■[トピック] |
◆歴史歪曲の「つくる会」教科書を採択させるな!
「歴史歪曲を許さない! アジア緊急会議」宣言・行動計画
◆CATCH UP ◆いずみ(編集長コラム)
◆〈教科書問題〉韓国から抗議のため来日 梁官洙さん
◆〈教科書問題〉「つくる会」教科書の記述に対する韓国・中国政府の主な修正要求
◆中国人戦争被害者の要求を支える会からの裁判傍聴・集会参加のお願い
◆経済ウオッチング(16) 円安でも貿易黒字は縮小
◆市民派議員リレートーク(30) 松平要(大阪府東大阪市議)
◆〈案内〉 「学校・職場のいじめ」電話相談員学習会
◆5・18ACT読者会 “緑の党の可能性”―グローバルグリーンズ参加者たちの視点
必要なのは党ではなく「政策」 橋本久雄(小平市議)
オルタナティブ議論の場を 日野雄策(GAIA主宰)
現実を知り、学ぶことが先決 船波恵子(品川区議)
もっと前向きな姿勢欲しい 川田龍平(龍平学校主宰)
◆[コラム]法談閑談
◆《新連載》意識のオルタナティブ
◆かわたなつみの英国Eco留学日誌(6)
◆今月のしなやかヤッシー 現場主義の姿勢に支持率85%
◆広告(3面) 『記録』7月号……株式会社アストラ
『「日の丸・君が代」じかけの天皇制』ほか……インパクト出版会
さつき印刷
『創』7月号ほか……創出版
アジアが、世界が怒ってる
歴史歪曲の「つくる会」教科書を採択させるな!
「アジアは、そして世界は、日本の歴史歪曲教科書を許さない!」
6月12日、世界71ヵ国、125都市の日本大使館や領事館の前で一斉に、侵略戦争と植民地支配を美化し正当化する歴史歪曲教科書=「新しい歴史教科書」を検定合格させた日本政府に対する抗議行動、「日本の教科書を正す国際キャンペーン」がとり組まれた。
日本では、11日夕方に文部科学省前で500人が参加した「人間の鎖」に引き続き、12日正午から同じく文科省前で「国際キャンペーン」の抗議行動。呼びかけは、挺身隊問題対策協議会や太平洋戦争犠牲者遺族会、そして女性運動、労働運動など99団体からなる韓国「日本の教科書を正す国際キャンペーン」訪日団。それに日本側の日韓民衆連帯ネットワークや日本キリスト教協議会などが共催するかたちで、この日の行動にも約300人が参加した。
前日の11日夜には、日本教育会館一ツ橋ホールで、アジア連帯緊急会議の集約集会が、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)、平和を実現するキリスト者ネット、子どもと教科書全国ネット21の共催でおこなわれた。
海外からの参加者は韓国、フィリピン、マレーシア、台湾、中国、インドネシアから約100人。全体の参加者も700人を超え熱気溢れる集会となった。以下、集会で決議された「宣言」および「行動計画」を掲載し、読者のみなさんの各地域での主体的な取り組みを呼びかけたい。
「歴史歪曲教科書を許さない!アジア連帯緊急会議」
宣言・行動計画
(2001年6月11日/東京)
◎宣言
侵略戦争も植民地支配も正当化する国家主義勢力が日本で台頭し、日本を再び戦争のできる国家に変えようとしています。それを意図した「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書について憂慮する韓国、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシア、日本、アイヌ民族、沖縄、在日外国人、および朝鮮民主主義人民共和国(日本政府の入国拒否のため文書提出による参加)の250人が「歴史歪曲教科書を許さない!アジア連帯緊急会議」を2001年6月10〜11日、東京で開きました。
私たちは2日間の会議で、日本軍の性奴隷として「慰安婦」にされた女性や、住民虐殺被害者、日本国内のアイヌ民族、沖縄、在日コリアンの立場からの証言を共有し、「つくる会」教科書の採択を阻止するために、そして、将来のあるべき歴史教育を確立するために、どのような行動をとるか意見を交わしました。この2つの目的達成のために、私たちアジアの人々の連帯を強めることを宣言します。
日本では「つくる会」教科書問題の集会が今年に入ってからでも全国各地で300回以上開かれるなど急速に批判が高まっています。また韓国、中国両政府から修正要求が日本政府に出され、韓国の国会議員や元「慰安婦」が来日して日本政府に座り込み等の抗議行動をとりました。その他のアジアの国々からも抗議の声が日本に次々に届いています。それは「つくる会」教科書がアジアの全ての人々にとって危険なものだからです。
危険な教科書!
