■ 5.15沖縄平和行進
5.15沖縄平和行進と「復帰39年 5・15平和とくらしを守る県民大会」が沖縄平和運動センター主催で開催されました。本年は東日本大震災の影響も考慮し、県内中心の取り組みでしたが、東京をはじめ県外からも約700名が参加、全体で3200名の行動となりました。東京からは東京平和運動センターとして32名、三多摩平和運動センターなどからあわせて100名を超える参加者となりました。
5月15日曇り空の中、宜野湾市役所前広場前で出発式を開催、崎山実行委員長は、「復帰後もこの狭い沖縄に、米軍専用施設の75パーセントが集中している。嘉手納基地や普天間基地の爆音、米軍犯罪では日本の司法権が届かない治外法権状態に対して、県民の怒りは収まらない。来年は復帰40年。本日の5・15平和行進を、最後まで、貫徹して、「5・15平和とくらしを守る県民大会」を成功させよう」と訴えました。
その後、北ウィングと南ウィングの2つに分かれて海兵隊普天間基地を包囲する行進を行い、宜野湾海浜公園で再合流して、野外音楽場で開催した「復帰39年 5・15平和とくらしを守る県民大会」に参加しました。
■ 沖 縄 県 民 集 会
●主催者あいさつ 崎山嗣幸さん(沖縄平和運動センター議長・沖縄県議会議員)
早朝から宜野湾市役所に結集して、北から南から普天間基地を包囲して、「普天間基地を返せ」という思いで平和行進を貫徹して、この会場に到着しました。
沖縄は復帰してから39年が経ったにも関わらず、憲法の下における基本的人権や平和的生存権が、脅かされ続けています。嘉手納基地や普天間基地のすさまじい爆音、米軍兵士による犯罪などが、限りなく起きています。私たちはいまこそ、基本的人権や平和的生存権を全国民に訴え、この沖縄における不平等な条約に対して、断固として闘っていかなければなりません。
いま日本政府は、普天間基地を、辺野古へ回帰させたり、あるいは県内における移設先を物色したりするなど、沖縄県民に対する背信行為を繰り返しています。「5・15県民大会」を成功させて、普天間基地を即時閉鎖・返還させる運動を強めていかなければなりません。
●激励あいさつ 安里猛さん(宜野湾市長)
沖縄県民の総意をよそに、日米両国政府は昨年5月28日に、日米安全保障共同委員会の共同発表を行い、再び県内移設として合意しました。知事・県民の合意が得られない普天間飛行場の県内移設は、実効性が無く、普天間基地問題の解決策にはなりません。いまこそ15年も県民を翻弄してきた県内移設を断念させ、普天間飛行場問題に終止符をうつ事が、市政発展の大きな一歩につながると確信しています。
今後とも、市民・県民とともに、県内移設に反対し、普天間飛行場の一日も早い閉鎖・返還が実現するように、日米両政府に対して求めていきます。全国、また県内の各地・職場で、日夜奮闘されている皆さん。基地の無い平和な沖縄の実現に向けて、ともにがんばっていきましょう。
●連帯あいさつ 藤本泰成さん(平和フォーラム事務局長)
いまこの国では、私たちの命が削られ、私たちの命が大きな危険にさらされています。東日本大震災の中で、福島の原子力発電所が大きな事故を起こしました。これは自然災害ではなく、人の手によって引き起こされた災害です。未だに自分の家に帰れない。避難所で我慢している人が大勢います。
普天間基地の土地は、ほとんど100パーセントが私有地だと聞いています。生活を奪われ、先祖代々の土地を奪われて、自分の命を危険にさらさなければいけないということが、なぜこの国では何度も何度も起こるのでしょうか。沖縄の問題も原発事故の問題も、全ての根っこは同じです。憲法に規定された生存する権利、私たちが豊かに人間らしく生きる権利を奪われている現実に、日本人は我慢しつづける必要はありません。いまこそ大きな怒りをあげなければいけません
●地域からの訴え 安次富浩さん(ヘリ基地反対協共同代表)
つい先日、アメリカの上院軍事委員会のレビン委員長が沖縄に来て、知事や県議会議長と会いました。その報告には、辺野古移設は非現実的と書かれていました。彼はきちんと、沖縄の怒りを受け止めたと思っています。しかし結論は、嘉手納統合でした。そんなことは許すことはできません。私たちは普天間基地の固定化も、嘉手納統合案も、絶対に許すことはできないのです。アメリカの議員をして、「辺野古移設は非現実的」と言わしめた力は、ウチナンチューの闘いと、全国の仲間の支援の結果だろうと私は信じて疑いません。
