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着実に広がる「村の朝市」
地場の市場プロジェクト」中間報告No.2
(2000年10月〜2001年2月)

日本国際ボランティアセンター(JVC)
タイ・コンケン事務所 松尾康範

 

 この期間は特にそれぞれ朝市を経験した村人の経験交流に力を入れてきた。実際に朝市の活動で試行錯誤する村人たち自身が意見交換できる場と他の村の朝市を見学しあう場を繰り返し提供してきた。

2000年11月に「地場の市場」プロジェクトの支援グループの一つ「アーシアン」や「元気クラブ」の人たちが活動地ノンウェンソークプラ村、ノンテー村を訪れた。日本の消費者運動の代表として、生活クラブ生協の活動についても各訪問村で話していただき、村人たちと交流した。

このプロジェクトは、イサーンNGOCOD(タイ東北部のNGOネットワーク団体)と活動を共にしているため、地場の市場プロジェクトに興味を持つ人たちが徐々に増え、プロジェクト地以外のコラート県2地域でも朝市が始まることとなった。調査スタート時点(99年5月)では2地域4村(コークパークン&コークスーン村、チャイパッタナー&ヤナーン村)だった朝市は、6地域13村に広がった。

プロジェクト各地域から約30名の村人が参加した1年間のまとめのミーティング(2月19、20日)では、今後の課題として次の4点が挙げられた。@生産技術能力(有機農業)の向上、A加工技術の向上、B朝市の規則づくりの強化、C市場開拓に関する能力向上。プロジェクトチームでは、この村人から挙げられた課題に沿って、来年度以降も研修や他地域への見学などの機会提供を継続しておこなっていく。 現地の主な動きは次の通り。

コンケン県ポン郡ノンヤプロン村・ノンウェンソークプラ村・ノンウェンコート村では、9月27日に朝市委員会が設立されたが、10月に入って朝市が始まった。月、水、土と週3回の朝市と決めたが、それ以外の日も売り買いに来ている人の姿が見られる。村人が作った農作物だけではなく、村周辺で取れる魚介類や村人手作りのお菓子が並ぶなど、活気ある朝市が村に誕生した。これまでの朝市の経験を元に、外部からの業者がこの朝市で物を販売することを一切禁止した。

ポン郡ノンテー村・ヤナーン村では、1999年11月に始まった朝市はそのままの規模で継続されている。この村には、農業グループ、貯蓄グループ、織物グループなど10以上の村人によるグループがあるが、そのどれもが統一性に欠け、村の活動としてのまとまりがない。そのため朝市の活動に関しても、村全体の活動として成り立っているとはまだ言えない。

2月3日、コンケン大学内にある農村開発研究所(RDI)のウィアン・センチョート氏を講師として招き、村のお寺で集会を開いた。タイの村では、政府を通じてたくさんの資金援助がなされているが、そのどれもが継続性に欠け、その資金に関してもいつのまにか消えてなくなってしまう。「お金が外から来るのでグループ化する」という構図はこのノンテー・ヤナーン村にも見られるため、この集会であらためて村のグループ化の意味を村人たちは認識した。

 

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