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浜松市では駐輪場からの排除が行われようとしています。 9月17日までに抗議のFAX・メールを浜松市へ!(00/09/15)


北九州市の野宿者用炊き出しの排除に続き、浜松での野宿者排除が行われそうです。

なお、浜松も静岡も野宿者支援(当事者)団体としてはまだ非常に若いところだと思 いますし、最近、全国で排除の動きが強まっているようにも思えますので、抗議のF AXやメイル等でサポートしていただければと思います(なお、FAX等の抗議は、 9月17日までにお願いします)。また多くに知人に伝えていただければと思います。先の全国行脚の時もとてもお世話になりました。

以下、笹沼さんからの第一報と第二報及び静岡・浜松の野宿者支援団体が行政に提出 した要望書を続けて添付します(すべて転載可)。

 

****************(第一報)***************

                      2000.9.12

全国の皆様

 

          マウス・ウニダス、エスペランサ(浜松市)

          野宿者のための静岡パトロール(静岡市)

 

浜松市による田町駐輪場からの野宿者排除に対する抗議と中止要請へのお願い

 

 わたしたちはそれぞれ浜松市、静岡市内で野宿者の支援活動を行っているグループ です。

 9月19日、浜松市土木管理課は、田町駐輪場で野宿する10名ほどの方に対し て、警察立ち会いのもと、強制排除を行おうとしています。

 これは野宿者に対する憲法に違反した著しい人権侵害に他なりません。浜松市は野 宿者に対して憲法および生活保護法上義務づけられている最低生活保障の責務を果たそうとしないばか りか、生きるために最低限欠かせない寝場所からさえ、野宿者を強制的に追い出そう としているのです。

 わたしたちは9月13日(水)10時より浜松市土木管理課に対して、野宿者の人 権を著しく侵害する強制排除を中止するよう要請に行きます。

 浜松市による田町駐輪場からの野宿者強制排除への抗議と排除中止の意見表明に是 非ご協力ください。

 

事実経過

 田町駐輪場は、現在24時間出入り自由となっており、午後10時過ぎから午前6 時まで、約10名の野宿者が寝泊まりしています。ところが先日、9月6日付けで、 浜松市役所土木管理課が田町駐輪場に「警告書」および「駐輪場利用者の皆様へ」 (と称するお知らせ)を掲示しました。

 「警告書」には、「田町駐輪場で寝起きしている方は直ちに退去するとともに所有 荷物を撤去するよう警告します」と記載されており、また「駐輪場利用者の皆様へ」 には、「管理の都合により、9月19日から当分の間、開場時間を午後7時から午後 10時までとさせてただきます。午後10時から翌朝7時までは出入りできなくなり ますので、ご注意ください」と記載されていました。

 野宿者排除の動きは今年6月にもあり、「警告書」が一方的に、当事者に何の説明 もなく張り出され、退去を命じられました。そこで当事者3名と支援者2名で浜松市 土木管理課に対して、野宿者の窮状を訴え、強制排除を中止するよう要請し、寝泊ま りを続けることへの理解を求めました。それによって6月の排除は中止されたのです が、今回また排除を企ててきたのです。

 浜松の支援者が7日朝、土木管理課に電話をして排除の件について話し合いを求め たところ、課長補佐Nは「話をする必要はない」「建造物不法侵入にも当たる。19 日には、警察にも立ち会ってもらい、撤去を行う」と言いました。これに対し、支援 者が土木管理課に「駐輪場から出されても行くところがないので、寝泊まりできる場 を提供してほしい」と野宿者の希望を伝えましたが、「その件は生活福祉課に相談 を」というだけでした。

生活福祉課課長は「寝泊まりできる場所の提供は」無理だと、自らの義務を全く持っ て履行しようとしない無責任な態度をとっています。

 

わたしたちの見解

 憲法25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障しており、生活 保護法は生活に困窮する人々に無差別平等に必要な保護を与える義務を国に課してい ます。

 特に住むところも無く、日々の食事にも事欠く野宿状態は、生活保護法25条が定 める「急迫した状況」であって、行政は「すみやかに、職権をもって保護の種類、程 度及び方法を決定し、保護を開始しなければならない」はずです。

