2月19日、20日の二日間、大阪市の阿倍野市民学習センターギャラリーで「ダール・ジャマイルが告発するファルージャの大虐殺」写真パネル展を開催しました。一日目は雨で、2日目は寒波というあいにくの悪天候の中で、小・中学生からお年寄りまで100名を越える市民のみなさんが参加しました。 写真・パネル展は、イラクに入り2003年11月からウェブログ“Iraq Dispatches”でイラク現地報告を開始し、イラク戦争と占領支配の残虐行為と犠牲者の姿を世界に発信してきたダール・ジャマイル氏の写真に解説をつけたもので、米軍のファルージャ市民への無差別攻撃、病院の攻撃と破壊、ファルージャを追われた難民、負傷した子どもたち、虐殺された市民の写真などの写真で構成されています。 参加者からは、「むごすぎる」、「これがマスコミが報道しなかった大虐殺の実態なのか」、「米国に怒りを感じる」など、多くの感想が寄せられました。特に犠牲者の写真については「イラクの津波」として発表されたジャマイル氏のレポートが添えられ、今にも腐臭が漂ってくるかのような衝撃的な写真に「目を背けたくなるがこれが戦争なんだ」などの感想がつづられました。「ベトナム戦争世代」の参加者は「昔ベトナム戦争の写真で米兵士が『ベトコン』のボロボロになった死体を片手で下げていたのを突然思い出しましたが、印象はもっと深く強いものでした。」と、米軍の侵略戦争の歴史の中でも類を見ないほどの「ファルージャの大虐殺」のすさまじさを感想として寄せました。 多くの参加者は、写真を撮ったジャマイル氏に、「生命がけの仕事に敬意を表します」「キケンな場所での活動なので、体に気をつけてこれからも写真を撮り続けてください」など活動への賛辞と感謝のメッセージを寄せました。このメッセージは英訳して、カンパとともにジャマイル氏に送付します。 「ファルージャの大虐殺」は、「アブグレイブの拷問・虐殺」と並んでブッシュのイラク戦争・占領支配の無法性・犯罪性を明らかにする大事件であるとともに、最低でも10万人が殺害されたとされるイラク全土の犠牲の氷山の一角です。そしてその戦争は今も続いています。イラク戦争の惨禍を雄弁に語るこの写真・パネル展を今後も継続・拡大していきたいと思います。 なお、事務局ではこの写真パネル展の開催にあわせてパンフレット「[イラク戦争被害の記録]2004年11月:ファルージャの大虐殺」を発行しました。こちらも是非ご一読ください。 (来場者へのアンケートより) 写真・パネル展に寄せられた感想 ○戦争は昔から人間を異常にすること改めて認識させられました。(40歳代 男性) ○無情な現実。(30歳代 男性) ○ムゴイ。(50歳代 男性) ○とても悲しい気持ちになりました。こんなにむごい事があってよいのだろうか?と考えさせられました。平和な世の中になってほしいです。(30歳代 女性) ○つくづく戦争はいやだと思います。(70歳代 女性) ○もっと多くの人に見せたい。(70歳代 男性) ○世界には、日本のように、まだ平和な国ばかりではないのだ、と思った。あんな殺されかたした人が、死ぬとき、どう思っていたのか。(10歳代 女性) ○早く、日本も、アメリカもイラクから出て行くべきである。(30歳代 男性) ○ファルージャで何が起きているのかということの情報が全くなかったので、本当のことがわかって、ますます米国に怒りを感じました。(40歳代 女性) ○すっごくいやな感じになりました。(10歳代 女性) ○平和とは何か?(60歳代 男性) ○くぎづけになりました。(60歳代 男性) ○写した人の言葉があるのが、とても生々しく心に残りました。写真からは分かりにくい臭いなど。(30歳代 女性) ○すごくかわいそうだった。(10歳代 男性) ○今までさんざん報道で耳にし、目にしてきたつもりのイラクだけど、遠い国の問題として見てなっかったんだと思いました。(40歳代 女性) ○ひどいと思います。ここまでとは思わなかった。(60歳代 女性) ○事実を地道に伝える活動には敬服します。あとは、イラクに本当の和平をもたらすために、何ができるのか?ではないでしょうか。(40歳代 男性) ○人の犠牲にアメリカもイラクもありません。何より国の民をあやつる指導者こそ闘いの中にいるべきが、いません。自分たちの考えや思想がどれほどの犠牲を出しているのか考えるべきです。殺し合いに英雄などありません。国の法よりもっと大切な法があります。国の思想よりもっと大切な法があります。国の政治よりもっと大切な法があります。一日も早く英雄気取りの目が覚めるよう。お亡くなりになった方々にご冥福を。(40歳代 男性) ○ほんとに怒りと悲しみでいっぱいです。先日、アメリカのベトナム帰還兵ネルソンさんの話を聞きました。ネルソンさんの死体のにおいと、この写真からの死体の臭いが私の心に重なり、何とも言えない気持ちです。