ワーキンググループからのお知らせ

【報告】花吹雪とともに「南」と「北」の連帯マーチ《take1》吹き抜けるG8開発大臣会合に抗議

花吹雪とともに「南」と「北」の連帯マーチ《take1》吹き抜ける
G8開発大臣会合に抗議

4月5日、ぽかぽか陽気の土曜日。六本木の三河台公園から「北と南の連帯マーチ《take1》」が始まりました。(写真はSTOP!G8から)

「参加者よりも多いかな〜」とか思いながらプラカードや旗ざおなどを準備していると、「これなんすか?」とビール片手におにいさんが話しかけてきました。公園の中で花見をしているグループでした。「G8って北海道じゃないんですか」「もうやるんですか」など、ほろ酔い加減もあったのかもしれないですが、なんかフレンドリー。「今日は東京でG8の大臣が集まって会議をやってるんで、抗議のデモをするんですよ」と説明しました。

「そうっすか。よかったらあっちで花見やってるんでどうですか?」と誘ってくれましたが、主催者がデモまえに酒を飲むのもなぁ、ということでありがたくお断り。「ところであれ、なんすか?」とお兄さんの指差したほうにはいつになく多数の公安警察。「なんか花見まで監視されてるようでいやっすよね」と不満を語っていました。花見とデモの監視するな!

お兄さんからは「ほんと皆さんみたいな人がいるから、俺ら気楽に花見なんかできるんっすよね。がんばってください」と激励をうけました。幸先いいぞ!

国際調整会議2日目 報告

 国際調整会議二日目、3月9日にはセッション(5)と、国際調整会議がおこなわれた。

 セッションでは、フォーカス・オン・ザ・グローバルサウスの代表であるウォールデン・ベロー氏による問題提起がおこなわれた。

 ベロー氏はまず、そのはじまりから90年代にかけて、サミットが果たしてきた役割について論じた。サミットは70年代前半に、二つの目的をもってはじまった。ひとつは世界経済をマクロに管理するという目的であり、もうひとつは「西側」諸国が「南」の諸国に対抗するという目的である。80年代において、サミットは前者の目的においてはかならずしも成功してこなかったが、後者の目的においては、IMF/世界銀行を用いた構造調整プログラムによって大きな成功をおさめてきた。90年代においては、サミットは企業によるグローバリゼーションを主導する国際的機関として、WTOの設立とアジア通貨危機の発生に大きな役割を果たした。
 このように、サミットが企業によるグローバリゼーションを推進し、「南」の諸国を支配しつづける道具であると市民社会に認識されはじめたのは、2001年のジェノバサミットからである。ジェノバでのサミットへの抗議行動は、大規模で非暴力の市民的不服従の運動となった点で画期的であった。2005年のグレンイーグルズサミットでは、ブレア首相などにより「人間の顔をしたグローバリゼーション」が喧伝され、NGOの主張を吸い上げることによって、エイズや債務、気候変動の問題が取り扱われた。だが、G8はこれらの問題についての約束をことごとく反故にしたため、2007年のハイリゲンダムサミットではふたたび「G8はいらない」という大規模な市民的不服従の運動が湧き起こった。

G8サミットを問う連絡会「国際調整会議」行われる(08年3月8日)

事務局 山浦康明(日本消費者連盟)

初日3月8日はセッション1から4まで行われた。

(1)第1セッションはG8とは何か、それに対して市民はどのように考えるのかを、事務局の栗原康さんの司会で以下のグループがそれぞれの立場から述べた。

 まずピープルズプラン研究所の小倉利丸さんが「G8で日本政府は何を打ちだそうとしているのか」についてプレゼンテーションを行った。G8の全体的意義について、また今後、閣僚・大臣会合が千葉、東京、新潟、神戸、横浜、青森、大阪、沖縄、京都と続くことなどを説明した後、とくに日本政府の対応に触れた。すなわち日本は地球温暖化・環境問題を主要な議題の一つに取り上げる、としているが、環境問題をてこにして新興国の経済的影響力を削ごうとしており、また、日本政府自らは環境対策と言うそばから「道路特定財源」にこだわり、あいかわらずの環境破壊を続けようとしている、としてその提案のまやかしを明らかにした。

