東裁判報告:第11回公判

1998年5月12日

                                              最終更新:1998年7月7日

第11回公判:

第11回公判は5月12日前回と同じく東京高裁810号法廷で開かれ ました。しかし午前11時に公判が開かれると、驚いたことに裁判長を 始め3名の裁判官全員が変わっていました。新たな裁判官の名前は、 裁判長・奥山興悦、右陪審・都築弘、左陪審・杉山正巳の三氏です。 これからの主任裁判官は左陪審の杉山裁判官とのこと。いずれにしても、 前回の東さんの本人尋問を聞いた裁判官が全員変わってしまうとは、 定期異動によるものとはいえ非常に残念な事です。

しかしこのような事態の中、 我が弁護団は準備書面(十)・(十一)を裁判所に提出しました。
(十)は「第一 自動車からガソリンを抽出した行為について」で 1937年当時の中国における自動車のガソリンタンクから ガソリンを抜く事に対する実証的考察がされています。
(十一)では、 「第一 人間の入った郵便袋が沼の水中に沈む事実について」 で今年三月に行った実験をふまえて、 被控訴人(橋本側)の主張する「郵便袋は簡単には沈まない」 との主張の誤りを立証した。
続いての「第二 南京調査の結果」は4項からなり
「一 本件記述を含めた東日記全体が、 控訴人東の実際に体験した事実のみに基づいて書かれ (中略)これを裏付けるため、控訴人東及び同代理人等は」3月に訪中して、
「二、東日記第二巻昭和一二年一二月一四日の記述に関連して」 1.中山門の記述 2.右側の青磁色の建物・左側の古仏展覧所の記述 
「三、馬群鎮から最高法院までの距離と所要時間」
「四、最高法院の建物の当時と現在・中山北路の距離と沼の存在について」
「五 軍政部についての記述」(いずれも東さんの 「わが南京プラトーン」をお読み下さい)が「これらの調査結果は、 東日記が控訴人東の体験に基づき作成されたことを如実に示している。」 と主張した。
                       (文責:芹沢 明男)

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