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『亜空間通信』1042号(2005/07/03)
【オコナー米国最高裁判事辞任がブッシュに衝撃でNYT大見出しの理由はバランス役の女史の位置か】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
昨日(2005/07/02)、阿修羅戦争掲示板に、以下の「米国最高裁判事オコナー女史の辞任」に関する投稿が出現した。
これは、後述するように、アメリカ人にとっては、大統領の辞任に匹敵する大事件なのである。
米国最高裁判事オコナー女史の辞任にあわてるブッシュ
http://www.asyura2.com/0505/war71/msg/703.html
投稿者 さすれば 日時 2005 年 7 月 02 日 14:20:18: reQxnNwQ2shuM今朝の米ABCテレビ(アメリカ東部時間昨夜)によれば、最高裁判事オコナー女史(75)の辞任がホワイトハウスに伝わった時、「ブッシュ大統領は非常に興奮した」という。直ちに女史を褒め称えるコメントを出した後、急いで後任判事候補の人選に取り掛かった。
オコナー判事は、2000年の大統領不正選挙が最高裁までもつれ込み、表決が割れた際、最後に票を投じてブッシュ政権誕生を決定付けた。ブッシュにとって恩人である。
ブッシュとそのお仲間にとって、最大の恐怖は911事件の公式見解が決定的に否定され、陰謀が暴かれ、国民に弾劾されることである。隠蔽する権力側と真実を追求する市民と、どちらが速くゴールインするか激しい競争が起こっているのが現状だ。すでに911関連の訴訟が複数件起されている。そこで行き着くところ最高裁の判断に委ねられる可能性がある。9人の判事の構成はブッシュにとってこの上なく大事なのである。
ブッシュが指名の対象としている候補は、今のところゴンザレス司法長官とか、父親がテキサスで殺されたマイケル・ルティグとか3,4人の名が挙がっているが、ABCによれば、みな保守派でテキサス出身者だという。ブッシュ知事時代の部下か、ブッシュ家の息のかかった人物に違いない。
その後、夕刻には、毎日手許に届くニューヨークタイムズ(NYT)のヘッドライン記事の紹介に、異例も異例、3つの関連記事が並んでいた。其れもそのはず、アメリカ人に取っては、オコナー女史(75)の突然の辞任は、冒頭に述べた通り、大統領の辞任に匹敵する大事件なのである。
以下、その3つの記事のURLと見出しだけを紹介する。興味のある方は、直接訪問されたい。
http://www.nytimes.com/2005/07/02/politics/politicsspecial1/02supreme.html?th&emc=th
July 2, 2005
O'Connor to Retire, Touching Off Battle Over Court
http://www.nytimes.com/2005/07/02/politics/politicsspecial1/02lobby.html?th&emc=th
July 2, 2005
After a Brief Shock, Advocates Quickly Mobilize
http://www.nytimes.com/2005/07/02/politics/politicsspecial1/02oconnor.html?th&emc=th
July 2, 2005
O'Connor Held Balance of Power
私は、労働争議で裁判を16年半もやったから、その間、司法関係の本を沢山読んだ。アメリカの最高裁に関しては、訳題『ブレザレン』(Brethren)を、訳書が出る前に原書で読み通した。
原著者は、ニクソン大統領を辞任に追い込んだボブ・ウッドワードとスコット・アームストロングのコンビである。
「事実は小説よりも奇なり」の面白さである。
立法、司法、行政の3権の位置付けは、日本人が思う以上に、英米では同格の重要性を持っている。最高裁の判事の任命には、議会の審査、承認が必要である。結果として、判事の構成は、議会、大統領府の政党のバランスを反映する。オコナー女史(75)は、その「バランス」、事実上は政権寄りの要の位置だったのである。
しかも、この辞任劇の根底に、「911関連の訴訟が複数件」潜んでいるとなると、これはますます、大事件なのである。
今後の動きを注視する。
以上。