最終更新:1998年11月19日
一昨年の12月、 ニューヨーク在住の中国人画家たちの絵を中心に日本人画家の作品も加えて 「南京1937・東京絵画展」が開かれました。 絵から伝わってくる南京大虐殺に対する悲しみと怒りに共感をおぼえた 参観者と主催者が集い、「ノーモア南京の会」設立への動きが始まりました。
南京大虐殺の犯罪を問われて松井司令官が極東裁判で死刑に処されました。 問われたのは、戦争犯罪にとどまらず、 人道に対する犯罪であることは世界に知られた事実です。 しかし、日本兵が南京を占領した際に大虐殺を行った事実が 日本で一般に知られるようになったのは、70年代になってからでした。
敗戦後、 平和運動のシンボルとして「ノーモア広島」を訴えつづけてきた日本ですが、 数十万に及ぶ中国人が日本軍によってこの世から消し去られたという 南京大虐殺の事実は、数十年にわたって日本の社会から無視され、 多くの学術研究で実態が判明した現在に至っても、 この事実を抹消しようとする人たちが日本には多くいるのです。 このような日本の動きは「再度の虐殺」、 「再度の凌辱」にほかならないという中国の人々の激しい怒りを呼びおこし、 世界の顰蹙を買っています。 南京大虐殺許すまじ、 再度の虐殺・凌辱許すまじをモットーにして 「ノーモア南京の会」を設立することにしました。
中国にとって、南京大虐殺は国土を蹂躙され、 人間としての存在を否定された歴史です。 一方、日本にとって南京への道は、中国侵略の歴史であり、 大虐殺は中国人蔑視の歴史です。南京大虐殺には、残虐非道な加害事実があり、 人間としての被害者の怒りと悲しみがあります。 「ノーモア南京の会」は、この歴史認識を基礎に、 日本人と中国人の和解、真の友好を求めます(会則参照)。
昨年は、被害者の調査(当時の中国の報道)、 中国などとの国際交流の提案に基づいて、 南京大虐殺当時の日本、中国、 世界の新聞・雑誌などの報道をまとめたパンフの作製、 中国からの留学生と語り合う交流会をひらきました。 さらに、南京戦に参加した元兵士の人からお話を伺うなど、 連続講座や学習会もおこないました。 8月に中国・南京での国際シンポジウム、 10月に「南京大虐殺情報ホットライン」の設置などの活動に参加しました。 後者は、主に南京戦に参加した元兵士に情報提供を呼びかけたものです。 そして12月には「南京大虐殺60年東京国際シンポジウム」 で実行委員会の一翼を担いました。 このシンポジウムでは、南京大虐殺の犠牲者を追悼する提灯デモも行っています。
その他、また、 南京戦の真実を明らかにした東史郎さんの南京・戦争裁判への支援を続けています。 アメリカの「抗日戦争史実維護聯合会」からは活動協力、 情報交換の申し出を受けました。
今後も、皆でじっくり議論を重ねながら、 息の長い活動をすすめていきたいと考えています。 遅ればせながら、ここに「ノーモア南京の会」へのご参加を呼びかけます。
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