 にもかかわらず、行政は住むところもないほど困窮している野宿者に対しては、生 活保護を申請させずに追い払い保護から排除するといったことすら日常的に行ってい ます。これは生活保護法が定める生活保護申請権を侵害し、無差別平等の原則に明確 に違反するものです(生活保護法2条)。

 住む家も無く野宿をせざるを得ない人々がいるということ自体、行政の憲法や生活 保護法に違反する不作為によって作り出されているものなのです。行政が住居を保障しないからこそ、やむなく公園や路上など公共施設で野宿せざるを 得ないでいる人々を、ようやく見つけた寝場所からさえ強制的に排除することは、二 重の違法行為であるといわざるを得ません。公共施設等での野宿は行政の違法な不作 為から自らの権利を守るためにとっている緊急避難であり、民事上も刑事上も免責さ れるべきものです。

 浜松市が今回野宿する当事者に説明もなく一方的な排除を通告してきたことは、もち ろん非難されるべきものです。また、駐輪場の利用者に対して何ら説明なしに一方的 に利用時間の制限を行うことも、地域住民の利益を無視したものであって許し難いこ とです。浜松市は野宿者に対する強制排除を即刻中止し、野宿者に対して住居を提供するなど 法に定められた適切かつ抜本的な対策をとるべきです。

 

【 抗議および中止要請宛先 】

浜松市長 北脇 保之

FAX:053-457-2028 TEL:053-457-2021 koho@city.hamamatsu.shizuoka.jp ( 浜松市総務部広報課)

〒430-8652 浜松市元城町103-2 

浜松市土木管理課 TEL 053-457-2440

浜松市生活福祉課 TEL 053-457-2050

 

連絡先

 四ッ谷 今日子 (浜松市: マウス・ウニダス、エスペランサ)

 笹沼 弘志   (静岡市:野宿者のための静岡パトロール)

 

 

**********************(第二報)********************

全国の皆様

 静岡パトロールの笹沼です。

 浜松市における野宿者排除問題に関する続報です。

 早速浜松市に対して抗議のファックス等を入れていただいた皆様ありがとうございました。
 また今後も浜松市への抗議ファックス等のご支援よろしくお願いいたします。
 本日10時より午後1時半まで、浜松市による田町駐輪場からの野宿者排除予定に対する抗議と中止要求を土木管理課に対して行って参りました。

 抗議と要求行動の参加者は当事者6名(駐輪場の居住者は約10名)と支援者4名(マウス・ウニダスとエスペランサのブラジル人支援者2名、日本人支援者1名、そして静岡パトロールの笹沼)で、浜松市土木管理課は、課長は不在とのことで、課長補佐を含め3名でした。
 結果からいいますと、浜松市土木管理課は、今回の駐輪場からの退去および荷物撤去の警告自体が、駐輪場の機能の回復・利用者の便宜のためでないことをはっきり認め、ただ単に野宿者を排除したいがために他ならないことを公言いたしました。みずから野宿者の人権侵害を主たる目的とした行為であることを認めざるをえなかったのです。

 これに対して断固抗議をしました。

 以下、この交渉過程について詳述いたします。北九州での排除に引き続き、浜松での排除攻勢をみても大都市部での排除が、ここにきて地方都市に波及しつつあるように思いますので、やや煩瑣かもしれませんが掲載させていただきます。

 

