APFS IN 千葉

皆さんも、ご承知のように現在APFS事務所は東京都板橋区にあります。しかし、APFSのメンバーは東京都内だけではなく、埼玉県、千葉県、群馬県と全国各地に広がっていて、APFSの活動範囲も大変広くなってきました。こんな状況の中で千葉にもAPFSを作ろうという話が盛りあがっています。なぜ、APFS千葉が作られようとしているのか? という問いに千葉グループ設立に向け準備を担当する方は以下のように答えてい
ます。

1.千葉から東京のAPFSまで遠い。

2.東京のAPFS本部の相談活動が忙しすぎる。
3.千葉県のAPFSメンバーを洗い出し、活性化をはかりたい。
4.日本語教室をつくりたい。(ただし、学習者の要望如何に依る。)
5.千葉県特有の問題を取り上げ、独自のカラーを出したい。
そして、根本的な理由として、「APFSの相談員を千葉でも育て、本部とともに、歩んでいきたい。」ということ揚げています。
 依然、事務所設置の時期や場所など具体的なことは不透明ですが「千葉にもAPFSを!!」という心有る方々が千葉グループ設立に向けた研修会を開催しています。以下は第1回研修会の報告です。

APFS千葉グループ(支部)設立に向けて


  去る5月28日(日曜)に、八千代市の東南公共センターで吉成代表が講師となり、第1回目の研修会が行われた。
 当日は、『在日外国人支援活動の現在と将来』というテーマで、参加者は23名であった。(内訳:イラン人 8名、コロンビア人 1名、フィリピン人 2名、ペルー人 3名、日本人 9名)
 吉成氏の揚げた題目は、次の通り〜
1、APFS設立の経緯
2、移住労働者の定住化の中で
3、APFS相談の傾向
4、国際交流ボランティアとは
5、在留特別許可一斉行動の意味と意義
6、千葉グループ(支部)設立に向けて


 吉成氏は、参加した外国人及び日本人に「APFSは、外国人と日本人が対等の立場で活動している唯一のNGOであり、その活動から得られるものは、『暖かい心』、提供するのも『暖かい心』である」ことを強調し、行政の手の届かないところを補うのがボランティアである旨、説いた。
 Q&Aの後、APFS千葉グループ設立に向けての懇親会が行われ、参加した外国人一人一人に、今後取り上げて欲しいテーマについて発言してもらった。テーマとして取り上げて欲しい項目として、下記のものがあがった。
1、日本の法律(特に入管法)について
2、ヴィザの問題
3、家庭・子どもの問題
4、労働問題(労働基準法が外国人労働者にどのように適用されているのか)
5、健康保険・医療の問題
6、入管・警察の現状

尚、APFS千葉グループの研修会は、東京と同様に一ヶ月に一回行われる予定。2回目は、7月2日(日曜)午後1時30分より千葉市稲毛区の稲浜公民館にて。 

第2回APFS研修会 IN 千葉 (設立準備のため)
テーマ : 外国人のための法律知識
講師  : 村田 敏 弁護士
      (東京弁護士会外国人人権救済センター運営委員会委員長)
日時  : 2000年 7月 2日 (日) 午後1時30分〜4時
場所  : 稲浜公民館大ホール2F研修室
        (稲毛区稲毛海岸3−4−1)


 


APFS運営委員会

 6月4日(日)、午後4時過ぎから総会後初めての運営委員会が開かれ、約30名の会員が出席しました。総会後のAPFSの活動、4月16日のバングラデシュお正月祭り、4月30日の移住労働者のメーデーに行われた銀座パレードなど、満足の行く結果が出せたことが報告されました。在留特別許可一斉行動では、超過滞在者の合法化に向けて大きな意義があったことがあらためて確認されました。
 最も議論が集中した点は、相談者が自分の問題が解決するとAPFSの活動に参加しなくなるとうことでした。在留特別許可取得のために出頭した人たちがAPFSの活動に参加をしてくれないという批判が出、議論が始まりました。在留特別許可出頭者の中にはAPFSがボランティア団体であるということさえ理解していない人たちが含まれており、一定の期間APFSの活動に参加し、活動の趣旨に賛同した人だけを出頭させたほうがよいのではないかという意見も出されました。そしてこれは在留特別許可の出頭者だけの問題ではなく、労災や賃金未払いで相談に来た人たちが、自分のケースが終わってしまうとAPFSに来なくなってしまうこと、また会費についても更新をしないなど共通の問題もあることが指摘されました。今後は、APFSのスタッフ、リーダー、ボランティアができるかぎりAPFSの活動の理念や考え方を理解し、共に歩んでいこうということが再確認されました。
 千葉グループからは3名が出席し、5月28日に第一回目の研修会を23名が参加して行われたこと、また当面は地道な研修会を行い、APFS会員としての自覚の形成と定着化を進めていくこと、さらに実践面では日本語を千葉在住の外国人に教えていきたいなど、と言ったことが報告されました。最後に財政報告があり、APFSの財政が非常に厳しいことが伝えられました。また今年のサマーツアーは沖縄方面に行くことも合わせて報告されました。
 1999年度は在留特別許可一斉行動などもあり、忙しい中過ぎ去ってしまいました。2000年度は昨年の反省を活かし、スタッフ間のつながりを一層強め、APFSの活動充実させて行きましょう。

