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『ACT―市民の政治―』147号(2001年6月11日)

Line Up

  ◆東京都議選直前インタビュー
      1期目の実績土台に2期目に挑戦
         福士敬子さん(東京都議会議員[無所属・市民派])
  ◆CATCH UP  ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆刈羽村住民投票―選択はプルサーマルNO!
        武本和幸(柏崎原発反対同盟・刈羽村を守る会)
  ◆アブナイ個人情報保護法
  ◆末端私論 「私の体験したヤング・グリーン」 竹内麻生(関西外国語大学学生)
  ◆OLのつぶやき・会社のかたすみから   D時代錯誤CMに喝!
  ◆ゲバ太の怒り!(16) 巨大メディアが見ようとしない悲劇
  ◆[告知] JCO臨界ヒバク事故9・30 2周年行動・東京圏実行委員会結成の集い
  ◆グローバル・グリーンズ世界大会報告B
     世界が求めている日本のムーブメント  栃倉幸一(市民新党にいがた)
     勝ち負けはどうあれ政治を変えるしかない 吉本ひろ子(寝屋川市議)
     沈黙のメッセージを代弁する緑の人びと  渡辺さと子(香川県議)
  ◆4・25神戸地裁 被災者自立支援金訴訟に画期的判決
  ◆市民派議員リレートーク(29) 戸田ひさよし(大阪府門真市議)
  ◆[お知らせ]ご購読を! 戦争を拒否し、有事立法に反対するFax通信
  ◆コリア国際法廷を成功させよう
  ◆BOOK Review
     コリン・コバヤシ著『ゲランドの塩物語―未来の生態系のために』
                               (岩波新書/700円+税)
     大穂耕一郎 著『春の小川でフナを釣る』(まつやま書房/1800円+税)
     社会主義理論学会 編『21世紀社会主義への挑戦』(社会評論社/3600円+税)
  ◆ひとときの光(4) きらめく葉光
  ◆Hot Issue in the World(1) 貿易自由化される公共サービスの未来
  ◆募集中! ECOひいき
  ◆広告(3面) さつき印刷
          『サイバー・フェミニズム』……インパクト出版会
           『軍縮』7月号……宇都宮軍縮研究所
          『創』7月号ほか……創出版
   《付録》グローバルグリーンズ世界大会報告
       総会での渡辺さと子議員のスピーチ


東京都議選直前インタビュー

福士都議の再選をかちとろう

1期目の実績土台に2期目に挑戦
  福士 敬子さん
 (東京都議会議員[無所属・市民派])

石原東京都政にガツン!
ひとりでも筋を通します

福士敬子さんプロフィール
ふくし よしこ
  1939年、韓国釜山に生まれる。83年、東京・杉並区議会議員にトップ当選。痴呆症の義母を看取った体験をふまえて全国初の若年性痴呆制度ほか多数の福祉制度を新設。生協活動をベースに環境問題、ごみ問題、食品安全対策にとりくむ。99年、東京都議会議員補欠選挙で杉並選挙区から6万票をこえる圧倒的支持を得て都議会議員に初当選。東京スタジアム買入や臨海副都心開発ほか、都の無駄遣いを追及。政策提案の4本柱は「お年寄りと子どもたちがいきいきと暮らせる福祉・教育の環境整備を」「都民に見える・わかる・納得できる都政へ」「これ以上、東京を汚さない、壊さない」「安心して働き続けられる労働政策を」。
【連絡先】杉並区荻窪1-33-17 TEL03-5932-2947(FAX兼用)
【カンパ振込先】郵便振替 00180-4-613159 「自治市民’93杉並」 [構成:大島正裕/文責・編集部]

 都議会議員選挙が迫っています。唯ひとりの市民派都議会議員として再選をめざしている福士敬子さんにお忙しい中、お話を伺いました。
 福士さんは杉並区選出。杉並区議会議員を四期務め、前回九七年の都議選では次点でしたが、二年前、都知事選と同時におこなわれた補欠選挙で六万票以上を獲得し当選。以来、石原都政の横暴を一つひとつ筋を通してチェックしてきました。その多くはたった一人の「NO!」でした。
 そういった福士さんの議会活動は、すべてメディアによって報道されてきました。的確な問題提起と、圧力にひるまない毅然とした姿勢が誰からも評価され、行政の現場からもある意味、信頼を得てきました。この二年間で都議会での存在感を充分に示し、今後の議会活動の基礎を築いたといえるでしょう。
 六月十五日告示、二十四日投票の都議選が間近に迫った今、絶対に福士さんを落選させるようなことがあってはならないと、本紙は声を大にして読者の皆さんに訴えます。全国からさまざまな力を集中させ、福士都議の再選をかちとり、「市民の政治」を実現させましょう。

