人事委員会

平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案

第10回口頭審理調書

1999年12月16日(木)


(Web管理者記)

┌────────────────────────────────────┐ │         第 10 回 口 頭 審 理 調 書         │ ├───────────┬────────────────────────┤ │ 事 案 の 表 示 │   平成10年(不)第3号事案        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 請   求   人 │   竹永 公一                │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 処   分   者 │   埼玉県教育委員会             │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 期       日 │   平成11年12月16日          │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 場所及び公開の有無 │ さいたま共済会館 501・502会議室 公開 │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 開会及び閉会時刻  │ 午前10時開会     午前11時49分閉会 │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 委 員 長   坂 巻  幸 次       │ │ 審 理 委 員   │ 委   員   久保木  宏太郎       │ │           │ 委   員   渡 邉  圭 一       │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │  事務局長   加村 トク江         │ │           │  次  長   上野  義光         │ │ 審理事務補助職員  │  主  幹   若山   保         │ │           │  主  査   川崎   啓         │ │           │  主  事   湯本 佳代子         │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 請求人側                   │ │           │  請求人 竹永公一              │ │           │  代理人 桜井和人  中山福二  堀 哲郎  │ │           │      野本夏生  佐々木新一 設楽あづさ │ │           │      鍛治伸明  池永知樹  岩下豊彦  │ │ 当事者の出席状況  │      谷村勝彦  和田 茂  米浦 正  │ │           │      竹下里志              │ │           │ 処分者側                   │ │           │  代理人 鍛治 勉  飯塚 肇  白鳥敏男  │ │           │      根岸 玲  赤松峰親  桝澤 智  │ │           │      中川 晃  水野 潔  神尾哲夫  │ │           │      遠山幸雄  伊東良男  柴崎昌子  │ │           │      芹川真澄  中村悦子        │ │           │                        │ │           │ 証  人 舩津和信              │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 審理の記録     │       別 の と お り        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 付属書類      │         な   し          │ └───────────┴────────────────────────┘ ------------------------------------(01)------------------------------------        平成10年(不)第3号事案 第10回公開口頭審理 平成11年12月16日(木曜日) 午前10時開会 ○委員長(坂巻) ただ今から、平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案の第10    回口頭審理を行います。     人事委員会としては、不服申立て制度の趣旨のもとに審理を進めてまいりま    すので、当事者及び代理人におかれましては、秩序ある審理が行われますよう、    御協力を願います。     また、傍聴人の皆さんにも、不服申立て制度の趣旨を御理解のうえ、静粛に    お願いいたします。     なお、審理に際しまして、3点ほど注意を申し上げます。     まず、両当事者の発言は、速記者が記録をとりますので、その都度名前をお    っしゃって発言してください。     次に、録音機の使用や写真撮影を行うことは禁止いたします。     次に、傍聴人は、傍聴券の裏に記載されております傍聴規則を守ってくださ    い。特に、審理関係者の発言に際して批判や野次を加えたり、拍手をしたりす    ることは厳に慎んでいただきます。     審理の進行の妨げになるので、場内では、携帯電話やポケットベルのスイッ    チは切っておいてください。     これらを守らない傍聴人には、退場していただくこともありますので、御注    意申し上げます。     それでは、前回口頭審理以降提出されました書面の確認を行います。     まず、処分者側から、平成11年11月25日付け準備書面が提出され、請    求人側には、お渡ししてあると思います。それでよろしいですね、請求人側。     それから、請求人側から12月16日付け、甲第38号証ないし67号証が    提出されました。これは、同じく、処分者側にお渡ししてありますね。よろし    いですか。     それぞれの、書証の認否ですけれども、これは、今できますか。 ○処分者代理人(鍛治) 何の認否ですか。 ○委員長(坂巻) 甲第38号証からの、今日出された……。 ○処分者代理人(鍛治) 追って書面で出します。 ○委員長(坂巻) はい。次回までに、書面で認否を出していただくと。それで請求    者側も、よろしいですか。 ○請求人代理人(中山) はい。 ○委員長(坂巻) それでは前回に引き続いて証人調べということで、両当事者申請    の舩津和信証人への尋問を行いたいと思います。     証人、証人席にお着きください。          〔証人、証人席に着く〕 ○委員長(坂巻) 宣誓につきましては、前回の審理の効力を維持しますから、改め    て行いません。     一言、念のため申し上げますけど、証人が、証言に際しまして、正当な理由 ------------------------------------(02)------------------------------------    なく証言を拒み、若しくは虚偽の陳述をしますと、地方公務員法第61条の規    定により、3年以下の懲役、又は10万円以下の罰金に処せられるという制裁    があります。どうか、良心に従い、真実を述べていただきますことをお願い申    し上げ、また御注意申し上げます。     それで、尋問時間について両代理人に申し上げますが、前回確認いたしまし    た、請求人側が90分、処分者側30分ということで、多少時間が入っており    ますけれども、御協力によって、簡潔に尋問していただいて、12時までにで    きれぱ終わるようにお願いいたしたいと思います。     それでは、請求人代理人から質問をしてください。 ○請求人代理人(設楽) 請求人代理人、設楽から御質問いたします。     証人の、平成11年10月15日付け陳述書、第3ページの第3項ですけれ    ども、証人はここで、「多分それは2学期の頃だと思いますが、内田校長先生    のお考えは、最終的には卒業式の時と同じような形、すなわち入学式を行った    後に入学を祝う会を行いたいとの意向であったと思います。」、このように陳    述書の中で述べていることは御記憶ですか。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(設楽) この口頭審理期日の中で、当時の所沢高校教諭だったMK    先生の証言では、1997年、平成9年ですけれども、「11月11日には、    職員会議、それから生徒総会の決定で、入学式に代わる入学を祝う会を行うと    いう、生徒、それから職員の意思統一がなされた、」という証言がありますが、    こういう事実については御存じありませんか。 ○証人(舩津) はっきり記憶はありませんけれども、PTAの方からそのような話    は聞いた記憶はございます。 ○請求人代理人(設楽) 同じくMK証人によれば、この決定、11月11日の決定    以降入学を祝う会の実施に向けて、生徒、それから職員が準備を進めていたと、    そういうことですけれども、そういう事実については御存じありませんか。 ○証人(舩津) ちょっとその辺はわかりません。 ○請求人代理人(設楽) 同じくMK証人の証言ですが、「校長は、入学式問題につ    いては11月ごろまで、明確な御自分の態度を示すということではなくて、入    学式を行わないのはどうかと思う、というような、あいまいな言い方しかして    おられなかった」ということですが、こういう事実については御存じありませ    んか。 ○証人(舩津) ちょっとそれは記憶ありませんけれども、校長先生は、入学式をし    ないことはいけないというのは、再三おっしゃっていたというふうに聞いてお    ります。 ○請求人代理人(設楽) それは、教育委員会に行ったときに、あなたにそのように    言ったということではないんですか、学校内でそのようなことを議論していた    というふうな御認識なんですか。 ○証人(舩津) これは学校内でおっしゃっていたというふうに私は聞いております。 ○請求人代理人(設楽) そのように校長から報告を受けていると。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(設楽) 先ほど言った2点、11月11日に職員会議及び生徒総会    で、入学式に代わる入学を祝う会を行うという決定がされた、これは、校長先    生から報告されたわけではないわけですね。 ------------------------------------(03)------------------------------------ ○証人(舩津) ちょっとそれは、どちらから入ったかわかりませんけれども。 ○請求人代理人(設楽) 教職員らの認識では、校長は、1998年、平成10年に    入ってから初めて文書で入学式問題についての意見を、学校内で文書で示され    たと、そのように理解しているんですが、そのような御事情は御存じないです    か。 ○証人(舩津) たぷんこれは、2学期からそのようなお話をしていたと思いますよ。    文書を出したのは1月っていうんでしょうか、かもしれませんけれども、それ    以前に内田校長先生は、入学式はやらなければいけないというお話はしていま    した。それは聞いております。 ○請求人代理人(設楽) 本件では、入学説明会での請求人の発言が処分の対象とな    っているので伺いますけれども、入学説明会の次第、それから、そこで入学許    可候補者に対してどのような説明を行うんだと、そういうことについて、事前    にどのような準備がされて、生徒や教職員がどのような方針で説明会に臨もう    としていたか、そういったことについては御存じありませんか。 ○証人(舩津) はい。それは聞いておりません。 ○請求人代理人(設楽) 校長からの報告、あるいは経過説明にも、そのようなこと    はなかったわけですね。 ○証人(舩津) 校長からの報告ということは、どういうことですか。 ○請求人代理人(設楽) この、事故だということで、あなたが校長先生からいろい    ろな経過説明を求めたということなんで、そういう機会に、入学説明会に向け    ての準備とか、あるいは学内の、学校内の動き、そういうことについては全く    報告を受けてないということですね。 ○証人(舩津) ちょっと待ってください。私が内田校長先生のところに行ったとき    に、そのような式次第に沿って話をしたということは聞きました。それ以前に    ついては、聞いておりません。 ○請求人代理人(設楽) 式次第に沿って話をしたというのは……。 ○証人(舩津) なんか式次第を、何ていうんでしょうか、最初に校長挨拶、PTA    挨拶とか、学年代表挨拶とか、いろいろ式次第がございましたですね。それを    示されて、私はここでこういうような言い方をしたと、請求人のほうはここで    こういうような言い方をしたということはその時に聞きました。それ以前は聞    いておりません。 ○請求人代理人(設楽) その式次第がどのように作られてきたかということまでは、    報告を受けてないということですね。 ○証人(舩津) はい、そうです。それは聞いておりません。. ○請求人f在理人(設楽) 1998年、平成10年の、入学に先立つ卒業行事が、    いわゆる分裂開催という形で、マスコミ等で取り上げられて、社会の耳目をひ    いたということは、当然御存じでしょうね。 ○証人(舩津) はい。これは新聞等で見ております。 ○請求人代理人(設楽) このような卒業行事を経た在校生や教職員が、次に行われ    る入学行事、この入学行事において、新入生に不安を与えたり、あるいは進行    に混乱を生じたりするようなことがないようにと、そのように考えるのはごく    普通のことだと思いますが、いかがでしょうか。 ------------------------------------(04)------------------------------------ ○証人(舩津) まあ、一般的にはそうかなというふうに思いますが、ただ、校長先    生としては、校長先生のお考えがありますので、校長が、入学式を終わったあ    とに祝う会を行いたいというのは……。 ○請求人代理人(設楽) そういう質問をしているんてはなくて、この平成10年の    卒業式、卒業行事を経て、次の入学式はね、混乱のないように、スムーズに運    びたいと、そういうふうに考えるのは、生徒であっても教職員であっても、こ    れは当然のことですね。 ○証人(舩津) まあ、内容はちょっと別として、そうかと思います。 ○請求人代理人(設楽) 学校の責任者である校長先生、校長としても、同じように、    混乱なく入学行事を取り行いたいと考えて、心を砕かれるのは、当然のことで    すね。 ○証人(舩津) そうかと思いますが、ですから最終的には校長先生は、入学式をし    た後に祝う会を行いたいというふうに妥協されたと思いますよ。 ○請求人代理人(設楽) そういう質問をしているんではなくて、校長としても、学    校の最高責任者ですから、入学行事はスムーズに、混乱なく進めて行くと。も    ちろんそれの準備も含めてですね。そのようにお考えになるのは当然のことで    はありませんか、学校の責任者として。 ○証人(舩津) まあ、学習指導要領に従った厳粛な卒業式を行いたいということだ    と思います。 ○請求人代理人(設楽) 卒業行事では、卒業生というのも、それまで学校に居るわ    けですから、卒業行事に向けての学校内での準備、いろいろな経過、そういっ    たことは十分承知して当日に臨む訳ですけれども、これに対して入学行事では、    それまでの経過を知らない新入生、あるいは新入生の保護者、この方たちが主    役になるわけですね。 ○証人(舩津) 主役っていうんですか、ちょっとその辺、どちらがあれだかわかり    ません。 ○請求人代理人(設楽) 少なくとも、それまで学校の行事等に関与していない新入    生たちが入学行事の主役であることは間違いないですね。 ○証人(舩津) ちょっとその辺、私にはわかりません、主役、主役でないっていう    のは。 ○請求人代理人(設楽) 入学行事で、新入生が主役かどうかはわからないというこ    とですか。 ○証人(舩津) 新入生だけが主役なんですか。 ○請求人代理人(設楽) それでは、新たに学校に入ってくる新入生とその保護者た    ちが、入学行事に当たって、今日はどういうふうに事が運ぶのだろうとか、ど    んなことが起こるのだろうというようなね、不安を抱かせり、あるいは混乱さ    せたり、更には何か選択をしなければならないような、そういう事態を避けた    いと考えるのは、新入生を迎える在校生をはじめ、学校関係者としては当然の    ことだと思いますけれども、いかがですか。 ○証人(舩津) まあ、不安がない入学式、卒業式、それがいいと思いますね、一番    ね。 ○請求人代理人(設楽) もちろんこの点は、校長としても同じでしょうね。 ○証人(舩津) と思います。 ○請求人代理人(設楽) 学校の最高責任者である以上、誰よりも、そのようにする    職責を負っていると、そのように理解してよろしいですか。 ○証人(舩津) ただ、校長先生としては、入学式も、あるいは卒業式も、学習指導 ------------------------------------(05)------------------------------------    要領に従った厳粛な入学式、あるいは卒業式をやりたいというふうに、校長先    生のお考えなんですよ。 ○請求人代理人(設楽) 質問に答えていただきたいんですけれども、学校の最高責    任者として、入学行事が混乱なく取り行われるということについて、一番の職    責を負っておられるのは校長先生ですよね、というふうに伺っているんです。 ○証人(舩津) 校長は学校の最終責任者ですから、そうだと思います。 ○請求人代理人(設楽) とすれば、卒業式が分裂というような形で報道された経過    とか、それから、入学行事に向けての話合いの状況、そういったことについて、    校長先生こそが、入学許可候補者やその保護者に対してはですね、入学式に先    立って、あるいは入学の行事当日、入学の当日でももぢろんですけれども、き    ちんと説明をして、不安を取り除いておくような義務があるのではありません    か。 ○証人(舩津) それちょっと、いつの入学式のことですか。 ○請求人代理人(設楽) 平成10年の入学行事に先立ってね、その手前の卒業式が、    非常に、マスコミ等で取り沙汰されたという経過を踏まえるならば、校長先生    としては、この卒業式のマスコミ報道であるとか、あるいはこの間の学校内で    の議論とか、そういったことについて、入学許可候補者やその保護者に対して、    きちんと周知をして説明をしておく、安心をさせておくという必要はありませ    んか。 ○証人(舩津) その関係で一番最初の、何ていうんですか、3月の、ちょっと日に    ちが違ったらあれですが、18日だと思いますけれども、入学許可候補者説明    会のときに校長先生が一番最初に挨拶の中で、そのようなお話をされたわけで    すよね。 ○請求人代理人(設楽) 入学侯補者説明会、たしか3月18日に行われた、この冒    頭で、校長先生が、そのような新入生、あるいはその保護者の不安を取り除く    ような御説明をされていたと、そういう認識でいらっしゃるわけですね。 ○証人(舩津) はい。校長先生が、この挨拶の中で、入学式の後に入学を祝う会を    行いたいというようなお話をされたというふうに聞いております。 ○請求人代埋人(設楽) それは、当日の進行についての、いわば事務連絡、説明と    いうよりは、当日の進行についての連絡ではないんですか。 ○証人(舩津) 挨拶ですよね。挨拶の中でそういうように、もちろん、私、実際の    プリントは見ておりませんけれども、保護者に配付をして、そういうような説    明をされたというように、挨拶の中でされたというように聞いております。違    いますか。 ○請求人代理人(設楽) もうちょっと後に伺おうと思っていたんですが、この説明    会、入学説明会に出席した保護者が、この口頭審理の場でも、当日のことにつ    いて証言をしてくださっております。その中で、入学説明会の冒頭の校長先生    のごあいさつなんですけれども、非常に事務的な感じで時間的にも非常に短か    ったと思いますと。それから、校長先生のあいさつが非常に事務的で、4月9    日の日程の事しか話をしていなかったということ、というふうに証言しておら    れるんですけれども、保護者の方がそのように受け止めておられるということ    は、そういう御認識は今日までなかったということですか。 ○証人(舩津) そうではありませんね、内田校長先生はそういうふうにお話をして    ましたですよ。 ○請求人代理人(設楽) そういうふうにというのは。 ------------------------------------(06)------------------------------------ ○証人(舩津) 事務的にというのは、どういうことなんですか、事務的にというの    は。 ○請求人代理人(設楽) 同じ、保護者の方が、3月の卒業式問題についての説明を    どなたかこの入学説明会てもやってくださるんじゃないか、ということを実は    期待していたんですが……。 ○証人(舩津) もう一度お願いします。 ○請求人代理人(設楽) 3月の卒業式問題についての説明を、どなたか、この入学    説明会でもやってくださるんじゃないかということを実は期待していたんです    が、それは全くなかったと。冒頭の校長先生の説明ではね。 ○証人(舩津) それはなかったと思います。そういう説明はですよ、なかったです    よ。入学式についての話をしている訳ですから。 ○請求人代理人(設楽) それでは、校長先生の冒頭の御説明というのはまた後から    伺うことになると思いますけれども、このマスコミ等で取り上げられた卒業式    問題、それから、同じ、それに続く入学行事の問題について、新1学年担当の    教員団が、入学説明会ではどのような話をしようか、あるいはどういうふうに    説明をしようかということについて協議を重ねるということは、当然のことで    すね。 ○証人(舩津) かと思いますね。 ○請求人代理人(設楽) 当然これには、校長先生も加わっておられたという認識な    んですか。 ○証人(舩津) ちょっとそこはわかりません、私には、それは。 ○請求人代理人(設楽) そういうことには校長は全く関与、事前の準備については    関与してなかったのではありませんか。 ○証人(舩津) その会議でしょう、その学年の会議にでしょう……会議にですか。 ○請求人代理人(設楽) はい。 ○証人(舩津) 一般的に校長先生は出るんですか、ちょっとその辺わかりません、    私には。 ○請求人代理人〈設楽) 一般的には出ないと……。 ○委員長(坂巻) 質問について御注意申し上げますが、証人は出ていないわけでし    ょう。伝聞的なものですからね。その点については、直接証人が体験した事実    を、なるべくそれに絞って聞いていただいて……。 ○処分者代理人(鍛治) それで、ちょっとね、私、注意していただきたいと思うん    ですけれども、質問が長くて、その中でいろいろなことを説明するから、証人    のほうが答えようがなくなっちゃうおそれがあるんですね。 ○請求へ代理人(設楽) お答えになっております。 ○処分者代理人(鍛治) 単刀に、一問一答式になるように質問していただきたいん    ですよ。 ○委員長(坂巻) その辺、少し工夫して、端的にやっていただきたいと思います。     だから、この証人でなけれぱ聞けないこと、要するに今ままで、聞いている    ことはもうほとんど今までの証人ではっきり出てますよね。だから、重複にな    りますから、この舩津証人でなければ聞けないような点について、なるべく事    実に基づいて、聞いてください。 ○請求人代理人(中山) 結局、処分が、彼が実質的に教育委員会に掛けているわけ ------------------------------------(07)------------------------------------    ですから、その前提としてですね、どういう事実を把握していたうえで処分相    当として掛けたのかということを聞くわけですので、どうしても前提を幾つか    聞かなくちゃいけない……。 ○委員長(坂巻) それはわかりますけどね。ただ、その場に出てなかったことやな    んかは、聞いてもわかりませんからね。 ○請求人代理人(中山) それは注意しながら聞いていると思いますけれども……。 ○請求人代理人(設楽) それでは、甲第25号証を証人に示します。          〔甲第25号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) これは、入学説明会の準備に向けて行われた学年会の議事    録なので、当然、御覧になったことはないと思いますけれども、ここに記載さ    れている、「4月9日当日、新入生がバラバラになるのはさける。」、それか    ら「3月18日の中で「祝う会」一本で連絡してよいか―変更。」とされてい    ますね。そういう記載がございますね。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(設楽) ここに記載されている入学説明会の準備なんですけれども、    この記載の中で、何か問題となるような、入学説明会に向けての準備として問    題になるような記載はございますか。 ○証人(舩津) ちょっと見ただけでは、すぐには判断できません。 ○請求人代理人(設楽) まず、新入生がバラバラになるのは避けると。この方針で    すね、これには問題がありますか。 ○証人(舩津) どうですかね、バラバラというのはよくないのかね……。 ○請求人代理人(設楽) バラバラになるのは避けるというのは、別に問題ありませ    んね。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人〈設楽) 「3月18日の中で」、これは入学説明会の中でという意    味だと思いますが、「「祝う会」一本で連絡してよいか」として、それを「変    更」と書いてありますね。 ○証人(舩津) そうですね、それは書いてありますね。 ○請求人代理人(設楽) ということは、ここの記載では、入学を祝う会一本で連絡    をしない、ということをここで決定したということではありませんか。 ○証人(舩津) ちょっとわかりませんね、それはね。それはわかりません、私には。 ○請求人代理人(設楽) 「当日はできるだけ混乱のないようにしたい。」と書いて    ありますね。 ○証入(舩津) 書いてありますね。 ○請求人代理人(設楽) この「当日」というのは、4月9日、入学行事の当日のこ    とだと思いますが、このようなことを話し合っていること、これも当然のこと    ですね。 ○証人(舩津) それにはそうやって書いてありますね。 ○請求人代理人(設楽) ここに書いてあるかどうではなくて、このような入学説明    会に向けての準備の中で、入学当日、できるだけ混乱のないようにしたいと考    えている、こういった準備の経過について何か問題はありますか。 ○証人(舩津) それはいつの日付だったんですか……次回が3月17日ですね。 ○請求人代理人(設楽) 3月17日以前の準備……。 ○証人(舩津) ですから、このときはこういうようなあれだったんでしょうね。で、 ------------------------------------(08)------------------------------------    また3月の17日にまた何かやったんでしょうね。 ○請求人代理人(設楽) 今お示しした議事録なんですが、これは3月16日に、入    学説明会の準備として、学年会で議論をしている内容が記載されております。    この段階で、こういった、18日、もう明後日ですね、2日後に控えた入学説    明会の説明内容について、このような議論をしているわけですけれども、これ    は、こういう議論自体は、何かおかしなことがありますか。不自然なことがあ    りますか。 ○証人(舩津) そのときはそういうようなかたちで方向性が出て、今度はまた17    日にしてます、次回が17日と書いてございましたね、下にね。それはどうい    うふうになっているんですか。 ○請求人代理人(設楽) 私の質問に答えていただけれぱ結構なんですが、入学説明    会の2日前にこのような議論をして、そして18日の説明会に臨んだわけです    けれども、前回の証人の御証言で、あるいは陳述書の中で、今回請求人を処分    したのはですね、校長先生が入学説明会の席上で、冒頭で、入学式に続いて入    学を祝う会を行うと、そういった説明をしたのに反して、それに反した内容の    説明を行ったんだと、そういうことでしたね。 ○証人(舩津) そうです。 ○請求人代理人(設楽) 冒頭で校長先生がされた説明、入学式をやった後に入学を    祝う会をやる、こういったことは、3月18日の時点で既に学校内での決定事    項として確定していたというふうな御認識なんですか。 ○証人(舩津) 確定したというのはどういうことですか。ちょっとそういうのがわ    からないんですね、私には。 ○請求人代理人(設楽) 校長先生が決めたと……。 ○証人(舩津) 校長先生はそういうふうにお考えになってお決めになったと思うん    ですが。校長は学校の最終責任者ですから。 ○請求人代理人(設楽) そうすると、そのような説明をするということを、校長先    生は、いつ決定した、決めたというふうにお考えになっているんですか。 ○証人(舩津) これは職員会議、また時期を言うとまた、されますから、わかりま    せんけれども……。 ○請求人代理人(設楽) ちょっと待ってください、時期がわかるんだったらそれを    ……。 ○証人(舩津) いやいや、職員会議の中で、最終的には校長先生は入学式の後に入    学を祝う会を行いたいというふうに決めたのをお話しされていませんか。 ○請求人代理人(設楽) いつの職員会議だというふうに……。 ○証人(舩津) ちょっと私はそれ、はっきりわかりません、それは。     それをずっと持って校長先生は3月の18日にそういうようなお話をされて    いるわけです。          〔乙第1号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) この事故報告書は御覧になっておられますね。 ○証人(舩津) はい、見ております。 ○請求人代理人(設楽) ここには、事故の概要として、「平成10年2月12日職    員会議で校長が入学式の資料を配付し、入学式を行うことを指示した」という    ふうにされていますが、この時期ということですか。 ------------------------------------(09)------------------------------------ ○証人(舩津) ここでは入学式というふうに言ってますね、祝う会のことは書いて    ありませんね。 ○請求人代理人(設楽) そうすると、校長の決定というのは……。 ○証人(舩津) ですから、その後、もうちょっと、変わったということですよね。 ○請求人代理人(設楽) この後に校長が……。 ○証人(舩津) ちょっと時期はわかりませんよ。 ○請求人代理人(設楽) そうすると、証人は、校長が入学説明会冒頭で説明したよ    うな事項を決定した時期というのがいつなのか、それは御存じないということ    ですか。 ○証人(舩津) はっきりわかりませんですね。ただ、2月の12日よりも後という    ことでしょうね。先生方は、祝う会のみを行いたいと、校長先生は入学式を、    入学式をしないで祝う会のみでは駄目だと、で、先生方は祝う会のみをやりた    いということですから、それを最終的に、先生方の、あるいは生徒の意見も取    り入れて、最終的には、入学式の後に祝う会を行いたというような形に変わっ    ていったと思いますよ。 ○請求人代理人(設楽) 校長が、この2月の12日以降のいつかとおっしゃいまし    たけれども、入学式と、それに続いて入学を祝う会を行いたいというような決    定をしたと今おっしゃいましたね。     その最終的な決定をした時期というのは、あなたは確認してないわけですか。 ○証人(舩津) ちょっとそれは聞いてませんね。いつだっていうのは聞いてません    ですよ。ただ、こういうような方向でやりたいというようなお話は、県の教育    委員会に来たときにお話を聞いたかもしれません。 ○請求人代理人(設楽) この度の請求人の処分では、処分の中心というのは、既に    校長が決定した事柄について、これに反対する趣旨の発言をしたと、これが処    分の主な理由だったのではありませんか。 ○証人(舩津) はい、公式の場において校長が言ったことに反することを言ったと    いうことでございます。 ○請求人代理人(設楽) 校長が言ったことですか、決定したことですか。 ○証人(舩津) 校長が、最終的にあれですよ、何回も言ってますけど、学校の最終    責任者というのは校長ですから……。 ○請求人代理人(設楽) いえ、処分の主な理由を聞いてるんです。校長が決定した    事柄についてそれに反対するという、そう発言をしたということが処分の理由    なんではありませんか、あなたの認識で。 ○証人(舩津) 決定したということではなくて、校長先生が挨拶の中で、保護者に    プリントを配って、入学式のあとに祝う会を行いたいというふうに保護者に説    明しましたよね。     それに反したことを言ったということですよ。 ○請求人代理人(設楽) 入学行事というのは、学校の中でもですね、1年に1回、    新入生を迎える重要な行事ですよね。 ○証人(舩津) そうですね。 ○請求人代理人(設楽) その進め方について、校長はこういう決定をした、それに    対して、それに反する発言をしたというのが、今回の処分の理由なんではあり    ませんか。 ○証人(舩津) 公式の場においてというのも含まれますよ。 ------------------------------------(10)------------------------------------ ○請求人代理人(設楽) 公式の場というのを含めても結構ですが、校長が決定した    こと、これに反した発言をしたと、だから請求人を処分するんだというのがあ    なたのお考えじゃないんですか。 ○証人(舩津) もう一度お願いします。 ○請求人代理人(設楽) 校長が決定した事項について……。 ○証人(舩津) 決定……校長が言ったことですね。 ○請求人代理人(設楽) 入学行事、入学当日の次第について、校長先生がそのよう    に言ったということは、これは校長が決定したということと同義というふうに    あなたは理解しているんだと私は思いましたので、そのように伺っているんで    すが。 ○証人(舩津) 今の時点では校長さんが言ったということですよ。 ○請求人代理人(設楽) その校長が言ったということはですね、それまでの入学説    明会に至る経過で、職員会議、あるいはその他の会議の中でですね、職員会議    を含めた学校内での議論の中で、既に決定済みであった、決定されていたと、    そういうことを校長が言うことをね、そういうふうに認識されておられるんで    すか。 ○証人(舩津) 難しい質問でわかんなくなっちゃうんですよね……。 ○請求人代理人(設楽) あなた自身の認識では、校長が当日話した、言ったという    ことと、校長が決定したということは、別々だというふうに思っていらっしゃ    るんですか。 ○証人(舩津) 決定して話したわけですよね。決めて話したわけですね、校長さん    はね。 ○請求人代理人(設楽) いつ決めたのか、伺ってるんですが。 ○証人(舩津) ちょっとそれわかりません。ですから2月の12日の職員会議では、    入学式をすると言ったんでしたっけ?で、その時には、先生方のお考えは、入    学式をしないで祝う会のみを行いたいというふうに言ってたわけですよね。 ○請求人代理人(設楽) 校長先生がいつ決めたかはわからないということですね。 ○証人(舩津) ええ。ですからその後ですよね。 ○請求人代理人(設楽) 2月12日以降のいつなのか、いつ決定されたのかわから    ないということですね。 ○証人(舩津) そうですね。ですから、その辺は場合によったら職員会議ではそう    いうようなお話を、してませんか。 ○請求人代理人(設楽) その後、そういうことを職員会議で話をしてないかどうか、    あるいはその他の記録にそういう議論の跡が残ってないかどうか、あなたは全    く調査をしなかったんですか。 ○証人(舩津) 私は調査してません、それは。 ○請求人代理人(設楽) あなた以外に誰か調査をする役割を担っている人がいるわ    けですか。 ○証人(舩津) いや、違います。我々、しませんよ、それは。 ○請求人代理人(設楽) 他の教員からも、そういったことに関して事情聴取等は行    っていませんね。 ○証人(舩津) 何のことですか。 ○請求人代理人(設楽) いつ決定がされたのか。 ○証人(舩津) それは聞いてません。 ------------------------------------(11)------------------------------------          〔甲第26号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) 1998年2月12日の職員会議録ですね。こちらに、4    と項目番号が振ってありまして、「校長から、入学を祝う会の前に入学式を行    いたい。(校長)」、このような記載がありますね。     これに対して、これに引き続いて、「連絡事項としては受けられないので、    議題にのせる、正当な理由があれば、議題にのせるかどうかもふくめ、次回の    職員会議で、総務会からの提案とつきあわせて議論する。」。このように書い    てありますね。 ○証人(舩津) 書いてありますね。 ○請求人代理人(設楽) これは、2月12日の職員会議で、校長が、資料を示して    入学を……。 ○証人(舩津) それ2月の12日だったんですね、そうすると。さっきの事故報告    書のあれに書いてありましたのはね。事故報告書、先ほどお示しいただいた、    2月の12日のです。 ○請求人代理人(設楽) 職員会議録にこのような記載があるということは、今初め    てお知りになったわけですか。 ○証人(舩津) 初めてです。 ○請求人代理人(設楽) この記載では、次回の職員会議でと書いてあって、突き合    わせて議論するとされています。これは、今後も議論を継続すると、そういう    記載に読めますが、いかがでしょうか。 ○証人(舩津) それはそういうふうに読めますね、それはね。 ○請求人代理人(設楽) 2月12日の職員会議で、まだ、入学行事の進行について    ですね、これから議論しようと、そういうことが確認されたわけですね。 ○証人(舩津) いいですよ、そういうふうに書いてありますからね。ただ、それが    職員会議でそういうのを決めることがどうかっていうのは、ちょっと私には疑    問ですけれどもね。 ○請求人代理人(設楽) 2月の12日の段階で、このような議論がされていて、そ    の後、そうすると、あなたは、いつ校長が入学式と入学を祝う会を両方行うと    いうことを最終決定したかは御存じないと先程おっしゃいましたね。 ○証人(舩津) そうですね。でも、今それを見ますと2月の12日ですね。そうい    うふうに書いてありますからね。校長さんはこういうようにしたいんだと言っ    てますからね。 ○請求人代理人(設楽) あなたは、この入学行事という重要な行事について、校長    が各教員に対して、あるいは職員会議の場で、ペーパーを示して、こうしたい    というふうな御希望を述べられたら、それが直ちに学校の決定事項となる、そ    ういうふうにお考えでいらっしゃるわけですか。 ○証人(舩津) 一般的にはそうではないでしょうか。もちろん、先生方に募るもの    もございますよ。校長はこういうようにやりたいというのは、一般的ではない    んでしょうか。 ○請求人代理人(設楽) こういうふうにしたいという意思を表明したら、それが直    ちに学校の意思になるんだと、学校の方針になるんだと、そういうことなんで    すか。 ○証人(舩津) 私はそういうふうに思いますけれども、どうでしょうか。 ○請求人代理人(設楽) 校長は……。 ------------------------------------(12)------------------------------------ ○証人(舩津) いや、一般的にあれですよ、職員会議というのは諮問機関で、校長    先生がこういうふうに、これについて協議してほしいということを、先生方が    議題として協議するものというふうに私は把握しております。 ○請求人代理人(設楽) 今、諮問機間とおっしやった職員会議ですけれども、校長    が学校の最終決定、最終判断権者だと、そういうことについては間違いないと    思いますけれども、まずそれは、職員会議で十分議論して、審議を尽くした上    で、それを尊重した上で校長先生がなんらかの決断をする、そういうことがご    ざいますね。 ○証人(舩津) そういうのはありますね。 ○請求人代理人(設楽) この職員会議録では、次回の職員会議でまた議論するんだ    と、こういうことが書いてありますね。 ○証人(舩津) そうですね、そういうふうに書いてありますね。 ○請求人代理人(設楽) まだ、議論は何も尽くされてないんじゃないんですか。 ○証人(舩津) でも、最終的にお決めになるのは校長先生ですから。 ○請求人代理人(設楽) 先ほどお示しした、入学説明会に向けての学年会の議事録、    もう一度お見せしなくてもよろしいですね……。 ○証人(舩津) 次回が3月17日というやつですね、はい、結構です。 ○請求人代理人(設楽) 3月16日の段階で、説明会の前々日に、学年会で、この    甲第25号証のような学年会での議論がされたということも御存じなかったわ    けですね。 ○証人(舩津) それ聞いておりませんから。わかりません。 ○請求人代理人(設楽) 校長先生から聞いていなかったということですね。 ○証人(舩津) はい。聞いておりません。 ○請求人代理人(設楽) このような、入学説明会での請求人の発言が問題になって    いるケースで、その入学説明会に向けて学校内でどんな議論が起こっているの    か、どういうふうに話合いが進められているのかということを、あなたは、資    料や会議録で調査しようということは全く考えなかったんですか。 ○証人(舩津) 資料というのは……。 ○請求人代理人(設楽) 職員会議録その他の議事録で。 ○証人(舩津) それは、いつそういうのを見るんですか。 ○請求人代理人(設楽) あなたは、3月20日に事実調査のために所沢高校に来校    しておられますね。 ○証人(舩津) ええ、行きました。 ○請求人代理人(設楽) そういう際には、そういった書類というか、議事録という    ような、事実経過を記した書類を調べてみようという気持ちはなかったわけで    すか。 ○証人(舩津) それは見ませんでした。主に校長先生にお話を聞いて、その後本人    から事実を確認しようというふうに思っておりましたから、それは確認してお    りません。 ○請求人代理人(設楽) 少なくとも、事故報告書が提出されたときには、2月12    日の職員会議のことが言及されているわけですから、当日の職員会議録ぐらい    は確認しようというふうにはお考えにはならなかったのですか。 ○証人(舩津) 持にそれについては考えませんでした。 ○請求人代理人(設楽) そのような事実調査の経過であれば当然だと思いますが、 ------------------------------------(13)------------------------------------    あなたが起案された処分書、ございますね。処分理由書。     ここには、校長が、入学行事に関してこれこれの決定をしたのが何時頃であ    る、そういった特定はなさっておられませんね。 ○証人(舩津) もう一度、どの部分ですか。処分のあれですか……たぷんそういう    ことは書いてないと思いますが。 ○請求人代理人(設楽) あなたが起案した処分理由書には、そういったことは書か    れていませんね。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(設楽) これは、必要がないと思って落とされたわけてすか。 ○証人(舩津) 特にそこまでは考えつきませんでしたね、私には。それとはちょっ    と違うんじゃないんでしょうか。 ○請求人代理人(設楽) 入学説明会のその日、当日に校長がこのように言った、そ    れで十分だということですか。 ○証人〈舩津) はい、そういうことです。 ○請求人代理人(設楽) 入学説明会当日になって、事故報告書に添付されているプ    リントがその当日配付されたという経過は御存じですね。 ○証人(舩津) はい。それは、事実確認に行った日ですから、3月20日ですか、    その日に内田校長先生から、実際にはそのプリントは見ませんでしたけれども、    そういうのを配って話したんだということは聞きました, ○請求人代理人(設楽) そのプリントが、それまで職員会議や、あるいは学年会な    どで、こういったものを配付しようということで議論をされたかどうか、ある    いはその内容について詰めが行われたかどうか、そういうことについては、調    査されなかったんですか。 ○証人(舩津) はい。それは特に校長先生からお聞きしませんでした。 ○請求人代理人(設楽) 当日突然配られたということは御存じでしたか。 ○証人(舩津) 用意をしていて、なんか、直接なんか配ったというような形で聞き    ました。 ○請求人代理人(設楽) 校長先生が御自分で用意をして、職員会議等にかけるとい    うことはなく、当日突然配ったということは御存じでしたか。 ○証人(舩津) 前もって校長先生は、入学式のあとに入学を祝う会を行いたいとい    う話を先生方にしていましたから……してましたよね。 ○請求人代理人(設楽) 前もって、いつ、してたんですか。 ○証人(舩津) いや、それはわかりませんけど、前にしてたわけでしょう、それは。    2月の17だったですか、それに、職員含議録には、入学式の後に祝う会を行    いたいというふうに、校長先生の意思表示がされてますよね。違いますか。で、    それが最終的には継続審議になってますよね。ですから、その校長先生のお考    えというのは変わらないんじゃないでしょうか。 ○請求人代理人(設楽) 校長の考えが変わっているか変わってないか、その後の審    議の状況について、あなたは調査をなさったんですか。 ○証人(舩津) 調査はしてません。 ○請求人代理人(設楽) 校長の、説明会当日行われた説明、3月18日当日に行わ ------------------------------------(14)------------------------------------    れた説明では、校長が示した時間割どおりに入学式と入学を祝う会を実施する    ということは不可能だと、そういう証言が、この口頭審理の中でされているん    ですけれども、そういった事情についてお調べになったこと、あるいは関係者    から事情を聞いたことはありますか。 ○証人(舩津) 不可能というのがちょっとわかりませんけれども、それは聞いてお    りません。 ○請求人代理人(設楽) 実際の入学を祝う会というのが何時に終了したかというの    は、お調べになりましたか。 ○証人(舩津) 4月になってのですか……平成10年4月の入学式の後の祝う会で    すか。 ○請求人代理人(設楽) 4月の9日ですね。 ○証人(舩津) ちょっとそれはわかりません。 ○請求人代理人(設楽) 校長先生が示した時程では、10時30分から12時まで    の間に入学を祝う会を行うというふうになっておりますが、現実の祝う会とい    うのは午後2時に終了したということだそうです。 ○証人(舩津) そうすると、祝う会の前に入学式をされているということですね、    校長先生の示されたあれですと。 ○請求人代理人(設楽) 校長の示した時程は、9時30分から10時30分まで入    学式を行う。10時30分から12時まで入学を祝う会を行うというものです。    これに対して、実際に4月9日の進行では、午後の2時に祝う会が終了したと    いう事実がありますが……。 ○証人(舩津) 始まったのは、そうすると1時ですね、始まったのは1時ぐらいで    すか。 ○請求人代理人(設楽) 始まったのが1時でも、あるいは12時でもですね、校長    が示した時程どおりに、入学式当日、入学行事はとり行われなかったというこ    とは、これは確認をなさったんですか。 ○証人(舩津) それは特に私は確認をしておりません。 ○請求人代理人(設楽) 生徒や教員……。 ○証人(舩津) ちょっと待ってくたさいね。平成10年の4月以降、私は県教育委    員会に勤めておりませんでしたですからね、その辺よろしくお願いします。 ○請求人代理人(設楽) 生徒や教員の問で十分議論が尽くされていないことで、し    かも、実際に実現ができるかどうかわからないような入学行事の次第を突然示    されたら、これに対して、入学許可侯補者や在校生、特に在校生もそうですけ    れども、混乱や動揺が生じるというようなことは、考えられませんか。 ○証人(舩津) 一応、そういうような形でできるというふうに判断したんだと思い    ますよ。 ○請求人代理人(設楽) 校長一人がですか。 ○証人(舩津) いや、もちろん、入学を祝う会の、何ていうんですか、流れってい    うのがきっとあると思うんですよ、何時から始めるというのが。その辺を見て    校長先生はそういうぷうにお作りになったんだと私は思います。 ○請求人代理人(設楽) ということは、証人自身の認識では、校長は、入学を祝う    会の準備、あるいはその時程の決定等についても関与しておられた、十分それ    をよく理解した上で、当日配ったような、入学式及び入学を祝う会の御案内を    したと、そういうふうに思っておられるわけですね。 ------------------------------------(15)------------------------------------ ○証人(舩津) 私はそういうふうに思いますが。 ○請求人代理人(設楽) 説明会当日に出席した入学許可候補者の保護者がですね、    最初の校長の説明以降、うまく了解できないでいたこと、あるいは不審に思っ    ていたことが、請求人の説明で納得できて大変よかったというふうに口頭審理    の場で述べているのは御存じですか。 ○証人(舩津) ちょっとそれは私、聞いておりません。 ○請求人代理人(設楽) 処分当時はもちろん御存じなかったかもしれませんけれど    も、この場で、口頭審理の場でそのように述べていることも、わからないわけ    ですね。 ○証人(舩津) はい。ちょっとそれは読んでおりませんので。 ○請求人代理人(設楽) 次に、請求人が、この処分の中で問題とされている発言を、    学年団を代表する立場で報告したということは、御存じないですか。 ○証人(舩津) それは聞いております。そういうように、学年団を代表して話した    ということは聞いております。 ○請求人代理人(設楽) 誰から聞いたんですか。 ○証人(舩津) 本人だったと思いますが。 ○請求人代理人(設楽) 本人から、いつ聞いたんですか。 ○証人(舩津) これは3月の20日のときに、校長室に来たときに、本人がそうい    うふうにお話をしていたと思います。 ○請求人代理人(設楽) あなたの前回の証言では、請求人は一人で校長室に来なか    ったので、事情聴取は全くできなかったというお話ではありませんでしたか。 ○証人(舩津) ええ。事情聴取はできませんよ、細かい内容についてはできません    けれども、このことについては、私が学年を代表して言ったんだからと、いう    ような発言がございました。だから私一人でなくて大勢でというような言い方    だったと思いますよ。そのときの話はね。 ○請求人代理人(設楽) 発言内容の基本的な部分、入学説明会の説明の基本的な部    分というのは、学年団の総意であるということはですね、今までお示しした甲    第25号証などから、わかりますね。 ○証人(舩津) 甲第25号証というのは……。 ○請求人代理人(設楽) 先ほどお示しした、学年団の……。 ○証人(舩津) 下のほうに3月16日だか17日だか……はい。 ○請求人代理人(設楽) 次回3月17日というふうに記載されている議事録ですが、    学年団の総意で請求人が、この問題にされている説明を説明会当日に行ったと    いうことは、これは御存じだったわけですか。 ○証人(舩津) はい。その日に、3月20日に知りましたよ、そのことは。代表し    て言った……。 ○請求人代理人(設楽) ここで、問題になっている請求人の発言がですね、個人的    な見解なのか、あるいは教員の総意を代弁したのかというのは、処分を決定す    る際には重要な事実ではありませんか。 ○証人(舩津) 言った人はどなたですか。 ○請求人代理人(設楽) 請求人が個人的に発言したのか、あるいは学年団の代表と ------------------------------------(16)------------------------------------    して教職員の総意として発言したのかということは、処分を決定するに当たっ    て大切なことではないのですか。 ○証人(舩津) それは言ったことに対しての処分というふうに私は思います。 ○請求人代理人(設楽) それでは、問題とされている発言の具体的な内容に入りま    すけれども、事故報告書記載の事実、事故報告書を示します。          〔乙第1号証を示す] ○請求人代理人(設楽) ここに記載されている事実の中で、請求人が事実経過を述    ぺている部分がありますね。     教諭の発言の趣旨と書いてあって、平成10年3月9日の卒業式、卒業記念    祭については新聞報道等去々と、このように説明が書かれていますね。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(設楽) この事実経過を述べている部分で、実際に起こった事実を    間違えて伝えているような部分はありますか。 ○証人(舩津) 間違えてですか、誰がですか。 ○請求人代理人(設楽) 事実と異なる部分はありますか。 ○証人(舩津) これが事実じゃないんでしょうか。これ事実ですよね。これ事実で    す。 ○請求人代理人(設楽) 所沢高校では、学校内で、卒業式の在り方や持ち方を巡っ    て、教職員や生徒、それから校長の考えが違っていた、違っているということ    は、広く知れ渡っていましたね。 ○証人(舩津) 新聞報道等でということですかね、はい。 ○請求人代理人(設楽) 直前の卒業式と卒業記念祭の模様が大きく報道されたとい    うことですよね。 ○証人(舩津) そういうの、ありましたね。 ○請求人代理人(設楽) そのような事前の情報や報道で、入学許可候補者やその保    護者が、少なからず、入学行事について不安や関心を抱いているとしても、当    然のことだと思いますが、いかがでしょうか。 ○証人(舩津) そういうお考えをする人もいると思いますね。御心配をするってい    うんでしょうか。 ○請求人代理人(設楽) そのような入学許可候補者や保護者が初めて一堂に会した    説明会で、まず学校側から一番聞きたい、まず学校から保護者たちが一番聞き    たいこと、知りたいことというのは、どういうことだと思われますか。 ○証人(舩津) そのことは、入学許可候補者の説明会ですから、どうなんですかね、    一番知りたいというのは、そういうようなのも、一部にはそういうようなこと    に、そういうようなことを知りたい親もいるでしょうね、一部にはね。     ちょっとそれ、わかりません、私には。 ○請求人代理人(設楽) マスコミで大きく取り上げられた卒業式を踏まえて、卒業    行事を踏まえて、4月9日の日、当日はどんな形で行われるんだろうか、ある    いは学校内できちんと話合いがなされているんだろうかということをね、考え    て、説明会に出席する保護者は少なくないと思いますけれども、いかがですか。 ○証人(舩津) そういう人もいるてしょうね。 ------------------------------------(17)------------------------------------ ○請求人代理人(設楽) そういう疑問に校長は、説明会の当日、冒頭できちんと答    えておりますか。 ○証人(館公津) その説明をですか……ですから、校長先生としては、こういうよ    うな形でやりたいんだという御説明をされたわけですよ。それは不安を解消す    る意味で、校長はこういうふうにやりますよというのを御説明されたわけです    よね。 ○請求人代理人(設楽) 説明会の冒頭で、校長が冒頭で話した内容が、経過説明と    かね、そういうものではなくて、単なる結論を通告したに過ぎないのではあり    ませんか。 ○証人(舩津) そうですね、最終的にはこういうような形でやりたいということで    すから、特に経過説明は、必要なんでしょうか。ちょっとその辺は、私にはわ    かりません。 ○請求人代理人(設楽) 経過の説明は必要ないとお考えになりますか。 ○証人(舩津) ちょっとその辺、わかりません。けれども最終的には時間的に短い    中でお話をしなければいけないというのもあるんでしょうから、やはり、皆さ    ん心配しないで、こういうような形でやりますというのを校長さんはお示しな    さったわけですよ。 ○請求人代理人(設楽) 説明会の当日は、学校からの説明が終わったあとに、ずい    ぷん保護者からの質疑があったということは、御存じですか。 ○証人(舩津) 学校側に対してですね。それはちょっと聞いております。幾つあっ    たかというのはわかりませんけども、そういうような話があった……。 ○請求人代理人(設楽) 数は結構です。     保護者から当日出た質問というのは、もっぱら、校長が説明会の冒頭で配付    したプリントや校長がした説明、これに関するものだということは御存知あり    ませんか。 ○証人(舩津) ちょっとそれはわかりません。 ○請求人代理人(設楽) 前回の尋問以降、反訳書やテープというのは、御自身で確    認されたことはないのですか。 ○証人(舩津) 反訳書……このあいだお聞きしたあれですね。それちょっと、読ん    でおりません。 ○請求人代理人(設楽) テープもまだ聞いてないんですか。 ○証人(舩津) 聞いておりません。聞けませんよ、私、勤めが違うんですから。平    成10年度は。          〔職第1号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) 反訳書の23ぺージから。     これは、テープを起こした反訳書です。「どなたに質問か、どういう内容か」    というところで、ここから質疑応答が始まっていますね。     24ページに移りまして、「入学式及び入学を祝う会のご案内の中て、やは    り『入学式の中で入学を許可します』という、この括弧書きのところがやはり、    あの、保護者としては非常にあの気になる部分でございます。」と、そういう    質問があって、結局、「入学式に、例えぱ遅れて来たらどうなるんですか」と    いう質問がありますね。これに対して校長はどのように答えているか、見てい    ただけますか。     次の段落、かたまりの、「はい。えーと、質問ということですが、先程申し    上げましたとおりですね、入学式の中で入学を許可したいと、こういうふうに    考えております」と。「1時間遅れたらどうするか、2時間遅れたらどうする    かと、いろんなことがあると思いますけれども、今考えていることは、入学式 ------------------------------------(18)------------------------------------    の中で入学を許可したいと思っています」と答えていますね。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(設楽) これは、保護者から出された質問に対して、回答している    というふうにお考えですか。 ○証人(舩津) そうですね、そういうふうにお話しされたということですよね。い    や、質問に対してそういうようにお答えしたわけですよね。 ○請求人代理人(設楽) 質問に対する回答になっているとお考えですか。 ○証人(舩津) そういうふうに思いますよ、それは。 ○請求人代理人(設楽) 反訳書25ぺージの中段あたりですが、これも保護者から    の質問で、「私たちは何時に、いったい何時に用意して、何時に家を出て、何    時にここに着いたらよいのかといういう疑問は素朴な疑問なんですけれども、    お答えいただきたいと思います。」、これに対してですね、テープを聞いてお    られないのでおわかりにならないと思うんですけれども、校長先生はお答えに    なっていないわけてすね。この質問に対して竹永先生がどのようにお答えにな    ったかも、当然、御存じないですね。 ○証人(舩津) はい、聞いておりません。 ○処分者代理人(飯塚) ちょっと異議があります。     今の尋問者の質問は、校長は答えてないというふうにおっしゃいましたけれ    ども、校長は答えているんじゃないですか。誤導になりますよ、注意してくだ    さい。 ○請求人代理人(設楽) どの部分で答えているんですか。 ○処分者代理人(飯塚) おそらく請求人と思われる答えの次ですね、「はい、やり    ます、えーと、あれ。えーとですね、最初にも挨拶しましたんですが、」云々    のところです。 ○請求人代理人(設楽) この回答……異議に対して。     これは回答ではなくて、「それはみなさん、ご判断をいただきたいというふ    うに思います。」と。これは回答じやありませんよね。 ○処分者代理人(飯塚) いえ、それは、質問に対しまして「はい、やります」と、    校長は述べているんですから、校長としては回答じゃないんですか。 ○請求人代理人(設楽) 何時に来たらいいのかということを聞いているのに対して、    「はい、やります」というのは、答えではありません。 ○処分者代理人(飯塚) それは中身の問題ですから。私が言っているのは、それは    誤導になるおそれがあるということを言っているわけです。 ○請求人代理人(設楽) 質問に対して校長先生は、その質問に対する答えはしてお    られないのはわかりますね、この反訳書で。 ○証人(舩津) ちょっと私、わかりません、それ。何て答えていいか。 ○請求人代理人(設楽) この質問の後に続くのは竹永先生の発言なんですが、この    中では何というふうに答えていますか。答えの中の、3行目から読んでいただ    けますか。 ○証人(舩津) このマーカーですか。「現在考えていることはですね、8時45分    ですか、えー、そこをめどに学校に来ていただければ、混乱のないように最大    限努力したいというふうに考えております」、というように書いてありますね。 ○請求人代理人(設楽) このような、請求人が保護者からの質問に対して、当日は、 ------------------------------------(19)------------------------------------    校長が示した時程どおり、8時45分に学校に来るようにと回答したというこ    とは、事故報告書にも、あるいは処分書のほうにも記載されていませんね。 ○証人(舩津) 事故報告書ですか、はい、それは校長先生がお書きになっています    が、書いていませんね。 ○請求人代理人(設楽) 口頭で校長から報告は受けたんですか。 ○証人(舩津) いや、そういうようなお話は聞いてないと思いますね。ちょっと記    憶ありません。 ○請求人代理人(設楽) そうすると、当然、処分理由書にも、そのような事実は記    載されかったわけですね。 ○証人(舩津) 処分理由書には、そこまでは、一般的には書きません。 ○請求人代理人(設楽) 請求人が、当日は8時45分に学校に来るようにと答えた    という事実は伏せられたまま審議が行われたということですか。 ○証人(舩津) ちょっとその辺ははっきりわかりませんけど、そういうふうになる    ……。 ○請求人代理人(設楽) 事故報告書にも書いてないし、処分書にも書いてありませ    んから、請求人が8時45分に来いと言ったことは、全く審議の場には出され    ていない事実ですよね。 ○証人(舩津) はい、それは校長先生からお聞きしておりません、そういうことは。    質問のことについては聞いていません‘ ○請求人代理人(設楽) それでは次に、問題とされている請求人の発言部分ですけ    れども、まだ、請求人の発言はこの前にも続くのですけれども、16ぺージの    2段落目、「3月9日の日、ま、新聞では10日ですが、あのさまざまなこと    が卒業式、卒業記念祭という新聞報道等であったので、」という発言がありま    すね。「いろいろその興味や関心をもたれている方が多いのではないかという    ふうに思います。」というふうに書いてありますが、この請求人の発言、ここ    から始まる請求人の発言の中で、最終部分、次の17ページになりますが、    「実際には入学を祝う会、かなり細かい点まで詰めてある」と、冒頭ですね。    「現在学校長との意見が分かれている段階で、この場でですね4月9日の時程    を出すことは好ましくない」という発言がありますね。それから、「4月9日    に向けて、学校長に今までの生徒の取り組み、教職員の考え方、そしてもちろ    ん1学年団の教員の考え方を、できるだけ理解をしていただいて」というふう    に説明が続いております。     そして最後に……。 ○証人(舩津) ここは読まないんですか。 ○請求人代理人(設楽) どうぞ。「4月9日には祝う会のみでできれぱいいなとい    うふうに考えています。」。で、最後にですね、「4月9日、えー皆さんみえ    て迷ったり、混乱したりするような事態は1年の学年団としては絶対に避けた    いというふうに思っています。」と。     この一連の請求人の説明ですけれども、少し、目で読んでいただきながらお    答えいただきたいんですが、この発言の中でですね、祝う会一本の日程を示す    ことはしない、そういう発言がありますね、4月9日の時程は出さないという    ことを言っておりますね。 ○証人(舩津) ああ、これですか。 ○請求人代理人(設楽) 実際には、入学を祝う会がかなり細かい点まで詰めてある ------------------------------------(20)------------------------------------    のですけれども、この場では4月9日の時程は出さないと。これは、入学を祝    う会の時程を出さないというふうに読めますね。 ○証人(舩津) ちょっと、どういうふうに取ったらいいか、わかりません。 ○請求人代理人(設楽) それでは、この請求人の発言の中でですね、説明会当日、    万一折り合いがつかなかったら、校長先生とですよ、祝う会のみでやりたいと。    校長先生との折り合いがつかなかった場合には、祝う会だけをやりますよとい    う発言は、入っていますか。 ○証人(舩津) そういう表現はちょっと、見てみないからわかりませんけど、事故    報告書を御覧になっていただければと思いますけれども。          〔乙第1号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) 事故報告書の2枚目ですが、ここでは、「3週間後の4月    9日の心配をしているだろうと思う。」というくだりから始まる文章で、「現    在、教職員も生徒も4月9日は「入学を祝う会」のみで行いたいと考えてい    る。」、これは、この時点での生徒や職員の気持ち、希望を保護者や入学許可    候補者に示したくだりですね。 ○証人(舩津) まあ、そういうふうにも取れるでしょうね。でも、4月9日は入学    を祝う会のみで行いたいというふうに考えているということですよね。 ○請求人代理人(設楽) 考えを述べているわけですよね。 ○証人(舩津) まあ、そうですね……。     また、ここですよね。「「入学を祝う会」のみでできればよいと思っている」    ……。 ○請求人代理人(設楽) 「思っている」という記載があるわけですね。 ○証人(舩津) そうですね。          〔乙第2号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) 乙2号証の、「発生状況」の部分、ここでは、最後の2行    ですが、「学年関係の説明の際、4月9日は「入学を祝う会」のみを行い、教    職員も校長の行う「入学式」に反対するという主旨の発言をした。」と書いて    ありますね。「「入学を祝う会」のみを行い」という文言なんですけれども、    これは、行いたいと考えているという意思の表明と同じことなんですか。 ○証人(舩津) そういうように取れますよね。 ○請求人代理人(設楽) それでは、処分書記載の「教職員も校長の行う「入学式」    に反対する」という発言は、この反訳書の中のいずれの部分だか、示していた    だけますか。 ○証人(舩津) ちょっと、ぱっと見たんではわかりませんね、私には。申し訳ない    ですけど。 ○請求人代理人(設楽) では、そのような記載が事故報告書にはなされているんで    すか。 ○証人(舩津) 事故報告書に、書いてありますでしょう……これと違いますか。 ○請求人代理人(設楽) これと今指されたのは、「3週間後の4月9日の心配をし    ているだろうと思う。現在、教職員も生徒も4月9日は「入学を祝う会」のみ    で行いたいと考えている。」という意思の表明ですね。 ○証人(舩津) はい、そうです。 ○請求人代理人(設楽) これを、生徒も教職員も校長の行う入学式に反対するとい    う記載ではないじゃないですか。 ------------------------------------(21)------------------------------------ ○証人(舩津) 「のみ」ですよね。「のみ」というのは反対ということと違います    か。 ○請求人代理人(設楽) 「のみで行いたい」と書いてあることと、それから、「校    長の行う入学式に反対する」という発言、これは同旨だというふうにお考えな    んですか。 ○証人(舩津) そうですね、「のみ」は、それ以外はやらないということですから    ね、反対ということでしょう。 ○請求人代理人(設楽) 「のみで行いたい」という部分を伺っているんですが。 ○証人(舩津) ですから、「のみで行いたい」ということは、入学祝う会しかしな    いで、入学式はしないという意味でしょう。 ○請求人代理人(設楽) 証人は、祝う会のみで行いたいと考えている、あるいは祝    う会のみでできれぱよいと思っているという表現と、祝う会のみを行って入学    式に反対するということが、全く文章が同じ……。 ○証人(舩津) 反対という意味にとれませんか、それは。 ○請求人代理人(設楽) いや、聞いてるんです。同じ文章だというふうにお考えな    んですか。同じことを伝えている文章だと考えているわけですね。 ○証人(舩津) はい、そういうふうに取れます。取りました。          〔乙第1号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) 事故報告書では、ここでは事故の概要の(2)「平成3月    18日(水)に説明会の最初の校長挨拶の中で、校長は「「入学式」及び「入    学を祝う会」の御案内」という印刷物を配布し」云々とあって、「と説明した。    これに対して、各係からの説明のうち、学年関係の説明者となった教諭が、校    長の説明に対しこれと異なる内容の説明を行い」と書いてありますね。 ○証人(舩津) はい。          〔乙第2号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) 「発生状況」ですけれども、ここでは、「校長が行う入学    許可を受けることが必要であり、」という3行目の文章があって、「「入学を    祝う会」はその後実施すると説明したところ、その説明に反し、」というふう    になっております。この「校長の説明と異なる内容」ということと、「説明に    反し」ということ、ここは表現が変わっているんですけれども、事故報告書と    処分書で。 ○証人(舩津) どれですか、「対し」とですか。 ○請求人代理人(設楽) 「異なる内容の説明を行い」と書いてあるのと、「その説    明に反し発言をした」と。 ○証人(舩津) そうですね。反対する意味の説明をしたということですよね。 ○請求人代理人(設楽) 事故報告書には、異なる内容の説明を行ったと書いてある    んですが、これが、説明に反し発言をしたとなっているのは、何か理由がある    んですか。 ○証人(舩津) 校長の説明に「対し」ですよ、対し。 ○請求人代理人(設楽) 校長の説明に対しという、「対し」という言葉と、これと    異なる内容の説明ということで、この二つを合わせると、説明に反対する発言    をしたとなる、そういうことですか。 ○証人(舩津) はい、そうです。 ○請求人代理人(設楽) そうすると、証人としては、特段の証拠、あるいは関係者 ------------------------------------(22)------------------------------------    からの事情聴取とは離れて、事故報告書の文章をですね、今言った、「説明に    対し異なる内容の説明」という文言を読んで、御自分でお考えになって、「そ    の説明に反してこれこれの趣旨の発言をした」と、このように起案をされたと    いうことでよろしいですか。 ○証人(舩津) はい。事故報告書、あるいは校長先生からお聞きしたことというこ    とでございます。 ○請求人代理人(佐々木) 代理人の佐々木ですが、幾つか補充して聞きます。     私たちは、請求人の発言が処分理由に全く当たらないというのは、事故報告    書そのものでも明らかだと思うけれども、せめてテープをお聞きになれぱね、    これははっきりするんだろうと思うんですけれども、仮に百歩譲ってですね、    テープでもそうだとしたとして、発言の内容が処分対象事実となっているとき    に、発言がどういうふうになされたかというのを正確に確定する必要は、処分    者としては、あるんでしょうね。 ○証人(舩津) はい、ございます。これは、校長先生に、その発言は間違いないで    すねというのを何度も確認して、校長先生は、これはテープを起こして確認し    ましたということを言ってますから、それは間違いございません。 ○請求人代理人(佐々木) 発言の確定というのは、直接証拠がある場合には直接証    拠によるべきじゃないんですか。 ○証人(舩津) ちょっとその、直接証拠というのは私意味わかりませんけれども、    校長先生から私はお聞きをして、併せて事故報告書、それでまた校長先生にお    聞きしたときに、これは間違いないですねというふうに何度も念を押しました。    そしたらこれは……。 ○請求人代理人(佐々木) いいですか、今あなたの言われている幾つかの資料とい    うのは、伝聞証拠っていうんですね。 ○証人(舩津) あ、ありがとうございます。 ○請求人代理人(佐々木) それで、その伝聞証拠というのは、聞いたことがあるで    しょう、その言葉を。 ○証人(舩津) いや、すみません、この前も、反訳書っていうんですか、それがわ    からないで教えてもらったことがありますが、伝聞証拠っていうのは、わかり    ません。私、弁護士とかそういうんでありませんので。 ○委員長(坂巻) そういう理屈言ってもしょうがない、聞くことを直接聞いてくだ    さいよ。 ○請求人代理人(佐々木) 誰々さんがこう言っていたのを私は確かに聞きましたっ    ていうのが伝聞証拠なんですよ。これが、刑事手続などでは証拠制限があるっ    ていうことは知っていますか。 ○証人(舩津) ちょっと私、そういうのはわかりません。申し訳ありませんけれど    も。 ○委員長(坂巻) そういう難しいことを証人に聞いても法律的なことだから無理だ    と思いますよ。だから、直接、事実関係について聞いてください。この証人に    聞かなければならないこと。 ○請求人代理人(佐々木) ええ。聞かなければならないことなんですが、私たちは、    発言の内容が直接記録をされているテープがあるという事実を確定していなが    ら、そのテープによらずして、なぜ、誰々さんがこう言っていましたという伝    聞証拠、まあ、刑事手続でいえばほとんど証拠価値のない証拠によったのか、    という点がわからないんです。なぜテープを確認されなかったのか。 ------------------------------------(23)------------------------------------ ○証人(舩津) 私がですか。 ○請求人代理人(佐々木) あなたが起案をされたんでしょう。 ○証人(舩津) 私起案したときには、テープはまだ預かっておりませんよ。 ○請求人代理人(佐々木) じや、なぜ預からなかったんですか。     あなたは、起案前にテープの存在は知っていたと。 ○証人(舩津) はい、それは知ってました。 ○請求人代理人(佐々木) だから、なぜそのテープを直接確かめなかったんですか。 ○証人(舩津) これは、内田校長先生にもお聞きしましたし、校長先生にこれは間    違いないですねって聞きましたら、内田校長先生は、これはテープに基づいて    聞いていますので、間違いございませんということですから、聞く必要はある    んでしょうか。 ○請求人代理人(佐々木) これは法律の世界の話ではなくてね、直接発言を記録さ    れているテープがあるとしたら、まずそれによると。本当にそういう発言があ    ったのかどうか。あなたは人を処分することを起案しているわけだから、その    証拠については厳密さを期すのが、ごく当たり前のことだと思うが、違うかい。 ○証人(舩津) ですから、それは、内田校長先生を私は信じましたですよ。     この前も私答えましたけれども、校長先生が嘘をつくはずはないというふう    に私言ったと思いますけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 誰が嘘をつくか、誰が信じられるかという問題ではない    ですよね、証拠法則というのは。