TKOPEACENEWS
 2面 NO.50/04.11.9発行

自衛隊のイラク多国籍軍参加反対10・21東京集会


・2004年10月21日
・総評会館2F会議室

国際反戦デーの継承

ベトナムに侵攻したアメリカは、54万2,000千人の地上軍を投入し大規模な攻撃となった。アメリカの無差別空爆などによりベトナムでは一般市民など200万人の死傷者がでるなど深刻な状況が続いていた。こうした中、総評は、1966年米軍のベトナムからの撤退・戦争反対の抗議ストライキを10月21日に行うことを決定しました。10・21反戦デーの始まりになりました。このストライキに54単産が参加しました。
 総評が提唱した反戦デーは世界で支持され、67年にはワシントンで15万人、ロンドン5,000人、パリ3万人、アムステルダム15,000人、コペンハーゲン8,000人、西ベルリン9,000人が集まり、ベトナム戦争の停止を訴えた。
 日本では、明治公園に6万人が集まったのをはじめ、全国376カ所で150万人が集会・デモを行いました。10月21日はその後、国際反戦デーとして長く世界で取り組まれてきました。
 アメリカにおいても69年10月には200万人の抗議行動が開催されるなど当時のニクソン大統領を追い詰める力になっていきました。
 東京平和運動センターは、戦争に反対するというこの運動を継承しベトナム戦争が75年終結した後も毎年実施してきました。今年は38年目の集会となりました。

イラク戦争反対、自衛隊の多国籍軍参加反対

アメリカのイラク侵攻は、国連憲章や国際法に違反した違法な侵略戦争であることが世界の常識になっています。10月6日には、イラクで大量破壊兵器の捜索をしてきた米国の調査団が生物・化学兵器の備蓄は一切なく、核兵器の開発計画もなかったと最終報告を議会に提出しました。また、フセイン政権からテロ組織への兵器の提供や米国同時多発テロ事件の関係についても「証拠はない」と結論づけています。戦争の大義と正義がまったくないとこのことからも証明されています。
 ブッシュ政権に従属する小泉政権は、イラク戦争の大義が亡くなったのにもかかわらず、ブッシュから要請されれば国会の審議や国民になんら説明する事なく人道援助から戦闘に参加する多国籍軍に自衛隊を格上げしてまで、侵略のお手伝いをしています。憲法が禁止してきた自衛隊の海外派兵、集団的自衛権に踏み込む重大な憲法違反をしています。このまま危険な小泉政権放置するならば、自衛隊がイラクの市民を殺すことにもなるし、殺されるかもしれないということになります。                  
 米軍は今、イラクを制圧するのに陸軍や海兵隊など地上軍の不足が報道されています。イギリス軍に激戦地における援軍を要請したように、日本の自衛隊もそう遠くない日に、イラク中部の激戦地に送られるのではないかと心配です。サマワの宿営地にロケット弾が撃ち込まれるなど緊迫しています。南部といえども戦場であることは間違いありません。戦争の大義はなくなった今こそ1日も早く自衛隊のイラクからの撤退をさせなければなりません。

イラクの子どもたちの救済と支援を強めよう

10・21東京集会においては、日本国際ボランティアセンターの佐藤真紀さんに講演をお願いしました。イラクの現状と子どもたちの支援などについて詳しく聞くことができました。その報告と支援の要請について以下紹介します。


最近のイラクの現状
 04年6月、主権がCPAからイラクに返還されましたが、最近では05年1月の移行国民議会選挙をひかえて、反対派の封じ込めに米軍とイラク軍による武力による押さえつけが一層激しくなってきています。ファルージャやサドルシティでは毎日のように空爆が続き、10月1日には中部サマラで米軍とイラク軍による掃討作戦が実施されました。この作戦で、「125名の武装勢力を殺害した」と発表しましたが、イラク赤新月社は「ほとんどが一般市民で、遺体が路上に散乱している状態」と報告しています。また、米軍や米軍に協力するイラク人を狙った「テロ」が多発。9月30日には、バクダッド南部では連続爆発事件があり、米兵から菓子を配られていた子供35人を含む42人が死亡するという悲惨な事件が起きています。開戦から今まで犠牲になったイラクの市民の数は13,086人から15,149人にあがるといわれています。(10/6現在)

