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  1面 NO.4号/00.2.23発行

狭山事件の再審を求める2・7東京集会

千代田公会堂に 600人


 狭山東京実行委員会主催による「狭山事件の再審を求める2・7東京集会」は、千代田公会堂に 600人が結集して開催されました。
 集会は、日本婦人会議・布施副議長と東京同宗連・田光事務局長の司会で開会し、本郷真一狭山東京実行委員会議長(自治労東京委員会)が主催者を代表してあいさつ、森本一雄東京実行委員会事務局長が集会基調提案をしました。
 主催者あいさつで、本郷議長は昨年7月8日東京高等裁判所第2次再審請求を棄却決定した高木裁判長に「不法・不当な決定に怒りをもって抗議」することを表明し、異議審闘争に勝利するまで闘いぬくと力づよく決意を表明しました。このあと中山狭山弁護団事務局長から報告をうけたあと、集会講演として、江森陽弘さん(フリージャーナリスト)による「狭山事件の真相と部落差別」をテーマに講演をうけました。江森さんは事件発生当時は朝日新聞の記者として、現地で取材した経験をもとに具体的に報告するとともに「絶対!石川一雄さんは犯人ではないと断言し、犯人を取り逃がした警察による部落民に的をしぼったデッチあげである」とのべて講演を締めくくりました。
 集会次第、決議、議長挨拶文は以下の通りです。



狭山事件の再審を求める2・7東京集会・集会次第
・司会、開会あいさつ  日本婦人会議都本部 布施副議長 18:00
 東京同宗連 田光事務局長
・手話通訳の方のご紹介  司会
・主催者あいさつ  本郷真一・狭山東京実行委員会議長
・集会基調の提案  森本一雄・狭山東京実行委員会事務局長
・弁護団アピール  中山武敏弁護士(狭山弁護団事務局長)
・集会講演  「狭山事件の真相と部落差別」
 講師:江森陽弘さん(フリージャーナリスト)
・カンパの要請  司会
・決意表明  高岩昌興(解放同盟東京都連副委員長)
・集会決議案の提案  花輪不二男・狭山東京実行委員会副議長
 (社民党東京都連合都民運動局長)
・集会スローガン  司会
・閉会あいさつ団結頑張ろう  本郷真一・議長
・集会終了

2・7狭山東京集会/本郷議長あいさつ文
 お勤め帰りでお疲れのところ、また寒い中を本集会に結集されました仲間のみなさん、大変御苦労さまです。
 ただいま紹介されました狭山東京実行委員会議長で自治労東京都本部委員長の本郷でございます。
 狭山東京実行委員会を代表いたしまして、一言ごあいさつと決意の一端を述べさせていただきます。
 昨年の7月8日東京高等裁判所は、狭山判決の13年前に起こした第二次再審請求を棄却決定しました。この間弁護団が提出した 200点を越える新証拠に対しても、前例のある最高裁の決定をも無視し、いとも簡単にこれを排除しました。さらにこの間私たちが一貫して求めてきた「事件の事実調べや証拠調べ、そして全証拠開示」については一切行なわず再審請求を棄却したものです。
 私たちは、このような東京高裁の不法・不当な再審棄却決定に怒りをもって抗議するものです。高裁・高木裁判長は「再審請求には応じない」との結論ありきの立場を大前提に対応したことは明らかであり、まさに差別裁判の本質は自ら暴露したものと言わざるを得ません。
 石川さんは、予想外の再審棄却に少なからず衝撃を受けられたようですが、今は元気に全国をとびまわっています。石川さんと弁護団は、「再審棄却」を不当とし、ただちに「異議申し立て」を行い、すでに異議審闘争に入っています。私たちも改めて石川さんの強い決意に支えられながら、今後の闘いを前進させていきたいと考えていますのでよろしくお願いいたします。
 今年の集会は、みなさんにお配りした次第にも書いておりますが、特別講演をいただくことといたしました。講師の江森さんは、朝日新聞社会部記者時代に、狭山事件発生直後から現地の取材に加わっておられ、「狭山事件は間違いなく冤罪、しかも部落差別が深く関わっている」と指摘し続けられています。
 現地取材を通して記者の目で鋭く事件の全貌を掌握されていますので、是非最後までお話しをお聞きいただきますようお願いいたします。
 短い時間の集会ですが、今日の集会で改めて闘う決意を固めあいたいと考えていますので、よろしくお願いします。
 以上、簡単ですが、主催者を代表してのごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。



狭山事件の再審開始と全証拠開示を求める決議


 東京高等裁判所・刑事第4部(高木俊夫裁判長)は、1999年7月8日に狭山事件の再審請求に対して不当な棄却決定をおこないました。私たちは、この決定を決して許すことができません。あらためて強く抗議するとともに、現在同裁判所刑事第5部に提出されている石川さんの「異議申し立て」を、裁判所が今度こそ真摯に審理し、新証拠の事実調べを実施するとともに狭山事件の再審を開始するよう強く求めます。
 高木裁判長は先の決定において、この間弁護団が提出してきた一連の新証拠について、「明確に無罪を立証するものではない」などとして全てこれを退けました。しかし、マスコミ等の報道でも明らかなように、新証拠の中は確定判決の前提を根底から疑わしめる重大な新証言・新証拠が多数存在していました。真実解明と公正な審理を保証する意味からも、裁判所にはこれらの証拠を十分調べる責務があったはずです。内外の世論も、書面審理だけではなく「事実調べ」がおこなわれることを強く望んでいました。しかし、高木裁判長はじめ歴代の裁判官は、一度の事実調べも実施することもなく石川さんの訴えを退けました。このような裁判所の行為は、司法の責務はもちろん、民主社会の原則である市民的常識にも反するものです。個別証拠の認定にあたって最高裁の「白鳥・財田川決定」に明らかに違反する論理をもちいている点とあわせて、高木裁判長の決定は裁判所に対する信頼と期待を裏切る重大な背信行為と言わざるを得ません。
 また東京高等検察庁は、事件発生から36年たった今もなお、数々の証拠を隠し持ったまま開示していません。日本の検察が証拠を独占していることについては、1998年11月、国際人権〈自由権〉規約委員会も、「重大な人権問題である」として、改善を勧告しました。これは、委員会の討議の中で具体的に「狭山事件が証拠が充分開示されていない」事実が問題となったうえでの結論です。わたしたちはこのような検察官の証拠隠しを絶対に許すことはできません。東京高等検察庁は速やかに全ての証拠を開示すべきです。
 石川一雄さんは再審棄却決定を受けた記者会見で、「裁判所を信じていたのに無念だ。しかし私は真実が認められるまで何十年でも闘い続ける」と声明を発表しました。私たちの気持ちを同じです。狭山事件の真実が認められないかぎり、私たち一人一人の人権も守られたとは言えません。私たちも石川さんとともに、この異議審で事実調べと再審を勝ち取るため全力で闘います。
 右決議する。


2000年2月7日
狭山事件の再審を求める東京集会

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