 これまでもそうでしたが、今の東京都議会の問題点は、議会が石原都知事をはじめとする行政に対してチェック機能を果たしえていないということです。
 私は自治市民93 という1人会派なので3分しか質問時間がありません。なるべく毎回質問していますが、どうしても足りないので、8項目80点にわたる質問を文書でおこないました。そうしたら、議会事務局が「質問が多すぎる」と言ってきたんです。
 前々から、答弁調整というおかしな慣行があって、質問のたびに担当部局の幹部たち5、6人が控え室に来ては、「細かすぎる」だの「本会議にそぐわない」だのと言うんです。答えたくない質問については何かと理屈を付けては取り下げさせようとするわけです。そんな中で苦労しながらも答弁をかちとってきたわけですが、さすがに今回は驚きました。文書質問はこれこれでなければならないなんて決まりはないんですよ!
 いったい誰がそんなことを言っているのかと問いただすと、議長がこれでは議会運営委員会に諮れないと言っているというんです。何でも、慣例では文書質問は5項目以内になっているそうでしたが、5項目の根拠は何なの? と聞いても答えられません。根拠なんてないんだから。とにかく押し切りましたが、後になっても「今回限りにしてください」なんて言うんです。議会が自分たちの権利であり義務でさえある質問・討論を自主規制しているんですね。これっておかしいでしょう。自殺行為だと思います。
 大会派に属していれば、4年の任期中、ほんの数回しか発言の機会がない人が大多数なわけです。勉強の必要もないのではないでしょうか。私が質問や討論で目立つのが気にいらないと言うのなら、どんどん資料を読むなり市民の声を聞くなりして議論をなさればいいんです。そのためにこそ年間1800万円もの議員歳費が税金から出ているわけですから。一般的なサラリーマン家庭の約3倍ですよ。
 それだって、私が議会に入って最初に実現したのが議員報酬の削減要望で、約一割減になりましたから、それ以前は2000万円だったんです。実際に活動すればそれでも足りないというのが実感ですが、何もやらない議員には多すぎるでしょうね。
 とにかく、議員が働いていないな、というのが率直な印象です。6月24日の都議会議員選挙では、是非、私も含めた議員の働き方もチェックしてほしいと思います。
 石原知事が導入して有名になった外形標準課税には私1人が反対しました。「自治権の拡大のために課税権を」というのは結構ですが、その前に考えることはないの? じゃあ、なぜ銀行なの、ということですよね。
 まずなすべきことは財政支出の見直しでしょう。東京スタジアムの買入問題しかり、臨海地域開発事業しかり、行政のやっていることは計画も杜撰だし、赤字隠しのようなことも平気でやっています。たまたま銀行への風当たりの強い時期だから課税してしまえというような雰囲気、それに対してきちっとした論議をせずに結論を出してしまう、オール与党の都議会の状況に恐怖感すら感じます。
 1期目の任期は残り僅かですが、毎日、都政報告の一環として住宅街や駅頭で何百人という人びとと直接お話していて思うのは、最近、政治への市民のまなざしが変わりつつあるのではないかということです。若い人から中高年の方まで、これまで街頭演説に見向きもせず、チラシ一枚受け取らなかった人が、一度は通り過ぎても、また戻ってきて「チラシください」っておっしゃるんです。大きな「風」が吹く土壌はあります。
 都議選の杉並選挙区は最激戦区といわれていて、スタッフのみんなが毎日、毎日がんばってくれていますが、かなり厳しいたたかいを強いられています。
 ACTの読者で、とくに東京都民、東京都在住の方に心からお願いしたいのは、とにかく一日でも二日でも荻窪の福士事務所に来て! 仕事はいくらでもあります!(笑)ということ。
 最後までガンバロー!                                 (談/文責・編集部)


いずみ

 1年ほど前に連載で紹介したのでご存じの方も多いだろうが、市立芦屋高校が廃校されようとしている。3月に教育審議会で廃校を答申し、教育委員会が待ってましたとばかりに「半年以内に、廃校に向けてスケジュールを策定する」と新聞発表した。わずか3時間、しかも密室の審議である。おまけに審議会委員長は私学の理事長とくるから、完全な出来レースである。
 86年に9人の教師が強制配転させられたとき、義憤にかられて数回全戸配布のビラを撒き、校長室にも押しかけた縁で、市芦の存続を求める市民運動「市芦があって何が悪いねん」の代表になった。
 廃校の理由は、少子化と財政難である。くわえて神戸学区への編入による選択肢の拡大をあげている。
 少子化の今こそ、これまでよりもっと丁寧な教育が可能である。生きる力を獲得するのに学校教育ができることは小さいが、それでも市芦は小中学校時代に学力を奪われ、貧困や差別、障害に苦しんできた子どもたちを率先して受け入れてきた。シビアな現実を直視しながらも、生きることの意味を再確認できた子どもたちの声は卒業生の文集にあふれている。この子どもたちにとって廃校は、アイデンティティの全否定に等しい。
 財政難といっても、数百億円の巨大公園は借金してでもつくるのだ。年間4億円の学校経費は借金の利子にもならない。利権を漁る議員が公園建設を歓迎し廃校の音頭をとっているのは偶然ではない。
 この議員たちはまた、神戸学区への編入によって選択肢が広がるので、市芦は不要といっている。たしかにエリートにとっては選択肢は広がるが、競争になじまない多くの子どもたちには選択肢は逆に狭まることを、故意に無視しているのだ。
 新自由主義のイデオロギーをこれほど赤裸々にみせつけているのもめずらしい。新自由主義は、職場ではとっくに席巻していたのだが、今や地域、学校、家庭にまで浸透しているのである。ある人間にとっての自由は、別の人間の自由をかぎりなく奪うことである。この真理が全世界を覆っている。 

                                           小寺山康雄 


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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