ここから出ていけ! (Fuera de Aqui !) <ケチュア語原題 Lloksy Kaymanta> ホルヘ・サンヒネス監督、1977年、白黒、 35ミリ、100分 1979年 ボリビア映画祭銀撫子賞 1980年 タシュケント映画祭審査員特別賞 |
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【あらすじ】
北アメリカ人宣教師の一団が、アンデス山脈のとある谷間にある農民共同体、カラカラ村に到着する。その目的は「暗黒の世界に光明をもたらし」、「世界の終末」が切迫していることを警告することにある、という。 医療施設がないことや、カラカラの住民が生活している悲惨と飢餓の情況に乗じて、彼らはこれらの問題を解決すると申し出て取り入る。無料診療所を一軒建てて診療を開始し、かくして帰依者を獲得していく。ほどなく共同体は内部分裂という重大問題に直面する。その間に「宣教師」は地質調査を進め、鉱物の試掘作業を行なっていく。 それと平行して、不妊剤を混ぜた食料を配給し、すでに味方に引き付けていた農民をイデオロギー的にも物理的にもいっそう衰弱させていく作業を継続する。現実に進行している事態を自覚した残りの農民が宣教師たちを追放しようと決定した時にも、その中にもぐりこんでいた農民から情報を得て、事前に逃亡してしまう。 |
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間もなく、村には北アメリカの一多国籍企業の代表者が公証人を伴って現われる。彼らは、共同体のある地所には鉱物資源の存在が確認されたこと、それゆえ法の定めるところによって補償金を予め支払えばこの土地は当該多国籍企業のものになることを、農民たちに通告する。
すでに帰依させられていた農民たちは「神聖なる 意志」により同意するが、残りの農民たちはきっぱりと対決する。対立する両派は激しく争う。多国籍企業は政府当局者に贈賄し、その結果、導入された警官隊は反対派の農民を暴力的に排除する。 彼らの住居は破壊されたうえ、彼ら自身は砂漠地帯へ隔離される。幾人かが飢えと寒さで死んでいく。追放された時点から、この問題を自らの問題と受けとめている他の農民グループとの連帯の工作が開始される。 やがて五〇以上の共同体から一万五千人にも及ぶ農民が結集して、その地域一帯の道路を封鎖し、土地の返還と多国籍企業の追放とを要求する。軍隊が介入し、道路を封鎖している農民を虐殺する。 敗北した農民の指導者たちは再び集まって情勢を検討する。同一の文化を有する同一種族の農民だけの間でいっさいを解決しようと主張する原住民主義派と、今までの敗北は他の被搾取階級にその支持を求めなかったことに原因があると主張する派とが対立する。労働者と農民の団結を求めようとする考えは力を増してゆく。 農民はそのような意味の呼び掛けを行なって、その反帝解放闘争を方向づけていく。 |
製作スタッフ 撮影/ホルヘ・ビグナッティ、ロベルト・シソ |
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