シュワブ沖調査結果報告書
平成9年11月
普天間飛行場移設対策本部
3 地形測量・地質調査
(1)調査目的
調査水域及びびその周辺地域の地形及び地質の状況を把握する。
(2)調査内容
調査水域及びその周辺地域において深浅測量、地形測量、地層探査及び土質調査を行い、海底・陸上地形図、地層断面図及び土質性状をとりまとめる。
地形・地質調査位置については図3−1のとおりである。(3)調査方法
ア 深浅測量
音響測深機及びレッドにより測深を行った。
イ 地形測量
航空写真撮影により測量を行った。
ウ 地層探査
弾性波探査により探査を行った。
探査は、調査水域に格子状の4測線(総延長13.2km)を設定し実施した。エ 土質調査
陸上部4個所、海上部15個所において機械ボーリング、標準貫入試験等により調査を行った。
(4)調査結果
ア 深浅測量
(ア)リーフ内
リーフ内の海底地形は、遠浅状に緩やかな勾配を呈し、水深は0〜3mであった。
(イ)リーフ外
辺野古崎北側の海底地形は、湾のほぼ中央に位置する中干瀬と長島の間及び中干瀬南側で急激に落ち込んでいることが確認された。
辺野古崎南側の海底地形は、起伏の多い複雑な様相を呈しながら南東側沖合いに向かい深くなる傾向が認められた。また、辺野古漁港先の麻乱干瀬周辺及びその沖合いには急な落ち込みが確認された。
水深は10m〜70mであった。イ 地形測量
基地正門から辺野古崎に向かって緩やかに下った地形を呈している。
ウ 地層探査
調査水域周辺の地質層序は、上位より沖積層(砂礫等)、第四紀の琉球層群(琉球石灰岩)、基盤の第三紀嘉陽層(砂岩、千枚岩の互層)から構成されており、海岸部において認められる基盤岩は、海底地形の傾斜と共に南東方向に深くなる傾向が認められた。
また、中干瀬と長島の間の海底地形に、基盤中の断層によると考えられる北西から南東方向にのびる落ち込み等が認められた。
推定地層断面は、図3−2(151k)−5のとおりである。エ 土質調査
代表的な海上ボーリングの土質柱状図は図3−6のとおりである。
(ア) 沖積層
礫混じり砂、シルト混じり砂操、砂礫などの海底堆積物から構成されており、層厚はO一5Om程度と推定され、N値は概ね30以下の範囲であった。
(イ) 琉球層群
琉球石灰岩、シルト質砂磯などから構成されており、層厚はO一20m程度と推定され、N値は比較的不均一であり2〜50の範囲であった。
(ウ)嘉陽層
当該地域の基盤岩で砂岩千枚岩互層からなっているが、砂岩を主に構成されていた。N値は概ね50以上であった。