66 私も一言 ( 『「反改憲」』運動通信 2005.05.06) (04/05/31搭載)
憲法改変を阻止する運動が今後の最重要課題であることは言を待たない。ここでかなり留意しなければならないことの一つは、そのための諸運動の連合、提携のあり方だろう。今、各地域や職域で「……九条の会」などの組織が次々と形成されている。だが、その間の相互の連絡や提携はまだ十分に成立していない。そのありようについては、慎重に考慮され、緻密な議論が交換されるべきだろう。50〜60年代の原水爆禁止運動のような、内部の相互不信、対立・抗争が再現されるようなことは絶対に避けねばならず、同時に、その連合は、効果的で広範・強力なものでなければならないからだ。
4月28日の『赤旗』には、「ニセ『左翼』の策動 みんなで克服」というタイトルの文章が載り、大阪で「九条連・近畿」を名乗る「革マル派」を共闘の対象とせず、その「策動をゆるしてはならない」とあった。思想や立場の違いを肉体的抹殺やその脅威によって変えさせようとする、いわゆる「内ゲバ」勢力が、そのことについて口をぬぐい、市民団体の名をつけて共闘のなかに入ってくることには、私も反対だ。だが、久しぶりに目にするこの「ニセ『左翼』暴力集団」という言葉にも、強い違和感を覚える。それは、誰が、どのようにして規定するのか、それは共同のグループ全体の共有する基準になっているのかということ抜きに、一部の団体や、少数の事務局だけが、非公開の場で処理する問題ではないからだ。
これまでに、運動が経験し、蓄積してきた共同行動のあり方が、この『「反改憲」運動通信』の上でも、さらにすぐれた原理となるような努力も期待したい。(よしかわ・ゆういち、市民の意見30の会・東京)
『「反改憲」運動通信』創刊号(2005/5/6)