【ボリビア】緊急署名の要請
米国はボリビアへの介入をやめよ!


 ボリビア情勢が緊迫しています。ファシスト的右翼集団が棍棒、火炎瓶、小銃などで武装して、政府施設を襲撃し交通を遮断し、先住民や政府関係者、MASの代議員、社会運動活動家に襲いかかっています。
 8月10日のレファレンダムでモラレス大統領が67.4%の高率で信任されたことに危機感をもった米国と旧支配層オリガーキーが、反政府派知事の5州でファシスト的暴力を組織的に開始しました。暴力行為は8月10日の前から部分的に行なわれていましたが、レファレンダム後に米国大使を通じた米国の強力なテコ入れが行われて、反政府派の知事たちの支持と支援のもとに、9月9日から組織的に公然と行われはじめました。
 これに対して、「南米諸国連合UNASUR」の議長国チリが9月11日に緊急会議を招集し、全会一致でモラレス政権への支持と反政府派の暴力行為への厳しい批判の声明を発表しました。「アンデス共同体」、「メルコスル(南部共同市場)」なども同様の対応を行いました。
 世界の大手メディアが重大な事態をほとんど報道せずにいることは、非常に危険な状況です。ボリビアでのこの事態を全世界に知らせ、特に米国の介入への批判に焦点を当てた緊急署名が、9月14日に立ち上げられました。オーストラリアで反戦平和を中心に活動しラテンアメリカとの連帯活動を精力的に行なっている人々によるものです。その趣意文を翻訳しました。一人でも多くの人がこの署名に協力されるように呼びかけます。

<緊急署名のサイト>
http://www.gopetition.com/online/21871.html

※ なお、この要求署名の作成者スチュアート・ムンクトンと「ボリビア・ライジング」のサイトを主宰しているフェデリコ・フエンテスによる次の論説に、いっそう詳しい状況が書かれています。
「ボリビア:ファシスト右翼は「内乱」に乗り出している」フェデリコ・フエンテス&スチュアート・ムンクトン(「Green Left on line」http://www.greenleft.org.au/2008/767/39595

※ これまでの経緯については、「【ボリビア】8月10日のリコール・レファレンダム」(署名事務局)

2008年9月20日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局




[要求署名趣意文の翻訳]
ボリビアの民主主義を支持せよ――米国のラテンアメリカ介入を終わらせよ

2008.9.14 作成者:スチュアート・ムンクトン

説明 / 経緯
 ボリビアで、エボ・モラレス大統領の政府を不安定化させ、この政府が主導している平和的で民主的な変革過程を破壊することを目的として、「内乱(civil coup)」が始まった。選挙で選ばれたこの政府を転覆しようとする今回の企ては、公平で自由な投票の全国レファレンダムによってモラレスが67.4%で大統領として信任された直後に生じている。

ボリビアの民主主義を支持せよ――米国のラテンアメリカ介入を終わらせよ

 ファシスト的暴力が9月9日にはじまって、ボリビアの9つの州のうち5つの州で、これらの地域の反モラレスの当局者たちに支持・支援されて行なわれている。これには、棍棒や火炎瓶や小銃で武装した暴力集団が含まれており、国の施設を暴力的に乗っ取り、先住民や警察、兵士、MASの代議員、その他の社会運動活動家たちを襲っている。
 パンド州では、先住民農夫の残忍な虐殺の心をかき乱すニュースが報じられ、少なくとも15人が殺害されたと報じられた。それは、パンド州知事レオポルド・フェルナンデスによって指揮されたと言われている。
 ボリビアを不安定化させる今回の陰謀に協力・加担している米国政府の役割について、重大な証拠が提示された。この暴力が起こる直前に、ボリビア米国大使フィリップ・ゴールドバーグは、米国が反政府派の側に立って介入すべきだと公的に声明を行なったのである。
 また、今回の最新の暴力事件に関与している反対派グループに米国政府が資金提供を申し出たという、文書による証拠もある。まさに、かつて選挙で選ばれたベネズエラ政府を転覆しようとした反対派グループに米国が資金提供したことが、文書による証拠で明らかにされたように。
 今回の出来事は、2003年にボリビアのガス産業の私有化に反対する抗議で60人以上が虐殺されたときの、当時の大統領ゴンサーロ・サンチェス・デ・ロサーダと当時の法務相カルロス・サンチェス・ベルサインの果たした役割で、彼らを引き渡すよう求めているボリビア政府の要求に対する、米国の拒否と軌を一にして生じている。
 ベルサインは、引き渡されるのではなく、この7月に米国で隠れ家を提供された。それは、ベルサインが現在の暴力行為に協力を求められたということだと考えられている。

要求署名:
 以上のことに照らして、私たち署名者は、

* 民主的に選ばれたエボ・モラレス大統領の政府とボリビア人民の意思を尊重することを強く求める。

* ラテンアメリカの主権国家への介入を直ちにやめるよう米国政府に求める。特に、ラテンアメリカ諸国内の反政府グループへの資金提供をやめること。

* ゴンサーロ・サンチェス・デ・ロサーダとカルロス・サンチェス・ベルサインを、申し立てられている犯罪で裁判を受けさせるために、ボリビアに引き渡すよう米国政府に求める。