東京平和運動センター122-2

TKOPEACENEWS

　2面　NO.122　2013.6.27

特別寄稿　
戦争絶対反対という大きな世論をつくろう
―今年で20回目の沖縄平和行進に参加して―（その1）

東京平和運動センター
個人会員　　森本　一雄

　沖縄現地反基地闘争に長年参加してきた森本一雄さん（元・東京平和運動センター事務局長）には、本年の5.15沖縄平和行進の行動中、東京からの参加者に案内と報告をいただきました。熱意にもとづく独特の語り口は、参加者に感動を与えました。その時のご本人のメモをもとに、寄稿をお願いしました。
　ご本人は、2005年7月から一年以上にわたり、現地にすみつき、辺野古基地建設反対闘争に体をはって取り組まれました。
　次号と２回に分けて掲載いたします。

■米軍が支配する空から沖縄に入る
　我々が搭乗したＡＮＡ129便は、沖縄上空・辺戸岬に近づき、機内アナウンスでシートベルト着用が流れる。わたしはこれから10分間が一番危険地帯に記が突入したために緊張が走る。半径90ｋｍの米軍管制の支配下に入るからだ。東京平和運動センターの一員としての沖縄平和行進に参加は1994年からで、20回目の闘争参加となるが、いつもこの時間帯だけは異常に緊張する。それは高度300ｍが民間機、600ｍを自衛隊機、その上を米軍機と、米軍が一番安全な空を飛び、一般客を乗せた民間機がもっとも危険な空域を飛んでいるからだ。
　なぜこのような危険な飛行を余儀なくされるのかというと、米軍の訓練飛行を最優先しているからだ。この訓練は沖縄本島北部太平洋側に「ホテル･ホテル」、南部に「マイク･マイク」「ゴルフ･ゴルフ」、「インディア・インディア」、日本海側・伊江島の沖合に北部訓練空域があるためだ。沖縄の仲間から「沖縄は空も陸も海も米軍に支配されている」と、米軍基地を案内された時に、この言葉を聞いた方もいるだろう。まさに沖縄には米軍基地が75％も集中し、本島の12％を占領しているからだ。
　毎日、毎日が米軍機や自衛隊機と接触される高度300ｍでの飛行では異常気象（雷・突風・濃霧・

■安倍自公政権は、歴代内閣の中で最悪で、危険な内閣である
　朝日新聞の社説（5/22）を読んだ方もいるだろうと思います。私は、この記事を読んで寒気が来るほどの恐怖を覚えました。自民党の国防部会・安全保障調査会が「敵の弾道ミサイル基地」などを攻撃できる能力を自衛隊が持つことを検討するとあります。
　安倍首相は政権を取るとさっそく、集団的自衛権の行使容認や憲法9条を改悪し国防軍の創設をめざすとし、その前触れとして96条の改悪を国会に法案提出するとして具体的な行動に入っています。
　この記事により、いの一番に沖縄の人々は真っ青になっているだろうと想像できる。安倍政権は、中国・北朝鮮の核やミサイルを想定してのことと思われるが、沖縄米軍基地の弱点はこうした国々の核やミサイルに最も近いところにあるということです。
　沖縄に駐留する海兵隊のグアム、フィリピン、オーストラリアへの移駐が取り沙汰れているが、米国の財政だけの問題でなく、ミサイル射程の外側に移動することが真剣に考えられています。
　沖縄は、先の戦争において多くの人々が殺されました。負傷された方もいます。嘉数高台や前田高地の激戦地では、一家全員死亡という家族もありました。この戦場では、日本兵と住民６万２千人が死亡しました。
　米軍が北谷の浜に４月１日上陸、その後の６月23日には日本軍の機能は破壊されているにもかかわらず、天皇制護持と本土防衛の時間稼ぎ（出血・持久戦）のために、県民・日本兵20万人以上が犠牲となりました。その死は本土防衛の捨て石になったという事実は誰もが知るところです。
　また、このような戦場では朝鮮半島から強制連行された人々が、陣地構築や弾薬運搬に使役され多くの死傷者が出ました。日本軍の性の奴隷とされた「従軍慰安婦」も多くいました。
にもかかわらず、沖縄戦から61年の今日、またも戦争を起こす政治家の出現に怒りがふつふつとわいてきます。

■「抑止力」で沖縄県民の犠牲を強要するな
　沖縄の人々は、毎年４月28日は「屈辱の日」、５月15日は「新たな闘いの日」、６月23日は「慰霊の日」。これらの日は沖縄の人々にとって忘れてはならない日として、特別な日として記憶に残しています。
　こうした沖縄の人々の感情を逆なでするように、安倍内閣は４月28日に天皇を呼びつけて「主権回復の日」として　記念式典を開催しました。復帰後の今日でも、沖縄県民が戦後と同様に米軍に支配され、ある時は小学校に爆撃機が墜落し殺され、ある時は米兵に少女がレイプされ、これが人間のすることかと思われる事故や凶悪犯罪が今も続いています。安倍政権はこれから先、100年も200年も米軍支配を固定するつもりなのか、直接聞いてみたいと思います。
　少女レイプ事件後、1995年10月21日抗議集会に集まった10万余人の人々を前にした、女子高校生の「私たちに静かな沖縄を返してください。軍隊のいない、悲劇のない平和な島を返してください」と心からの叫びに、日本の政権政党は18年経過しても何ら答えていません。
　抑止力のために、戦闘機が墜落して人々を殺しても、米兵が少女をレイプしても、ヘリが大学に墜落しても、米軍の演習で山が破壊されても、実弾が民家に射ち込まれても、未来永劫に県民の犠牲を強要することは、もう政治の犯罪としか言えないのではありませんか。

