昨年につづく夏の企画として、 戦争と時代の問題を広範に訴えていく展示会を行いました。 今年は、ABC企画委員会、憲法を守る会、子供と教科書全国ネット、 中国帰還者連絡会、山西省・明らかにする会、中国人戦争被害者の要求を支える会、 東葛市民の会、反改憲ネットとノーモア南京の会の9団体で実行委員会をつくりました。
なかのZEROの西館ギャラリーには、 731部隊、毒ガス、教科書検定と皇民化教育に関する教科書、 中国における日本軍の性暴力、撫順戦犯管理所と戦犯裁判・供述書、 中国人戦争被害者、国旗国歌法と改憲の動きなど貴重な資料をわかりやすくパネル展示。ノーモア南京の会も以下の展示を出しました。
1.上海戦から南京「攻略」へ
(1)「南京への道」・・・上海から南京への日本軍の侵略過程の地図と陣中日記
(2)「南京攻略」・・・南京城「攻略」の地図、写真と天皇の言葉
(3)「(当時の)南京市の地図」・・・「国際安全区」など
(4)「南京大虐殺、レイプオブ南京」・・・写真と証言
(5)「ノーモア南京」・・・南京大虐殺記念館、呼びかけメッセージ
(6)「参考」・・・南京大虐殺の発生原因、参考文献、「ノーモア南京の会」の紹介
2.日本軍による性暴力被害者の証言
安全区委員会報告、ヴォートリンの日記のなかの日本人への訴えなど
3.会津若松第65連隊の虐殺
小野さんの元兵士約200人の調査の成果である、日記・日誌や写真などをお借り
して作成。その他、南京戦に参加した日本軍の組織図など。
その他、「グループ多摩じまん」によるライブ、またビデオ上映として、「天皇の名の下に−南京大虐殺の真実」「キムの十字架」「南京1937」をやりました。
さらに、講演会としては、「戦後補償裁判の現状と今後の展望/大江京子さん」「憲法調査会では何を調査しているのか/福島瑞穂さん」「女性の戦争協力と翼賛を考える/鈴木裕子さん」「天皇中心の『神の国』をめざす新しい歴史教科書の実態/俵義文さん」
ノーモア南京の会は、講演会:8月27日(日)13時より「皇軍兵士の記録した南京大虐殺」と題して小野賢二さんにお願いしました。
小野さんの話はとても興味深く、世代を越えた参加者で会場は満席になり、熱心に耳を傾けました。
小野賢二さんは、80年代後半から地元の第65連隊を基幹とする第13師団山田支隊の元兵士からの聞き取り調査を行ってきました。化学会社に勤務する傍ら一人で兵士を訪問し、幾多の困難を乗り越え、多くの証言や貴重な資料を収集しました。編・著作も数多く、現地南京へも何度も足を運んで調査を行ってきています。
その成果をもとにして、「山田支隊は何をしたのか」、「南京大虐殺の実態とは」を逃れられない事実として明らかにしました。
これらの企画全体の最後に、「アジアの若者が日本の改憲・自国の憲法を語る」つどいと題して、中国、韓国、台湾、在日朝鮮人、日本の学生によるパネルディスカッションを行いました。
9月に入ると、東京都知事石原による自衛隊を繰り出しての治安訓練の強行など、ますます情勢は「いつかきた危険な道」にすすんでいるといわざるをえない状況ですが、一方でこうした展示会に参加してくる若者もすこしずつ増えてきているように思います。
ノーモア南京の会もさらに多くの人へ、若者への訴えをひろげていきましょう。
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