アフガン被害パンフレットのご案内
[翻訳資料集]

アメリカはアフガニスタンで何人の人々を殺したのか!?
 −−アメリカの無法な戦争、戦争犯罪、そして戦争レイシズム−−



 パンフレット「アメリカはアフガニスタンで何人の人々を殺したのか!?」は、空爆被害や飢餓・餓死、捕虜虐待などアメリカによるアフガニスタンに対する戦争犯罪をトータルに記録した翻訳資料集です。アフガン人の民間人犠牲者数が最低でも3千数百人に上ることを明らかにしたニューハンプシャー大学ヘロルド教授の論文の翻訳を中心に、国境なき医師団や英紙ガーディアンの記事の翻訳、署名事務局作成の資料などを収録しています。アメリカがアフガニスタンで行った戦争を告発し、さらに新たな戦争と「有事法制」などによる日本の加担・参戦に反対していくためにぜひご利用ください。


表紙は、“種子を粉にしてはならない”(ケーテ・コルヴィッツ 1942)
母親のたくましい腕に抱えられた子供たち。第2次大戦のさなかに制作されたケーテ最後の版画。


  A4判約100ページ。カンパ 1冊700円+送料

 お申し込み、お問い合わせは署名事務局まで。e-mail: stopuswar@jca.apc.org
      *パンフレットご希望の方は、宛て先と希望冊数をお知らせください。
         パンフレットと振り込み用紙をお送りします。代金は後払いで結構です。


主な内容
T アフガニスタンへの米の空爆による被害の実態とその犠牲者
    翻訳「アフガニスタンでのアメリカの空爆による民間人犠牲者に関する報告」(ヘロルド教授)他
U 戦争によって拡大する飢餓、疾病、餓死・凍死、人身売買、難民化
    翻訳「がれきをつくり出すもの−−アメリカの爆撃とアフガン難民の危機」(ヘロルド教授)他
V 捕虜に対する虐殺と残虐行為
    翻訳「アフガニスタン北部のシェバルガン刑務所の状況に関する報告」(人権のための医師団)他
W 新型兵器の実験場と「非人道」兵器
    翻訳「法を逸脱し、倫理にもとる(クラスター爆弾攻撃についての報告)(ヘロルド教授)他
X 付録
    「アフガニスタン被害報道日誌」抜粋(署名事務局)他

目次
発行にあたって
アメリカはアフガニスタンで何人の人々を殺したのか!?
ヘロルド教授からのメッセージ「親愛なる友人の皆さんへ」

参考
http://www.cursor.org/stories/civilian_deaths.htm (ヘロルド教授の論文があるウェブサイト)
http://orbit.unh.edu/econ/facdetail.cfm?Last_Name=Herold (ヘロルド教授を紹介するウェブサイト)





  目 次  

○ 発行にあたって [署名事務局]
○ ヘロルド教授からのメッセージ “親愛なる友人の皆さんへ”(2002,4,9)
○ アメリカはアフガニスタンで何人の人々を殺したのか!? [署名事務局]

T アフガニスタンへの米の空爆による被害の実態とその犠牲者
○ 翻訳「アフガニスタンでのアメリカの空爆による民間人犠牲者に関する報告」 [マーク W.ヘロルド]
 “A Dossier on Civilian Victims of United States' Aerial Bombing of Afghanistan”(2001,12)
○ 翻訳「空爆はまだ続き、アフガン人は殺され続けている。しかし誰も数えていない」 [ガーディアン]
 “Afghans are still dying as air strikes go on. But no one is counting ”(2002,2,12)
○ 翻訳「ニューヨークの死者数は公式発表より2000人以上少ないかもしれない」 [ガーディアン]
 “Number of New York dead may be 2,000 less than official tally”(2001,10,26)

U 戦争によって拡大する飢餓、疾病、餓死・凍死、人身売買、難民化
○ 翻訳「がれきをつくり出すもの−−アメリカの爆撃とアフガン難民の危機」 [マーク W.ヘロルド]
 “Rubble Rousers:U.S. Bombing and the Afghan Refugee Crisis”(2002,3,16)
○ 翻訳「北部アフガニスタンでの食糧危機に警報を発する」 [国境なき医師団]
 “Alarming food crisis in northern Afghanistan”(2002,2,21)