 次に国際協力NGOセンター(JANIC)事務局長の下澤嶽さんが「G8サミットNGOフォーラム」の考え方とその活動についてプレゼンテーションを行った。環境NGOが中心となって、日本で開かれるG8に提案していこうという主張が06年10月ごろから起こり、07年1月には貧困問題、人権問題などに取り組んでいるNGOとともにNGOフォーラムが設立された。参加団体は現在114団体となっており、フォーラム世話人のもとに3つのユニット(環境、貧困、人権)に別れて今年7月に向けて活動している。NGOフォーラムは各国首脳陣、関係団体、官僚などに提言しNGOの主張をG8のコミュニュケに反映させることその後のウオッチングをしていくことを目的としており、現在も外務省担当者との定期的な意見交換会の実施、今後4月にはサミットのシェルパ会合に参加し、そこにNGOリーダーたちの意見を反映させる、4月から7月まで「(七夕の)タンザク・キャンペーン」を行う、7月のG8サミットの直前行動として7月6日から8日まで「オルタナティブサミット」を開くことなどを説明した。

 「G8サミットを問う連絡会」からは山浦が次のように活動目的と特徴、今後の予定をプレゼンテーションした。07年10月から設立準備と活動が始まった当会は、G8会合そのものに疑問を持つ団体、個人が集まって立ち上がった。そして非暴力を旨としてG8の問題点を追及する緩やかなネットワーク組織を作った。現在32の団体、150名を超える個人が賛同し、反軍事、反貧困、経済、農業・食料、ジェンダー、キャンプ、国際連帯などのワーキンググループをつくり7月に向け活動している。賛同している人々のG8会合に対する考え方は、即時ストップを求める意見からG8のあり方を見直すべき、というものまで幅広いが、いずれも現在のG8には多くの問題がある、ということは共通して認識している。またこの連絡会はスポンサーを持たず、参加者の自発性に基づいて活動していることも特徴である。資金的には潤沢ではないが、各自独立して当該関係機関に厳しく対応できる。今後、本日の国際調整会議を経て、3月15日の国内調整会議で他団体との調整をはかり、7月の札幌での行動に向けて各地でワーキンググループを中心に連続した行動が繰り広げられる。ウェブサイトも作成し、その内容も次第に充実してきた。

 次に札幌から駆けつけた越田清和さんがG8サミット市民フォーラム北海道の活動を紹介した。北海道の市民グループなどはG8サミットに対して、地域独自の視点からこれまで問題点を指摘してきた。すなわち広い地域を占める自衛隊基地問題、森林伐採問題があり、また北海道には女性問題、先住民族問題・植民地支配と和解をめぐる問題に取り組むグループもある。G8では議題に取り上げる見込みのないこうした問題を考える上で「市民フォーラム北海道」に集まった人々は、国や自治体が勝手に誘致した「G8は歓迎しない」というスタンスで、6月中旬から7月9日にかけて「G8市民ウイーク」を繰り広げる、と述べた。すなわち6月14日、15日は「フェアートレードフェスティバル」、7月1日からは基地、女性、開発、先住民、森林問題を市民のサミットとして討議する。7月5日にはピースウオークを札幌で繰り広げる。6日〜8日にはオルタナティブサミットを開くと説明した。

 また、木下ちがやさんが「サミット人権監視弁護士ネットワーク」事務局として、どの市民グループにも属さない立ち場から、サミットに関して起きる恐れのある入国拒否や市民の活動に対する弾圧に取り組む準備をしている、と述べた。昨年からすでに始まった外国人を入国の際に監視するUSビジットシステムや3月6日に韓国CAWのメンバーが入国拒否された事例などをはじめ、7月に向けて活動したい、と述べた。

入国拒否に関する抗議声明

2008年3月7日

入国拒否に関する抗議声明

私たちは、韓国からの友人の入局拒否に対して抗議します。

昨日(3月6日)16:00過ぎにANA便で成田に到着し、入国しようとした韓国の友人が入国を拒否されました。私たちはこの不当な入国拒否に対して抗議します。

彼女は今回、CAW(Committee of Asian Women「アジア女性委員会」:http://www.cawinfo.org/)の代表として国際調整会議に参加し、かつ「G8サミットと女性/ジェンダー」という分科会を主宰し、発言してもらう予定にしておりました。CAWとは、不安定かつ劣悪な労働環境で労働を強制されている女性たちを支援しているアジア規模の女性のネットワークです。女性の運動、労働問題、ジェンダーなどに関心のある、または研究している人たちにとっては、著名な団体/ネットワークです。

彼女は今回、入国にあたり、提出書類に「CAWメンバー」と記載し、会議への参加を伝えました。ところが、入国審査官は彼女の主張を認めることをせず、入国拒否の措置を取りました。

国際調整会議 報告(3月7日 記者会見)

国際調整会議 報告(3月7日 記者会見)

