)から大型封筒が届いた。JVCとは、1993年のカンプチアPKO出兵問題以来の付き合いである。最新のニュースが入っていた。

 私は、昨年の夏、JVCの事務所の会議室で開かれた非戦ネットの(内輪の)イラク問題勉強会の講師を頼まれた。JVCは非戦ネットの事務局を勤めている。

 その時、私は、2時間の講演の冒頭に、「ホロコーストの大嘘」暴露以来の「長(なが)の草鞋」(凶状持ちのやくざが旅に出て、ほとぼりをさますこと)の経過を語り、未来の惑星を舞台とするSFを題材にして、「重大な事態になると過去の事実を知るために冷凍保存の重大政治犯から話を聞く」こともあると、冗談交じりに、イラク、中東問題を巡る状況を話した。その話の中には、いわゆる平和運動のあり方に関する意見も交えた。

 この昨年の非戦ネット勉強会が「内輪」となったのは、その年、2002年の秋の集会の準備会議で、私を講師に推薦するイラク救援運動のメンバーの意見に対して、非戦ネットに参加している「ユーゴネット」のメンバーの一人が、「木村さんでは運動が広げられない」と称して反対したからであった。しかし、カンプチアPKO出兵問題以来の付き合いの付き合いのJVCの事務局メンバーが、「内輪の勉強会なら良いのではないか」と取りなして、私を招き、一応の「お布施」も用意したのであった。

 私は、今、66歳、防衛大学校3期生(ただし中退)の経歴を生かし、「大先輩の俺が、付き添って行って、民間外交してやるから、ともかく行け!」と、「命令」(これが出来る奴は今の日本にはいない)している。

 行く際には、アラブの友人からも紹介状を貰ったり、できるだけの準備をするが、JVCの旧友たちが、早くから現地入りしているのを知っているから、カンプチアへ行った時と同様に、まずは彼らと連絡を取る積もりである。

 上記のニュースの記事は、まだ入っていないが、JVCの活動状況は、以下で分かる。

----- 引用ここから ------------------------------
http://www1.jca.apc.org/jvc/jp/projects/middleeast/index.html
イラク・ヨルダンの活動
2003/1/9掲載

イラク・ヨルダン活動概要

イラク、ヨルダンの活動の背景・目的・変遷は。

現地からの報告

現地で活動しているJVCメンバーから送られてくる、活動の報告や日記などです。
* イラク・ヨルダン現地情報

アンマン在住の吉野看護師と、中東担当の佐藤が、現地(イラクおよびヨルダン)からの情報をお伝えします。

過去の活動

イラクで行われてきた過去の活動をまとめてあります。

イラク基礎データ

イラクの一般情報です。

http://www.jca.apc.org/~kikuf/jvcphp/jvcphp_epdisp.php?ThreadName=m01&ArticleNo=32
イラク・ヨルダン現地情報 No.32
2003/6/12掲載
看護師: 吉野都

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イラク難民、妊産婦支援活動

2003/6/11

今年の4月からJVCは、ヨルダンのNGOであるカリタス・ヨルダンと協力してヨルダン在住のイラク人妊産婦支援を行っています。
そもそもJVCはイラクの将来を担う新しい命を守ろうと、今年の初めからバクダッドの産科病院の設備改善を行ってきました。今回の戦争で大きな被害を受けたこの病院ですが、現地のスタッフたちの手により、何とか病院は再開し、毎日新しい命が産まれています。

■バクダッドの病院再建にがんばるスタッフと産まれた赤ちゃん

一方で、1991年の湾岸戦争時によりよい生活を求めヨルダンに流入したイラク人の本国への帰還はまだまだ時間がかかりそうです。特に、ヨルダン在住のイラク人妊産婦は、従来から抱える生活上の貧困問題と、故郷の紛争・混乱を懸念する強い不安から、身体的にも精神的にも強いストレス下でのお産を余儀なくされています。次世代のイラクのためにも、彼女たちが安心してヨルダンでお産が出来るような支援が必要です。しかし、彼女たちを支える社会的な支援体制は、整っていません。
このような状況を憂慮して、JVCはカリタス・ヨルダンと協力して、お産費用の一部支援、カウンセリングをかねた妊産婦家庭訪問を行い、妊産婦支援に努めています。

