国連委員会が、食物中の放射能の制限値引き下げを提案
再処理工場からの放射能で汚染された英国産のエビ・貝などが食用禁止の可能性



 食物に関する国際基準を定める国連のコーデックス委員会が、食物中のプルトニウム等を1キログラムあたり1ベクレルに引き下げるという新制限値を提案している。1キログラムあたり10ベクレル(大人)という現行の制限値を10分の1に引き下げる新制限値は、、食物摂取によるガンのリスクを大幅に減らすために提案されたものである。
 セラフィールド再処理工場から大量の放射能が放出された英国では、この提案により、甲殻類(エビ・貝等)漁業が壊滅の危機に直面している。セラフィールド近辺のみならずイングランド島の北西部、またスコットランド南西部で獲れたロブスターや、トリ貝、タマキビ貝等、多くの甲殻類でこの新制限値を大きく上回る放射能が検出されている。この新規制が2005年に導入されれば、英国の食品安全管理局が警告しているとおり、それらはすべて食用禁止となるであろう。



 現在のイギリスの状況は六ヶ所再処理工場が稼動した場合の青森の姿でもある。もし六ヶ所再処理工場が稼動すれば、食物中の放射能の規制値が厳しくなる中で、青森の漁業に深刻な打撃を与える可能性がある。このようなことを許すわけには行かない。六ヶ所再処理工場のウラン試験の安全協定締結に反対しよう。


翻訳資料
 カンブリアやソルウェー湾、モアカム湾から放射能を帯びた海産物がなくなる前兆か? COREブリーフィング 2004年10月13日
 新しい放射能の制限値は甲殻類(漁業)を滅ぼす可能性がある ニュー・サイエンティストコム・ニュース・サービス 2004年10月12日