お知らせ
関西電力がホームページの「プルサーマルの経緯」を書きかえました
私たちが福井県に要望し、県が指導されたためです


関電が新たに書き足した部分
H11.12.16 受け入れ済みの高浜4号機用MOX燃料にも検査データ不正問題が判明したことから当該燃料の使用を中止
<2月27日までの関電HPでの記載>
<現在の記載>
関電プルサーマル 燃料本契約反対を 市民団体、県に要望 [福井新聞 2月28日]
高浜原発:プルサーマル計画 燃料契約させないで 脱原発団体ら県に申し入れ [福井 毎日新聞]

 関西電力は、1月30日に高浜3・4号機でのプルサーマル計画の準備作業を再開すると発表しました。その時に、「当社のプルサーマル計画について」を関電HP上で公開していました。ところが、その「主な経緯」には、最重要の経緯である、高浜4号機用のMOX燃料データねつ造事件とそれによるプルサーマル中止が書かれていませんでした。
 グリーン・アクションと当会は、2月14日の関西電力との交渉で、高浜4号機のデータねつ造と中止がなぜ書かれていないのかを問いました。これに対する関電の回答は「主な経緯ではないから」という驚くべきものでした。
 両団体は昨日(2月28日)、福井県に要望書を提出し、「『高浜4号機のMOX燃料データねつ造は主な経緯ではない』という関電の主張を撤回し、このような経緯を社の見解として出したことの責任を明らかにするよう関電を指導してほしい」と要望しました。対応された福井県原子力安全対策課の櫻本宏課長は、「高浜4号機についてもきちんと経緯を示すべき。要望は十分理解できる。関電を指導する。高浜4号機のMOX燃料はイギリスに返還までしたのだから」と述べられました。その後櫻本課長は、関電の地域共生本部マネージャーを県庁に呼び、「県民、国民への情報提供の在り方として問題がある」と厳しく指導されました。そして関電がホームページの記載を変更することになったのです。
 高浜4号機のデータねつ造問題を経緯に書き足したことに関して、関電はホームページで何らその旨を書いていません。初めて見る人は、最初から関電がこのことを書いていたように誤解されるため、ここにお知らせします。
 過去の最も重要な経緯である、高浜4号機のデータねつ造事件は、関西の市民212名が原告となり裁判に訴え、その判決が出る前日になって、やっと関電がデータねつ造を認めたものでした。この間、関電の原子燃料部長は2度にわたって虚偽の陳述書を大阪地裁に提出していましたが、その責任は何も明らかにされていません。関電は、いままたプルサーマルの再開準備を始めていますが、自らの過去の不正事件を隠したままでプルサーマルを再開するなど許されるものではありません。関電は、高浜4号機データねつ造をなぜ「主な経緯ではない」として隠そうとしたのか、その理由と責任を明らかにすべきです。
 また、このBNFL社によるデータねつ造の最中にフランスのメロックス工場でもMOX燃料を製造していましたが、「国の検査に合格できない」として2001年12月26日に60億円もの賠償金を支払ってMOX燃料を廃棄しました。この問題についても「主な経緯」には何も記載されていません。関電が今回本契約を結び、MOX燃料を製造しようとしているのがこのメロックス工場(現在はアレバ社所有)です。過去のフランスでのMOX製造中止についても、詳しい経緯が明らかにされなければなりません。

(補足1)関電HPの記載では、2月27日までは「主な経緯」となっていましたが、2月28日に高浜4号機問題が書き足されてからは「経緯」となり、「主な」が削除されています。
(補足2)1月30日に福井県に提出した「参考資料」では、未だ高浜4号機問題が欠落したままです。
(補足3)関電HPの「プルサーマル」の箇所でも「当社プルサーマル計画の経緯」が新たに付け加わっていますが、よほど急いで追加したためか、てにをはの表記が間違っており下記のように文章になっていない箇所があります。
「2004年3月31日
MOX燃料製造に関する品質保証体制を確認する基本契約を、原子燃料工業(株)をコモックス者(仏)を締結」

[関連情報]
2月14日の関西電力との交渉報告

2月28日に福井県に提出した要望書

1999年の高浜4号機MOX燃料データねつ造に関する市民の裁判闘争

「核燃料スキャンダル」 グリーン・アクション/美浜の会編 風媒社ブックレット 900円

(08/02/29UP)