アンマンに住むイラク人のライダ(仮名・33歳)は、米英のイラク攻撃の最中、妊娠後期でした。
「その頃は、毎日テレビを見て涙を流していた。」
と言っています。
両親がバクダッドに住んでいるとのことで、気が気でなかったのでしょう。その後、両親はバクダッドからドホークに避難したことをアメリカにいる兄弟から聞いた、ということでした。

そのようなつらい時期を乗り越え、ライダは4月23日に元気な女の子を産みました。お産前にカリタスのケースワーカーの家庭訪問を受けて
「いろいろ話せて、気持ちが楽になった。」
と言っていました。

同じくアンマンに住むイラク人のファミ(仮名・32歳)は、5月末に妊娠3ヶ月で流産してしまいました。
「7歳になる息子が兄弟・姉妹ができるのを楽しみにしていたのに…」
とお父さんは、私たちスタッフの前で男泣きしました。

医学的に、妊産婦は妊娠中に受ける精神的・身体的ショックやストレスを、正直に体で示す、と言われています。ファミがイラク戦争中にどのような思いでいたのか、身体的サポートのみならず、心理的なサポートも含めて彼女に寄り添っていくことが必要です。

アンマンに暮らすイラク人妊産婦の思いから、この戦争は何だったのか、どれだけ多くの人々の涙が流れたのか、と改めて考えさせられています。
----- 引用ここまで ------------------------------

 昨日届いた最新のニュースには、現地の調査活動に参加した作曲家、三枝成彰の挨拶が、以下のように、収められている。

 「がんばってください」三枝成彰

 日本の国がもたもしているあいだに、どんどん出かけて行き、市民の視点でサッサと働くJVCの姿を頼もしく思います。これからもJVCの活動には注目していきたいと思います。がんばってください。応援しています。

 さて、ここからが議論になるところだが、いわゆる自衛隊の現地派遣を巡り、国会審議も続いている。以下の英文情報は、昨日、アメリカ人から送られてきたのものだが、インド経由フランスの通信社発である。

 ともあれ、米軍の弾薬運びや、大量破壊兵器探しはしないことになっている。私は、自衛隊が行く場合には、「付き添って」行って、現地との調整に当たる予定である。あとは、久しぶりに思いっきり日焼けして、そこは有色人種同士、現地で、イラク人との民間外交を展開し、すでに「雪隠詰め」状態の米英軍、その内でも特に日光に弱い白人が、撤退するのを、見送るまでのことである。この軍事・政治・地理・歴史の条件の力学を読み切ることが、肝心である。

----- 引用ここから ------------------------------
http://www.hindustantimes.com/news/181_294131,00050004.htm
Japan to send troops to Iraq: Report
Agence France-Presse
Tokyo, June 30

Japan plans to send more than 1,000 troops to Iraq to help rebuild the war-torn country under new legislation expected to pass by late July, a report said on Monday.

As a first step, some 500 ground self-defence force troops, the core of the Japanese mission, are likely to be deployed starting in early October, the Tokyo newspaper said.

The troops are expected to supply fuel and water to US forces and citizens in Baghdad, the daily said, citing a defence agency outline on reconstruction efforts in Iraq.

Japanese and US officials plan to discuss the details based on the outline in a meeting on Monday, the report said.

The air self-defence force will send three C-130 transport planes while the maritime self-defence force will deploy an amphibious ship and a destroyer, according to the paper.

In all, the number of Japanese SDF personnel is likely to top 1,000, the newspaper said.

A defence agency spokesman declined to confirm the report.

"We cannot comment as the issue has been under deliberation in the diet," the spokesman said.

Japan's parliament has debated a bill that would authorise the dispatch of troops to Iraq to help reconstruction efforts but limit their activities to humanitarian and reconstruction assistance in "no-combat areas".

