2010年03月
単行本・鶴見俊輔『ちいさな理想』(「編集グループSURE」)
1900年代の終わりから現在まで主として『京都新聞』に掲載された短文84編を編集されたもので、直接にベ平連についての文章はほとんどないが、1967年に『朝日ジャーナル』に出た『大臣の民主主義と由比忠之進』が比較的長い文章があるのと、短い触れる「『声なき声』、『べ平連』、『九条の会』は相似た性格を持つ大衆運動であり、それぞれが自分の暮らしに新しい転機を見つけることによって支えられる。/詩人以外の人も、詩人と同じ。市民運動は、担い手が自分の暮らしの中に新しい発見をもつことを通して続く。そうでないと続かない。」(「自分の中に発見がなくなればそれで終る」『京都新聞』2005年8月17日夕刊)というような表現は、あちこちにある。 )
単行本・斉藤光政『在日米軍最前線』(新人物往来社)
『在日米軍最前線』(新人物往来社、2008年刊)が、新人物文庫として文庫化されたもの。青森・三沢基地前にあった反戦スナック「OWL」について、詳しいレポートが入っている。本書の「序章に代えて」に「最後の第7章は、冷戦時の中でも一九七〇年代初頭のベトナム戦争時に目を向けた。当時、三沢基地のゲート前には日本初の反戦喫茶『アウル』が営まれていた。作家の故・小田実氏らが率いるべ平連の拠点の一つだったわけだが、時の流れとともにその存在は風化し、多くの人の記憶から消え去ってしまった。その実態を描く」とあるように、「OWL」については文庫31ページになる詳しいレポートが含まれている。その第1節「基地前100メートルに拠点」だけ、ここにご紹介(PDFファイル)。ここをクリック。
単行本・Nigel
Young 編集長 "The
Oxford International Encyclopedia of Peace" (
Oxford University Press )。ハードカバー全4巻。(左の写真)
第2巻のJ項の Peace Mouvements in Japan は5ページにわたる叙述で、ベ平連運動についての解説が出されている。この項目は山本真理の執筆。 ここをクリック。
2010年04月
DVD・『鶴見俊輔 みずからを語る』 聞き手・黒川創 演出 長澤智美 ・撮影 後藤修 ・プロデュース 坂元良江 (テレビマンユニオン)(右の写真)
2008年9月から12月に かけて、3時間を超えるロングインタビュー記録。中に、「ベ平連と小田実」、「脱走兵援助」などの項があり、ベ平連についての話題も多くでる。
このDVDのうち、ベ平連の活動についての時間的誤りなどがごく少しだが入っている。@「ベ平連と小田実」「脱走兵援助」の項目で、鶴見さんが勘違いして、時間的に逆に話しているところがある。佐世保での米原子力空母エンタープライズを小舟で回ってデモをする話をした際、この時は実際の脱走兵が出るとは本気で考えてはいなかったが、その数ヶ月あと、実際に横須賀で4人の脱走が出てくる、という叙述がある。しかし,エンタープライズ闘争は1968年1月であり,横須賀でのイントレピッド号からの脱走問題は1967年10月のことだから,順序は時間的には逆。Aヘリコプターをチャーターして、佐世保へのエンタープライズ号の上から反戦のビラを撒くという計画がうまくゆかない後、小田実さんは浜辺を歩いてモーターボートを探して出させ、町で買ったハンドマイクを買って、エンタープライズの周りを回って反戦のアピールをするという話が鶴見さんから出ているが、実際には、使うことが出来た船は、ベ平連に協力した佐世保地区労と長崎県反戦青年委員会(山下さん)の援助で、モーターボートよりはもう少し大きな3トン前後の小船を貸与できたことで、スピーカーも、その船につけてあった地区労のかなり大きなスピーカーを使ってアピールをしたことが事実だった。この佐世保での報告は、小田さん自身の『「ベ平連」・回顧録でない回顧』(1995年 第三書館)の375〜379ページに出ている。
2010年05月
北見けんいち「北見研一のけんいちの昭和トラベラー 昭和44年 東京・新宿駅西口地下広場」 (『ビッグコミック』2 2010年5月25日)
東京・新宿駅西口地下広場」というイラストと文
2010年06月
NPO法人開高健記念会/財団法人神奈川文学振興会編集『開高健の世界』(NPO法人開高健記念会)
6月12日から8月1日まで県立神奈川近代文学館で開催された「生誕八〇年『開高健の世界』展」の際 に発行された88ページの写真集パンフレット(左の写真)。この42ページには、ベ平連のジョーンズ・バエズとの集会の写真や、1967〜68年の米反戦脱走兵への援助問題の写真などが掲載されて いるが、その一番下には、埴谷雄高あての開高健の直筆の文書が載せられており、それには、「イントレピッドの4人」以後、日本からの脱出がかなり困難になっており、悩んでいるという思いが明らかにされてい る。これまで、この書簡は発表されていなかった。右にその全文も載せられてある。ここをクリック。
2010年08月
池澤夏樹「『カデナ』を記して――40年あとのベ平連」(『市民の意見』121号)
6月16日 に東京で開催された市民の意見30の会・東京の「池澤夏樹・吉川勇一講演会」での池澤の発言の要旨。
吉川勇一「鶴見俊輔さんの『小田実の組織論』について」(『市民の意見』121号)
6月16日 に東京で開催された市民の意見30の会・東京の「池澤夏樹・吉川勇一講演会」での吉川の発言の要旨。
2010年10月
大泉市民の集いの写真記録制作委員会『市民がベトナム戦争と闘った』(同委員会発行、(有)梨の木舎)(左の写真)。B5版80ページの写真集