TKOPEACENEWS
 1面 NO.145 2016.4.11

「原発のない未来へ!3.26全国大集会」に3万5000人

(代々木公園)

 沖縄・辺野古新基地建設について、高里鈴代さん(「基地・軍隊を許さない女たちの会」共同代表)が「裁判所の和解勧告で工事は一時的に止まっているが、政府はまだ方針を変えておらず、現地は緊張の中、座り込みを続けている。もう沈黙はしない」と決意を表明。さらに、運動の中心を担う沖縄平和運動センターの山城博治議長も駆けつけ、「ファシズムに対抗するために団結をしよう」と呼びかけ、自ら作詞した「いまこそ立ち上がれ」を熱唱すると、壇上の発言者全員がスクラムを組み唱和しました。
 会場に集まった参加者は最後に「つながろう福島!」「原発のない未来へ!」と書かれたプラカードを一斉に掲げてアピールしました。
 集会後、渋谷駅周辺、原宿・青山方面、新宿方面の3コースに分かれてデモ行進が行われ、参加者は工夫を凝らしたプラカードや横断幕などを手に、「原発再稼働反対!」「安倍政権を許さない!」などとシュプレヒコールをあげてアピールしました。
福島原発事故から5年が経過し、チェルノブイリ事故から30年を迎える中、安倍政権は原発推進政策を打ちだし、各地で原発再稼働を強行しようとしています。これに対し、「つながろう福島!守ろういのち!」をスローガンに、3月26日に東京・代々木公園で「原発のない未来へ!3.26全国大集会」が開かれ、3万5000人が集まり、憲法や沖縄基地問題などでも民意を無視し暴走する安倍政権にNO!を突き付けました。
 主催4団体を代表し、Misao Redwolfさん(首都圏反原発連合)があいさつを行った後、ルポライターの鎌田慧さんと作家の澤地久枝さん(ともに「さようなら原発1000万署名」呼びかけ人)が、原発と戦争を進めようとする安倍政権との対決を呼びかけました。
 福島現地から「福島原発告訴団」副団長の佐藤和良さんが「放射能汚染の不安を抱える被災者を政府は強制的に帰還させ、賠償を打ち切ろうとしている。ともに立ち上がってほしい」と訴えました。また、チェルノブイリ原発事故について、ベラルーシから来日したジャンナ・フィロメンコさんが「事故当時、政府は危険を知らせず、被災を拡大した。被災者の権利を守る運動を進めてきた。この危険はすべての原発で起こるものだ」と、連帯を呼びかけました。
 愛媛県の伊方原発の再稼働が迫る中、原水禁愛媛県協議会の中村嘉孝事務局長が「いま県民の3分の2が再稼働に反対している。かつてなかったことだ。脱原発に向け、4月23日に大集会を開く」と力強く発言。さらに、元東海村村長で脱原発首長会議世話人の村上達也さんも「茨城の東海原発を動かしてはならない。首都圏で原発を止めることが大切だ」と強調しました。
 さらに、福井のもんじゅについて、原発反対福井県民会議の宮下正一さんが「先日、大津地裁で稼働差し止め判決が出され、高浜原発は停止した。もんじゅは爆発したら日本の半分に人が住めなくなるほど危険だ。何としても廃炉へ」と声をあげました。一方、4月からの電力自由化について、国際環境NGO[FoE Japan]の吉田明子さんが「東京電力など原発を進めるこれまでの電力会社の電気はやめ、再生可能エネルギーを選ぶ人を多くしよう」と呼びかけました。
 今回の集会に協力した「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」から、福山真劫さん(平和フォーラム共同代表)が立ち、「安倍政権は原発再稼働とともに、戦争法、沖縄の基地建設を進めている。断じて許せない。5月3日に大集会を開き、さらに6月に国会包囲などの運動を積み重ね、参院選に勝利しよう」と訴えました。



原発のない福島を!県民大集会

 福島原発事故から5年が経過した3月12日、福島県郡山市の開成山陸上競技場で「2016原発のない福島を!県民大集会」が開かれ、全国から6000人の参加者が集まりました。「様々な理由で福島に戻れない人たちがいる、その原因が原発事故である」という開会のあいさつから始まった県民大集会では、特別ゲストの鎌田慧さん(さようなら原発1000万署名呼びかけ人)、ハイロアクション福島の武藤類子さん、津島被害者原告団(浪江町)の今野秀則さん、大熊町で生まれ育ち避難生活する愛場学さん、高校生平和大使の鈴木愛望さんらが発言。集会後は、市内をデモ行進しました。


2016年3月31日
「朝鮮学校に係わる補助金交付に関する留意点について(通知)」発出に対する
事務局長見解
平和フォーラム  事務局長 藤本泰成

 3月29日、文部科学省は馳浩大臣名で「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について(通知)」を発出した。通知は、「朝鮮学校に係る補助金交付は、国は実施していないが、各地方公共団体においては法令に基づきその判断と責任で実施されている」と冒頭で説明している。馳大臣は、記者会見においても「権限は自治体側にあり、減額しろとかなくしてしまえとか言うものではない」と説明している。しかし、通知はさらに、「朝鮮学校は、北朝鮮と密接に関係する朝鮮総連が影響を及ぼしている」と指摘し、「補助金の公益性、教育振興上の効果を十分に検討し、適正かつ透明性のある執行を確保せよ」と指摘している。これまでも私学助成などでは不正な使途を問われた事例がいくつかあるが、地方自治体に対してこのような通知が発出されたことを知らない。行政法の専門家の中には、「事実上、補助金はやめなさいと言っているに等しい」との指摘もある。朝鮮学校において補助金の使途に不正が行われた事実はない。この時期に、朝鮮学校にだけ突然このような文科省の権限を越えた通知がなぜ発出されたのか、馳大臣は説明していない。
 自民党は、拉致問題や核実験を理由に、文科省に補助金停止を要請してきた。国連からも指摘されているが、朝鮮学校に通う生徒の人権と外交上の問題とは一緒にすべきではない。北朝鮮への制裁措置が強化されているが、その一環としての行為だとしたら、人権への国際基準から言っても許されるべきではない。
 朝鮮学校の生徒は、2013年4月以降、現政権によって高校授業料無償化措置から完全に外されている。以降金曜日には、子どもたちや保護者、学校関係者、支援団体などが文科省前で抗議行動を行ってきた。各県で、措置適用を求める訴訟も始まっている。国連の人権委員会や人種差別撤廃委員会からも、人権侵害との指摘が行われている。文科省がそのことを知らないはずはない。神奈川県は、朝鮮学校の授業内容は適正であるとして、保護者への学費の補助を実施している。今回の通知に対しても「国際情勢に振り回されず、学習環境を守るのは大事だ」との黒岩祐治知事の談話が伝えられている。これこそが、人権感覚と言うものだ。朝鮮学校に通う子どもたちは、政治に差別され翻弄されて傷ついてきた。そして朝鮮半島を故国とする者たちの民族教育は危機に瀕している。日本が、民主主義国家であり人権国家であるとするならば、民族教育の権利は守られるべきである。日本の戦前と戦後を通して、日本社会で生きざるを得なかった歴史を持つ民族に対して、日本社会はどのようにその責任を果たしてきたというのか。
 平和フォーラムは、各自治体がこの通知に左右されることなく、その判断と責任において適切に補助金を交付していくことを、日本社会の一員として強く望む。

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