 交渉では、まずこちらから事前に当事者に対する何の説明もなく一方的に警告書を掲示し、排除・撤去を行うことは不当で違法である、退去およ撤去が必要な理由など警告書の内容についての説明を求めました。
 これに対しては、今回の警告書は突然一方的に出したものではない。前回(6月22日に翌日予定されていた撤去に対して抗議と中止要請に行ったとき)の議論の際に説明はしてあるなどと答えました。
 前回の交渉では、近隣住民から排尿などについて苦情が出されていると説明されたため、野宿者側からはそれは病気のため体調の悪い者のことについてのものだろうが、以後注意するように呼びかけるなど改善を約束し、その時点においては、土木管理課は駐輪場での野宿を公式に認めるわけにはいかないが黙認すると回答し、退去強制と撤去は中止されました。
 その後駐輪場で野宿する当事者たちは他の一般の利用者が出したゴミを含め清掃に心がけるなど、寝場所を守るため精一杯の努力をしてきました。
 しかしながら、土木管理課によるとそれ以後も二人の住民から苦情があり、うち一人は4回も厳しく苦情を言ってきているとのことでした。
 その苦情の内容を具体的に示して欲しいと要望したところ、駐輪場の窓から外を除く者がいる(駐輪場は2階建てのハコになってます)、子どもが怖がっている、小便などする者がいるなどでした。
 窓から外を覗くということがどんな被害を与えるのか実際に調べてみたのですが、窓から民家の中をのぞくなど不可能で実害はあり得ず、しかも、この窓は8月4日から封鎖されており、その後一度もあけられた形跡がないことを土木管理課職員は認めました。また、覗いたと思われる者が野宿者かどうかは全く確認されていません。
 それどころか、実は土木管理課・市役所はこの苦情について裏取りの調査をいっさい行っていないことをも認めました。

 子どもが怖がるというのも全くの憶測に過ぎず、しかも子どもが何を怖がっているのか、一般の酔っぱらい客のことなのか、若者たちのことなのか、それとも野宿者のことなのかさえ返答できませんでした。それどころか野宿者が高校生など子どもたちによる襲撃の方がすよっぽど恐いと言うと、課長補佐は確かにそうですねと認めたくらいでした。

 また、野宿者を怖がっている人がいるから排除するというのか、では外国人や被差別部落出身者を怖がっているという人がいたら、彼らを排除すべきだというのか。怖がっているのが偏見であればそれを除去するようにつとめるのが行政の仕事ではないのかと批判しました。

 浜松ではブラジル人をはじめ外国人差別が深刻な問題となっている中、そのブラジル人の人たちが野宿者支援を担っているだけに、これは見過ごせない問題です。

 かくして、野宿者が駐輪場の利用を阻害しているとの土木管理課の主張の根拠は一切存在しないことが明らかにされました。そこで当局が持ち出してきたのは、なんと市内の各駐輪場の利用率の統計でした。それによると浜松駅周辺の駐輪場はほぼ100%だが、田町駐輪場のみ50%を割っているとのことでした。しかし、それは田町駐輪場がここのところ寂れている田町商店街のために設置されたものでしかも商店街に行くにも不便なところであるため、そもそも利用者が少ないためにほかなりません。駐輪場設置計画の失敗のつけを野宿者に転嫁するなど言語道断です。さらに利用率が低い理由についても何ら調査していませんでした。

 そこで、その理由についてすぐに調べて欲しい、それにはどのくらいの期間がかかるのかと尋ねたところ、短くとも1ヶ月はかかるとのこと。だったら、9月19日に排除はできないはずだ、調査結果が明らかになってから再検討すべきだと追求しました。

 駐輪場の本来の機能を守るために、今回の排除措置が必要だという主張については、さらに、今回の利用制限が全く意味をなさないものである点を確認させました。

 野宿者が駐輪場に居るのは、夜の9時半頃から朝の6時頃までであり、一般の利用者にはほとんど出会うことなく過ごしています。今回土木管理課は夜の10時から朝の7時までの利用を制限しようとしているわけですが、だとすればちょうど現在野宿者が寝泊まりに利用している時間を利用禁止としようとしているわけで、野宿しているから利用できないという理屈は全く通らなくなります。

 また、一般の利用者にも一方的に何の説明もない掲示のみで利用を制限するもので、利用者の権利をも不当に制約するものであるといわざるをえないのではないかと追求しました。

 そしてついに土木管理課は、今回の排除目的が駐輪場の機能の確保のためなどではないことを認めざるを得なくなり、開き直って野宿者排除が目的であること公然と言い放ったのです。

 それは野宿者に対する人権侵害に他ならないと断固抗議しました。

 野宿者の憲法上の生命への権利、幸福追求権、生存権などの侵害だ。それを分かってやろうとしているのか。そもそも野宿者が人が住むのに適しているといえないような駐輪場で(ほとんど風が入らないので暑く、ただ雨風がしのげるだけの場所)寝起きしているのはなぜだと思うのか、住居もないほど生活に困窮している野宿者に対して住居を含め最低生活保障を行う義務を負う市が、その義務を違法に履行していないからではないか。自らの違法行為によって駐輪場での野宿に追いやっておきながら、さらにそこからも排除するのは二重の違法行為であるなどと追求しました。