(50歳代 女性) ○アメリカは軍事施設等の攻撃しかしていないと言っているが、一般市民がたくさん亡くなり、医者等も虐殺されている事を知り驚いた。目を背けたくなる様な写真が多かったが、これが戦争の現実なんだという事を忘れず、戦争は絶対いけない、戦争では何も解決しないという思いが強くなった。(40歳代 女性) ○大体想像はしていたけれど、アメリカやイラクの支配者の無慈悲で残酷なやり方にはあきれ返っている。まず自分が身を引かなくてはいけない。(ゴルバチョフやシェワルナゼは偉いと思う。)イラクの民主化は、他の方法がいくらでもある。ブッシュを支持するアメリカには全く失望。アメリカは自国の景気回復策として、戦争を平気で他国でやるのは、決して許されない。マクナマラだって、ベトナム戦争を誤りだったと反省している。福祉に回せ(金と精力を)。(50歳代 男性) ○殺された方々の写真が説明文よりも鮮明で、心に残ってます。かなり(見なければよかった‥‥)衝撃を受けました。でも、これが現実なんですね。人間が怖い。写真展に来られたおじさんの話、心に残りました。(戦争の話)(20歳代 女性) ○無関心ではないが、異国のできごととしてしかつかめない位の情報しかないので、本日の写真には驚かされた。(40歳代 男性) ○ネオコンの石油ドロボー、大虐殺に激怒。(20歳代 男性) ○無邪気な人間では生きていけないと感じた。予想されていた事態ではあるが‥‥。(30歳代 男性) ○ショックでした。改めてショックでした。(30歳代 女性) ○政府やマスメディアが流す報道がいかにいいかげんで、不正な事がよくわかりました。(40歳代 女性) ○ファルージャの虐殺がなぜ行われたのか、理由がわかりました。私にできることを探さなくてはという気持ちを強くしました。ありがとうございました。(40歳代 女性) ○主催者の企画のメッセージが大変良かったです。これからの戦争に反対する運動を身近な人、若い人たちに伝えられるよう、利用できる手段をお願いします。(50歳代 女性) ○事実をなぜ報道できないのか?殺された橋田さんのように命を掛けている写真家、ジャーナリストがいる事を日本の子供からお年寄りまで伝える必要がある。 (50歳代 女性) ○米軍の残虐な行為については、いろんな企画で私自身は知り得ていますが、多くの人にはまだまだ伝わっているとは言えないでしょう。選挙後、特にイラクの情報が少なくなっている様に思います。この様な貴重な数少ない写真展、もっと多く広めて下さい。 (50歳代 女性) ○覚悟して来たつもりでしたが、身体の内側から滲み出てくる表現し難い感情にとらわれました。昔ベトナム戦争の写真で米兵士が「ベトコン」のボロボロになった死体を片手で下げていたのを突然思い出しましたが、印象はもっと深く強いものでした。 (50歳代 男性) ○My outlook on the world is like other peoples’, product partly circumstance and partly of intemplement. In regard to religion belife , those who were concerned with my education, did not perhaps adapt the best method for producing of unquestioning acceptance orthodoxy. It’s my pleasure ! (50歳代 男性) これらの写真を提供してくださったダール・ジャマイルさんへのメッセージ ○Let me notice true things in Iraq. We must keep our eyes on problems all over the World. (40歳代 女性) ○生命がけの仕事に敬意を表します。新たな怒りが湧いて来ます。 (40歳代 女性) ○危険な所へとどまり、地球で起きている大変なことを伝えて下さってありがとうございます。周りの人達にこの戦争の誤まりを話していきたいと思います。 (50歳代 女性) ○日本の写真家の長倉さんのファンの1人ですが、ダール・ジャマールさんのように外国の方から教えていただけるのもすごい事だと思います。 (50歳代 女性) ○アメリカ軍の行う「ジェノサイド」についての報道は全て正確に伝えられていません。また、暫定政権に対するイラク人の気持ちも伝えられていません。真実を伝える事は極めて困難な事だと思いますが、私達は待っています。頑張ってください。 (50歳代 女性) ○心の底から敬意を表します。「イラクの津波」の文章と写真に特に深く共感しました。「あの目」が最後の写真とともに強く印象にとどまりました。 (50歳代 男性) ○あなたの勇気に感謝します。