東京平和運動センター108-1

TKOPEACENEWS

　1面　NO.108　2012.1.10

新年明けましておめでとうございます
今年も反戦・反核・反差別の運動を明るく元気に広げていきましょう
東京平和運動センター議長　長谷川　信康

　平和運動センター各構成組織、会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。
昨年は東日本大震災、そして日本の原子力発電所は絶対に事故を起こさないと言われ続けてきましたが、東京電力福島第一発電所にて最悪の事故が起きてしまいました。
　普段なじみのないヨウ素・セシュウム・ストロンチュウム等の核種名と半減期を覚え、飲み水を心配してガソリンより高いペットボトルを購入、これまで以上に食品購入では産地に注目するなど人々の生活を一変させました。
事故を「絶対に」起こさないようにすることは、不可能であり、予測不可能だから事故が起きるのです。
　原子力運転での、原子炉溶融などの事故はあってはならないのであり、安全を確保するには採算性を度外視しなければなりません。想定外などと言っている人たちには任せておけません。いち早く原子力発電をやめると決めたスイスは、安全を確保するには採算に合わないと結論づけ原子力発電を取りやめました。
　原発に頼るエネルギー政策は、あまりにも危険であり、国民生活より経済を優先させていると言われる所以です。本質的安全は、造らないことです。

□日米軍事同盟強化反対
　政府は、2010年12月「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」を発表し、｢基盤的防衛力構想｣から｢動的防衛力｣へ方針を大転換しました｡
「動的防衛力」については、「各種事態に対し、より実効的な抑止と対処を可能」と機動力と即応性をより高めることを重視し、アジア太平洋地域さらには地球規模での自衛隊の展開を想定するとしています。同時に、「国際平和

　協力活動」に「より積極的に取り組む」と海外派兵の推進を表明しました。そのために、ＰＫＯ（国連平和維持活動）参加五原則の検討をうたいました。
　日米同盟についても「今後とも必要不可欠」と強調。ミサイル防衛や情報保全などあらゆる面で「日米協力の充実」をはかるとし、沖縄新基地建設を含む在日米軍再編合意の着実な実施、「思いやり予算」の積極推進を約束しました。（実際、昨年３月のトネダチ作戦後のどさくさ紛れに乗じて５年間で約一兆円支出を国会で決めました。）更に米国の「核抑止力」も「不可欠」としました。
　「基盤的防衛力構想」から「動的防衛力」への転換とは、米軍と共に軍事行動をするとの表明であり武力衝突の可能性がたかまる危険な方向に進むということであります。

□普天間基地撤去を勝ち取ろう
　沖縄の本土復帰後も、政府は沖縄に基地を受け入れざるを得ない政策を採り続けてきました。政府の基地がらみの「振興策」は逆に地域経済の発展を遅らせることになり、さらなる交付金依存に仕向けるもで、沖縄の労働者の賃金が全国でも低いとされる所以でした。
　1950年代は基地関連収入が県民総生産の五割を超えていましたが、本土復帰時点で約15％、今日では約５％までに低下しています。
　「沖縄は基地がなければ成り立たない」という時代ではないと言うことです。
2010年、「海にも陸にも基地は作らせない」と公約した稲嶺氏が名護市長に当選し、仲井間知事もが県外移設に方向転換しました。
　稲嶺市長は、基地再編交付金を拒否し、市の予算に計上しませんでした。政府がどのようにお願いしても辺野古への基地移設は、現実性がありません。県外移設にしてもどこにも決められないと言うことは、国外移設しかないということに他なりません。
　今年も反戦・反核・反差別の運動を明るく元気に広げていきましょう。