急がなければならない人道支援
 湾岸戦争から今回のイラク戦争によって、イラクでは劣化ウラン弾の放射能が原因と思われるガンや白血病など、難病の子どもたちの数が増えており、特別な支援が必要になっている。今回の戦争でも劣化ウラン弾が使用されたこともあり、さらに増える可能性がある。
 集会の会場ではボランティアセンター佐藤さんの要請でこうした子どもたちへの支援カンパが行われ、39,000円が集まりました。協力をしていただいた皆さんありがとうございました。今後、ボランティアセンターは国内で「JVC国際協力コンサート2004第16回東京公演」…12/18(土)昭和女子大学講堂も実施するなど支援を強めたいと計画しています。皆さんのご協力をお願いします。


集会宣言

自衛隊のイラク多国籍軍参加反対10・21東京集会に参加された皆さん、大変ご苦労様です。イラクにおいてはアメリカの占領に対して市民による激しい抵抗が続いています。この侵略戦争に日本の小泉内閣は戦場に自衛隊を派兵するという暴挙にでています。いつ自衛隊員が殺されるかもしれない。殺すかもしれないという戦争に参戦しています。
 いま、私たちは、戦争に反対するというこの原点から平和運動の強化をめざしたいと思います。


米軍死者、1,000人に!
 侵略から一年半、米軍の死者が1,000人を突破したと米ホワイトハウス報道官が発表し、米社会に大きな衝撃を与えています。大義も正義もない戦争になぜかり出されるのかという戦争反対が大きくなりつつあり、今行われている大統領選挙では反ブッシュの勢力が勢いづいているといわれています。一方、イラク市民の犠牲は子ども、女性、老人を中心に15,000人以上といわれ、最近においては中部サマラの米軍による大規模な作戦・攻撃により1日で109人が殺害されるという悲劇が繰り返されています。

やっぱり『うそ』だった!
 イラクの大量破壊兵器を捜索していた米政府調査団は、10月6日、03年3月のイラク戦争開戦当時イラク国内に大量破壊兵器は存在せず、核、生物、化学兵器を開発する具体的な計画もなかったと結論し、最終報告書を議会に提出しました。これにより、戦争の大義は完全に崩壊し、アナン国連事務総長から「違法」と糾弾されたイラク戦争の正当性があらためて厳しく問われています。
 小泉政権も違法な戦争を支持した責任は免れることはできません。イラク戦争は誤りであったといって、イラクの国土を破壊し、市民1万人以上を殺害し、劣化ウラン弾などによって、これからも子どもたちを中心に犠牲が続き、環境を破壊したことは許すことはできません。

普天間早期返還を!
 8月13日、普天間基地を飛び立った海兵隊ヘリが基地に隣接する沖縄国際大学構内に墜落炎上しました。人口密集地に居座る基地として世界一危険な基地ともいわれ、誰しもが事故を想像し、早期返還が求められてきました。危険を放置したまま基地を存続させてきた日米両政府の無策が今回の事故を引き起こすことになりました。米国政府と米軍に厳しく抗議します。
 この重大事故にもかかわらず、夏休みとして現場すら行かなかった小泉首相と宜野湾市民3万人が結集した市民大会に出席を拒否した稲嶺沖縄県知事は国民や市民を守る資質に欠けた政治家として糾弾しなければなりません。

