東京平和運動センターは10月11〜15日の5日間の日程で、東京-ピョンヤン友好交流会議・東京平和運動センター「日朝国交早期正常化実現に向けた訪朝団」9名が、朝鮮民主主義人民共和国の対外文化連絡協会の要請で訪朝しました。一昨年からの日本政府の経済制裁により(10・13より4度目の再々更新)、平壌への行程は複雑でした。羽田、関空、大連(入国)、瀋陽(出国)、平壌到着と羽田を7:25発、平壌17:10、普通江(ポトンガン)ホテル19:00着となりました。
翌日12日朝、CNNテレビのテロップでテロ支援国家指定解除発表とキム・ジョンイル氏の軍訪問写真が国内で放映されたことを伝えました。指定解除後の様子をある程度関心を持っていたのですが、市内の変化を見ることはできませんでした。2日目は板門店(バンムンジョム)停戦監視所、開城(ケソン)の高麗歴史博物館、沙利院(サリウォン)共同農場など視察・見学しました。日曜日は公共交通や外国の観光など限定された車しか運転許可がでず、道路沿いにはスコップなどの農具類を持った市民や荷駄をつけた自転車で一杯でした。この日は子供・学生・労働者らは援農に当てられているそうです。夕食は市内の食堂で名物の松茸やダチョウ肉など焼肉料理を頂きました。ちなみに松茸1本で1700円でした。3日目の13日は市内のキム・イルソンの生誕地の万景台(マンスデ)、地下鉄試乗、牡丹峰第1中学校(モランボン)の視察と対文協の表敬訪問を行いました。表敬訪問では洪善玉(ホン・ソンオク)副委員長から日朝関係の厳しい情勢の中での訪問に敬意を表されました。また、座光寺団長から下記の要旨の返礼を申し上げました。
4日目の14日は、平壌電線工場、人民大学習堂(国立図書館)、職業総同盟中央委員会表敬訪問(労組)、世界遺産の徳興里壁画古墳(トクンリ)、万景台学生少年宮殿など行いました。翌日は帰途に向かう。短期間でしたが黄虎男(ファン・ノナム)日本局長とは連日大いに議論や意見を交わし、有意義な訪朝でした。
ご 挨 拶(要旨)
朝鮮対外文化連絡協会・対文協の皆さまに、東京平和運動センター・東京−ピョンヤン友好交流会議による日朝国交正常化実現にむけた訪朝団を代表して、連帯の挨拶を申し上げます。今回の訪朝団の団長の東京平和運動センター議長の座光寺と申します。今回初めて共和国を訪問させていただきました。日本と朝鮮民主主義人民共和国との間には、戦後63年が経過しながらも未だに国交が樹立されず、最も近い国でありながら、最も関係が遠く、しかも戦後最も関係が悪い状況に陥っています。2002年9月17日の小泉首相訪朝により締結された「日朝ピョンヤン宣言」に、私たちは大きな期待をもちました。しかし、拉致問題と核問題をめぐって、日本国内では、すさまじいばかりのマスコミキャンペーンが吹き荒れ、いまなお不当な「経済制裁」が続いています。
過去、日本は多くの文化を朝鮮半島から受け入れ、交流を重ねてきました。しかし、明治以降、日本帝国主義の朝鮮半島への侵略・植民地化によって、8百万人に及ぶ強制連行や従軍慰安婦をはじめとする悪辣極まりない暴力的支配と創氏改名・日本語強制などの文化抹殺が行われました。私たち日本人にとって、そして私にとっても、この歴史を決して忘れるわけにはいきません。朝鮮人民の英雄的抗日闘争などもあり、日本帝国主義は打倒されましたが、米ソ対立による南北分断が強制され、日本の一貫した北朝鮮敵視政策の中で、日朝国交正常化と南北の自主的平和統一は未だ実現していません。
今、朝鮮民主主義人民共和国と国交の無い国は米・日などごく一部の国しかありません。北東アジアの平和と安定、経済的発展そして在日朝鮮人の権利確立・祖国との自由往来のためには、一刻も早い日朝国交正常化が何よりも必要です。
そのために何が必要なのか、何ができるのか、今回、私たちは忌憚のない意見交換をすべくピョンヤンを訪れました。共に日朝友好運動を長期にわたって進めてきた友人として、疑問があれば率直にぶつけあい、日本の世論を動かす努力をしてみたいと思います。そして共和国の現状を自分の目で見、お話を伺う中で、日本の仲間に伝えていきたいと思います。
「核問題」「拉致問題」解決など問題は山積しており、日本ではあろうことか金正日総書記の死亡説が悪意のあるマスコミによって意識的に流されています。また10月10日には、私たちの強い抗議にもかかわらず、日本政府は4度目の経済制裁を閣議決定しました。しかし、私たちはこれから実施される総選挙で自民党政権を打倒し、政権交代を実現する決意です。私たちの仲間は、この時間も必死に選挙闘争に取り組んでおり、未だ選挙日程が決まっていませんが、私も帰国してから全力で選挙闘争に取り組む予定です。米国での共和党・日本での自民党という、このかん全世界で戦争を遂行し民主主義を踏みにじってきた政治が今大きく変わろうとしています。
北東アジアの非核化をはじめ、日朝国交正常化早期実現と恒久平和の実現にむけては、私たちはさらに努力を続けていきます。
最後に今回の訪朝にあたっての皆さまのご配慮とあたたかい歓迎に心より感謝します。
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