V 捕虜に対する虐殺と残虐行為
○ マザリシャリフの虐殺、これは米英軍の戦争犯罪だ! [署名事務局](2001,11,29)
○ 「捕虜ではない。ジュネーブ条約適用せず」捕虜の虐待を居直るラムズフェルド [署名事務局](2001,1,13)
○ 翻訳「アフガニスタン北部のシェバルガン刑務所の状況に関する報告」 [人権のための医師団]
 “A Report on Conditions at Shebarghan Prison,Northern Afghanistan”(2002,1,28)
○ 翻訳「刑務所の状況について緊急の行動が必要である」 [アムネスティ・インターナショナル]
 “Afghanistan: Urgent action needed on prison conditions”(2002,2,1)
                           
W 新型兵器の実験場と「非人道」兵器
○ 翻訳「法を逸脱し、倫理にもとる
 −−アフガニスタンへの11週間にわたる米国のクラスター爆弾攻撃についてのデータ」 [マーク W.ヘロルド]
 “Above the Law and Below Morality: Data on 11 Weeks of U.S. Cluster-Bombing of Afghanistan”(2002,2,1)
○ 翻訳「国連報道:アフガニスタンにばらまかれた14000発の不発弾」 [ガーディアン]
 “Afghanistan littered with 14,000 unexploded bomblets, says UN”(2002,3,23)
○ 「スマート」になった大量殺戮兵器 ― 新型サーモバリック弾BLU-118/B [署名事務局] (2002,3,14)

X 付録
○ 「アフガニスタン被害報道日誌」より [署名事務局]
○ アフガニスタン写真・パネル展、参加者の感想から [署名事務局]

[English]



発行にあたって


 昨年の10月7日から始まり今も続いている米軍による対アフガニスタン戦争における民衆殺戮に関する翻訳資料集をここに発行します。

このパンフレットの中心は、アメリカ・ニューハンプシャー大学の経済学専攻ヘロルド教授の「アフガニスタンでのアメリカの空爆による民間人犠牲者に関する報告」の本文の全訳です。アフガニスタン民間人の犠牲者数3767人(2001年12月7日時点)を明らかにしたこの論文は昨年12月初めに発表されるや反響を呼び起こし、それ故に米国内外の戦争賛美者から激しい攻撃にさらされました。ヘロルド教授はこの長大な論文と資料で、徹底して犠牲者の数にこだわり、戦争の真実を、否定しようのない統計によって暴き出そうとしています。さらに犠牲者の名前や家族の悲しみの記録、アメリカの非人道的な戦略の批判、人種差別批判、マスコミ批判等々を展開し、それによってアメリカの戦争賛美の風潮と「翼賛体制」に風穴をあけ、「目撃者無き戦争」に仕立て上げようとした米当局者の意図を破綻させようとしています。

 このパンフレットには、このヘロルド教授の論文に加え、アメリカの戦争犯罪を暴くその他の諸事実、捕虜虐待、飢餓と餓死、凍死の被害、非人道兵器などに関する外国メディアやNGO、そして私たち署名事務局の作成した資料を付けています。
私たちはこのパンフレットの発行を今年1月下旬頃に計画しました。しかし、ブッシュ大統領訪日と「悪の枢軸」外交の始動、米の軍事行動の拡大、イスラエルによるパレスチナ侵略のエスカレーション、日本の有事法制の制定への動きなどなど、新たな戦争の危機が次々と生み出されたことで、それらの対応に忙殺され、作業は大幅に遅れることになりました。

 とりわけ私たちは、ブッシュ政権が対イラク戦争を本気で準備し始めたことに非常に大きな危機感を抱いています。米は、すでにアフガンだけではなく、フィリピン、イエメン、グルジア、コロンビアなど、世界中に軍事介入し戦火を拡大しているのです。ブッシュ政権はどこまでやれば気が済むのでしょうか。
 そして遂にブッシュの戦争政策と軍事的冒険主義は、中東情勢全体を緊迫化させ、アメリカの支持のもとでイスラエル・シャロン政権による史上例を見ない対パレスチナ全面戦争に発展しました。パレスチナ自治区に対する軍事的再占領と兵糧攻めが推し進められ、ヨルダン川西岸のジェニンでは大虐殺事件が起こりました。アフガニスタンの被害をフォローし批判してきた者として激しい憤りを抑えることができません。ブッシュは、「テロ撲滅」と称した対アフガン戦争によってシャロンの蛮行をそそのかしただけではなく、直接的に軍事支援、経済支援を行っているのです。アメリカはパレスチナ人への暴虐の共犯者です。

