去る5月26日、小平市の都市計画道路建設計画の見直しの是非を問う住民投票が行われた。都内で初めての条例に基づく住民投票であるとともに、都市計画道路については全国で初めての住民投票でもあり、大いに注目された。
結果は、投票率 35.17%(投票者総数:51,010人、投票資格者数:145,024人)で、成立要件の50%を超えることができず、開票作業は行われなかった。直接請求した市民グループは、投票結果について情報公開請求を行っており、今後の展開は予断を許さないが、「不成立」をもってこの住民投票をネガティブにとらえるのではなく、むしろまちづくりに係る住民参加や意思決定についてさまざまな問題提起がなされた取り組みであったと前向きに受け止めていきたい。
問題提起のいくつかを思いつくままに挙げてみれば、
- 住民投票における成立要件のあり方
- 決定以降長期にわたって未着工・未整備の都市計画事業の見直し方
- 東京都が事業主体である事業に係る市町村住民の意思の反映や参加のあり方
- 特定の地域を対象とした住民投票を実施する際の投票区域の設定の仕方、
といったことである。
さらに多くの論点があろうが、6月末発行の『とうきょうの自治』 No.89で、小平市議の橋下久雄さんにこの間の経過や今後の課題についてレポートしていただく予定である。取り組みの中心にいた方からの報告に期待し、さらに議論を深めていきたい 。 |