まだ遅くない 派遣計画中止
無職 吉川 勇一
(西東京市 72歳)
かつてベトナム反戦の市民運動「ベ平連」(ベトナムに平和を!市民連合)に参加していたものです。今のイラクの事態は、まさに当時のことを思い起こさせます。
40年ほど前の運動の文を読み直してみました。「まず、南・北爆の停止、次に南ベトナムにおける軍事行動の即刻中止と軍隊の引き揚げ、そして民族自決の原則に従って、南ベトナムの未来への介入を中止し、ベトナムをベトナム人の手に戻すこと。そして日本政府にも又、アメリカ政府の政策に盲目的に追随することをやめ、日本国憲法と真の日米両国間の友好の精神に則って、ベトナム問題解決への、積極的な行動を、直ちにとることを要求する」(1965年5月22日の市民デモが出した声明)
ベトナムをイラクと替えれば、そっくり現在の事態に当てはまります。ベトナム戦争のあの悪夢のような泥沼再現の愚を繰り返してはなりません。
今ならまだ間に合います。派遣基本計画が閣議決定されましたが、それを撤回し、イラク人のためのイラクを建設する和平提案を、日本はアメリカに向かって言うべきときです。それこそが、なくなった日本人外交官の遺志を継ぐことでしょう。
( 『朝日新聞』 「声」欄 2003.12.10) |