 そして、住居がない状態に追い込まれた人々に対して住居を保障するのは行政の当然の義務である、震災罹災者や三宅島の被災者を行政は保護しているではないかと訴えました。

 なんとこれに対しては、それは次元の違う問題だ、被災者は自然現象で住居を失ったがホームレスの人たちは個人それぞれの理由で住居を失ったのだと答え、あたかも野宿者は保護の対象ではないかのように述べました。

 そこで要望書を読み上げる形で、排除を厳しく批判しその即刻の取りやめ、野宿者に対する住居など生活保障義務の履行を要求し、18日午前11時までに文書で回答するよう求めました。

 これに対して、生活福祉課など関係部局とも協議し返答したいが、基本的に19日に退去していただきたい意向であると述べました。

 ここでわれわれは、18日に返答して19日に退去というのでは、行き場所を探す時間もない、苦情や利用状況に関する調査もできないだろうから、延期しろと要求しましたが、それについては18日に返答するとのことでした。

 19日まで時間が無く強制排除が心配だったので、19日に退去強制および撤去を予定しているというならば何時にどのような形でしようとしているのか確認しました。新宿での強制排除と裁判、それに続く名古屋や大阪での行政代執行による排除という流れもありましたので、念を入れて確認しました。

 現在のところ19日は13:30に告知を行って退去のお願いをする予定であるとのことでした。

 当局特に課長補佐は施設管理者としての十分な法的知識もなく新宿、名古屋、大阪の事例も勉強していないようで、警告すれば何でもできるかのように思っていたようです。しかし、退去警告は単なる業務であり本人の意に反して物理力の行使による身体の拘束や荷物の撤去などは行えないことを確認させました。少なくとも19日までには行政代執行の手続をとることは困難であろうと思われます。

 今後当局が行政代執行など強硬な手段に打って出るか否かについては予断を許しませんし、他の地域に排除が広められる可能性もあります。また、浜松で排除が本格化するとなれば、いつ静岡市にも波及するか分かりません。

 ここが勝負所であろうと思います。

 土木管理課との交渉の後、食事休憩と若干の総括と対策会議をして、福祉事務所(生活福祉課)に行き、要望書を改めて提出し、野宿者に直ちに住居の保障をすることを要求、それがすぐにできないならば土木管理課に対して排除を中止するよう要請するように迫りました。

 浜松の生活福祉課は、支援者の長年にわたるねばり強い生活保護申請支援活動の成果もあり、アパートに入りたいのであれば、生活保護で礼金敷金等を支給するから部屋は自分で見つけてきて欲しいとの答えを繰り返すばかりでした。こちらからは、民間アパートを市や社会福祉協議会が借り上げて野宿者に住宅扶助を現物給付する方法もあるだとうとか、いろいろ具体的な提案をしながら要求しました。

 長くなりましたが、以上続報でした。

 

 要望書の回答受け取りと交渉は9月18日午前11時からの予定です。

 できましたら、それまでに浜松市への抗議と撤去中止要求のファックス等をお願いします。

 引き続き、皆様のご支援をお願いします。

 

 【 抗議および中止要請宛先 】

    浜松市長 北脇 保之 

    FAX:053-457-2028

      TEL:053-457-2021( 浜松市総務部広報課)

  〒430-8652 浜松市元城町103-2

     mail: koho@city.hamamatsu.shizuoka.jp 

 

 浜松市土木管理課 TEL 053-457-2440

   浜松市生活福祉課 TEL 053-457-2050

 

************提出した要望書**************

全国の皆様

 

 浜松市による野宿者排除への抗議等ご支援ありがとうございます。

 本日13日、浜松市に提出した要望書をお送りします。

 今後ともよろしくお願いします。

/////////////////////

             2000年 9月 13日

浜松市長 北脇 保之殿

             マウス・ウニダス、エスペランサ

                    四ッ谷 今日子

              野宿者のための静岡パトロール

                      笹沼 弘志  

 

田町駐輪場からの野宿者退去強制と荷物撤去の中止について(要望書)

