TKOPEACENEWS
 2面 NO.119 2013.3.25

安倍政権の暴走を許さず、平和と安全・安心を守るためにともに闘おう

 昨年末の衆議院選挙の勝利を背景に安倍政権は、アベノミクスなる旧来型公共投資重視の経済政策を展開し、その影響はさらなる国民生活の格差拡大へと進もうとしています。また、憲法改悪に向かって、着々とその準備を進めています。
 4.28「沖縄屈辱の日」に天皇を出席させる「主権回復国際社会復帰記念の式典」を開催、TPP交渉参加の決定などその姿勢は一層明確となっています。
 以下、オスプレイの低空飛行訓練・夜間飛行訓練実施に対する抗議声明と合わせて、3本の「平和フォーラム見解」を掲載します。

平和フォーラム見解
2013年3月13日
 「主権回復国際社会復帰記念の式典」に関する事務局長見解

 3月12日、政府主催の「主権回復国際社会復帰記念の式典」を、1952年の「サンフランシスコ講和条約」が発効した4月28日に合わせて開催することを閣議決定しました。政府は「(敗戦から)7年間の長い占領期間を知らない人が増えている」「節目の日を記念し、わが国の国際社会の平和と繁栄への貢献の意義を確認する」との理由を示しています。しかし、これまで政府主催のこのような式典が開かれたことはなく、唐突に天皇・皇后までも巻き込む式典を開催する理由とは考えられません。

 「サンフランシスコ講和条約」は、そもそも全面講和ではなく、ソビエト連邦(当時)やポーランド、チェコスロヴァキア(当時)などの国は調印していません。インドやビルマ(当時)、中華人民共和国などは参加していません。それらの国との和平は先送りされました。
 日本本土の米国の占領政策が終了する中、この条約により「南西諸島や小笠原諸島を合衆国の信託統治に置く」とされ、沖縄県民などはその後長く米軍統治下に置かれ、苦難の生活を強いられました。沖縄県民はこのような経過から、4月28日を「屈辱の日」と呼んでいます。また、戦前・戦中の植民地政策の中で、様々な形で日本での生活を強いられた在日韓国朝鮮人の問題もそのまま残されました。

 政府は「沖縄の県民の苦難の歴史を忘れてはならない」としました。現在沖縄は、辺野古新基地建設、東村高江のヘリパット建設、普天間基地へのオスプレイ強行配備などに県民が猛烈に反発している。また、米軍関係者の犯罪も絶えることなく「日米地位協定」の全面改定も急務とされる。全く問題解決ができない中で、沖縄県民の寄り添うような言葉だけでごまかし、県民が「屈辱の日」と呼ぶ4月28日を祝うことが許されるでしょうか。植民地支配を反省することなく、在日韓国朝鮮人の生徒が通う朝鮮学校を「高校無償化制度」の適用から排除を政権誕生早々に実現させ、さらに河野談話を否定し「近隣諸国条項」の廃止をもくろむ安倍自民党政権のもとで、自らの「解放」だけを喜ぶことが許されるでしょうか。

 平和フォーラムは、唐突な「主権回復国際社会復帰記念の式典」に反対するとともに、これらの課題の解決に政府が真剣に対応することを強く求めます。そのことが真の意味での国際社会への日本の復帰につながり、日本全体で心から主権回復を祝うことができると考えます。