 


FAREWELL ロビンさん


 
 6月9日早朝6:00、梅雨初めの小雨の中、APFS事務所には事務局長トニーさん、代表吉成さん他数名のメンバーが、ロビンさんをバングラデシュに見送るため集まりました。
 ロビンさんの帰国は大変急で、そしてとても悲しいものでした。
 ロビンさんがAPFS事務所を訪れたのは労災の件ででした。来日1年も経たずに事故にあい、左足を負傷し、仕事を続けられなくなりました。負傷の回復はおもわしくなく、杖をついても歩行が困難な状態でした。杖をつきながらも、APFSのいろいろな活動に参加してくれたロビンさんの姿を見かけた人はたくさんいるでしょう。
 ロビンさんは、自分の足をもっと回復させたいと望んでいました。医者には治ったと言われていましたが、日常的な痛みが、彼を苦しめていました。
 こんな状況の中、彼は自分の体の不調を感じていました。しかし、病院に行くこともなく、足の痛みとともに肝臓の痛みも我慢していたのです。
 5月の半ば、肝臓の痛みとともに、発熱し、友人に病院に連れて行かれました。検査の結果判明したことは、悪性の腫瘍があるということでした。ロビンさん本人だけでなく、周りの友人もこの結果を受け入れることはできませんでした。しかし、他の医師の検査結果も同じでした。これ以上日本にいても回復の見込みは全く無く、1〜2ヵ月で歩けなくなるだろう、と言われ、早急に帰国することを勧められました。
 それから2週間余、周りの友人、バングラデシュ大使館や入国管理局の特別な措置、APFSメンバーの協力によりバングラデシュ帰国の準備が整いました。
 充分に働いて、お金を貯めることもできずに帰国しなければならなくなってしまったロビンさん。日本での生活は、彼にとっては厳しいことばかりだったと思います。今、バングラデシュに向かう飛行機の中で、彼は何を思っているのでしょう?
 このロビンさんの件から、私たちは何を考えるべきなのでしょう。ロビンさんは、事故で足を負傷し、歩行が困難になってからも1人で住んでいました。買い物に行くことも、ご飯を作ることも大変だったでしょう。負傷してからは、仕事ができずわずかな労災保険に頼っての生活でした。体の不調に気づいても病院に行くこともなく、我慢をしているだけでした。ロビンさんのこの一件をただ「彼は運が悪かった」といって終わらせてしまっていいのでしょうか。外国人労働者に対する日本社会の厳しい現実をあらためて提示された気がします。


外国籍住民のための無料健康診断

 6月25日、SHAREとAPFSの協力により、APFS 事務所と都税事務所前広場において、無料健康診断が実施されました。当日は、朝早くから、大脇医師を中心に、SHAREのボランティアの医師・看護婦・看護学生や大学生など40名程とAPFSのスタッフが、検診の準備にとりかかりました。
小雨のぱらつく中でしたが、検診スタートの11時から受付終了の3時まで、予想を上回る数の外国籍住民が検診に訪れ、狭いAPFSの事務所は、問診や検査を担当するボランティアと、検査待ちの人たちとで、床がぬけそうな程混み合いました。
参加者の多くは、APFS のメンバーや、その友人達、あるいは教会やモスクで検診の情報を耳にして集まった非正規滞在の外国人の方々でした。 身長体重、血圧測定、X線検査、尿検査、歯科検査、内科医による診察などが行われ、皆さん真剣な面持ちで健康状態をチェックしていました。 結局、14ヶ国、総勢138名が検査を受けました。
早目の検査、医療的処置は、健康維持には重要ですが、健康保険に加入できない非正規外国人の場合、医療費は多額になってしまうため、症状が重篤化するまで我慢してしまうことが多いのが実際です。今回、予想を上回る滞在の方が検査に訪れたのも、こうした状況を反映しているといえるでしょう。
APFSでは、今後も、関係機関と協力しながら、今回のような無料健康診断を実施していきたいと考えています。

   


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ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY(APFS)