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『ACT―市民の政治―』125号(2000年7月10日)

Line Up

◆辛口レビュー 初当選、ついに国政へ 阿部とも子さん(衆議院議員)
◆CATCH UP
◆いずみ(編集長コラム)
◆市民派候補者たちの選挙戦
   辻元清美さん 山中悦子さん 中北龍太郎さん
◆少年問題を考える―大人たちは子どもたちをどこに連れていこうというのか?
   南雲和子(『全国不登校新聞』新潟通信員) 大津京(都内定時制高校教員)
◆危険な信仰 フッ素の虫歯予防(1)  南雲明男(フッ素を考える新潟連絡会)
◆部落解放運動 荊の道はいま(2)  笠松明広(解放新聞編集長)
   「部落解放基本法」制定を求めて
◆注目の市長選挙 東京狛江市・石川珠洲市
◆一年生議員のこの一年〜瀬野喜代さん(荒川区議)
◆市民派議員リレートーク(12)北海道石狩市議・堀弘子さん
◆ECOひいき @東京・赤かぶ弁当 A福岡・アレルギーを考える会 B神奈川・フェアリーテール
◆経済ウォッチング(6) 成長率信仰の無意味さ
◆欧州短信 フランス・トロツキスト二派―地方選挙での共闘成らず
◆BOOK Review 『万博にみる愛知の政治の貌』小林収・大松沢光敏 著(市民自治あいち21/700円)
◆広告(3面)
   『軍縮』8月号……宇都宮軍縮研究所
   『創』8月号ほか……創出版
   『月刊オルタ』バックナンバーほか……アジア太平洋資料センター(PARC)
   『水道水フッ素化批判・資料集』ほか……フッ素を考える新潟連絡会


辛口レビュー

初当選! 若者と高齢者のかけはしに
阿部 とも子さん
(衆議院議員[社民党])

環境優先社会をめざし
現実的政策の質で勝負

女性候補者が社民党選挙の作風かえた

阿部とも子さんプロフィル
あべ ともこ 1948年、東京生まれ。74年、東京大学医学部卒業、小児科医を志す。その後、稲田登戸病院、国立小児病院、東大病院小児科などに勤務。93年〜94年、米国メイヨークリニックに留学。95年より湘南鎌倉総合病院小児科部長。「命ひとつずつ大切に」をモットーに、新生児から思春期までの子どもたちの心と身体をケア。98年より千葉徳洲会病院院長。95年、「平和:市民」から比例全国区で立候補、落選。98年参院選で社民党から立候補(神奈川県選挙区)、落選。2000年6月衆院選で社民党立候補(神奈川12区)、小選挙区では惜敗するも、比例南関東ブロックで原陽子さんとともに復活当選。社民党神奈川県連副代表。


 ――当選おめでとうございます。今回の選挙の特徴は?

 社民党の女性候補者は皆、1人でも街頭に立ち自分の言葉で話をする人たちでした。神奈川では25歳で最年少当選した原陽子さんも、惜しくも当選を逃した山中悦子さんも、安田節子さんもそうです。そういう市民派女性候補が社民党選挙の作風を変え支持を広げたのだと思います。
 私が前回参議院で社民党比例区から立候補したときは労働団体や元社会党の人びとに支えられて選挙を戦いましたが、選挙民と直に語り合う機会が少なく欲求不満でした。今回は小選挙区だったので街頭で選挙区の人に語りかけ、直に話を聞けました。
 今回、原陽子さんを社民党が当選させた意味は大きい。20代女性の投票率はとても低いんです。就職難の20代、30代にかけては育児不安、10代では私が専門とする拒食、過食など摂食障害、これらは若い女性の生きづらさのサインです。原さんが衆議院に就職しましたと話していたけれど、若い女性たちも政治に目を向けてほしいですね。

 ――阿部さんは、高齢者と若い世代の橋渡しをする世代ですが…。

 今回は若い男性の期待が大きいように感じました。街頭演説していると、握手を求めてくるのが20歳から30歳くらいの男性。「社会の矛盾を変えて!」と言える男の子と、我が身に矛盾を引き受けてしまう女の子というのは、もちろん物事の一面かもしれないけれど、象徴的でした。
 また若い人の中に、年金をはじめ社会保障制度で自分たちが高齢化社会の犠牲になるという考え方が根強いと感じました。年金の世代間格差の問題ですが、当座の自己負担がないよう公的年金をなくし私的年金にという考え方にとらわれがちになる。でも、医療保険、年金、失業保険というセーフティネットがなければ、彼らも不安定な生き方を強いられる。高齢者と若者が分断されている状況下で、若い人に高齢者のことを考えてもらうのも私の役割です。

 ――どのような社会保障制度のあり方をお考えですか?

