東京平和運動センター133-2

TKOPEACENEWS

　2面　NO.133　2014.10.25

特定秘密保護法の運用基準の閣議決定に関する事務局長見解　　　

2014年10月15日

フォーラム平和・人権・環境　
事務局長　藤本泰成

　安倍内閣は10月14日、「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準」（以下「運用基準」）およびその施工日を12月10日とする政令を閣議決定した。
　昨年12月に強行された特定秘密保護法の成立以降、知る権利や取材活動の制限に危惧を抱く多くの市民、報道機関、労働組合等は、この「運用基準」について大きな関心をはらってきた。本年７月に示された「運用基準」の素案に対するパブリックコメントに、２万3820件近くよせられたことがそのことを示している。しかしながら、閣議決定された「運用基準」は、５年後の見直しなどにとどまるのみで、私たちの懸念を考慮したものとはなっていない。
　秘密とするべき対象について、防衛、外交、特定有害活動、テロリズムの防止の４分野について、55の細目を列挙した。政府は特定秘密の範囲をより明確にしたと胸を張るが、自衛隊の情報収集・警戒監視活動、国際社会の平和と安全の確保、テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止などの曖昧な文言が並んでいる。結局、何を指定するかは政府の判断であり、市民社会は何が秘密に指定されているか知らされない。
　私たちは、情報は市民の財産であると主張してきた、しかし、市民に知らされず半永久的に秘密にされる、または市民に知らされることなく廃棄される可能性も否定できない。市民社会への説明責任は「指定の情報の範囲が明確になるように努める」との努力義務規定になっているにすぎない。政府の恣意的運用の歯止めにはならない。
　政府は、「情報保全諮問会議」への運用報告、「保全監視委員会」での運用改善の補佐、運用チェックにあたる第３者機関としての「独立公文書管理監」「情報保全管理室」を設置し「チェック体制は重層的」であるとしている。しかし、情報保全諮問会議の清水勉弁護士が「チェック体制は完璧ではない」と言うように、部外者を置かないチェック機関で何ができるのか疑問だ。市民の懸念に真摯に対応するなら秘密を指定する行政機関から完全に独立した公正な第3者機関が必要ではないか。
　市民社会の知る権利についても、「運用基準」で十分配慮されたとは言えない。国際基準のツワネ原則はジャーナリストや市民を刑事罰の対象にしてはならないとしている。これは市民の知る権利や報道の自由を保障することで、国家権力を監視し、その暴走に歯止めをかけていくという立憲主義に連なる根本思想があるからだ。
　運用基準では公益通報制度にあたる取扱者の通報制度が設けられてはいるが、特定秘密の内容の漏洩を防ぐものとして要約による通報が義務とされ、また行政内での通報を優先する規定となっている。これでは実効性があるとはとても言えない。漏洩に対する刑事罰は懲役10年以下とされ、要約を誤ると刑事罰の可能性すらある。取扱者は秘密の指定に疑問を感じても委縮してしまい、通報しようとすることは難しい。特定秘密指定が市民の権利や利益を侵害している場合であっても、白日の下にさらされる可能性は極めて低い。
　また、民間業者や公務員が指定される情報取扱者の適正評価事項に対しても、人権侵害であるとのパブコメが寄せられているが今回の運用基準では無視されている。情報取扱者と指定された者は、長期にわたって情報保全の義務を負う。個人への重圧は高く極めて問題のあるものと言わざるを得ない。
　特定秘密保護法は、多大な問題点と欠陥を残したまま、運用面で歯止めがかけられることもなく施行となる。時同じくして、10月８日に公表された日米ガイドラインの中間報告のなかで、「情報共有の強化」が打ち出されている。日本が、米軍と一体化して世界展開していく状況のなかで、この特定秘密保護法の施行は、日米軍事同盟の深化と戦争ができる国家体制づくりにとって不可欠のものだ。私たちは大きな危機感を抱く。
　平和フォーラムは、特定秘密保護法の廃案をめざし、「戦争する国づくり」に反対し全力で闘う。

オスプレイの横田基地飛来阻止！訓練阻止！
基地の縮小・撤去を求める三多摩集会
　　10.21　三多摩平和運動センター

　１０月２１日三多摩平和運動センターは、福生公園において、毎年開催している１０．２１国際反戦デーの取り組みとして、標記集会を開催しました。
　集会には三多摩地区の労働組合などから420名が参加しました。東京平和運動センターからも関副議長が連帯のあいさつを行いました。
　また、神奈川平和運動センターの小原事務局長も駆けつけ、厚木基地や横須賀基地へのオスプレイ飛来や訓練実施情勢や、原子力空母母港化などについて報告しともに闘う決意が表明されました。集会後、参加者は横田基地前から福生市内までデモ行進を行いました。