 3月7日、参議院会館第四会議室で、G8サミットに異議をとなえるアジアの社会運動活動家4名によって記者会見が開かれた。参加者はおよそ40名、今年7月に開催される洞爺湖サミットへの関心が高まるなか、大勢の取材陣があつまった。

 海外ゲストはいずれも、G8サミットはアジアの民衆の声を反映するものではない、サミットの約束はほとんど守られることがないとして、サミットの非正当性を訴えた。韓国民主労総のイ・チャングンさんは「わたしたちはFTAなどの自由貿易の問題に関心をもっている。それは企業の利益を優先する一方で、労働者や農民の生活を犠牲にしている。G8サミットはこうした企業主導のグローバル化を容認する場にほかならない」として、サミットが推進する自由貿易に警鐘をならした。

 また、主催者側からは記者会見に出席する予定であったキム・エーファーさん(CAW:Committee for Asian Women)が入国拒否にあい、強制送還された旨がつげられ、抗議声明が読みあげられた。記者会見に出席していた社民党党首の福島瑞穂さんは、「入国拒否の理由が、サミット関連の集会への参加にあるとしたら大変な人権侵害。即刻、法務省に問い合わせる」と発言した。

※ 翌日、エーファーさんは再来日し、ふたたび数時間にわたって入管で拘束されましたが、無事入国することができました。詳しい経緯や抗議声明については、別報告を参照のこと。

国際調整会議日程(改訂版)

■□ 洞爺湖サミットって何だろう? 私たちができることは何か?
□■ 2008年3月8日−9日  G8を問う連絡会 国際調整会議
会場へのアクセスの詳細-->こちら
国際調整会議の呼びかけ・賛同団体-->こちら

3月8日(土)

◆ セッション〔1〕 9:30−12:30(9:15開場)
  場所 小岩区民館 集会室第1・2

<G8サミットに取り組む国内のネットワークから>
 ・〔解説〕G8で日本政府は何を打ち出そうとしているのか
   小倉 利丸さん(連絡会事務局)
 ・G8に取り組む国内の各ネットワークからの報告
  G8サミットNGOフォーラム
   下澤 嶽さん (JANIC事務局長)
  G8サミットを問う連絡会
   山浦 康明さん(日本消費者連盟副代表)
  サミット人権監視弁護士ネットワーク
  木下 ちがや さん(Watch事務局)
 ・Q&A、参加団体の紹介など

◆ セッション〔2〕 13:15−16:00(13:00開場)
  場所 小岩コミュニティホール

<北海道の市民はG8サミットで何を訴えるのか>  
 越田清和さん(G8サミット市民フォーラム北海道)

<G8サミット———もうひとつの声>
 ・G8が進める労働の不安定化と対抗する労働運動
  イ・チャングン(韓国民主労総 国際部長)
 ・なぜ世界の農民はG8を問題にするのか
  インドラ・ルビス(ビア・カンペシーナ アジア太平洋地域担当)
 ・G8の進める「開発」の本当の姿——途上国債務から考える
  リディ・ナクピル(ジュビリー・サウス アジア・アフリカ担当)
  ほか
※講演者および講演内容は変更することもあります。ご了承ください。

◆ セッション〔3〕 17:00−19:00
  場所 小岩区民館 講座講習室、北小岩コミュニティ館 集会室第3・4、和室1・2

<テーマ別ワークショップ>
 反軍事、反貧困、経済のグローバル化、環境、農業、ジェンダーなどを予定。
 ※場所などの詳細はセッション1、2の中でアナウンスします。
  逐次通訳がつきます。

◆ セッション〔4〕 19:30−21:00
  場所 小岩区民館 講座講習室
<戦略会議>
 今後の連携や具体的な実務などについての意見交換。

3月9日(日)

◆ セッション〔5〕 9:30−12:00(9:15開場)
  場所 小岩区民館集会室第1・2(定員100名)

・G8とは何か—その批判的検証
 ウォールデン・ベロー(フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス代表)

<戦略会議>(続)
 前日の議論を踏まえて、今後の連携や具体的な実務などについての意見交換。

G8洞爺湖サミットに向けたアジアのNGOによる記者会見のお知らせ

  

