TKOPEACENEWS
  2面 NO.7号/00.5.15発行

部落解放同盟東京都連合会第41回定期大会報告
2000年4月29日
荒川区立第一中学校・体育館


 部落解放同盟東京都連合会は、上記において第41回定期大会を開催しました。大会には400人の代議員と東京平和運動センター本郷議長をはじめ40人の来賓も出席しました。
 第41回大会の目標は、1.「部落解放基本法」制定の闘い、2.狭山再審闘争、3.差別糾弾闘争などの3大闘争の勝利にむけて具体的に提起されました。
 部落基本法制定については、今国会で教育・啓発法の制定をめざすとしています。また、人権擁護推進審議会に対しては人権侵害の救済について

(1)差別禁止法の制定、(2)独立した国内人権擁護機関の設置、(3)民間団体との協力関係の確立などを主張し、被害救済、規制などについて積極的に提言していくとしています。
 

狭山再審闘争については、
 99年7月8日、東京高等裁判所刑事第4部高木裁判長は、再審請求を不当にも「棄却決定」しました。この「棄却決定」は日本の裁判史上でも、最も悪意に満ちたものといえます。
 こうした新たな権力側の弾圧に対して、東京として狭山再審闘争に勝利するために、これまでの闘いの反省として、=(1)異議審闘争においては、決意や危機感を強調するだけでなく、正確な情報判断にもとづいていわゆる「めり・はり」のついた方針を提起する。

(2)都民に働きかける運動を強める。誰でも参加できる集会づくり、狭山事件を全く知らない人たちにも参加できる、分かりやすい集会にする。

(3)地域から特色ある狭山闘争を展開する。

(4)全国や関東との連携を強めるとともに、狭山東京実行委員会とともに東京の闘いの強化をする。

(5)狭山闘争を勝利することによって、部落解放と人間解放を実現する展望をきりひらく、そのためにも再審闘争を勝利する。
 差別糾弾の闘いについては、差別脅迫ハガキ事件、インターネット通信を利用しての差別、差別身元調査事件、宗教界の差別事件などなど部落差別事件は年々増加し、きわめて悪質化してきています。
 都連としては、差別糾弾闘争は同盟の基本的な闘いであり、部落解放運動の生命線であるとして、最重要課題として取組むとしています。原因や社会的背景を究明し、社会変革を実現していく取組みが重要としています。
 この闘いを通じて組織の強化、共闘の前進、差別をゆるさない職場・学校・地域つくりを進めていくとしています。
 なお大会で採択された大会宣言は次の通りです。



●大 会 宣 言


 昨年7月、東京高等裁判所は事実調べ・証拠開示することもなく狭山第二次再審を棄却しました。石川一雄さんをはじめ広く国民的な再審要求の声を無視した許し難い決定です。
 国は、「人権擁護推進審議会答申」を出しました。中身は、行政責任・法的措置をぬきにした「同和」行政の後退を強めたものです。さらに、「日の丸・君が代」法制化に見られる天皇制の強化、盗聴法・住民基本台帳法の強行、有事立法制定・憲法改正の動きなど人権が制約され差別が強化される流れを推し進めてきました。私たち部落解放運動にとって厳しい情勢にあるといえます。
 東京都は今、「東京都人権推進指針」造りを進めています。しかし、東京の部落の現状を見ることなく、当事者の声を充分聞くこともなく「指針」を造ろうとしています。部落差別をはじめあらゆる差別撤廃へ向けた都の方針・「総合的な基本計画」を確立していくことこそが問われていると言えます。こうした中、石原都知事の人権を無視し、差別を助長する発言が繰り返されることを許すことはできません。
 日本アイビー社による「差別身元調査事件」は、「企業防衛のため」「どこでもやっている」「慣例で」という企業の差別認識を浮き彫りにしました。また、調査会社・興信所等への行政責任があいまいで、野放し状態であったことも明らかにしました。行政指導の形骸化が、大きな問題と言えます。また、「差別脅迫はがき」事件・「インターネット」や公共の場での落書きなど連続する差別事件は、より陰湿さを増し巧妙化しています。
 「同和」行政の後退と差別の拡大に対して、組織の団結と闘う体制を強化し、日常的に地域での被差別団体、労働組合、民主団体、企業、宗教団体と共に反差別共同闘争の力で、差別撤廃・人権確立の運動を強めていかなければなりません。この間培った部落解放基本法制定東京実行委員会・狭山東京実行委員会をはじめ被差別団体との共同闘争をより拡大していく必要があります。
 本年は、衆議院議員選挙が予定されています。わたしたちは部落解放・平和と人権を守る勢力の拡大と、全推薦候補の当選を勝ち取っていきましょう。
 本大会の成功を受けて、広範な、労働者・市民・被差別者と固く連帯して、差別糾弾、狭山異議審闘争勝利、「部落解放基本法」制定の諸課題を闘い抜き、部落完全解放へ大きく前進する決意である。
 右、宣言する。
  2000年4月29日
              部落解放同盟東京都連合会第41回定期大会

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