コナビグア(連れ合いを奪われた女性たちの会)との活動
●コナビグア支援のきっかけ
「コナビグアを支援しよう」というところから、レコムの海外での支援活動が始まりました。1993年のことです。まだ内戦中の厳しい状況下でコナビグアの女性たちは、子どもたちに同じ苦しみを繰り返させないためにも、みんなで声を合わせて闘っていました。 コナビグアの女性たちは、自分たちも軍に殺されるのではないかという恐怖と闘いながら運動を続け、先住民族女性として、農村部の貧しい女性として、内戦の被害者・寡婦として、彼女たちもグアテマラ社会の大きな構成員であることを認識させ、彼女たちの問題に国内外の社会の目を向けさせたのです。
●和平協定で終わったのか 1996年12月に和平協定が締結されました。内戦被害者・先住民族・女性などの困難な状況を改善する、市民参加を実現する、といった内容を盛り込んだ和平協定が結ばれ、戦火はやみました。 しかし現実には履行されていない協定も多い上に、女性や先住民族女性への差別がなくなったわけではありません。彼女たちの声が政策に反映されることもありません。まだまだ社会の中で最も弱い立場に置かれつづけている先住民族女性たちの状況は、変わってはいないのです。
和平後の新しい時代の中で、村の女性たちのニーズも多様化しています。「平和への願い」が強い求心力を持った運動を作っていった時代から、村の女性たちの思いは地域の開発や地域社会での参加など様々な方向を向いています。しかしコナビグアに参加する多くの女性たちが自分たちの生きる村や地域を変えるために「何かをやりたい」と思うものの、「それをどうやっていけばいいのかわからない」というのが女性たちの声です。 コナビグアのリーダーも、多様化する女性たちの声を前に、十分に力を発揮できていません。和平後の新しい時代の中で、それぞれの地域を基盤にどうやって村の女性たちの動きを作っていけばいいのか、というところで試行錯誤しています。こうした中でレコムではコナビグアとともに新しいプロジェクトを開始しました。
●女性たちが自信をつけて動けるように 昨年はウエウエテナンゴ県で、女性たちが村や地域の問題に対して、「自分たちでもできる」と、自分たちで動いていくための自信と能力をつけるための研修を行いました。この中で村の女性たちは自分たちの問題を議論し、それぞれに粉ひきやお店など小さなプロジェクトを自分たちで動かしていくこととなりました。レコムではこうした研修や小プロジェクトの一部経費をサポートしています。
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女性たちの声から ★こうした集まりに参加することは、私の心を癒してくれます。私たちの心の痛みは決して消し去ることができるものではありませんが、ここで他の女性たちと話し、声を聞くことで、痛みが軽くなるように思えるのです。 ★以前は話すことも、集まることもできず、家に閉じこめられ、私たちには何もできないと言われ続けてきました。でも私たちは今、意見を言うことも、差別や不正に対して反発することもできるのです。 ★私たちは何年も前からこうして集まり続けています。自分たちの権利にも目を開かされました。 ★女性同士集まって話す中で、私たちの抱える問題に気づき、どうやって自分たちを守っていけるのかを学んできました。過去のつらい体験を二度と繰り返さないように。 ★子どもたちが育ちつつあります。もう内戦の時代のことも知りません。私たちがどのような目にあってきたのか、どうしてそういうことになったのか、子どもたちも知ることが重要です。私たち親がちゃんと説明し、次の世代に歴史を語り伝えていかなくてはいけません。外からやってきた誰かが、私たちの経験と異なることを教えて、子どもたちをだましたり利用することを許すことはできません。 |
(そんりさ87号から一部抜粋) |