■沖縄には今すぐ解決しなければいけない課題がある
　何よりも最も優先する課題は、日米地位協定の改定と断言できます。2004年８月13日沖縄国際大学構内に普天間基地所属のヘリが墜落する事故が発生したのは、ついこの前であるため多くの人々の記憶に残っていると思います。
その墜落現場には、米軍が大学と通路を封鎖して厳戒態勢を敷き、駆け付けた沖縄県警も入れず、警察の抗議や地域住民、大学当局の抗議も一切無視するなど、その対応は植民地支配、占領軍そのものであったといわれています。
　それだけではありません。95年の少女レイプ事件など重大犯罪でも日本の警察捜査権は戦後61年経過しても、何ら変わっていないのは日米地位協定のためです。この協定がある限り、沖縄県民の生命、財産、人権を守ることはできない。
　日本国憲法の枠外に置かれている。これまでの政権政党、とりわけ自民党は改定に向けた真剣な取り組みがなかった。この責任は重大である。今後、米軍が駐留する感はこのままということは許せない。
　二つ目に、嘉手納とキャンプ・シュワブの弾薬庫を直ちに撤去して米国に持って帰れと主張したい。弾薬庫には、核も化学兵器もあると思われるが、私たちが確認できない。もちろん日本政府も立ち入って調査したことはない。米軍の機密となっている。
　子の弾薬庫は危険極まりないと指摘できる。嘉手納基地はアフガンなどへ弾薬を抱えた戦闘機が出撃し、訓練に向かう機など年間８万回も離発着があり、弾薬庫はこの基地のそのすぐ隣にある。キャンプ・シュワブの弾薬庫にしても欠陥機オスプレイの飛行訓練の真下に位置し、想像しただけでもぞーっとする。弾薬庫を抱えた戦闘機やオスプレイが墜落しようものなら、県民の命が一瞬にして数千人奪われると思われる。生命を守るためにもすぐにも撤去させるべきだと強く主張したい。
三つ目は、日米安保の枠を超えた米軍の軍事行動を停止させるべきだ。これまで沖縄から、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、そして今でも激戦が続くアフガンへ出撃している。安保を超えて日本の憲法が否定している米国の暴挙を許すわけにいかない。
　以上のように、一歩間違えれば県民数千人が犠牲となる可能性がある重大な問題である。
　沖縄には「命どう宝」という、人命が一番という素晴らしい伝えがある。この言葉の伝える意を米国も日本政府も尊重すべきである。
（次号につづく）

★活動日誌

05.30　東京平和運動センター定期総会(15：00　東交会館)　
06.02　さようなら原発集会(東京・芝公園23号地)
06.03　日朝国交正常化連絡会学習会(18:30～東京・連合会館)
06.11　部落解放中央共闘会議総会(14:00～全水道会館 )
06.20　日朝国交正常化連絡会総会・記念講演会(総会16:00～記念講演会18:30～東京・連合会館)
06.21　狭山事件再審を求める墨田区民集会(18:00～墨田社会福祉会館)
06.25　第3回憲法問題連続学習集会(18:30～東京・連合会館)

★今後の活動

07.01　「立憲主義から憲法を考える集会」（18:00～星陵会館）
07.09　ＴＰＰ問題連続学習会第３回（18:30～連合会館）
07.12　人権の21世紀をつくる文化の集い　（18:30きゅりあん小ホール・大井町）
07.28　原水禁世界大会・福島大会
07.28　第20回統一マダン東京（16:00～19:30日暮里駅前ｲﾍﾞﾝﾄ広場）　
08.01　朝鮮戦争休戦協定60周年シンポジウム（17：00～学士会館）
08.01　朝鮮戦争停戦60周年国際シンポジウム（17:00～学士会館210号室）　
08.04～06 被爆68周年原水爆禁止世界大会・広島大会（広島市）
08.07～09 被爆68周年原水爆禁止世界大会・長崎大会（長崎市）
08.10　平和の灯をヤスクニの闇へキャンドル行動（韓国ＹＭＣＡ）
08.15　戦争犠牲者追悼・平和を誓う集会（11：55～千鳥ケ渕戦没者墓苑）

★ご案内
被爆68周年原水爆禁止世界大会
参加者募集中
　福島大会　
　７月２８日（日）　１３：３０開会（予定）
　福島県教育会館　大ホール他
　15:55　デモ行進出発
　16:40　解散
　広島大会　　
８月４日（日）～６日（火）
　４日　
15：00　折鶴平和行進〈平和公園集合〉　
16：30　開会総会グリーンアリーナ　　　　　　

　５日
分科会・ひろば・フィールドワークまとめ集会
　　　　県民文化センター、ほか
　子どものひろば・メッセージfromヒロシマ2013
国際会議　〈13：30～〉　アークホテル広島
連合2013平和集会〈17：00～〉上野学園ホール
　６日
　　8:00　　平和祈念式典　平和公園
9:30　　まとめ集会　　中国新聞ホール　　
　長崎大会　　
８月７日（水）～９日（金）
　７日　
15:30　被爆68周年原水禁世界大会
　　　　　　　長崎ブリックホール３Ｆ大ホール
　８日　
分科会・ひろば・フィールドワーク
　連合2013平和長崎集会（15:00～17:00）
県立総合体育館
　９日　
7:30　慰霊碑墓参
9:00　閉会総会　　　　県立総合体育館
終了後　平和行進→　爆心地公園　　11:02　黙祷
　　　　　　　　　　
申し込み・問い合わせ
　　各団体・労組を通じて申し込みください。
　個人会員は、事務局まで問い合わせください。
　　０３－５４４３－４１１０　

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