だから、校長をあなたが信じるのはあなたの    勝手だけれども、なぜ慎重な手続をすべき処分起案者であるあなたが直接証拠    によらなかったのか、それはどういう理由なんですかって聞いてるんです。 ○証人(舩津) そういうの開いたことはございませんですよ。 ○請求人代理人(佐々木) テープの存在を知っているものは誰ですか。起案者側で。 ○証人(舩津) 私ですよ。 ○請求人代理人(佐々木) あなた以外にはどうですか。 ○証人(舩津) 私と、柴生田ですか、一緒にいた。 ○請求人代理人(佐々木) 起案害に判子を押された方、全部は、知っているんです    か、テープの存在を。 ○証人(舩津) ちょっとその辺ははっきり記憶ありません。わかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 教育委員会にテープを提出しないというふうに決めたの    は、あなたの判断ですか、上司の判断ですか。 ○証人(棒公津) 提出……何ですか。提出しないですか。 ○請求人代理人(佐々木) ええ。 ○証人(舩津) 提出しましたよ、3月30日に。 ○請求人代理人(佐々木) テープですよ。 ○証人(舩津) テープ。3月30日だと思いますが、お預かりしましたよ。 ○請求人代理人(佐々木) 処分の判断をする教育委員会にテープの提出をされたん    ですか。 ○証人(舩津)それは、そのときはしておりません。 ------------------------------------(24)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) してないですね。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(佐々木) そのテープの提出をしないというのを判断をしたのは、    誰ですか。 ○証人(舩津) 特にそういう、判断とかっていうのは、ないと思いますけれども。    そこまでそれじゃ、私が回らなかったということですか。 ○請求人代理人(佐々木) 仮に、証拠がね、処分を決めた教育委員会によって調べ    られていたら、つまりテープの存在が明らかで、そのテープが提出をされてい    たら、結論が違っている可能性というのは、あり得るわけですよね。 ○処分者代理人(飯塚) 異議あります。 ○請求人代理人(佐々木) 可能性があるというのは当たり前のことでしょう。 ○処分者代理人(飯塚) 仮定の事実を設定した質問じゃないですか、それはちょっ    と不適当だと思いますが。 ○請求人代理人(佐々木) 仮に結論が変わらなかったとしても、処分者、起案者に    よってね、証拠を隠されたまま判断を求められたと、こういうふうにはならな    いんでしょうか。 ○証人(舩津) ちょっと、何て答えていいか、わかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 重要な証拠があるということを把握していながら、その    重要な証拠を、処分を決定した委員会には提出をしなかったわけでしょう。 ○証人(舩津) 委員会には提出しませんでした。 ○請求人代理人(佐々木) そうすると、結果としては証拠を隠したことになりませ    んか。 ○証人(舩津) それ、証拠ですか、ちょっとわかりません、私。 ○処分者代理人〈鍛治) 論理的におかしいんですよ。本人はね、校長先生から事情    を聞いて、それで事故報告書を出させて、それで処理してきているんですよ。    それで判断しているんですよ。そのほかに、テープを反訳したのがありますけ    れども、それは本人は見てない、全然判断の中に入れてないんですよ。     だから、この反訳書に書いてあることと事故報告書とがね、間違っているっ    ていうんだったら、もう証拠は既に出ているんですから、それを援用して御主    張してくれればいいんですよ。 ○請求人代理人〈佐々木) 処分手続が適正であるかどうかについて質問してるんで    す。鍛治先生は弁護士さんですから、十分に御理解いただけると思うけれども、    直接証拠があって、それを出さずに伝聞証拠だけで判断するというのは、先生、    手続おかしいでしょうに。 ○委員長(坂巻) ちょっと待ってください。     簡潔に、進めてください。 ○処分者代理人〈鍛治) 判断が間違っているっていうんだったら、それを御主張し    てください。それで十分足りるんですから。 ○請求人代理人(佐々木) 判断が間違っているかどうかについて今聞いているんじ    ゃないんです。 ○委員長(坂巻) 議論しないで、進めて……。 ○請求人代理人(佐々木) 処分者側に、なぜ、あなた方が把握をしている証拠を提 ------------------------------------(25)------------------------------------    出をされなかったのか。     あるいは2月11日の職員会議議事録も同じですけれどもね、校長の事故報    告書に、私は職員会議でこう指示をしたとかあったときに、あなたは、その指    示をしたどうかの事実を確定はしていないでしょう。校長から聞きました、校    長の報告書にこうありますというだけですね。 ○証人(舩津) そうですね。 ○請求人代理人(佐々木) その校長の報告が事実であるかどうかを、別の証拠によ    って一つも確かめてないんですよね。 ○証人(舩津) だから、それが正しいかどうかって確かめてないっていうのは、普    通、そういうのやるんでしょうか、一般的に。 ○委員長(坂巻) ちょっと、質問に答えて。やったかやらないか、質問に答えて。 ○証人(舩津) それは、やりませんでした。 ○請求人代理人(佐々木) そうすると、その事故報告書に関する直接証拠だけでも    ね、職員会議の議事録と、それから、発言そのものを記録をしたテープと、こ    れは教育委員会に提出をしていないと。処分を決めたときの教育委員会に。 ○証人(舩津) はい。提出していません。 ○請求人代理人(佐々木) その二つの証拠については、事実上、証拠を隠されたこ    とになりませんか。 ○証人(舩津) ちょっとそういうのは、わからないですね、隠した隠さない……。 ○委員長(坂巻) わからなけれぱわからないでいいです。先へ進んでください。 ○請求人代理人(佐々木) あなたは、先ほどの設楽代理人の質問でも確認をされて    いますけれども、請求人がですね、教職員は校長の行う入学式に反対すると断    言した部分というのは、ないということは知っておられますよね。 ○証人(舩津) 断言というかどうかわかりませんけれども……。 ○請求人代理人(佐々木) そう述べてはいなかった、反対するという文言は使って    いない、これは認められますよね。 ○証人(舩津) ちょっと、字を書いたのを覚えていませんので、もしそういうふう    に書いてあれば、そうで、結構です。 ○請求人代理人(佐々木) 事故報告書の「入学を祝う会のみで行いたいと考えてい    る」という発言ね、あるいは、「それでできれぱよいと思っている」という発    言と、処分書の、「入学を祝う会のみを行い、入学式に反対をする」という、    文章の評価は全く違うというふうに思いませんか。 ○証人(舩津) それは、校長先生の言ったことに対してそういうように言ったとい    うことですよ。 ○請求人代理人(佐々木) 対してというのは……。 ○証人(舩津) はい、反対するということですよ。 ○請求人代理人(佐々木) 別に、反対をするという趣旨は入らないでしょう、日本    語として。     なんか、おかしいなと思うんですよね、あなたの、どうしてその、牽強付会    にね、そうやってゆがんで見ていくと……。 ------------------------------------(26)------------------------------------ ○証人(舩津) 私ゆがんでませんけど。 ○請求人代理人(佐々木) 「対してそう言った」というのは「反対する」というふ    うになるんだろうけれども、あのね、入学式のみを行いたいという言葉は……。 ○証人(舩津) そうです。 ○請求人代理人(佐々木) 「のみを行いたいと考えている」という言葉はね、「し    かし、結論としてそうしないこともある」、というふうに文章上はつながる余    地があるんですよ。これはわかりますよね。 ○証人(舩津) そういう場合は、考えられる場合がありますね。 ○請求人代理人(佐々木) 「のみを行います、入学式に反対する」という文章はね、    さっき私が挿入をした後段の文章とつながらないんですよ。 ○証人(舩津) ちょっと、忘れちゃいました、すみません。 ○請求人代理人(佐々木) つながらないということは、わかりませんか。 ○証人(舩津) ちょっとその辺が、今言ったのと……忘れちゃいましたから、言わ    れたのが。どこがつながるかというのはちょっと、わかりません。もう一度言    ってください。 ○請求人代理人(佐々木) 事故報告書の竹永発言の、「入学式のみで行いたいと考    えている」と。こういう発言はね、括弧を挿入して、「が、そうしません」と    いう文章と、文章上はつながることができるんですよ。 ○証人(舩津) ああ、無理に入れれぱね、つながりますね。 ○請求人代理人(佐々木) 無理にでなくても、論理的につながるんですよね。     ところが、「祝う会のみを行います、入学式に反対をします」というのは    「が、そうしません」という文章とは、つながらないんですよ、文章として。 ○証人(舩津) いや、つながるんじゃないでしょうか。 ○請求人代理人(佐々木) 結論が逆だから、単に矛盾をする文章だからなんですよ    ね、後段は。 ○委員長(坂巻) それは、代理人ね、先程尋問されておりますから、重複になるか    ら、その辺で、先へ進んでください。時間の関係もあるから。 ○請求人代理人(佐々木) 事故報告書では、「異なる内容」となっていますよね。    異なる内容というのが、「反した内容」というふうに変わっているのは、特別    な意味があるんですか。 ○証人(舩津) ちょっと、すみません、記憶ないんですけど、よく、その辺は。 ○請求人代理人(佐々木) 校長がわざわざ「異なる内容の発言をした」というふう    に書いてきているのに、あなたが起案をしているやつは「反した」となってい    るんだけど、この言葉の選択については、意味があるんですか。 ○証人(舩津) 反した内容を、反する内容を言ったということですから、反する内    容というふうに書きました。 ○請求人代理人(佐々木) いや、だから、意味があるのかっていう質問なんですよ。 ○証人(舩津) 異なると反するですか……あんまり難しく言われると、ちょっと答    えられませんです、申し訳ありません。 ○請求人代理人(中山) 請求人代理人の中山ですが、事故報告書には、今の質問に    関連しますけど、「異なる」ということが確かに書いてあって、それが処分事 ------------------------------------(27)------------------------------------    由説明書には「反した」になっているんですよね。そのときに、あなたはその、    「反した」という言葉を起案するときに、その「異なる」ということと違うと    か何か、そういうのを考えてその「反した」という言葉を使ったのかどうか、    そこだけ聞きます。     考えないで使ったんですか、全く。 ○証人(舩津) ちょっと記憶、申し訳ありませんけれども、記憶ありません、それ    は。 ○請求人代理人(中山) 特に、じゃ、意識してないわけだね。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(中山) 別の質問しますけど、3月25日の教育委員会の定例委員    会に本件は処分議案として提案をしてますよね。 ○証人(舩津) はい。3月25日ですね。 ○請求人代理人(中山) そのときに、教育委員には初めて、この事案が審議の対象    になるわけですね。 ○証人(舩津) はい、そうですね。 ○請求人代理人(中山) そのときに、教育局のあなたは実務責任者として、資料を    教育委員に渡しているんでしょう。 ○証人(舩津) どの資料でございますか。 ○請求人代理人(中山) いや、だから聞きたいんですよ。何か渡したんですか。 ○証人(舩津) 何ていうんでしょうか、ちょっと実物見ないとわかりませんけど。 ○請求人代理人(中山) 事故状況報告書は渡しているんですか。 ○証人(舩津) 事故状況報告書……すみません、どれでしょうか。 ○請求人代理人(中山) だから、先程来から何度も示されている……。 ○証人(舩津) 事故報告書ですか。渡してません。渡しません、それは。 ○請求人代理人(中山) じゃ、いったい教育委員には資料として何を渡しているん    ですか。 ○証人(舩津) それは一番最初のときに、白鳥先生に……。 ○請求人代理人(中山) 何でした。 ○処分者代理人(白鳥) 乙第2号証の4枚目……。 ○請求人代理人(中山) これしか渡してないんですか。 ○処分者代理人(白鳥) いや、4枚目以降ですよ、4枚目から……それ主尋問で聞    いてますからね。それよく確認の上……。 ○請求人代理人(中山) いやいや、以外にあるのかどうか聞いてるんですよ。 ○処分者代理人(白鳥) まだ答え終わってない。4枚目から……。          〔乙第2号証を示す〕 ○請求人代理人(中山) これの4枚目というと……4枚目以降の何枚、全部ですか、    これ。 ○証人(舩津) ここはないですね。 ○請求人代理人(中山) ここはというのは、一番最後の部分ですか、乙第2号証の    一番最後の紙だけは渡してないけど……。 ○証人(舩津) あんまり自信ありませんが、ここまでは間違いありません。 ○請求人代理人(中山) そうすると、校長の事故報告書、すなわち乙第1号証さえ ------------------------------------(28)------------------------------------    教育委員には示してないんですね。 ○証人(舩津) はい。これ、お示しをいたしません。普通してませんから。 ○請求人代理人(中山) ほかに、今示された以外に資料は渡しているんですか、渡    していないんですか。 ○証人(舩津) 渡しておりません。と思います。 ○請求人代理人(中山) と思いますじゃ困るな。 ○証人(舩津) いや、私が最終的にやってないですよ。 ○請求人代理人(中山) 教育局の実質的な責任者としてあなたこの会議に出ている    んじゃないんですか。 ○証人(舩津) 出ますけれども、資料はそれだけ私は用意いたしましたよ。 ○請求人代理人(中山) だから、以外には記憶ないんでしょう、提出資料は。 ○証人(舩津) 私は記憶はありません。 ○請求人代理人(中山) 牧野高校教育第一課長ですね、当時。この方が、事故の内    容、処分の内容及び処分予定日等について説明、と書いてあるんですけど、議    事録見るとね。牧野さんは、事故状況報告書を読んだんですか、校長の書いた。 ○証人(舩津) 間違いなく、読んでおります。 ○請求人代理人(中山) 読んだんですか。 ○証人(舩津) 読んでます。 ○請求人代理人(中山) しかし文書は渡さないんですか。 ○証人(舩津) 教育委員さんにですか、はい、渡しません。 ○請求人代理人(中山) 事故状況報告書、一番最初から、今示した乙第1号証です    よ、頭からずっと読んだんですか。 ○証人(舩津) これは渡しませんよ。 ○請求人代理人(中山) 読んだのかって聞いたんですよ。 ○証人(舩津) どこでですか。 ○請求人代理人(中山) 教育委員会の場ですよ。 ○証人(舩津) あ、読みません、それは。 ○請求人代理人(中山) それもやってないんですね。つまり、竹永教諭はどういう    発言をしたのか、先ほど示した資料では……。 ○証人(舩津) 概要については御説明をいたしますよ、教育委員さんには。 ○請求人代理人(中山) 何に基づいて説明したんですか。 ○証人(舩津) もちろんその事故報告書に基づいて御説明いたします。