2008年3月5日

PDF版はこちら

G8洞爺湖サミットに向けたアジアのNGOによる
記者会見のお知らせ

報 道 機 関 各 位

 以下の通り、記者会見を開きますので、ご参集くださいますよう、お願い申し上げます。

 来る7月、北海道で洞爺湖サミットが開催されます。退任を目前にしたブッシュ大統領やプーチン大統領、また私的な生活を公表してやまないサルコジ大統領ら7名を迎えて、世界的な金融不安、穀物価格の上昇など、グローバルかつ即時に波及し変動する国際情勢の中で、日本の福田首相はどのような舵取りをするかが国際的に注目されています。日本政府は、京都議定書に続くいかなる気候変動対策を打ち出せるのか、またブッシュ米大統領のもとで政策を作ってきた日本政府は、去っていく大統領等と、果たしてどんな議論が現実性を持ってできるのだろうか、などと国際的に疑問視されているところであります。

 そうした国際情勢のもとで、G8サミットについては、とりわけ、現在、アジアの途上国のNGOの間で関心が高まっています。それはアジアの政治経済に大きな影響力を持っている日本政府がG8サミットを主催するからです。そして、そもそも、途上国はG8諸国が作り出す政策に翻弄され、依然として多くの人々が貧困を克服できない状況の中で、世界のシナリオをG8に託すことができるのか、と考えているからです。

 このたび、以下のアジアのNGOの代表が、G8サミット中の活動について、日本の市民団体やNGOと意見交換するための国際調整会議(3月8~9日小岩区民館)に参加するために来日します。彼/彼女らは、G8サミット中に、セミナーやワークショップの開催などを通じて自分たちの声または主張を発表して、それをG8サミットに参加する世界の首脳たちに届けたいと考えております。しかし、日本政府は入国制限をはじめ、こうした市民社会の平和的な活動にすら規制をし、禁止する方向であるという情報が、世界の市民団体やNGOの間に飛び交っています。

 今回、アジアから来日するNGO代表らは、こうした日本政府の方針に対して疑問を持っており、少なくとも対話のスペースを提供してほしいと訴えています。

 そこで、来日する機会を利用して、以下のように、記者会見をすることにしました。
 報道機関の皆様、ぜひご参加くださいますよう、お願い申し上げます。
 
 日時: 3月7日(金)、16:00~17:00
 場所: 参議院議員会館第4会議室
 (*玄関のところで、当連絡会の担当者より通行証を受け取ってから、ご入場ください)

【3月8日〜9日】G8を問う連絡会 国際調整会議に参加を

■□ 洞爺湖サミットって何だろう? 私たちができることは何か?
□■ 【3月8日〜9日】G8を問う連絡会 国際調整会議に参加を

 7月7〜9日、山頂にそびえるセレブ御用達の高級リゾートホテル、ウィンザーホテルに、退陣間もないレームダックのブッシュ米大統領と、金満ぶりが自慢のサルコジ仏大統領ら世界の要人8人が登場し、さらには急成長しているインド、中国、ブラジル、南アなどの新興国や、アフリカ諸国のリーダーたちを集めて、政府内の意志一致がとれないガタガタの福田首相が「美しい星(クールアース)」のリー
ダーシップを発揮するとされています。そして、政府は洞爺湖サミットに多額の資金を計上し、地方自治体、警察、自衛隊などを大動員して、福田首相に美しいリーダーシップを発揮させようとしています。

 一方で、ウィンザーホテルの足元にある洞爺湖温泉街は、伝統的な和風旅館が立ち並び、サミット中は一般客の宿泊が禁止されます。一旦消えた客足がサミット後に回復できる見込みはなく、旅館関係者は不安の念に駆られています。

 では、このような中で開催されるG8洞爺湖サミットについて、私たちはどのように考えたらよいのでしょうか。そして私たちに何ができるのでしょうか。

 これまでG8が開催されるたびに、それと並行的に市民による様々な行動が行われてきました。昨年ドイツ・ハイリゲンダムで開催されたG8には、ドイツをはじめ、世界各地から約8万人の人々が開催地近くに集まって、自らの主張を表現または発信するために、デモ、コンサート、セミナー、ワークショップ、会議、キャンプなど、様々な行動を行いました。

 そして7月の洞爺湖サミットについても、このような企画を考えている人たちが日本の内外にたくさんいます。そこで、G8洞爺湖サミットのパラレルアクション(G8に関連する市民による並行的な活動)に関心のある日本の内外の人たちが集まって意見交換をする場として、以下の通り国際調整会議を開催することにしました。

 国際調整会議で討論を重ねることによって、各自で計画している表現活動が最大限実現するように互いに協力して、G8に対するパラレルアクションの総体的な成功を目指したいと思います。3月8日〜9日の集まりにぜひご参加ください。

 また3月7日(金)16:00〜から海外ゲストによる記者会見を予定しています。参議院議員会館第4会議室です。こちらへの取材もお待ちしています。

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