シュワブ沖調査結果報告書
平成9年11月
普天間飛行場移設対策本部
普天間飛行場代替へリポートについては、SACO最終報告において、海上施設の建設を追求することとされた。
本調査は、キャンプ・シュワブ沖水域が海上ヘリポートの建設場所として適地か否かを判断するため、当該水域及びその周辺の現況等を把握することを目的とし実施したものである。
キャンプ・シュワブ沖水域(図1参照)及びその周辺
平成9年5月〜同年10月
漁業実態、通航船舶実態、運航空域
風向風速、波浪、潮流、大気質、水質、底質、騒音、振動、海生生物、陸生生物、景観、野外レクリ工一ション
1 珊瑚・海藻草類分布調査
(1)調査目的
調査水域内の珊瑚・海藻草類の分布等の状況を把握する。
(2)調査内容
調査水域内における珊瑚・海藻草類の分布状況、生息状況を観察し、被度階級別の分布図をとりまとめる。
(3)調査方法
ア 調査位置の決定
航空写真、既往資料を基に予備調査(船上目視)を行い、学識経験者からの意見を参考に潜水等調査の位置を決定した。
調査位置は、図1−1のとおりである。イ 潜水等調査
潜水目視調査及び船上目視調査等により珊瑚・海藻草類の分布状況等を把握。(調査期間:平成9年5月9日〜6月13日、平成9年9月2日〜9月3日)
潜水目視調査は、ライン観測(6測線総延長5.6Km X幅10m)、スポット観測(10m X10m区画調査36地点)及び水中ビデオ力メラによる観測(直径約10mの区画調査21地点)により分布状況等を確認。
(4)調査結果
珊瑚等の分布は、図1−2(136k)のとおりである。また、珊瑚の調査結果は、表1−1〜3のとおりである。
ア リーフ内
リーフ内のほぼ全域が砂または砂礫質で構成され、珊瑚の基盤となる岩盤や岩が少なく、珊瑚の分布はほとんど確認されなかった。
また、海藻草類分布調査では、辺野古崎南側沿岸部にアマモ等(海草)が藻場を形成しているのが確認された。イ リーフ外
(ア)辺野古崎北側水域
大浦湾のほぼ中央に位置する中干瀬の岩盤では、珊瑚が分布している箇所も見られるものの、その他の水域は主に砂質土からなり、珊瑚の基盤となる岩盤や岩がみられず、珊瑚の分布はほとんど確認されなかった。
また、海藻草類分布調査では、藻場の形成は確認されなかった。(イ)辺野古崎南側水域
リーフから沖合に向かって海底地形が急に落ち込み、干出するリーフ上では珊瑚は少ないものの、リーフ斜面(沖合側)の岩盤上には、水深30m〜60m付近まで珊瑚が分布していることが確認された。
また、海藻草類分布調査では、藻場の形成は確認されなかった。ウ 確認された珊瑚及び海藻草類の種類は、珊瑚ではミドリイシサンゴ等、海藻草類では、リュウキュウスガモやリュウキュウアマモ等であり、いずれも沖縄近海に広く分布しているものであった。