 私は神奈川ネットワーク運動が主張する中負担高福祉に賛成です。高負担高福祉は大きな政府。他の社会政策が充実していれば別ですが、今この国で高負担を言いだせば必ず切り捨てられる層が出てくる。中負担高福祉政策は市民参加、情報公開が要になります。社民党は社会保障政策を掲げるに当たり、高負担高福祉なのか中負担高福祉なのか決めなければなりません。
 ここは日本と欧州の社会民主の違う点。欧州の高負担高福祉は政治への信頼が前提になっていて、住宅政策によって生活のインフラ整備も整っています。日本では個人が分断されたかりそめの住宅政策によって住宅は持てたとしても、老後ひきこもってしまう高齢者がどれだけ多いことでしょう。福祉社会づくりが急務な分だけ何から手をつけていくべきか検討が必要です。

 ――社民党の市民派には期待したいが自社さ時代の反省をという意見もありますが、社民党再生への展望は?

 90年代半ばの政界再編で社会党議員の大半が民主党に移り、社民党は小さな政党になってしまいましたが、今回の選挙は女性候補がたった一人でも自分の言葉で正義を語った選挙だと思っています。
 社民党をダメにした要因のひとつは労組依存体質です。労組の決定が議員を縛り緊張関係がなくなった。労組が民主支持になれば議員もついて行かざるを得ないような依存関係です。確かに、労働組合は労働者のために雇用確保や賃上げを要求して闘ってきたし、賃上げの余波を「おんな・子ども」や高齢者にも及ぼしてきたことも事実です。
 でも労組の正義は必ずしも市民的正義ではない。連合を中心とする労働団体は高齢者層の医療切り捨ての立場に立っているし、健康保険組合は高齢者層の医療費は労働者の負担になるから切り離したいと主張する。これに対し社会的弱者切り捨てに異を唱える意見は労組的発想からのものではありません。土井さんの掲げる「市民の絆」も、これから本当に地域で市民参加を進められるか、正念場です。
 低成長の下で高齢者化社会を迎え、地域の重みが増した分、市民参加型の政治がますます必要になっています。社民党再生のカギもそこにあると思っています。

 ――最後に、阿部さんご自身の抱負と課題を。

 私がこの選挙で公約の第一に掲げたのは、小学校区を中心にした新しい福祉区創り。小学校区の1万人から多くても中学校区の10万人の単位でさまざまなネットワークができる構造が必要だと感じています。そのくらいの行政単位でないと密接な関わりは望めません。規模の問題も念頭に置きながら、福祉、地域政策を考えていきたいです。
 さらには個人単位の年金づくり、医療介護福祉を中心とした地域興しなどの公約をあげました。また今年、選挙区の藤沢市で工場廃液によるダイオキシン汚染が問題になりました。住民意識も高まっている今、地域から環境政策を提案していこうと思います。規制緩和もその視点から考え直してみる必要があります。
 社民党は雇用形態、産業基盤についての政策を持つ必要がありますが、私は、公共土木事業でなく医療・福祉を産業基盤にするべきだと考えます。また日本では運輸省が交通政策を担当していますが、安全や環境よりも利権が優先されてしまう。車社会、公共交通をどうするかも、都市政策上、重要な課題です。沖縄基地問題でも現実的な政策提言をできるかが勝負です。
 社民党は今回の議席贈により本格的な政策論争ができる段階に入りました。連立時代の社民党は政権与党になることで自らの政策を語る努力を怠りました。その反省をふまえ、支持者に対し政策立案過程を情報公開して背景説明をしていく必要があります。
 二大政党制は多様な価値観を反映できる制度ではありません。日本社会を高度経済成長型でなく環境優先社会に転換できるよう、質で勝負して統一戦線が組めるよう、社民党は、緑の党的な立場から政策を作るべきだと思います。

[7月2日 構成/清水直子]


