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『亜空間通信』1021号(2005/06/05)
【ニューズウィーク誌コーラン冒涜記事取り消しの政治性を見抜けぬ日本の大新聞論説委員に憮然】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
昨日(2005/06/04)、日経の読者応答センターに電話した。5月2日の朝刊の「春秋」欄でのニューズウィーク誌のコーラン冒涜記事「取り消し」(カッコつき)の記載に異議を申し立てたのである。
最初に異議の主張を簡略に述べる。ニューズウィーク誌のコーラン冒涜記事取り消し問題は、世界中のイスラム教徒の憤激に慌てふためいた米政権の圧力に、屈した結果なのである。この事件の政治性を見抜けぬ日本の大新聞論説委員には、憮然とするしかない。
春秋欄の文脈としては、FBI副長官だったマーク・フェルトが、ニクソンを辞任に追い込んだ情報源、「ディープスロート」として、名乗りを上げた件と匿名報道の是非を論じたのである。
その部分だけを記すと、以下である。
「米軍がコーランをトイレに流した、という記事をニューズウィーク誌が誤報の指摘を受け取り消すなど、米国では匿名情報をもとにした報道を見直す動きがある」
以上の内、「誤報の指摘」が正しかったとも言えない。「匿名情報をもとにした報道を見直す動き」とあるのは、春秋の執筆者の論説委員の個人的見解にすぎない。そんな「動き」は、まったく伝えられていない。
むしろ、その後、つぎつぎに、ニューズウィーク誌の報道の的確さを裏付ける情報が増えている。
以下は、その最新の状況である。
米国防省がコーランへの冒涜を認める(IRIB)
http://www.asyura2.com/0505/war70/msg/1031.html
投稿者 田中大也 日時 2005 年 6 月 04 日 22:24:38: wfVksbjV/Swxo以下引用:
アメリカ国防総省は、キューバのグアンタナモ基地でアメリカ軍がイスラム教徒の聖典コーランを侮辱したことを認めました。
ロイター通信がワシントンから伝えたところによりますと、グアンタナモ基地を管轄するアメリカ南方軍司令本部は、声明の中で、初めて、アメリカ軍がコーランを侮辱したことを認めました。
アメリカ軍の調査結果によれば、同軍の兵士による5件のコーラン冒とくが明らかになっています。
このアメリカ軍によるイスラムの神聖に対する侮辱行為は、世界のイスラム教徒の怒りを掻き立てています。
引用ここまで URL
http://www.irib.ir/Worldservice/japaneseRADIO/news.sat.htm#3
『亜空間通信』631号(2003/07/21)
【BBC・ケリーvsワシントンポスト・エルズバーグ両博士の英米メディア報道歴史的勝負!】
[中略]
30年以上も前のアメリカのヴェトナム戦争で、メディア問題の焦点となった事件、略称、「エルズバーグ博士」事件を想い出すのは、メディア関係者にとっては、当然至極のことなのである。
ところが、どこにも、この事件に論究する記事が出てこない。呆れてしまったが、仕方なしに、自分が発表するしかないと、思い定めて、「エルズバーグ博士」で電網検索したら、実に簡単に、古巣の日本テレビの広報部時代の2年先輩、年齢では1年先輩の「隅井孝雄」現・京都学園大学人間文化学部「教授」が出てきたのである。
隅井孝雄は、私が民放労連の関東甲信越地方連合会の執行委員として放送問題を担当していた時期、民放労連の本部の方の執行委員として、やはり、放送問題を担当していた。
当然、その時期のメディアの最大の事件、「エルズバーグ博士」事件」に関する記憶を共有しているのである。
---------- 引用ここから ----------
http://homepage2.nifty.com/sumee/
~ 京都学園大学 人間文化学部 隅井研究室 ~
@隅井情報ステーション@
http://homepage2.nifty.com/sumee/america0223.htm
[中略]1. ニューヨークタイムス、ベトナム機密文書事件
1971年6月12日、日曜日
[中略]
ニューヨークタイムスとワシントンポストはニクソン政権からの強力な圧力と、掲載禁止の裁判所仮処分命令を受けながら抵抗。6月30日に両紙の併合審理で最高裁は政府が掲載をとめることは違憲であり、新聞が報道する自由を侵害出来ないとの画期的な判断を下した。
ニクソン政権の掲載禁止理由は次のようなものである
掲載された資料には合衆国の国防情報が含まれているとともに、同資料は極秘扱である。この情報の掲載は合衆国法典793節、スパイ防止法第18章の条項により禁じられている。国防上修復不可能な損害を招く。今後掲載せず、文書を国防省に返還するよう要請する。
これに対して最高裁判所は次のような判断を示した。
いかなる表現の自由もそれを事前に制限することは憲法に反する。制限を正当化する理由を政府は明示しなければならないが政府はその義務を果たしていない。
[後略]
エルズバーグ博士が自らの身命を賭した戦いの成果は、今も生きている。
今、世界中の言論関係者は、ニューズウィーク誌の擁護と、自らの報道の責任を問われているのである。これが分からない日本の大新聞論説委員には、憮然とするしかないのである。
以上。