Prime Minister Junichiro Koizumi's Liberal Democratic Party gave the green light for a draft bill after deleting a provision that Japanese troops would be involved in disposing of abandoned weapons of mass destruction (WMD).
----- 引用ここまで ------------------------------

 もちろん、自衛隊派遣には、反対の声も、かなりある。以下の記事は、外国でも同様である。上記の「インド」情報の裏側の事情である。

----- 引用ここから ------------------------------
印パ:イラクへの派兵で混迷 反対の世論強く [毎日新聞]
http://www.asyura.com/0306/war36/msg/380.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 30 日 23:09:25:

【イスラマバード西尾英之】インドとパキスタン両国が、イラクへの派兵をめぐって揺れている。それぞれ派遣に応じることで米国への協力姿勢をアピールしたい考えだが、国内にイラク攻撃自体の正当性を疑問視する見方が根強く、派兵反対の世論を抱える。米国が派兵という「踏み絵」で同国への貢献を迫るなか、自衛隊のイラク派遣に揺れる日本とも似た構図になっている。

◆パキスタン

 今月24日、ブッシュ大統領との会談で総額30億ドルの経済支援を約束されたムシャラフ・パキスタン大統領は、その直後にに「国連主導のもとで」との条件付きながら、同国兵士約1万人をイラクに派遣する用意があることを表明した。

 米国にとってイスラム教国のパキスタンの部隊派遣は、イラク攻撃がイスラム社会を敵にしたものではなく、イスラム教国を含む幅広い支持を得ているとの証しになる。さらに同じイスラム教徒のパキスタン兵なら住民との関係も改善できるとの思惑もあり、パキスタンの派兵を重要視しているとされる。

 だがパキスタン国民の間では、米国のイラク攻撃を「イスラムへの攻撃」とみなす反米世論が圧倒的だ。イスラム教系野党は「派兵は米国の傭兵になることに等しい」などとするコメントを発表。英字紙「ニューズ」も「独立国家に対する武力侵攻の片棒をかつぐことになる」と、正当性に疑問を呈した。

 ムシャラフ政権が派兵に応じれば住民の反米感情を刺激し、さらにイスラム原理主義勢力を勢い付かすのは確実だ。だが地元ジャーナリストの一人は「大統領の政治的後ろ盾は米国しかないのが実情。圧力が強まれば、国連決議がなくても派兵に踏み切る可能性もある」と指摘する。

◆インド

 インドはイラクに約1万7000人を派遣することを検討している。実現すれば1万4000人を派遣している英国を上回る規模になる。

 だが同国でも米軍によるイラク攻撃には反対世論が多数を占めた。英国の植民地支配を脱して独立した同国では、イラク攻撃を米英の新たな植民地主義の現れととらえる見方も根強い。24日には左派系のグジャラル、シン両元首相が「派兵はインドの名声に修復不能の傷を与える」との声明を発表した。

 任務の危険性を指摘する声もあり、フェルナンデス国防相が派兵に慎重とされるなど、この問題は政府内部にも亀裂をもたらしている。バジパイ首相は今月下旬の中国訪問後に派兵の是非を決断するものとみられたが、帰国後の28日に開いた安全保障に関する非公式閣僚会議でもこの問題に言及せず、結論を先送りした。

[毎日新聞6月30日] ( 2003-06-30-22:27 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030701k0000m030116000c.html
----- 引用ここまで ------------------------------

 日本国内でも、ほとんど消滅寸前の社会民主党と共産党の反対は無視するとしても、最大野党の民主党が反対に廻るとの観測が、しきりである。私は、こうした事情を承知の上で、自衛隊に「行け!」と言っているのである。天の時、地の利は、人の和にしかず。この三つの要素、天・地・人の組み合わせの状況を、歴史・地理の大所高所から俯瞰し、満身の気合いを籠めて、いわば難局の囲碁の要所、中東、イラクに、自らの命を一石として打ち込む覚悟なくして、「平和を語ることなかれ!」なのである。

 わが捨て身の平和の基本政策は、すでに以下に記してある。

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http://www.jca.apc.org/~altmedka/hibusou.html
平和のために血を流す覚悟
NGO(非政府組織)・熟年・非武装・無抵抗・平和行動隊結成

初出:『フリージャーナル』23号(1994.7.8)
一部改訂:1998.9.17.
追記:2001.10.18.
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 以上。


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