東京平和運動センター議長　長谷川　信康

2011年12月28日
「武器輸出三原則の緩和」を表明する
官房長官談話への抗議声明

　フォーラム平和・人権・環境　事務局長　藤本泰成

　1967年の衆議院決算委員会で佐藤栄作首相は、「共産圏、国連決議で禁止されている国、国際紛争の当事国やその恐れのある国への武器輸出を認めない」との答弁を行い、1976年には三木武夫首相が「その他の国にも輸出を慎む」として、他国への武器輸出が全面的に禁止され、いわゆる「武器輸出三原則」が確立されました。1983年に一部米軍向けの武器技術供与が緩和されてはいますが、「武器輸出三原則」は「非核三原則」と同様に、日本国憲法の平和主義の基本原則として国是とされてきたものです。
　12月27日の記者会見で、藤村修官房長官は「国際共同開発・生産への参加、平和貢献・国際協力での装備品の供与など包括的例外措置を講じる」とする談話を発表し、国会議論を経ることなく閣議決定のみで「武器輸出三原則」の緩和を発表しました。平和フォーラムは、平和憲法の根幹にかかわる問題を何ら国民議論なく拙速に行った閣議決定に対して、強く抗議の声を上げるものです。
　日本は、1945年の第二次世界大戦での敗北以来、日本国憲法の規定する平和主義に基づく国家建設を進め、侵略戦争を遂行し多くの犠牲を自国民と他国民に押しつけた反省の中で、国際社会への復帰と信頼回復をめざしてきました。そのことの基盤は、「武器輸出三原則」や「非核三原則」そして、専守防衛に徹する国防のあり方にあったのです。政府は、国際紛争を助長しないよう「基本的理念の堅持」を掲げてはいるが、共同開発した武器が第三国へ渡らないなどと言う管理が徹底できるとは考えられない。政府が掲げる多くの理由に説得力はなく、北沢俊美前防衛大臣が2010年の「日本防衛装備工業会」の賀詞交換会で初めて「武器輸出三原則の緩和」に触れたように、武器製造にかかわる産業界からの要求に応じたものに他ならない。
　平和フォーラムは、このような理念無き政治のあり方を許すことはできません。平和国家建設の理念を揺るがす行為に対しては、組織の全力を挙げて闘っていく決意を改めて表明するものです。

東京平和運動センター　平和基金カンパを贈る

　東京平和運動センターは12月９日に常任幹事会を開催、その中で、毎年積み立ててきた「平和基金」から、福島平和フォーラム線量計カンパとチェルノブイリ子供基金にカンパを送ることを決定、早速お送りしました。
　福島第一原発事故による大量の放射線被害は、その線量すら正確に把握できず、市民の手による高額の機材購入と調査が求められています。
　「チェルノブイリは終わったという宣伝の陰で、傷つき倒れていく子どもたち。しかし子どもたちには、快復し、　生きる権利がある。」チェルノブイリ子供基金の発信です。

がんばろう！
さようなら原発１０００万人署名１２．１０集会　（日比谷野音）

　12月10日、日比谷野外音楽堂に5500人が参加して、「がんばろう！さようなら原発1000万人署名12．10集会」が開催されました。
　呼びかけ人の鎌田慧さんが「あるいは５年・10年・100年・１万年と残り続ける放射性物質と、子どもたち、子孫たちがどう付き合うのか。そういう問題も突き付けられています。速やかに、危ない原発から停止させる、廃炉に向けていく、そのための1000万人署名運動です」と、署名運動の成功を訴えました。　
　同じく呼びかけ人の大江健三郎さんは、沖縄における「教科書検定」や「少女暴行抗議」の10万人規模の大集会の意義をあげて、政治を後戻りさせないために、もっと声を上げなければならないと、1000万人署名への取り組みを訴えました。
　
１０００万人署名の成功を勝ち取ろう！
　全国集計の概数は12月で300万筆くらいと推計されています。成功のためには、人口集中の東京での取り組みにかかっています。もう一度、職場・地域から取り組みを進めよう。

●東京平和運動センター月例署名行動　　
1月27日（金）１８：００～　新橋駅機関車広場で
　　　　　　　
最終回（予定）
3月24日（金）18：00～　新宿駅西口で　

もう待てない「高校無償化」朝鮮学校に教育保障を！１２．３全国集会　（大田区民ホール）

12月３日、大田区民センターに1400名が参加して、高校無償化から朝鮮学校のみが除外されて２年近くを経る中で、差別と排除を許さず即時適用を求める全国集会が開催されました。
集会では主催者として「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」と「平和フォーラム」の代表がそれぞれ、「差別を許さない取り組みを闘い、当り前の権利を保障させることが私たちの、責務である」と決意表明しました。
　民族教育を受ける権利を奪うことは許されないという韓国内の声を代表し、モンダンヨンピル（韓国の無償化排除反対団体）の代表であるは俳優のクォン　ヘヒョさんから韓国の運動が報告されました。現役の高校生からの元気あふれる力強い決意、保護者の怒りの表明を受けて、全国各地の運動報告がなされました。
弁護団からは、「いつでも提訴の用意はできているが、日本政府が自ら決断することを何より求める」との発言があり、最後まで闘う意思統一を行いました。

石原都知事が都補助金の廃止を表明

　12月８日石原都知事は都議会本会議での質問に答え、朝鮮学校への補助金に関し「来年度予算に計上しないことも含め、しかるべき時期に国民全員が納得するような判断をしたい」と述べました。来年度予算案の概算要求に盛り込まれた金額は約2200万円。
これまでの凍結から一歩踏み込み、民族教育の保障という基本的な人権にかかわる課題であり、都知事、都議会への対策を強化していかなければなりません。

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