第I部、打算とニヒリズム−南京大虐殺事件の精神構造
さて、実相のもう一つの側面、中国側の文献においては、
「強姦・輪姦・強姦=殺人、屍体凌辱」
などに対する中国人民の憤激が重要なものとして引用されている。
「戦争に敗れ焼かれ殺されるのは民族と国家の犠牲として考えうるものだが、
しかし婦女強姦は何としても卑劣な行為であって国家民族の骨にまで達する仇であり、
すべてを顧みず死を誓って反抗に立ち上がらなければならない、と」
また『漢口大公報』では、日本軍の道徳的な荒廃が、日本人の高慢な民族主義、 対アジア民族蔑視に根拠があることを指摘し、 日本軍には「人道的観念が根本的に欠落している」、 また「近年、根本的に紀律を問題にしていない」
さらに、「・・・この種の多大な獣行はたいへん多く、書きつくせない。 中国の盗匪は婦女の強姦をつよく戒めており、 犯すものは仲間にうけいれられない。 日本の軍人はなんと盗匪よりはるかに下であり、 強姦したのち殺害するにいたっては、さらに残酷卑劣で形容しようがない。 敵軍はなぜこうなのだろうか? 本質上からも解答を探しだすことができる。 なぜなら全世界でもっとも女性を蔑視しているのは日本だからである。 そしてこのたび敵軍が中国でこのように獣行をはたらくのは、 主要には自らを征服者と思い、中国人を人とみなしていないからである。」
今ひとつの実相は、元日本兵の手記・回想から提出される。
対女性アトロシティーズの諸相については、必ず原文を読むべきである。
(略)
[ ホームページへ ] ・ [ 目次へ ] ・ [ 前へ ] ・ [ 次へ ]