辺野古海域での海上基地建設を断念しろ!
 辺野古の海岸ではオジィー、オバーが身体を張って基地建設をストップさせています。4月からの座り込み行動は6カ月を越えての闘いになっています。長期の座り込み闘争でドクターストップがかかるも「軍事基地は人を殺すものだ、絶対に建設させてはならない」、「あの沖縄戦争では多くの沖縄県民が米軍に殺されたではないか」、「海は戦争中の飢餓のとき私たちを救ってくれた。その海を、命の海を、ものすごく美しい海を、天然記念物ジュゴンの住む海を、サンゴや多くの魚が生息する海を絶対に埋め立ててはならない」と息巻いて頑張っています。
 私たちは、普天間基地を辺野古に移設することは危険を移設するにすぎないものであり、断固反対していきます。
在日米軍の司令塔化、前線出撃拠点化に反対だ!
 米陸軍第一軍団司令部をキャンプ座間に移転するとか、横田基地の空軍司令部の機能強化など連日「米軍再編計画」が報道されています。このことは、日本の負担で最新鋭の基地に再編・強化して東アジアから中東全域に、いつでも機動的に米軍を展開できる前線基地出撃拠点にしようというものです。また、自衛隊を米軍の指揮下に組み込む計画でもあります。イラク戦争にみられるようにアメリカの先制攻撃に日本が一歩も二歩も踏み込む危険な戦争参加となります。絶対に許してはなりません。

原子力空母の横須賀母港化に反対だ!
 いま反対しなければ横須賀港は永久に原子力空母の母港になります。なぜならイラク戦争にみられるように小泉首相は日米同盟ために、あらゆる貢献を惜しまないからです。もし原子力空母が配備されれば東京湾に原子力発電所が建設される以上の事故・放射能漏れの危険性を、横須賀だけでなく東京をはじめ関東一円3,000万人の生命が危険にさらされることになります。神奈川平和運動センターを中心に全国の仲間とともに闘いに参加しなくてはなりません。


平和憲法と教育基本法の改悪にも反対だ!


 小泉政権は、アメリカの戦争に追随・協力するためにイラク新法や有事法制など憲法に違反した法律を制定してきました。このことにより金も人も(自衛隊)、船員、港湾、運輸や自治体労働者なども戦争に駆り出すことになりました。そして、その総仕上げが平和憲法と教育基本法の改悪になります。
 イラクから自衛隊の撤退や、沖縄をはじめ全国の米軍基地の撤去、平和憲法、教育基本法改悪反対など、いま私たちに必要なのは、さらに大きな反対の世論を、動きを作り出すことです。10・21東京集会に参加された皆さんを先頭に奮闘したいと考えます。
             2004年10月21日
  自衛隊のイラク多国籍軍参加反対東京集会

イラクから自衛隊を撤退させよう!
横田基地の機能強化・軍民共用空港化に反対し
全ての米軍基地の整理・縮小・撤去を求める三多摩集会

・2004年10月21日 ・福生公園  ・500人 ・デモー公園〜横田基地〜福生駅

集会スローガン

1.横田基地の機能強化・軍民共用空港化反対・米軍基地のない平和な日本を!
2.沖縄辺野古への新基地建設・那覇軍港の浦添移設・原子力空母の横須賀母港化反対!
3.米軍ヘリ墜落事故糾弾・普天間基地の無条件全面返還を!
4.自衛隊のイラク多国籍軍参加反対・自衛隊はイラクから即時撤退を!
5.空母艦載機のNLP訓練反対・静かな夜と空を返せ!
6.有事諸法案の実効化を許さず、平和憲法を守り抜こう!


◆輸送機からヘルメットが落下

世界一危険な基地に隣接する沖縄国際大学構内に米海兵隊ヘリが墜落炎上した事故の一週間後の8月21日、横田基地でもパラシュート降下訓練中に輸送機からヘルメットが落下していたことが25日になって明らかになりました。これも人に当たっていれば大事故になるところでした。米軍機の墜落や落下事故はこれが初めてではありません。普天間基地も横田基地も住宅地の中にあり、その危険性はすでに明らかです。しかも在日米軍は日本を守るためにいるのではなく、アメリカの国益を守るために日本の基地を利用しているだけです。そのために日本人が犠牲になるのはごめんこうむりたいものです。