いずみ

 辻元清美さん、おめでとうございます。
 50万人の出口調査をしたというテレビ朝日が、早ばやと当確、それも選挙区での当確を出したとき、正直いって「ほんまかいな」と驚き、ほんまであってほしいと、願わずにはおれませんでした。変な言い方ですが、当確がほんまに確定したとき、テレビに向かって思わず「六甲おろし」を歌ってしまいました。
 あなたとは一面識もありませんが、たしか85年、忘れもしない阪神タイガースが日本一になった年、東京で開かれた「フォーラム」で、あなたは会場から発言していました。内容は憶えていませんが始めたばかりのピースボートの経験をもとに、なんのてらいもなく、初ういしく、それでいて堂々と発言されていた姿を、よく憶えています。
 ピースボートという現代風の発想だけなら若者らしいと称賛するだけですが、それを事業として成功させたところに、あなたのしたたかさ、たくましさを誰もが認めるところです。実は95年の「平和・市民」の候補者にあなたを推奨したのですが、うけいれられなかった苦い経験がわたしにはあります。土井さんの慧眼に感服するとともに、あなたにとっても社民党は似合っているのでしょう。
 前回比例区候補のとき、あなたは在日コリアンの街、猪飼野を行脚しました。一票にもならないのに日本の植民地支配を反省し、従軍慰安婦への謝罪と補償を訴えました。見えすいたパフォーマンスと嘲笑する他候補や、訳知り顔の評論家がいましたが、政治にはパフォーマンスが必要だと、当然にも知りぬいているあなたは、ここでもしたたかに演じきりました。
 「強姦願望」の西村真悟は比例で辛うじて首がつながりましたが、国会と駅頭で弾劾しまくったあなたは西村真悟をTKOしました。「がんこに平和を」それこそがんこに主張し続け、新国家主義をKOするまで頑張って下さい。
 社民党は正念場にさしかかっています。今年、党大会を開かれるそうですが、緑の党に本格的に脱皮されるよう、赤からのエールを送りたいと思います。

小寺山 康雄


ECOひいき

赤かぶ弁当 (東京)*
*女たちのワーカーズコレクティブ*

 私たちは、地域の人や働く人たちに手作りの安全な食べ物を届けること、自分たちで働く場をつくり出すことを目的として、私たちのワーカーズコレクティブ「赤かぶ弁当」を設立しました。
 赤かぶ弁当の土台になっている「グループ赤かぶ」は、1983年から豊島区北大塚で女性を中心にしたフリースペースをオープン。無公害石けんや無農薬野菜の共同購入、リサイクル、女性の生活・労働相談、アジアからの留学生や外国人の相談など「働くことと暮らし」を通じて仕事や年齢や国を越えた出会いの場をつくっています。
 こうしたNGOの活動に加えて、92年から無農薬野菜、無添加調味料を使ったワーカーズコレクティブ「赤かぶ弁当」を始めました。地域で働く場を確保するとともに、高齢者や障害者への配食サービスなど在宅福祉にも関わっています。
 店売りの日替わり弁当は670円ですが、会議やさまざまな集まりなどに特別注文のお弁当やパーティ料理もつくっていて、野菜をたっぷり使った内容に喜ばれています。一度に300食までお引き受けできます。メニューやご予算、テーブルセッティングなどお気軽にご相談ください。

真壁 清子

【連絡先】東京都豊島区北大塚3−20−17
      TEL03-3940-6359 FAX03-3910-2066
      URL akakabu@syd.odn.ne.jp

 

アレルギーを考える会 (福岡)
*卵・牛乳・砂糖を使わない料理集*

 1990年、アレルギー症状の乳幼児を持つ母親が集まり、母親主体の本会を発足させました。
 年々アレルギー疾患が増加していますが、アレルギー児を持つ親は一人で悩んでいるのが現状です。私たちは、父親をはじめ家族の方、周りの一人でも多くの方に理解していただきたいという趣旨のもとに、勉強会・交流会・料理教室等活動しています。
 この度、発足して10年の節目を迎え、卵、牛乳、砂糖を使わなくても、美味しくお料理できる料理集、『かめかめクッキング』(1000円・送料別)を出版しました。おやつ、お総菜と77のレシピをイラストで楽しく紹介。アレルギーの方だけでなく、アレルギー症状がない方にも自然食料理としておすすめします。この料理集を通して、多くの方にアレルギーを理解していただけたらと願っています。
 購入御希望の方は、官製葉書で、浜崎までお申し込みください。葉書が着き次第、本と一緒に振込用紙を同封させていただきます。

野田 朱美

【連絡先】福岡県福岡市中央区平尾5−14−26−201 浜崎敦子宛

 

フェアリーテール (神奈川)
かえる型ショッピングバッグ*

 「エコロジー派」を自認するあなた、日々の実践はどのようになさってます? 「ごみの分別はきっちりと」が第一段階なら、「ペットボトル買わない」、「ビールはビンで飲む」が第二段階。
 次のステップは買い物袋持参。でも、スーパーバッグじゃ恥ずかしい!? かさばるのもいやだという向きには、これ。カエルの顔の後ろのファスナーをあけると中に袋が入ってます。35cm×38cm、幅4・5cmだから、ちょっとした買い物はこれで十分。プレゼントにもお手頃。他にウサギ、ゾウ、ハムスター、クマもアリ。
 一個480円(送料120円)。お買い得!

奥山たえ子(編集部)

【連絡先】川崎市麻生区上麻生1−6−3
      TEL/FAX 044-951-3511(FAX兼用)
【行き方】小田急線新百合ヶ丘下車徒歩3分。マプレ内フェアリーテール

 


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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