辺野古移設を断念させ、県内移設を断念させ、普天間基地をアメリカ本国に持ってかえらせる、この闘いはようやく勝利の兆しを、皆の闘いで作りだしたと思います。最後まで共にがんばりましょう。
●地域からの訴え 伊佐真次さん(ヘリパットいらない高江住民の会)
皆さん、今年の1月、2月と、高江では激しい闘いがありました。労働組合の皆さん、住民団体の皆さん、県民の皆さんが駆け付けてくれて、ヘリパット阻止を一緒にがんばってくれました。誠にありがとうございます。北部訓練場では、CH−46、CH−53をはじめとするヘリコプターが、訓練をしています。北澤防衛大臣は、オスプレー配備を明言しました。2007年からヘリパット建設に反対し、座り込みによって説明を求めてきました。オスプレーに関しては、どのように飛んでくるのか、どのような訓練をするのか、一切明らかにしていません。全ての軍事基地を、移設ではなく、一つずつ撤去していくしか方法はありません。県民の声を大きくしていきましょう。
県民大会決議(要旨)
基地のない平和な暮らしを希求する県民の素朴な願いは、日米両政府に圧殺され続けている。そのうえ、名護市辺野古の新基地建設や東村高江のヘリパッド建設、先島地域への大規模な自衛隊配備など、新たな基地強化が画策されている。
鳩山前首相が口先だけの「方便」を用いたり、政府がグアムに移転する海兵隊の定数などを水増ししたりしていた事実が明らかになった。メア前国務省日本部長の差別発言は、沖縄に基地を押しつけるためには手段を選ばないという日米両政府の本音だ。県民は不誠実きわまりない沖縄施策に煮えたぎるような怒りを覚えている。
これまで米軍基地の県内移設を推進してきた仲井真県政をも「県内移設反対」に方針転換させたことが、それを象徴している。新基地建設反対が県民世論の総意だ。
また、米国の政権内部や議会でも、在沖米海兵隊不要論が公然と論じられるようになっている。日米政府は、基地強化一点張りの沖縄施策を大胆に改める時に来ている。
今年の5・15平和行進を県内団体のみで実施し、全国の仲間と被災地の復興支援を最優先させる決定をしたことを踏まえ、政府に3点要求する。
(1)米軍再編予算を復興支援に組み替え、復興支援に全力を傾注せよ(2)普天間飛行場の県内移設を明記した日米合意を撤回し、名護市辺野古への新基地建設と東村高江へのヘリパッド建設を断念せよ(3)先島地域への自衛隊配備、増強を中止せよ。
2011年5月15日
復帰から39年 5・15平和とくらしを守る県民大会
■ 「ヘリ基地反対協」・「ヘリパットいらない高江住民の会」にカンパ
東京平和運動センターは5月14日、辺野古のヘリ基地反対協のテントを訪問し、キャンプシュワブ前で激励行動を行い、カンパを手渡しました。
翌日、県民集会の場でヘリパットいらない高江住民の会の伊佐真次代表に、カンパをお渡しました。
■ 施行64周年憲法記念日集会
5月3日、平和フォーラム主催「生命の尊厳、人間の安全保障をめぐって憲法を活かす−施行64周年憲法記念日集会」が600名の参加者のもと日本教育会館ホールで開催されました。。
集会は、まず、「安全に生きる権利」を主題としたシンポジウムが以下の発言者で行われた。
(発言者)
石丸小四郎さん(福島県双葉地区原発反対同盟代表)
満田夏花さん(国際環境NGO FoE(地球の友) Japan)
山浦康明さん(日本消費者連盟事務局長)
江橋崇さん(平和フォーラム代表(法政大学教授))。
江橋代表の主催者あいさつを兼ねた提起を受けて、それぞれ問題提起。石丸さんは「広島、長崎への原爆投下をはじめ、日本ほど放射能の怖さを体験した国はない。自然エネルギーへの転換を本気で考えるべき」と訴え、山浦さんは食品の放射線汚染を巡る情報開示が不十分だとして「政府や自治体に自分たちで正確な情報を開示させることが必要。生存権が脅かされてはならない」と呼びかけました。
シンポジウムにつづいて、自衛隊の改組を提案する「平和基本法」を提唱し、2008年平和フォーラム編で同名書籍の中心執筆者である軍事評論家の前田哲男さんが「人間の安全保障と平和基本法」と題して講演。最後に、藤本泰成平和フォーラム・原水禁事務局長の提起で終了しました。
■ フォーラム平和・人権・環境第13回総会
第86回原水爆禁止日本国民会議全国委員会
4月26日日本教育会館で、標記会議が開催され全国の仲間が結集、2011年度活動方針などを決定しました。 以下の特別決議を採択し、署名運動や本年9月19日の大集会の成功を確認しました。