横田基地の機能強化は地域住民に騒音や墜落事故など押しつけるものだ

 三多摩平和運動センターは、横田基地の撤去などの闘いをこれまで戦後60年になろうとしていますが闘ってきました。1990年10月21日には3万人で横田基地包囲行動を成功させています。
 今回の集会には、原子力空母横須賀母港化に反対している神奈川・三浦地区労の代表を招いてあいさつをうけるなど反基地闘争の連帯も強化しています。横須賀基地、厚木基地、横田基地から攻撃に出撃し、これまでベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争そしてイラク戦争において何万人の人々を殺戮したのでしょうか、その基地が私たちのすぐぞばに存在しています。それらの基地被害はまったく解決しようとはしていないのが現実です。それどころか日本政府は、年間2,500億円もの私たちの税金を米軍に注ぎ込んでいます。基地撤去を求める私たちにとっては、米軍の再編というこの機会に大きな世論を作り上げていきたいものです。


集会宣言

 8月16日、ブッシュ大統領は在外米軍を6万から7万人削減することを基調とする米軍の再編計画を発表しました。その目的は、東南アジアからバルカン半島、中東、アフリカまでの地域を「不安定なゾーン」と位置づけ、地域紛争や大量破壊兵器の拡散、テロなど新たな脅威に柔軟に対応するために、海外の米軍の戦力配置を見直そうというものです。
 グアムの第13空軍司令部と横田の第5空軍司令部との統合と航空自衛隊の航空総隊司令部の横田移転やワシントンの陸軍第1軍団司令部のキャンプ座間への移転計画は、在日米軍基地がアメリカの新たな世界戦略のなかで大きな役割をもたされ、基地機能の強化が進められることになります。また、米軍と自衛隊の関係がより緊密となり、米軍と自衛隊の一体化が進められ、その中核基地として在日米軍基地が位置づけられることになります。
 イラク戦争にみられるように、アメリカは自らが脅威だと判断すれば、先制武力攻撃を強行しており、そのアメリカが使用する基地を増強して、日本の平和や安全を守ることはできません。小泉政権はこのアメリカに追従しており、とうてい容認することはできません。
 普天間基地での米軍ヘリ墜落事件や横田のヘルメット落下事件をみるまでもなく、住宅密集地の中にある軍事基地は危険極まりなく、米軍の再編をチャンスとし、安保体制の見直しを行ない、三多摩や沖縄の米軍基地をはじめ、全ての在日米軍基地の整理・縮小・撤去を要求し闘いを進めねばなりません。         
 また、石原都知事は基地周辺住民の苦しみを無視し、横田基地の軍民共用空港化を推進しています。軍民共用は騒音や危険を増大させ、住民の生活を脅かすことは明白であり、絶対に認めることはできません。
 2008年にも予定される横須賀への原子力空母の母港化も、一端事故が起これば、首都圏3,000万人の平和・人権・環境が脅かされることになり、原子力空母の母港化に反対するとともに、横須賀の空母母港使用の中止を要求し闘います。
 アメリカのイラク調査団が「大量破壊兵器はなかった」とする報告を発表し、イラク侵攻が間違いであつたことが明らかとなりました。小泉政権はこの間違ったイラク戦争を支持し、自衛隊の派兵を強行し、主権委譲後は多国籍軍として自衛隊の派兵を継続しています。憲法が禁じる集団的自衛権の行使以外のなにものでもありません。この自衛隊のイラク派兵は、12月14日で期間満了となりますが、政府は派兵期間を一年間延長する方針です。開戦根拠が間違いであった以上、自衛隊は速やかに撤退すべきです。派兵期間の延長に反対し、一刻も早くイラクから撤退するよう要求し闘いを進めねばなりません。
 日本と世界の平和を築く闘いの課題は山積していますが、「核も戦争も基地もない21世紀」を作り出すために、世界の平和を愛する人々と連帯し全力で闘うことを宣言します。

2004年10月21日
横田基地の機能強化・軍民共用化に反対し、全ての米軍基地の整理・縮小・撤去を求める三多摩集会

●タイトル頁に戻る ●目次頁に戻る ●機関紙頁に戻る ●3頁に進む ●1頁に戻る