平和フォーラム見解
2013年3月15日
政府の環太平洋戦略経済連携協定(TPP)交渉参加表明に対する声明

 安倍晋三首相は3月15日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明しました。その理由として、「アジア太平洋地域の成長を取り込む」「日本経済全体としてのプラス効果」「アメリカとの関係強化による安全保障、地域の安定」などをあげ、「1日も早くルール作りに参加する必要がある」としました。また、自民党のTPP対策委員会は14日、コメなど農林水産分野の重要5品目や国民皆保険制度などの「聖域」扱いを安倍首相に求めたものの、「交渉に参加しなければ、国民生活の水準、国際社会における地位を保つことができない」など、事実上、交渉参加を容認しました。
 平和フォーラムは、菅直人元首相が2010年にTPP参加検討を表明して以来、TPPは食料や農業、環境等に与える影響が大きいことなどから、慎重な検討が必要であると指摘してきました。TPPは農業問題だけでなく、食の安全、医療や公共サービス、労働、金融など、広範な「社会的共通資本」に大きな打撃を与えることが予想されます。それらの規制の撤廃、全面開放が行われれば、市場主義、競争原理が一層激しさを増し、矛盾と格差の拡大をもたらし、日本社会の有り様に重大な影響を及ぼすことが懸念されます。
 さらに、日本の参加は、TPP交渉を主導してきた米国の意向に沿うものであり、このことで「日米同盟」体制をより深化させ、経済におけるブロック化を強めるとともに、軍事面を含めて、東アジアでの安全保障体制に影響を与えることも想定されます。
 しかし、このような重要な問題について、この間、十分な情報開示や国民的議論がほとんど行われてきませんでした。特に自公政権下では政府と国民との意見交換は一度も行われていません。昨年からの米国との事前協議における、自動車や保険、牛肉などの貿易問題での米国からの要求についても明確にされていません。今後のTPP交渉においてはさらに、既存の参加国間で既に合意した事項はすべての受け入れを求められます。
 このような情勢の中で、政府が十分な情報を開示せず、国民的議論を行うことなく、性急にTPP交渉への参加表明を行ったことに対し、平和フォーラムは強く抗議し、その撤回を求めます。
 また、自民党は先の衆議院総選挙時に、TPPに関して「食の安全・安心の基準を守る」「ISD条項(投資家による国の訴訟権)は合意しない」「政府調達・金融サービス等はわが国の特性を踏まえる」なども含めて公約としました。そして、「聖域(死活的利益)の確保ができないと判断した場合は脱退も辞さないものとする」としています。
 私たちは、今後、国内外の多くの団体と連携して、政府やTPP交渉参加各国の動きを監視し、農業・食料をはじめとして、国民生活に打撃を与えるような協定に強く反対して運動を進めます。

平和フォーラム見解

2013年3月5日
 垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイの低空飛行訓練・夜間飛行訓練実施への抗議声明

 在日米軍サルバトーレ・アンジェレラ司令官は、2月28日の日本外国特派員協会での記者会見で、沖縄県普天間基地に配備されている垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイの国内での訓練実施を発表しました。遅れて、小野寺五典防衛大臣も同日、配備済みオスプレイ12機のうち3機が、3月6日から8日にかけて山口県岩国市の米軍岩国基地周辺において低空飛行訓練・夜間飛行訓練を実施することを発表しました。飛行訓練ルートについては、3月4日に九州各県を飛行する通称イエロールートとされました。直前の通知は、住民の安全を確保するという各自治体の責任と主体性を無視した暴挙と言えます。
 平和フォーラムをはじめ多くの市民は、この間一貫して墜落の危険性の高いオスプレイの配備や飛行訓練の実施に反対してきました。日米政府、米軍の訓練実施強行を許すことはできません。

 在日米軍は、これまで日本国内の7つの飛行ルートで米空母艦載機などの低空飛行訓練を実施してきました。多くの被害が報告されているにもかかわらず、日本政府は通常の基地間移動などとしてその実態を野放しにしてきました。1994年には、オレンジルート下とされる高知県早明浦ダム近くでA6イントルーダー攻撃機が墜落、乗員2名が亡くなる事故が起きています。日本国内での米軍機の墜落事件は、これまで250件以上にのぼり、1959年の沖縄県宮森小学校(死者17人)での米軍機墜落事件、1977年の横浜市青葉区(死者3人)など、多くの痛ましい事件が起こっています。2004年の沖縄国際大学にCH-53ヘリコプター墜落事故は記憶に新しいですが、1973年以降、ヘリコプターの墜落事故は北部演習場を中心に20回を超えています。オスプレイが墜落しないと誰が断言できるでしょうか。