「つくる会」歴史教科書の問題点は、第1に、日本の侵略戦争をアジアの西欧植民地支配からの解放戦争であると美化し、植民地支配は合法的であり、相手国に貢献したと評価するなど、過去の歴史をすべて正当化していること。第2に、皇国史観に貫かれ、天皇の戦争責任を追及するどころか天皇を礼賛していること。第3に、南京大虐殺を疑問視し、日本軍性奴隷制(「慰安婦」制度)という20世紀最大規模の戦時性暴力を抹殺していること(執筆者は、「慰安婦」の記述はトイレの歴史を書くようなものと暴言)。第四に、歴史の主体が国家中心で、民衆やマイノリティ不在であること。第五に、家制度を擁護し良妻賢母の伝統的性別役割を強調するなど女性蔑視思想が濃厚なことなどです。つまり自民族中心、国家中心、権力者中心、男性中心史観に貫かれているのです。
このような歴史認識は「つくる会」公民教科書に反映しています。第1に、憲法改悪、自衛隊礼賛、海外派兵、集団的自衛権、「中国・北朝鮮脅威」論、「国旗・国歌」の強制、国益と国家秩序、国防の義務強調、核武装肯定など、戦争のできる国づくりを公然と主張しています。第2に、戦争国家にするために、市民的自由や権利よりも公共の福祉優先、個人よりも家族の一体性重視、外国人やマイノリティへの差別軽視、市民運動の敵視など、人権より国権優先の国家中心主義、排外主義、人種差別思想を唱えています。第3に、女性への暴力の問題など女性の人権や男女平等教育への配慮に欠け、女性差別が明らかです。
教育を我々の手に
このように歴史・公民教科書は表裏一体のものであり、歴史教科書の過去の侵略肯定という歴史認識が公民教科書の現在の戦争肯定につながっているのです。さらに国連人権規約などの国際人権法や国連勧告などにも反しています。このような教科書が子どもたちに与える悪影響は計り知れません。
「つくる会」教科書の問題は、日本の小泉内閣の憲法や教育基本法改悪、靖国神社公式参拝などの動きに連動し、戦争のできる国家に向かうものであり、このような日本の国家主義への流れに、アジアの人々が国境を越えた協力で歯止めをかけないと、アジアに再び惨禍と災厄をもたらす恐れがあるのです。
しかし危険な国家主義は、経済のグローバル化への反動として、世界各地で広がって紛争や暴力を引き起こしており、アジアの国々でもそれを食い止めなければならないと思います。そのためにも、それぞれの国で自国の歴史を点検し、教育を国家権力から人々の手にとりもどし、平和のための歴史教育を実施することが必要です。
平和と人権のアジアを
私たちは、第一に、日本政府が「つくる会」教科書を検定に合格させた責任を厳しく問い強く抗議します。それは宮沢官房長官談話と近隣諸国条項(82年)、河野官房長官談話(93年)、村山首相談話(95年)、日韓共同宣言(98年)、日中共同声明(98年)など日本政府のこれまでの公式見解や国際公約に違反した措置だからです。そして、日本政府が、韓国、中国からの修正要求に誠実に応じるように要求します。
第二に、「つくる会」教科書が各地の教育委員会で採択されて教室に持ち込まれないように、私たちは、日本国内で、アジア全域で、できる限りの共同行動を起こします。
第三に、アジアに生きる私たちが和解と信頼に基づく平和と人権のアジアを創ることを願い、そのような大事な役割を担う子どもたちを育てるのにふさわしい歴史教育を確立する為に協力し合います。
これらの目的を達成するために、私たちは、歴史教育アジアネットワーク(仮称)を形成することに合意し次のような行動計画を提案します。
◎行動計画
T.「つくる会」教科書採択採択阻止のために
1)地域で
・教育委員会への働きかけ (請願要請の署名運動、手紙・ハガキ書き)
・教科書展示会(アンケートに意見を書く)
・採択課程の公開要求
・地方議会に憲法、教育基本法に基づく教科書採択の要請・請願
・「つくる会」教科書を他の教科書と比較して読む運動
・教科書問題の様々な集会
・市民ネットワークづくり
・地方自治体の人権教育・国際理解教育に歴史教育を取り入れる
2)教育現場で
・校長や教師と話し合う
・PTAで取り上げる
・教職員と市民との連携
3)全国的に
・マスコミ対策(新聞に折り込み広告・意見広告。良い記事を応援・悪い記事に抗議)
