海外情報
(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2002年3〜4月号より
□無関係とした3つの疫学調査
2000年暮れから2001年始めにかけて「携帯電話と脳腫瘍の関係はないし、携帯電話は危険ではない」とする疫学調査が相次いで出された。米国のNCI(国立がん研究所)とAHF(米健康財団)の2つ(電磁波研会報・第9号19ペ−ジ)と、デンマ−クがん学会の1つである。
BEMS(生体電磁学会)は、毎年冬に「携帯電話とがんに関する疫学研究」のワ−クショップを開催するが、今年は2月8日に米国ワシントンDCで開かれた。
そこで、メリ−ランド州ポトマックにある研究調査会社「ランドムライン(Randomline)」に勤めるアラン・フレイ(Allan Frey)博士が3つの疫学調査を「携帯電話使用期間が短く、短期間曝露なのにがんリスクがないとしたもので、本来やるべき疫学調事査ではない」と厳しく批判した。
□デンマ−ク研究に対し方法論を批判
3つの疫学調査はそれぞれ権威ある団体が実施したものだが、携帯電話の使用期間はどれも短く、3年以上使用しているのは数%でほとんどが1年か2年という短期間使用であることは発表当時から批判されていた。
それに加え、フレイは方法論としてデンマ−クの調査は20万人の会社でのユ−ザ−が除外されていたことを批判した。この20万人は携帯電話を仕事で多く使うので、これを除外することは“リスクを薄める”結果となると指摘した。
□フレイの批判に反応さまざま
フレイは、クリストファ−・ニュ−マン事件(本会報の1ページ参照)を扱うピ−タ−・アンジェロス務所のコンサルタントをしている。
フレイの批判に対し怒って退場する人、沈黙する人、反論する人、と反応はさまざまである。