シュワブ沖調査結果報告書
平成9年11月
普天間飛行場移設対策本部
V 調査結果
4−1 風向風速調査
(1)調査目的
調査水域周辺地域の風向風速の状況を把握する。
(2)調査内容
調査水域周辺地域における風向別出現頻度、風速階級別出現頻度、を整理し、とりまとめる。調査位置は、図4−1のとおりである。
(3)調査方法
キャンプ・シュワブ内に風車型自記風向風速計を設置し、風向、風速の連続観測を行った(観測期間:平成9年7月21日〜10月8日)。
(4)調査結果
風向別出現頻度、風速階級別出現頻度は、図4−2のとおりである。
ア 風向別出現頻度
北方向の出現頻度が約20%でもっとも高く、次いで北北東方向で約13%であった。
イ 風速階級別出現頻度
5ノット未満の出現頻度は約48%、10ノット未満の出現頻度は約86%、15ノット未満の出現頻度は約94%であった。
ウ 名護測候所における風向・風速との相関関係
風向についての出現頻度を全体的lこみるとほぼ同様の傾向を示し、風速については、名護データよりも若干大きい傾向が認められた。
(1)調査目的
調査水域の波浪の状況を把握する。
(2)調査内容
調査水域内の最高波、有義波、波向等を観測し、とりまとめる。
(3)調査方法
調査水域のリーフ内1地点、リーフ外1地点に自記式波向波高計を設置し、連続観測を行った(観測期間:平成9年8月5日一10月14日)。調査位置は、図4−2−1のとおりである。
(4)調査結果
ア 最高波
リーフ内においては約2.5m、リーフ外において約13mで、いずれも台風接近時に観測された。最高波の波高と周期は、図4−2−2〜3のとおりである。
イ 有義波
リーフ内における最大有義波は、約1.7m、リーフ外は、約9.7mで、いずれも台風接近時に観測された。有義波の波高と周期は、図4−2−4−5のとおりである。
ウ 波向
リーフ内は南南東、リーフ外では東南東から南東の範囲の波向が多い傾向が認められた。波向の出現状況は、図4−2−6のとおりである。
(1)調査目的
調査水域の潮流の状況を把握する。
(2)調査内容
調査水域における流向、流速を観測し、とりまとめる。
(3)調査方法
調査水域の7地点で、電磁流向流速計を設置し、流向、流速を15昼夜連続観測した(観測期間:干成9年8月23日〜9月6日)。調査位置は、図4−3のとおりである。
(4)調査結果
潮流調査結果は、表4−3のとおりである。
ア リーフ内
東及び西方向の流れが多く、最大流速35.6cm/秒、平均流速6.0一7.3cm/秒であった。
イ リーフ外(上層)
流向は、大浦湾ロヘの流れ、リーフに沿うような流れを示し、最大流速70.3cm/秒、平均流速は6.6−23.7cm/秒であった。
ウ リーフ外(下層)
流向は、大浦湾奥部への流れ、海底地形に沿うような流れを示し、最大流速54.2cm/秒、平均流速は8.4−20.0cm/秒であった。
(1)調査目的
調査水域周辺地域の大気質の現況を把握する。
(2)調査内容
キャンプ・シュワブ内の1地点において環境基本法に基づく大気の汚染に係る環境基準で設定された項目である二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質及び光化学オキシダントについて自動測定装置による現地調査を実施し、とりまとめる。
調査位置は図4−4のとおりである。(3)調査方法
自動測定装置による測定を行い、環境基準で定める分析方法に従い分析した(測定日:平成9年9月3日一9月9日、平成9年10月9日一10月15日)。
(4)調査結果
調査結果は、表4−4−1〜2のとおりであり測定した各項目とも環境基準を満足していた。
(1)調査目的
調査水域の水質、底質及び周辺流入河川の水質の現況を把握する。
(2)調査内容
調査水域の水質、底質及び周辺流入河川の水質について次の項目を調査し、とりまとめる。
調査位置は図4−5のとおりである。
なお、生活環境項目に対する環境基準類型指定及び上乗せ排水基準については、当該水域に指定は無く、周辺流入河川においては、汀間川(下流部)のみB類型指定がなされている。ア 水質調査(調査水域内9地点、周辺流入河川5地点における平常時と降雨時)
(ア)水域調査項目
平常時:
現場測定項目
水質調査地点の水質現況を把握するための水温、透明度等6項目生活環境項目
環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準で生活環境の保全に関して設定された7項目。健康項目
環境基準で人の健康の保護に関して設定された23項目その他の項目
SS(浮遊物質量)、塩分等6項目降雨時:現場測定項目及びSS(浮遊物質量)、塩分
(イ) 河川調査項目
平常時:
現場測定項目
水質調査地点の水質現況を把握するための水温、透視度等5項目生活環境項目
環境基準で生活環境の保全に関して設定された5項目その他の項目
SS(浮遊物質量)、流量降雨時:現場測定項目及びSS(浮遊物質量)、流量
イ 底質調査(調査水域内9地点)
(ア)底質調査項目
現場測定項目
底質調査地点の底質状況を把握するための臭気、土色相等6項目含有等試験項目
底質調査地点の底質状況を把握するためCOD(化学的酸素要求量)等8項目溶出試験項目
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律に基づく水底土砂に係る判定基準に設定された32項目(3)調査方法(調査期問:平成9年8月5日一10月16日)
ア 水質調査
採水器を用いて採水後、環境基準で定める分祈方法に従い分析した。
イ 底質調査
試料は潜水士による直接採泥をおこない、JIS等で定める分析方法に従い分析した。
(4)調査結果
ア 水質調査
(ア)水域調査
平常時の水質結果は表4−5−1−2のとおりであり、環境基準(AからCまでの3段階に分類)と比較するとDO(溶存酸素量)を除きA類型を満足しており、DOについては、B類型相当であった。
健康項目の23項目についても表4−5−3のとおり全地点で環境基準を満足していた。
また、降雨時における水質結果は、表4−5−4〜5のとおりであり塩分濃度の低下が認められた。(イ) 河川調査
平常時の水質結果は、表4−5−6−7のとおりであり環境基準(AAがらEまでの6段階に分類)のAA類型からB類型に相当する水質であった。
また、降雨時における水質結果は、表4−5−8−9のとおりでありSS(浮遊物質量)については一カ所高い数値を示していたが、その他の地点では環境基準のA類型を満足していた。イ 底質調査
調査結果については、表4−5−10〜11のとおりであり海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律に基づく水底土砂に係る判定基準等を満足していた。