4)アジア各国で
・毎週金曜日座り込み
・各国で日本大使館に抗議
・自国政府に日本政府への働きかけを要求
5)アジア太平洋地域の連帯で
・アジア共同署名運動
・姉妹・友好都市間の連携
・Eメールでの情報伝達
・同時サイバー・キャンペーン(文部科学省に対して)
・ホームページ作成
6)国際機関や世界で
・国連人権委員会、ILO、ユネスコなどの国連機関に世界のNGOと提携して訴える
・グローバルなNGOネットワークに情報伝達
U.アジアの未来を共に創る歴史教育を確立する為に
1)ジェンダーの視点で
・女性運動と教科書運動の連携
・すべての教科書に「慰安婦」記述の復活、充実
・ジェンダーの視点からのアジア共通の歴史教科書
2)歴史・教育学者として
・国定教科書など自国の歴史の見直し
・朝鮮史、アジア史、日本史学会に行動を要望
・地域史などの作成
3)歴史教育の国際協力
・アジア各国間の生徒、学生、教師、学者同士の交流(共同授業など)
・市民の交流、スタディツアーなど
・他のアジア諸国の歴史教科書を参考にする
・歴史副読本の共同制作
・各国教科書の日本関連記述についてのシンポジウム、報告書
4)国際キャンペーン
・「つくる会」教科書支援日本企業の責任追及(企業名公表、製品不買運動など)
・日本の国連常任理事国入り反対運動
・日韓協定など二国間協定の見直し
以上
「歴史歪曲教科書を許さない!アジア連帯緊急会議」参加者一同
◆呼びかけ団体
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)
平和を実現するキリスト者ネット(キリスト者平和ネット)
子どもと教科書全国ネット21
◆連絡先
日本キリスト者協議会(NCC)
TEL 03-3203-0372
FAX 03-3204-9495
E-mail:ncc-j@jca.apc.org
小宅は、山を削り海を埋立てて県が造成した「タウンハウス」とか称する家である。右肩上がりの経済成長が永遠に続くことをほとんどの人が信じていた80年代初めに、父母と同居するために購入した。緑町というだけあって緑豊かな公園に囲まれ、十数種の鳥の囀りが心を和ませる。
とはいっても、この環境は白砂青松の芦屋の浜を壊し、六甲山を赤茶けた無惨な姿にして手に入れたものである。内心忸怩たるものがあるが、居住選択の自由など紙の上の絵空事にすぎない小市民としては、この地しかなかったと居直らざるをえない。二十年前、この地を案内した県の職員は、「家の耐久年数は200年。保育所完備、医療機関も商店も大型でなく、サービスの行き届く専門店方式にする予定です」と、小鼻をひくつかせながら自慢したものだ。
腕のいい阪神ファンの寿司屋、土佐出身の活魚屋、素人ぽさがえもいえぬ美人ママの喫茶店、当時はまだそれほどのブームでなかったのにワインの品揃えが自慢の酒屋。すこし遅れて開店した生鮮食品中心の生協。亡くなった母などは、犬を連れて寿司屋で昼食し、魚屋で駄弁し、喫茶店でスポーツ新聞全部を読み漁る日々に満足していた。
別に人口が減ったわけではないのに、これらの店は全部潰れてしまった。本来、居るはずの医者も、いつのまにか消えてしまった。20年前の中年世帯は、こぞって老年世帯になってしまった。徒歩で買い物し、かかりつけの医者を必要とし、密度の濃い人間関係を求める年齢層になったとき、居場所がなくなってしまったのだ。
農薬漬けで、第三世界を飢えさせても、安くて品数豊富、駐車場完備の大型量販店で一週間分まとめ買いする。これがグローバルな時代のトレンディな消費者というものだ。薬と検査漬けでも、巡回バスに乗れば大病院の玄関まで直行する。これこそ市場一辺倒時代の医療というものだ。
自動車を持たず、体力もない、ちまちました社会的弱者は人の目にふれない所で、死を待てばよい。これが「聖域なき構造改革」というものだ。
小寺山康雄
ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
@お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)
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