 米国政府および米軍は、ニューメキシコ州やハワイ州の米軍基地におけるオスプレイの飛行訓練を地元住民の反対によって中止しています。日本において多くの反対があるにもかかわらず低空飛行訓練や夜間飛行訓練を実施する米国政府・米軍の姿勢は、断じて許すことはできません。また、そのことに異議を唱えず容認する日本政府の姿勢も同様です。
 平和フォーラムは、在日米軍の存在が、そしてオスプレイが、日本の安全保障に資するとする日本政府の主張に断じて異議を唱えるものです。沖縄を中心に日本の市民生活を不安に陥れるオスプレイは、米国の東アジア政策を補完するものであり、決して日本の安全保障に資するものではありません。強力な軍事力をもってしても自国の安全を保障できないことは、2001年9月11日の米国での同時多発テロにおいて証明されています。私たちは、日本国憲法前文に示された平和主義を基本に、東アジア諸国との真摯な対話の中で自らの安全を守ろうとするものです。

 平和フォーラムは、組織の全力を挙げて、市民生活を不安に陥れるオスプレイの配備、低空飛行訓練、夜間飛行訓練に反対し、日本社会で生活する全ての市民とともに、オスプレイの全国展開に「NO!」の声をあげ続けることを表明します。


<ご案内>

5.15沖縄平和行進
本年の沖縄平和行進は、下記のとおり開催されます。
5月16日(木) 全国参加者結団式/那覇市民会館
5月17日(金) 平和行進1日目
5月18日(土) 平和行進2日目
5月19日(日) 平和行進3日目および県民大会

東京平和運動センターとしては、例年のとおり、
5月18日出発 沖縄基地・辺野古など視察・激励
5月19日   平和行進・県民集会参加
5月20日   自由行動・帰途
 の予定でツアーを予定しています。

平和フォーラム出版案内
 『詳細解説 オスプレイの沖縄配備と全国での低空飛行訓練』
サイズ  A5判・40頁
頒価   1冊100円 +送料(実費)
【内容】
Q1 オスプレイとは何ですか?
Q2 日本にはどのような関係がありますか?
Q3 オスプレイは危険な飛行機なのですか? Q4 オスプレイの事故率は海兵隊平均より低い
   のではないですか?
Q10 沖縄以外の地域では、どのような訓練が行
  われるのですか?
Q11 低空飛行訓練とは何ですか?
Q12 低空飛行訓練にはどのような問題があり
ますか?
 ノノなど14項目でオスプレイと低空飛行問題を解説しています。

注文・問い合せは
平和フォーラム
FAX 03-5289-8223
電話  03-5289-8222



★活動日誌

02.20 狭山事件の再審を求める東京集会(18:30~台東区民会館)
02.28 平和フォーラム全国活動者会議(静岡市)
02.28 被災59周年ビキニデー全国集会(静岡市) 03.01 久保山愛吉さん墓参(焼津市)
03.02 東京大空襲68周年朝鮮人犠牲者追悼会(13:00~東京都慰霊堂)
03.03 マーチ・イン・マーチ2013(日比谷小音楽堂)
03.09 つながろうフクシマ!さようなら原発大集会 (11:00~フェスタ、14:00~集会、明治公園)
03.11 つながろうフクシマ!さようなら原発講演会(18:30~品川きゅりあん)

★今後の活動

03.23 さようなら原発1000万人アクション福島集会(福島市・県営あづま総合体育館)
03.28 拙速なTPP交渉参加に反対し、食料・農林業政策を求める生産者・消費者行動(13:30~東京・参議員会館)
03.30 第6回強制動員真相究明全国研究集会(13:00~東京・東大駒場)
03.31 朝鮮学校はずしにNO!全国集会&パレード(13:00~東京・日比谷野音)
04.03 第1回憲法問題連続学習集会
(18:30~連合会館) 5月22日第2回
04.03 狭山東京実行委員会幹事会(14:00東交会議室)
04.03 東京平和運動センター常任幹事会(15:00東交会議室) 
04.03 玉城・沖縄県議を囲む会(16:00東交会議室)
04.06 第28回「4.9反核燃の日全国集会」「全国交流集会」(青森)
04.13~14 オスプレイ配備撤回・米軍基地問題を考える全国集会(東京・津田ホール・日本青年館)
04.24 狭山事件の再審を求める台東集会(18:30~台東区民会館 8階)
04.24 狭山事件の再審を求める東京西北集会(18:30~中野区・野方区民ホール)

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