私も去年、20万円ですがユニセフに送りました。子どもたちの命を救うために使ってほしいと思いましたが、ほんとに使われているかなと心配です。平和をつくるために少しずつ私もやっていきたいです。世界の人と仲よくなるために、今いろんな言葉を話せるように頑張っています。地球上に平和を! (50歳代 女性) ○写真を見る事により、現実におこっている事を知る事ができる。とてもキケンな場所での活動なので、体に気をつけてこれからも写真を撮り続けてください。 (40歳代 女性) ○貴方の勇気ある活動に、心からの尊敬の念を送ると共に、私も応援しています。是非、世の中の平和と幸福の為に努力しましょう。 (50歳代 男性) ○生まれてきてよかった」「生きててうれしい」「人ってこんなにやさしいんだ」って実感できて、いっぱい×2のささやかな幸せがみんなにふりそそいでた日々が早く戻ってくることを、心から願ってます。 (20歳代 女性) ○なんの協力もできませんが正しい情報の伝達をお願いします。最後は、真実と正義が残ると信じていますので。 (40歳代 男性) ○生き抜くことが存在の証になるので、生き抜いてイラクの苦しみを世界に伝えてください。アメリカが没落する日は近いでしょう。 (30歳代 男性) ○あなたの勇気。あなたがどうぞご無事でありますように。 (30歳代 女性) ○日本であなたの写真を見ましたよ。 (40歳代男性) ○私たちは、まず知ることが必要です。貴重な情報に感謝します。 (60歳代女性) ○健康に留意して頑張ってください。 (70歳代女性) ○これからも真実をとり続けてください。 (50歳代男性) ○真実を伝えてください。今後のご活躍を応援します。 (30歳代男性) ○がんばってください。 (10歳代男性) ○勇気ある行動を感謝いたします。 (60歳代) ○がんばってください。 (10歳代女性) ○大変な危険の多い所へ行かれていることはすばらしいと思います。 (30歳代男性) ○頑張ってください。 (20歳代男性) ○ご活躍をたたえたい。 (70歳代男性)
米テキサス州ヒューストン生まれ。テキサスA&M大学卒業。米国領ジョンストン島の大気モニタリング研究所に勤務し、古くなった化学兵器を焼却するプラント付近の大気のモニタリングに従事。 1996年、アラスカに移り、翌夏デナリ山(マッキンリー)に登り、そこにとどまってガイドと救助の仕事をした。四肢麻痺のある友人の登山を援助した時に、その友人が生きるためにしている努力と、政府の政策が彼の人生に与える影響を知り、「政治的に目覚め、古いアメリカでの、無関心と無知の心地よい生活から引っ張り出された」。 2000年、ブッシュが大統領職を「盗んだ」ことで、更に行動に駆り立てられた。9.11への軍事報復、イラク侵略に反対する活動を行う。 「米国の『主流』メディアが、不法なイラク侵略と占領の真実をほとんど伝えていない」中で、真実を伝えようと、自らイラクに入る。2003年11月、自らのウェブログ“Iraq Dispatches”でイラク現地報告の連載を開始。2004年1月には、米軍のイラク人拘留者に対する拷問・虐待について、いち早く報じる。同4月と11月には、米軍による包囲、市民の虐殺が行われたファルージャについての記事を多数発信。 とりわけ、ファルージャでのイラク人犠牲者の姿を数多くウェブサイトで公開し、「一般市民の犠牲は少ない」という、米軍とイラク暫定政府の宣伝が全くのウソであることを暴いている。目を背けたくなるような惨い写真も多いが、あえて公開する理由について、次のように語っている。「西洋のほとんどのメディアは、負傷したり死んだりした兵士や市民の、イラクでは日常的な恐ろしい映像を見せない」、「私がこのようにしたのは、戦争がどのように見えるかということを、人々が知ることは重要だと信じているからだ」と語っている(“The Face of War”2005.01.20より)。 現在、自らのウェブサイトの他、米国の「ピープルズネットワークス」が運営する「ニュースタンダード」紙などに寄稿している。記事は、ポーランド語、ドイツ語、オランダ語、スペイン語、日本語、ポルトガル語、アラビア語に翻訳されている。
ジャマイル氏のウェブサイト http://dahrjamailiraq.com/ 「ニュースタンダード」紙のページ http://blog.newstandardnews.net/iraqdispatches/ ジャマイル氏の活動を支える紹介ページ http://newstandardnews.net/dahr/index.cfm 翻訳、情報発信しておられる益岡賢さん、いけだよしこさんのブログ『ファルージャ 2004年4月』ブログ 関連ページ: イラク戦争被害の記録 パンフレット案内「[イラク戦争被害の記録]2004年11月:ファルージャの大虐殺」 |