集　会　決　議

　沖縄県・普天間基地配備のＭＶ２２オスプレイが、７月１５日に厚木基地、１９日に横田基地に飛来するという暴挙が行われました。関係自治体や住民は、この間住民の安全と安心を脅かすオスプレイの飛来や訓練は認められないことを再三要請してきました。にもかかわらず、７月になって突如飛来がされたのです。７月１日には、集団的自衛権行使容認の閣議決定がされましたが、そのタイミングに併せたかのような飛来です。
　日米両政府が、ＭＶ２２オスプレイを普天間基地に強行配備するとの方針を示したことを踏まえ、２０１２年９月９日、沖縄県は、県議会議員・４１自治体の首長・議会議長をはじめ県内から１０万人余が結集して「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」を開催して、民意を明確に示しました。しかし、日米両政府は、沖縄県民の民意を無視し、１０月１日にオスプレイを強行配備しました。沖縄県民は、こうした事態は看過できないとして上京、２０１３年１月２８日には安倍首相に、県議会・全市町村・全市町村議会の連名で建白書を提出しましたが、誠意ある回答はありません。
　現在は、ＭＶ２２オスプレイの普天間基地への配備は当初の１２機から２４機へと増やされています。そして、今や本土への飛来や訓練・展示が既成事実化されようとしています。
横田基地への最初の飛来については、「７月２０日に札幌飛行場で行われる北海道航空協会主催のイベントにＭＶ２２オスプレイを展示するため、経由地として７月１９日に横田基地を利用する」との通告が、直前に国から基地周辺の５市１町になされました。私たちはこうした事態に、第９次横田基地訴訟原告団などの皆さんと共闘し、７月１８日に飛来の中止を求めて、１２０名の参加により緊急集会とデモを実施しました。
　しかし、米軍はその後も９月６日・７日の「日米友好祭」での展示を含めて、数回にわたり横田基地への飛来や訓練をしています。さらに、沖縄県・嘉手納基地への配備を検討するとしていた空軍仕様のＣＶ２２オスプレイ１２機について、「日米両政府は、来年７月に横田基地配備予定で調整中」との情報が１０月に入って明らかになりました。
　もしそうなれば、今でも耐え難い騒音被害は一層大変な状況になり、このところ頻繁に起きている航空機の部品落下事故も増える可能性が強まります。さらには墜落事故への不安も、大きく現実味を伴ったものになってきます。
私たちは、住民の安全と安心を守るために、国や米軍に対し，横田基地へのオスプレイの飛来や訓練そして配備の取り止めを強く求めます。オスプレイは日本に必要ありません。私たちは、全国の仲間と連帯して、日本からすべてのオスプレイを退場させるため奮闘します。
以上、決議します。

　２０１４年１０月２１日
　オスプレイの横田基地飛来阻止！訓練阻止！
　基地の縮小・撤去を求める三多摩集会参加者一同

●集会報告

●川内原発再稼働するな！フクシマを忘れない！さようなら原発全国集会　（９月23）

　東京江東区の亀戸中央公園で「さようなら原発全国大集会」が開かれ、16000人が参加。安倍政権の原発推進政策と対決し、再稼働を断念させようと声をあげました。集会は、デング熱問題のため、当初予定していた代々木公園から変更し、主催も「さようなら原発１千万署名市民の会・1000万人アクション」だけとなりましたが、予想を大きく上回る参加があり、夕刻までデモ行進が続きました。　

●原子力空母配備撤回横須賀集会（９月25日）

　米海軍横須賀基地に配備されている原子力空母ジョージ・ワシントンは、2015年に核燃料棒の交換が予定されており、それに代わり新たな原子力空母ロナルド・レーガンが配備される動きがあります。また、この間欠陥機オスプレイが、神奈川県を含み東日本へ相次いで飛来するなど、軍事機能の強化と新たな基地被害の拡大が危惧される状況にあります。そうしたなか、横須賀基地へ配備されて６年目となる米海軍原子力空母ジョージ・ワシントンの配備に反対する集会が９月25日、「空母母港化41周年・原子力空母ジョージ・ワシントン横須賀基地母港化６周年抗議・原子力空母配備撤回を求める全国集会」と題して、横須賀市内のヴェルニー公園で開催されました。

●フクシマを忘れない！再稼働を許さない！JCO臨界事故15周年集会（９月28日）

　1999年９月30日に茨城県東海村で起きたＪＣＯ臨界事故では、大量の放射線を浴びた二人の労働者が亡くなり、周辺住民を含む667人(政府発表)が被爆しました。15年目にあたる9月28日、石神コミュニティーセンター(茨城県東海村)で「フクシマを忘れない！再稼働を許さない！JCO臨界事故15周年集会」が350名の参加で開催されました。

★活動日誌

09.23　さようなら原発大集会〈亀戸中央公園〉
09.28　JCO臨界事故14周年集会(13:00～茨城・東海村)
09.28　「国連・人権勧告の実現を！」集会(13:30～東京・芝公園)
10.08　日弁連・集団的自衛権行使に反対する集会＆パレード(18:00～日比谷野音)
10.17　戦争をゆるさない東京集会(18:30日比谷公会堂)
10.21　オスプレイの横田基地飛来阻止・訓練阻止！基地の整理縮小を求める三多摩集会（18：30福生公園　）
10.24　戦争をさせないコンサート(日比谷野外音楽堂)
10.24　部落解放・人権政策確立要求中央集会(13:00～憲政記念館)

★今後の日程
10.31　狭山事件の再審を求める市民集会(13:00～日比谷野外音楽堂)
11.01～03　憲法理念の実現をめざす第51回大会(護憲大会、岐阜市)
11.11　戦争させない・9条壊すな総がかり行動(国会包囲行動)
11.28～29　第46回食とみどり、水を守る全国集会(日本教育会館)
12.04　狭山東京実行委員会
12.04　東京平和運動センター常任幹事会
12.06　もんじゅを廃炉に！全国集会（福井･敦賀市)

●タイトル頁に戻る　●目次頁に戻る　●機関紙頁に戻る　●前頁に戻る　