 その間、ヘロルド教授はこの論文発表以降も犠牲者数と被害の実態にこだわり、犠牲者の数をより正確にする一方、クラスター爆弾による被害やアフガンの餓死・凍死の事実などの論文を次々と発表されてきました。残念ながら今回はそれら新しい論文については一部の翻訳にとどまっています。

アフガニスタンへの空爆開始から半年が経過した4月7日、米の空爆で肉親を失った遺族らがカブールで集会を開き、米政府に補償を求めました。支援団体である米のボランティア団体『グローバル・エクスチェンジ』が「犠牲者は少なくとも4千人、遺族は2万人」としているように、この補償要求の運動は、ヘロルド教授の報告をひとつの拠り所にしています。ヘロルド教授の労作は単なる暴露にとどまらず、補償請求する被害者の確定のための重要な武器になっているのです。
 私たちが米のアフガン侵略の被害に関するパンフレットを準備していることを知り、新しい情報を知らせて下さった人、翻訳作業や編集作業へ加わってくださった人など、本パンフレットは、多くの方々の協力によって発行することができました。改めて御礼申し上げます。
 また、ヘロルド教授は、私たちが突然、論文の日本語訳を進めていることを伝えパンフレットの発行の許可をお願いしたのに対して、快諾して下さっただけでなく、教授の新しい論文やウェブサイトを教えて下さいました。面識もなく、何の実績もない私たちのような日本の小さな市民運動団体に対してヘロルド教授が示された謙虚な姿勢と、誠実で寛大な心遣いに心から感謝します。

 私たちは、このパンフレットで明らかにしたような「隠されたアメリカの戦争犯罪」の一端を、巨大マス・メディアから流される半ば管理された情報以外に接することがなく、アフガニスタンの被害についてほとんど知らされていない一人でも多くの人々に知っていただくことができれば幸いです。そしてアメリカの戦争拡大と日本の参戦・加担、有事法制などに反対する機運が作り出されることを心から願うものです。拙い翻訳、粗末な装丁のパンフレットではありますが、これがそのための第一歩となるものと確信します。

2002年4月12日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
(旧アメリカの「報復戦争」と日本の参戦に反対する署名事務局)

[English]




[ヘロルド教授からのメッセージ]

親愛なる友人の皆さんへ

 お返事が遅れ申し訳ありません。講演ツアーのため不在でした。
 心のこもったお手紙ありがとう。わたしの研究を翻訳する時間をとってくださったことに深く感謝します。わたしは近日中にテレビ朝日のインタビューを受ける予定です。
 パンフレットを作成するために、わたしのあらゆる情報、記事を利用されることを喜んで許諾いたします。アフガニスタンに関するわたしの全著作をみつけるには以下のサイトが最適です
http://www.cursor.org/stories/civilian_deaths.htm
 あいにく小論(報告)の数字は少し古いものです。しかし数字の見直しは行っており、最新のデータは私の大学のウェブサイト・データベースでみることができます。
http://pubpages.unh.edu/~mwherold .
 あなたの英語を気になさらないでください。 申し分なく、十分によくわかります。(私はあなたへの返事を日本語で書き出すことさえ全くできないのですから!)

 心をこめて
         2002年4月9日
                        マークW ヘロルド
                       ニューハンプシャー大学

My dear Friends.

My apologies for not answering earlier. I was out of town on a speaking tour.

Thank you for your kind note and I deeply appreciate your taking the time to translate my work.

I will be interviewing shortly with the Asahi T.V channel.

You have my enthusiastic permission to produce a pamphlet using whatever sources/items from me. The best site to find all my work on Afghanistan is at :
http://www.cursor.org/stories/civilian_deaths.htm

Unfortunately, the essay [the dossier] numbers are a bit out-of-date, but a correction is being made and the current data is available at my University website data base, at : http://pubpages.unh.edu/~mwherold .

Please do not apologize for your English. It's fine and I understand you very well [I could NEVER even begin to answer you in Japanese!].

My warmest regards,

Marc W. Herold
University of New Hampshire


*このメッセージは、署名事務局がヘロルド教授に日本語訳の発行について許可を求めたことに対して送られてきた教授からのeメールです。そのeメールをメッセージ「My dear friends」としてこのパンフレットに掲載することも快諾して下さいました。