 

 浜松市は土木管理課名にて、田町駐輪場(以下同駐輪場)に9月6日付けの警告書を掲示し、「田町駐輪場で寝起きしている方は直ちに退去するとともに所有荷物を撤去するよう警告します」と通知し、また同日付け「駐輪場利用者の皆様へ」にて「管理の都合により、9月19日から当分の間、開場時間を午後7時から午後10時までとさせてただきます。午後10時から翌朝7時までは出入りできなくなりますので、ご注意ください」と通知しました。

 これは、同駐輪場にて野宿を強いられている人々から寝起きする場所を奪い去る強制排除に他ならず、野宿者の人権を著しく侵害する違憲かつ違法な行為です。即刻、退去強要およ荷物の撤去予定を撤回し、また駐輪場の利用時間の制限を行わないように要望します。そもそも駐輪場等本来人の住居として適切ではない場所で少なからぬ人々が野宿せざるを得ないのは、憲法および生活保護法により「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障すべき義務を負う浜松市が、その責務を適切に果たしていないからに他なりません。

 住むところも無く、日々の食事にも事欠くほど生活に困窮し、野宿をせざるを得ない状態は、生活保護法25条が定める「急迫した状況」であって、保護実施機関は「すみやかに、職権をもって保護の種類、程度及び方法を決定し、保護を開始しなければならない」はずです。生活保護法は、住居がない生活困窮者には住宅扶助を現金または現物によって行い、住居を保障する義務を保護実施機関に課しています。法により定められた義務を果たさず、多くの人々に野宿を強いているのは、浜松市に他なりません。

 浜松市の違憲かつ違法な不作為によってもたらされた危難から逃れるため、少なからぬ人々が駐輪場に寝泊まりしているのです。これはまさに正当防衛または緊急避難に他なりません(民法720条、刑法37条)。したがって、駐輪場における野宿は民事上も刑事上も免責されるものです。自ら実施すべき義務を履行せずに野宿を強いている人々に対してさらに駐輪場からの排除を行うのは二重の違法行為であるといわざるを得ません。

 国が「ホームレス自立支援事業」に着手したのも、野宿する人々を公共施設から強制的に立ち退かせるだけでは、全く問題の解決にならないことを自覚したからに他なりません。日本政府を含む53カ国の全会一致で決定された1993年の国際人権規約委員会決議においても、「強制立ち退き」は人権に対する重大な侵害であることが明記されています。

 駐輪場からの野宿者排除の理由については、残念ながらお知らせいただいておりませんが、もし仮にこれが駐輪場利用者の便宜のためということであれば、利用者に何の説明もなく、駐輪場の利用時間を制限するのは全くもって奇異なことです。利用制限の趣旨も明らかでなく、一方的な掲示による実施も手続き上大きな問題があろうかと思います。

 駐輪場利用者の便宜を図るのであれば、駐輪場に野宿する人々に適切な保護措置を講じて住居を保障し、自主的に退去できる条件を整備すればよいはずです。憲法および生活保護法が定める無差別平等な最低生活保障を野宿する人々に対して行えば住民の利益も守られることは明らかです。

 ところが、今回は、住居も保障せずに野宿者を駐輪場から排除しようというもので、しかも利用者に対しても理由無く利用制限を強いており、野宿者の権利侵害に止まらず利用者の権利侵害を行うものともなっています。

 重ねて、田町駐輪場からの野宿者の排除および荷物の撤去方針を撤回し、本来果たすべき野宿者に対する最低生活保障措置、とりわけ生活保護法等による住居の保障を行うことを強く要望します。

なお、本要望書に対する回答は、文書にて9月18日(月)までに行うことを要求します。

 

      要望事項

・ 9月19日実施予定の田町駐輪場で寝起きする野宿者の排除及び所有物の撤去を取りやめること。

・ 9月19日以降の駐輪場の利用時間制限を取りやめること。

・ 田町駐輪場はじめ市内で野宿する人々に対する住居など最低生活の保障を実施すること。

以上

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笹沼 弘志

静岡大学教育学部

ebhsasa@ipc.shizuoka.ac.jp

http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~ebhsasa/home.html

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(C)1998,1999 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
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