(前略)
著作集は、お陰様で4月未の配本をもちまして完結いたしましたが、6月12日に開催されました出版記念会では、80名におよぶ方々のご出席をいただき、盛会のうちに会を終えました。当日、記念誌として謹呈いたしましたので、すでにご覧になられた方もいらっしゃるかと存じます。席上、経過報告に先立ち、次のように述べさせていただきました。
「ようやく、高木仁三郎著作集が完結に至ることが出来ました。精神的にも、資金的にも、物心両面にわたって実にたくさんの方のお世話になりました。言葉に表せないほどのあたたかなご支援をいただいて参りました。いくつもの賞賛のお言葉をいただきましたが、真に賞賛されるベきは、私たちをご支援くださった方々であります。本を作って、売る――このプロセスに心を込めてくださったのはみなさまのお心遣いでありました。ほんとうにありがとうございました」
これにて、高木仁三郎著作集の一連の編集作業とイベントを終了したことになります。高木さんの著作の全貌を俯瞰することができることになりましたので、彼の思想の研究に寄与すること十全であると自負しております。
本著作集を売ることは、市民科学の思想を広めることと位置づけて営業活動をしておりますが、皆様にお願いがあります。完結になりましたものの、販売部数が伸び悩んでいるのです。制作部数1500部に対して、販売部数が900部弱なのです。小社の経営状態も困難なものがありますが、宝の持ち腐れになりかねません。
どうか、図書館にリクエストしてください。公共図書館はもちろんのこと、大学図書館、理工系学部図書館、高枚生にも読んでほしいので高校図書館、高木さんの文章は大学受験問題にも採用されていますので予備校図書館など……、ぜひお願いいたします。
高木さんが亡くなられて、偲ぶ会が催された東京・日比谷公会堂には3000人もの方々が集いました。会では高木さんの最後の言葉――“平和で持続的な未来へ向かって”が掲げられていました。私たちはそのように生き、そのような出版活動を続けて参りたいと考えます。
みささま、いつまでもご健勝であられんことを祈念申し上げます。
謹 白
株式会社 七つ森書館
代表取締役 中里英幸
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