特別決議「持続可能で平和な社会の実現にむけて」 2011年4月26日
2011年3月11日。この日は私たちに忘れられない日となりました。マグニチュード9.0の巨大地震が東日本を襲い、巨大津波が発生し、多くの人々の命を奪いました。あらためて犠牲になった方々に哀悼の意を表します。
この東日本大地震は、東日本各地の原子力発電所や原子力施設を襲い、多くの被害を与えました。東通原発、六ヶ所核再処理工場、女川原発、福島第二原発、東海原発など、電源喪失により非常用電源などでかろうじてこの危機を凌ぎましたが、まさに紙一重の状態でした。しかし不幸にも福島第一原発では、地震や津波による電源喪失により、原子炉の冷却機能を失い、原子炉の制御もできず、水素爆発、さらに使用済み核燃料の冷却不能を招き、核燃料の溶融を起こし、大気中や海中に多くの放射能をまき散らしました。さらに事故の収束に向けて作業にあたる人々にも多大な被曝を強いています。
この事故は、日本の原子力史上最悪の事故となり、国際評価尺度でもチェルノブイリ原発事故と並ぶレベル7の最悪のものとなりましたが、今も事態の収束を迎えていません。さらに今後、事態のより一層の深刻化が心配されています。この事故は、「人災」であり、長年に渡り原子力政策を推進してきた歴代政府や東京電力などの側に大きな責任があります。
現在、一定の放射能抑制には、東京電力は6〜9カ月はかかると発表されていますが、その具体的プロセスはまったく明らかになっておらず、単なる努力目標にしか見えません。むしろ長期に渡る放射能放出、被害の拡大が予想されるところまで来てしまいました。あらためて関係者の事態の収束にむけてのさらなる努力を期待します。
この事故により、原子力政策の破綻はより一層鮮明となっています。あらためて、原子力に頼らないエネルギー政策への転換が急務となり、そのために私たちは動きださなければなりません。
平和フォーラム・原水禁国民会議は、長年に渡って「核と人類は共存できない」として、反核・脱原発を訴えてきました。その意義は、この事態を迎えてますますその重要さを増しています。省エネルギー、再生可能エネルギーの拡大など、新たな社会像の具体化をはかる必要があります。私たちが提起している「持続可能で平和な社会」の実現に向けて、この一年、そのことに全力をそそぐことを決意するものです。
フォーラム平和・人権・環境第13回総会参加者一同
第86回原水爆禁止日本国民会議全国委員会参加者一同
4月7日(木)東京平和センター常任幹事会
4月10日(日)統一自治体選挙(知事・県議)
4月23日(土)チェルノブイリ25年集会
4月24日(日)統一自治体選挙(市長・市議)
4月26日(火)原水禁全国委員会・平和フォーラム全国総会
5月3日(火)施行64周年憲法記念集会
5月12日(木)東京平和センター定期総会
5月14〜16日 沖縄平和行進
6.1 日朝国交正常化連絡会学習会(18:30総評会館)
6.4〜5 反核燃集会(青森)
6.4 食とみどり・水 田植え(日野市)
6.4 シンポジウム自然エネルギー(0:30代々木オリンピックセンター)
6.16 教科書と歴史認識を考える全国集会(18:30東京ウィメンズプラザ)
6.18 三多摩平和行進
6.23 高校無償化朝鮮学校即時適用・裁判闘争勝利大集会1830豊島公会堂
7.13 3:00〜 常任幹事会
8.4〜9 原水禁 広島・長崎
8.15 千鳥ヶ淵戦没者慰霊
9.19 脱原発5万人集会(明治公園)
★編集後記
大震災と原発事故を経験し2ヶ月が過ぎた。多くの仲間たちがボランティアに駆けつけ、現地の状況を伝えてくれる。マスメディア報道の限界を改めて痛感する。
そうした中、本年も沖縄平和行進を取り組んだ。現地は、大震災に想いを寄せながらも、反基地と復興支援にむけて熱気は上がる一方だ。上段の写真は、急遽改修された「日米境界線」。5000万円かかったと噂される「思いやり予算」だ。ヘリ基地反対協の代表は、基地をなくし震災復旧に「思いやり」をと訴える。
先のセンター総会で、関事務局長から、本橋が引き継ぐことになった。長年の関さんの活動に感謝しつつ、引き続く会員の皆さんのご支援を心からお願いいたします。(M)
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