つづいて、死刑廃止議員連盟の衆院議員、二見伸明さんが挨拶に立ち、国会議員の間でも、ムミアの処刑をとりやめ、公正な裁判を求める署名をはじめる、ということが報告されました。
ニューヨーク州の弁護士資格ももつ、喜田村洋一弁護士から、アメリカの裁判制度についてのレクチャをいただいた。州と連邦の二つの制度の並立や、陪審裁判、州裁判所の審理に対する連邦裁判所への事後審査請求としての人身保護請求制度、また96年に制定され、死刑裁判の迅速化をねらった「反テロリズムおよび効率的死刑法」についての解説などをしていただいた。
ムミアの裁判の状況を正確に把握するために、たいへん役立つお話をありがとうございました。
ムミア事件の概要と、裁判の問題点などを簡潔にまとめたドキュメンタリービデオ Date with Death を見た後、ノイズ朗読ユニット「オランダラジオ」と萩谷良さんによってムミアの作品「面会」「生と死のはざまで」が朗読されました。
作家の山口泉さんの講演は「私が、自分自身と世界とを失わないために……」と題して行われました。
ムミアの作品の中にたたえられた静謐な思索の深さを指摘し、また国家による殺人としての死刑、殺人を正義の名のもとに執行することのおぞましさなどについて語り、そしてムミアとの連帯が、絶望的にも見える日本の状況の中で多くの人々の連帯を語れる一つの希望を生み出していることを語られました。
20分という短い講演時間が残念でした。また、ぜひもっときちんとお話を伺える機会をもうけたいと希望しています。
アムネスティ・インターナショナルからのアピール、日本国民救援会の山田善二郎会長からのアピールなどをいただいた後、参加者との間での質疑や意見交換を行いました。
質疑の中では、マスメディアがこの事件をどのように扱っているのか、あるいは意見広告など、マスコミを活用する方法をもっと考えるべきでは、といったご意見なども出ました。
ムミアが投獄されているグリーン刑務所からクルマでわずか20分ほどの町に住む留学生で、ムミア支援をはじめ、活発な人権活動を行っている安倍陽子さんからもメッセージが届き、会場で紹介しました。
参加者の中に、新しい方たちが増えていたのも、今回とてもうれしいことでした。
ムミア支援の輪が確実に広がっていることを実感できる、すばらしい集まりだったと思います。