ただ、教育    委員さんにはそれは渡し声せん。 ○請求人代理人(中山) 客観的な資料は……客観的な資料として渡したものは何も    ないですね、そうすると。 ○証人(舩津) はい。その、何ていうんですか、4枚だか何枚渡したものだけでご    ざいます。教育委員さんにお渡ししたのは。 ○請求人代理人(中山) これ、急施という判断で、埼玉県教育委員会会議規則第2    条第2項但書、わかりますか。 ○証人(舩津) ちょっと、すみません。 ------------------------------------(29)------------------------------------ ○請求人代理人(中山) あなたそこにいたんでしょう、わかんなかったんですか。 ○証人(舩津) わかりません。すみません。 ○請求人代理人(中山) 埼玉県教育委員会会議規則第2条、あなた知ってるんじゃ    ないですか。 ○証人(舩津) いや、わかりません。 ○請求人代理人(中山) ここにですね、招集の日時、会議開催の場所及び会議に付    議すべき事件を、開会日の5日前までに告示しなければならないと、委員長が    ですね、こういう規定があるの、知ってるでしょう。 ○証人(舩津) 読んだような記憶はあります。 ○請求人代理人(中山) その程度なんですか、読んだような記憶程度。 ○証人(舩津) いや、私、実際の所掌事務ではございませんよ、それは。 ○請求人代理人(中山) だって、あなたはこの委員会を開催するに当たってね、資    料とか用意したわけでしょう。 ○証人(舩津) 私、そんなことできませんよ。 ○請求人代理人(中山) 資料を用意したんでしょう、さっきそう言ったじゃないで    すか。 ○証人(舩津) それは用意はいたしましたよ。 ○請求人代理人(中山) その委員会の招集、開催についてですね、手続はあなたは    一切しなかったということ? ○証人(舩津) 招集でございますか。それは私の担当ではございません。 ○請求人代理人(中山) 準備手続も一切してないわけ? ○証人(舩津) 準備手続っていうのは……。 ○請求人代理人(中山) 開催のための準備手続ですよ。 ○証人(舩津) 準備っていうのはどういうんでしょうか、ちょっとよくわかりませ    んが、そういう……。 ○請求人代埋人(中山) そういう、はぐらかさないでくださいよ。 ○証人(舩津) はぐらかしてないですよ。難しい質問しないでください。 ○請求人代理人(中山) 開催に当たっての準備をやっているかどうかですよ、あな    た自身が。 ○証人(舩津) 開催に当たっての準備は、私はしてません。 ○請求人代理人(中山) この規定が適用されたかどうか、あなたはわからないわけ    ね。5日前までに告示されたかどうか、わからないわけね。 ○証人(舩津) 基本的にはそういうふうな、5日前ということで、企画総務課の方    の議事文書係に出すわけでございます。 ○請求人代理人(中山) この日はこういう告示がなされなかったというのは、知り    ませんか、あなたは知らないんですか。 ○証人(舩津) 告示がされているかどうかというのは、ちょっと私はわかりません、    それは。申し訳ありませんが。 ○請求人代理人(中山) わからないんですか。じゃ、この但書が適用されたかどう    かもわからないんですか、この規定の。 ○証人(舩津) 但書って何でしょうか。 ------------------------------------(30)------------------------------------ ○請求人代理人(中山) 但し、急施を要する場合はこの限りでない、という、この    部分です。いいですか。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(中山) わからないんですか。この規定が適用されたかどうか、あ    なたはわからないの? ○証人(舩津) わからないわかるっていうのは、ちょっと難しい質問で……。 ○請求人代理人(中山) いやいや、難しくないですよ。この規定が適用されたのか    どうかですよ、本件の審議で。それぐらい答えてくださいよ。なぜ答えられな    いんですか。 ○証人(舩津) 急施という意味がちょっと、申し訳ないです、わからないです。 ○請求人代理人(中山) この請求人を処分する委員会にかけているわけでしょう、    教育委員会に。この委員会にかける際に、本件議案をかける際に、この規定が    適用されたのかどうかぐらい、あなたはわかるでしょう、それわからないんで    すか、わかるかわからないか。 ○証人(舩津) わかりません、それは。 ○請求人代理人(中山) 早くそう答えれば……。 ○証人(舩津) 難しい質問されちゃうから……。 ○請求人代理人(中山) 全然難しくない。 ○証人(舩津) いや、難しい質問ですよ。直接所掌してないんですから。 ○請求人代理人(中山) 手続の問題ですから、わからないならわからないって言っ    たらいいんですよ。 ○証人(舩津) そうですか。怒って言うから余計わからなくなっちゃう。 ○請求人代理人(中山) だってね、そんな時間かけるからですよ、こんなことで。     もう1点だけ、もう1点だけね。     請求人は、3月18日、あのね、3月18日の請求人の発言ですけど、彼は    ですね、入学式には出席の必要がありませんなどということは言ってませんよ    ね。 ○証人(舩津) ちょっとそれ、わかりません。 ○請求人代理人(中山) わかりませんて、それを言ったかどうかを聞いてるんです    よ。請求人がですよ、3月18日の説明会当日ですよ。入学式には出席する必    要はありませんなどとは言ってませんでしょう。 ○証人(舩津) それは言わないでしょうね。 ○請求人代理人(中山) あるいは、入学式はやらないことに決まったなんて、言い    ましたか。そんなこと言ってませんね。 ○証人(舩津) 入学を祝う会のみで行えればいいという……。 ○請求人代理人(中山) 質問に答えてくださいよ,入学式はやらないことに決まっ    たなどということを言いましたか。 ○証人(舩津) だからそういう、なんていうんですか、脇のほうから質問されると    ……。 ○委員長(坂巻) 質問事項に答えてください。それだけでいいですから。 ○証人(舩津) はい。そのとおりです。 ○請求人代理人(中山) 言ってないですね。 ○証人(舩津) はい。 ------------------------------------(31)------------------------------------ ○請求人代理人(中山) 終わります。 ○委員長(坂巻) はい。じや、処分者側から。     どのぐらいかかりますか。 ○処分者代理人(白鳥) 時間内で。 ○委員長(坂巻) わかりました。 ○処分者代理人(白鳥) 処分者の代理人の白鳥から伺います。          〔乙第2号証を示す] ○処分者代理人(白鳥) 教育委員会での審議の流れ確認しますけど、乙第2号証の    4枚目以降、先ほど中山代理人から示されましたけれども、4枚目から以下が    教育委員会に出されたわけですね。 ○証人(舩津) はい。 ○処分者代理人(白鳥) 5枚目が、県立所沢高等学校教諭の信用失墜行為というこ    とで、1、2、3とあって、更に事故の概要が5行ほどありますね。 ○証人(舩津) 6行と違いますか。 ○処分者代理人(白鳥) 6行。それがまあ、事故の概要、書いてあるとおりで、校    長先生が入学式を行うという意味が含んだ文章がありますけれども、それに対    して請求人が、「4月9日は「入学を祝う会」をのみを行い、」という、云々    という発言をしたと。そういう説明、この書面は教育委員会に出されているわ    けですね。 ○証人(舩津) 出しております。 ○処分者代理人(白鳥) それから、前回主尋問でも私伺いましたけれども、確認で    すけれども、調査不十分で、教育委員の方から質問が出るなりして、そのとき    に最終的な決定がなされない、次回に先送りになる場合、そういう議題もある    わけですね。 ○証人(舩津) はい。私がいたときには、そういうのはございました。 ○処分者代理人(白鳥) 本件については、特に調査不十分であるとか、特段、その    日に決定することについて反対意見なりが出たんでしょうか、出なかったんで    しょうか。 ○証人(舩津) 出ませんでした、それにつきましては。 ○処分者代理人(白烏) それから、事実関係をどの程度調査したかに関してですけ    れども、校長先生から、3月20日でしたか、所沢高校に証人が出向いて、ど    ういうことがあったのかなかったのか、聞きましたね。 ○証人(舩津) はい。聞きました。 ○処分者代理人(白鳥) そのときに、教頭先生はいましたか。 ○証人(舩津) 教頭先生はその場におりました。 ○処分者代理人(白鳥) 教頭先生から何か聞きましたか。あるいは、教頭先生から    何か発言がありましたか、入学説明会の内容について。 ○証人(舩津) はっきりした記憶はありませんが、多分聞いてないかなというふう    に思いますが……ちょっとわかりません。 ○処分者代理人(白鳥) 教頭先生に対して特に質問したということはないという記    憶ですか。 ○証人(舩津) はい。校長先生だけです。ですから、校長先生がもしわからなけれ    ば教頭さんに聞いたという……。 ------------------------------------(32)------------------------------------ ○処分者代理人(白鳥) 校長先生の説明でそれ以上に教頭先生から聞く必要はない    と考えたと。 ○証人(舩津) はい。 ○処分者代理人(白鳥) それから、教育委員会に、入学説明会のあと、PTAの方、    と自称する方でしょうか、電話があったんですね。ちょっと話が前後しちゃい    ますけど、入学説明会の行われた夕方……。 ○証人(舩津) その日ですね。はい、ございました。 ○処分者代理人(白鳥) それは、どういう内容だというのは、直接は受けてないで    すね。 ○証人(舩津) 直接は私受けておりませんけれども、校長の言っていることと先生    の言っていることの内容が違うんだけれども、どうなんだというふうな、そん    なふうな趣旨の内容だと思いました。 ○処分者代理人(白鳥) 違うんだと。 ○証人(舩津) 言ってることが違うという、そんな意味で。 ○処分者代理人(白鳥) 具体的に何が違うんだという話は聞いてますか。 ○証人(舩津) ちょっとそれは聞きませんでした。 ○処分者代理人(白鳥) それから、事故報告書ですと、請求人が校長先生と異なる    内容の説明を行いというくだりがありますけれども、その主な内容は、校長先    生が入学式を行う、入学式と入学を祝う会を行うと発言したことに対して、入    学式を行うことに反対するという意味の発言をしたんだと、そういう意味です    か。 ○証人(舩津) はい、そうです。 ○処分者代理人(白鳥) 具体的に、入学式に反対するという言葉を言ったかどうか    はわかりますか。 ○証人(舩津) わかりませんけれども、入学を祝う会のみを行いたいという内容で    ございます。 ○処分者代理人(白鳥) 入学を祝う会のみを行いたいということは、入学式に反対    するという趣旨と取られたと。 ○証人(舩津) そういうふうに取りました。 ○処分者代理人(白鳥) 私からは終わります。 ○委員長(坂巻) よろしいですか。     それでは、証人、お疲れさまでした。後に下がって結構です。御苦労さまで    した。     それでは、次回以降の進行についてですが、まず、請求人の側ですけれども、    本人尋問を予定しているということですが、本人尋問申出書、書面で出してい    ただきたい。 ○請求人代理人(中山) はい、それは提出しますが、よろしいですか、ちょっと一    言。 ○委員長(坂巻) いや、ちょっと。     それから、証人について、現在、請求人側から、藤井均、荒井桂、林量椒、    各氏を証人として維持しておりますが、請求人側として、本日の舩津証人で、    だいぷ広い範囲に渡って尋問されましたが、まだ立証できなかった事項はあり    ますか。 ○請求人代理人(中山) はい。特にですね、教育委員長に関しましてですけれども、    前回と今日で、舩津証人の証言によって、要するにその事故状況報告書、校長    の事故状況報告書をもとに、処分事由説明書に書いてあるような判断をした上 ------------------------------------(33)------------------------------------    で教育委員会に、教育局である、その責任者、実質的な責任者である舩津さん    達が掛けたわけですけれども、そこにですね、そもそも誤りがあるわけです。    ですから、定例教育委員会に掛けた掛け方が間違っているから、しかもその資    料もですね、御承知の、今日の証言でありましたように、全く、ほとんど内容    のないものしか提出されてないわけです。校長のつくった乙第1号証さえ教育    委員会の手に渡ってないです。ましてやテープは渡ってないですし、全然聞い    てない。そのもとで、教育局の今の舩津さんのような方がですね、教育委員に    お話しすれぱ、誰だって間違った判断するんです、これは。     そういう判断をさせるような今回の手続がなされたということは、今日の証    言、前回の証言でよくわかりましたので、やはり、なんとしてもですね、これ    は、実際に判断を決めた教育委員会の責任者になんとしても出ていただかない    と、これはですね、いかにもその、本件の処分の不服審査請求手続としては、    やはり不十分だというように考えております。     あと、林証人につきましては、これは非常に短く、要するにその、本件で内    田校長や県教育委員会、処分者が考えていたことはどういうことだったのか、    それに対して請求人はどういう、あるいは教職員たちはどういうことをやって    いたのかをですね、きちんとしたかたちで、まとまったかたちでやりたいと、    説明したいと思うんですね。それをあの、やはり短時間で結構ですから……で    すから、今のところ二人は最低、前回まで一応、教育長ということをお願いし    ておきましたけど、この方については、とりあえず舩津さんで、こちらの方と    しては、もう、多分同じようなことしか言わないと思いますので、これ以上調    べるつもりは、こちらとしては持っておりません。     ですけど、教育委員会の委員長はお願いしたい。 ○委員長(坂巻) はい。     処分者側は、11月25日準備書面で、事実関係は現在までの証拠調べで明    らかになっているので、証拠調べを終了する旨主張しておりますけれど、更に    今日の段階で付け加える御意見がありましたら。 ○処分者代理人(鍛治) 今、中山先生のおっしやったことはですね、本件事実、対    象となった事実がですね、今までの請求人側では、そういう事実はない、間違    っていると、したがって本件は取消しをすべきであるという御主張ですよね。    で、教育委員会どうのこうのというのは手続の問題ですから、この本件事実に    ついてね、間違っているかどうかという問題じゃないですから。     だから、もしかその、教育委員会の手続上瑕疵があるというんだったら、そ    ういう御主張をしてくださいよ、まず。そこから始めてください。     瑕疵のあるところをきちんと述べてください。 ○請求人代理人(佐々木) 事実誤認を主張し、かつ処分手続の違法を主張している    んですから、先生、とっくの昔に。 ○処分者代理人(鍛治) だから、それをさ、争点となっているかね、そういうこと    になってないんですよ。     要するにね、処分の対象となった事実が、証拠上、認められないでしょうと。    そういう御主張でしょう、請求人側は。 ○請求人代埋人(佐々木) だから、その主張と、処分手続は違法ですよという主張    と併せて出してるじゃないですか。 ------------------------------------(34)------------------------------------ ○請求人代理人(中山) 最初の審査請求書見てくださいよ。 ○請求人代理人(佐々木) 長い書面も出しているじゃないですか、先生、処分手続    について。 ○委員長(坂巻) あの、それではね……。 ○処分者代理人(鍛治) それで、この処分の対象となった事実の客観的な証拠は全    部出てるんですよ。あとはね、それをいかに判断するかという問題なんですよ    ね。それ以外に証拠はないわけですから。そういう点も配慮してください。 ○委員長(坂巻) それは人事委員会で考えます。     それでは、請求人側には、その二人を維持するというんですから、どのよう    な尋問事項を予定しているか、尋問事項を具体的に出してください。それは、    1月10日ごろまでに、できましたら。その上で、今までの審理過程全体を考    えてみて、必要かどうか、判断させていただきます。     それでは、次回に予定しております、平成12年1月27日、午後2時30    分から、同じこの共済会館の602号室。本人尋問をやります。 ○処分者代理人(鍛治) ちょっと、手続上の問題なんですけれども、本人尋問とい    う規定は、人事委員会の審理にはないんじゃないですか、本人尋問。     だから、本人尋問じやなくて、請求人本人の意見を聞くということだったら    いいんだろうと思うんですよ。 ○委員長(坂巻) ただ、いろいろ調べてみますとね、従来的にやっているんです。 ○処分者代理人(鍛治) やっているけれども、それは変則的にやっているだけなん    ですよ。 ○請求人代理人(佐々木) 先生、違法というわけじゃないんでしょう。 ○処分者代理人(鍛治) だから、意見をね、本人の意見を聞いていくと。それに対    して処分者側でもね、反対があるんだったらその意見を聞いてくださいよと、    いうことで……。 ○請求人代理人(中山) そういうことは人事委員会は全部御承知の上で決められた    んだから……。 ○処分者代理人(鍛治) そんなことないですよ。私はその都度言ってますから。 ○委員長(坂巻) ちょうど時間となりましたので……ここで。大変長時間にわたっ    て御協カありがとうございました。これをもちまして、第10回口頭審理を終    了いたします。御苦労さまでした。 午前11時49分閉会                    調書作成事務職員 湯本 佳代子(印)                委員長 坂巻 幸次(印)                委 員 久保木宏太郎(印)                委 員 渡邉 圭一(印) ------------------------------------(end)-----------------------------------
(Web管理者記)  校長の決定に反対したことが処分理由とばかり思っており、所高のシステムからし  て、それはないんじゃないのと思っておりましたが、なんと「校長の言ったことに  反したことを言った」のが処分理由だそうです。 ---------------------------------------------------------------------------- ○請求人代理人(設楽) いえ、処分の主な理由を聞いてるんです。校長が決定した    事柄についてそれに反対するという、そう発言をしたということが処分の理由    なんではありませんか、あなたの認識で。 ○証人(舩津) 決定したということではなくて、校長先生が挨拶の中で、保護者に    プリントを配って、入学式のあとに祝う会を行いたいというふうに保護者に説    明しましたよね。     それに反したことを言ったということですよ。  (途中省略) ○請求人代理人(設楽) 公式の場というのを含めても結構ですが、校長が決定した    こと、これに反した発言をしたと、だから請求人を処分するんだというのがあ    なたのお考えじゃないんですか。 ○証人(舩津) もう一度お願いします。 ○請求人代理人(設楽) 校長が決定した事項について……。 ○証人(舩津) 決定……校長が言ったことですね。 ----------------------------------------------------------------------------  職員会議は諮問機関というのも、どうかと思いますが、職員会議はどうでもよろし  いということを明確にした発言が続きます。 ---------------------------------------------------------------------------- ○証人(舩津) 決定して話したわけですよね。決めて話したわけですね、校長さん    はね。 ○請求人代理人(設楽) いつ決めたのか、伺ってるんですが。 ○証人(舩津) ちょっとそれわかりません。ですから2月の12日の職員会議では、    入学式をすると言ったんでしたっけ?で、その時には、先生方のお考えは、入    学式をしないで祝う会のみを行いたいというふうに言ってたわけですよね。 ○請求人代理人(設楽) 校長先生がいつ決めたかはわからないということですね。 ○証人(舩津) ええ。ですからその後ですよね。 ○請求人代理人(設楽) 2月12日以降のいつなのか、いつ決定されたのかわから    ないということですね。 ○証人(舩津) そうですね。ですから、その辺は場合によったら職員会議ではそう    いうようなお話を、してませんか。 ○請求人代理人(設楽) その後、そういうことを職員会議で話をしてないかどうか、    あるいはその他の記録にそういう議論の跡が残ってないかどうか、あなたは全    く調査をしなかったんですか。 ○証人(舩津) 私は調査してません、それは。 ○請求人代理人(設楽) あなた以外に誰か調査をする役割を担っている人がいるわ    けですか。 ○証人(舩津) いや、違います。我々、しませんよ、それは。 ----------------------------------------------------------------------------  「いつ、内田達雄前校長が決定したのか」を調査する必要すら認めていない、とい  うことです。「校長が言ったら、それが学校の決定だ」という意味だと思うのです。  「その辺は場合によったら職員会議ではそういうようなお話を、してませんか。」  「場合によったら」ですよ !!  これでどうやって民主教育をするのでしょう。もっとも、民主教育なんてことは、  単なるお題目で、ちっとも考えていないということなら別ですが。  次は、内田達雄前校長が提出した事故報告書に記載してある「1998年2月12  日の職員会議録」すら読んでいないという証言です。 ---------------------------------------------------------------------------- ○請求人代理人(設楽) 1998年2月12日の職員会議録ですね。こちらに、4    と項目番号が振ってありまして、「校長から、入学を祝う会の前に入学式を行    いたい。(校長)」、このような記載がありますね。     これに対して、これに引き続いて、「連絡事項としては受けられないので、    議題にのせる、正当な理由があれば、議題にのせるかどうかもふくめ、次回の    職員会議で、総務会からの提案とつきあわせて議論する。」。このように書い    てありますね。 ○証人(舩津) 書いてありますね。 ○請求人代理人(設楽) これは、2月12日の職員会議で、校長が、資料を示して    入学を……。 ○証人(舩津) それ2月の12日だったんですね、そうすると。さっきの事故報告    書のあれに書いてありましたのはね。事故報告書、先ほどお示しいただいた、    2月の12日のです。 ○請求人代理人(設楽) 職員会議録にこのような記載があるということは、今初め    てお知りになったわけですか。 ○証人(舩津) 初めてです。 ----------------------------------------------------------------------------  誰かを処分するというときに、このような人権意識というのか安易に決定するとい  うのはどんなものなんでしょう。  また、「平成10年の4月以降、私は県教育委員会に勤めておりませんでしたです  からね」ということで、「それ以降のことに関しては知りません」というような態  度です。  しかし、船津和信氏は平成10年4月の人事異動で南教育センター次長という職に  就かれています。確か、ここは教育局の中の一つの部署だと思いますし、よしんば、  教育局と関係ない部署であったとしても、自分が処分の起案をしておいて、後は知  らないよ、というような態度は如何なものでしょうか。 ----------------------------------------------------------------------------          〔乙第1号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) 事故報告書の2枚目ですが、ここでは、「3週間後の4月    9日の心配をしているだろうと思う。」というくだりから始まる文章で、「現    在、教職員も生徒も4月9日は「入学を祝う会」のみで行いたいと考えてい    る。」、これは、この時点での生徒や職員の気持ち、希望を保護者や入学許可    候補者に示したくだりですね。 ○証人(舩津) まあ、そういうふうにも取れるでしょうね。でも、4月9日は入学    を祝う会のみで行いたいというふうに考えているということですよね。 ○請求人代理人(設楽) 考えを述べているわけですよね。 ○証人(舩津) まあ、そうですね……。     また、ここですよね。「「入学を祝う会」のみでできればよいと思っている」    ……。 ○請求人代理人(設楽) 「思っている」という記載があるわけですね。 ○証人(舩津) そうですね。          〔乙第2号証を示す〕 ○請求人代理人(設楽) 乙2号証の、「発生状況」の部分、ここでは、最後の2行    ですが、「学年関係の説明の際、4月9日は「入学を祝う会」のみを行い、教    職員も校長の行う「入学式」に反対するという主旨の発言をした。」と書いて    ありますね。「「入学を祝う会」のみを行い」という文言なんですけれども、    これは、行いたいと考えているという意思の表明と同じことなんですか。 ○証人(舩津) そういうように取れますよね。 ----------------------------------------------------------------------------  上記のようなことを「歪曲する」と言いませんでした? ---------------------------------------------------------------------------- ○請求人代理人(佐々木) そうすると、その事故報告書に関する直接証拠だけでも    ね、職員会議の議事録と、それから、発言そのものを記録をしたテープと、こ    れは教育委員会に提出をしていないと。処分を決めたときの教育委員会に。 ○証人(舩津) はい。提出していません。  (途中省略) ○請求人代理人(中山) そうすると、校長の事故報告書、すなわち乙第1号証さえ    教育委員には示してないんですね。 ○証人(舩津) はい。これ、お示しをいたしません。普通してませんから。  (途中省略) ○請求人代理人(中山) 事故状況報告書、一番最初から、今示した乙第1号証です    よ、頭からずっと読んだんですか。 ○証人(舩津) これは渡しませんよ。 ○請求人代理人(中山) 読んだのかって聞いたんですよ。 ○証人(舩津) どこでですか。 ○請求人代理人(中山) 教育委員会の場ですよ。 ○証人(舩津) あ、読みません、それは。 ----------------------------------------------------------------------------  まったく、話にもなりゃしない。  教育局も教育局だが、教育委員会もどんな審議をしているのやら。  なぁ〜んも、疑問に思わないというのが、不思議ではあります。   処分者代理人(白鳥)の「本件については、特に調査不十分であるとか、特段、  その日に決定することについて反対意見なりが出たんでしょうか、出なかったんで  しょうか。」という質問に、証人(舩津)は「出ませんでした、それにつきまして  は。」ということです。  まぁ、証拠を隠されれば仕方がないとも言えますが、それにしても酷くはないかい。  人を処分しているのだぜ。  教育委員は名誉職、ということではないと思うよ。  教育局、教育委員会は、何でも思うようにやれると考えているようだが、早く公選制  に戻そうぜ。そうすれば、教育も民意を反映したものになるだろう。  教育改革を言うのなら、教育委員の任命制を公選制に戻すことから手を付けていくの  が、本筋だと思うよ。 ---------------------------------------------------------------------------- ○請求人代理人(中山) ここにですね、招集の日時、会議開催の場所及び会議に付    議すべき事件を、開会日の5日前までに告示しなければならないと、委員長が    ですね、こういう規定があるの、知ってるでしょう。 ○証人(舩津) 読んだような記憶はあります。 ○請求人代理人(中山) その程度なんですか、読んだような記憶程度。 ○証人(舩津) いや、私、実際の所掌事務ではございませんよ、それは。 ○請求人代理人(中山) だって、あなたはこの委員会を開催するに当たってね、資    料とか用意したわけでしょう。 ○証人(舩津) 私、そんなことできませんよ。 ○請求人代理人(中山) 資料を用意したんでしょう、さっきそう言ったじゃないで    すか。 ○証人(舩津) それは用意はいたしましたよ。 ○請求人代理人(中山) その委員会の招集、開催についてですね、手続はあなたは    一切しなかったということ? ○証人(舩津) 招集でございますか。それは私の担当ではございません。 ○請求人代理人(中山) 準備手続も一切してないわけ? ○証人(舩津) 準備手続っていうのは……。 ○請求人代理人(中山) 開催のための準備手続ですよ。 ○証人(舩津) 準備っていうのはどういうんでしょうか、ちょっとよくわかりませ    んが、そういう……。 ○請求人代埋人(中山) そういう、はぐらかさないでくださいよ。 ○証人(舩津) はぐらかしてないですよ。難しい質問しないでください。 ○請求人代理人(中山) 開催に当たっての準備をやっているかどうかですよ、あな    た自身が。 ○証人(舩津) 開催に当たっての準備は、私はしてません。 ○請求人代理人(中山) この規定が適用されたかどうか、あなたはわからないわけ    ね。5日前までに告示されたかどうか、わからないわけね。 ○証人(舩津) 基本的にはそういうふうな、5日前ということで、企画総務課の方    の議事文書係に出すわけでございます。 ○請求人代理人(中山) この日はこういう告示がなされなかったというのは、知り    ませんか、あなたは知らないんですか。 ○証人(舩津) 告示がされているかどうかというのは、ちょっと私はわかりません、    それは。申し訳ありませんが。 ○請求人代理人(中山) わからないんですか。じゃ、この但書が適用されたかどう    かもわからないんですか、この規定の。 ○証人(舩津) 但書って何でしょうか。 ------------------------------------(30)------------------------------------ ○請求人代理人(中山) 但し、急施を要する場合はこの限りでない、という、この    部分です。いいですか。 ○証人(舩津) はい。 ○請求人代理人(中山) わからないんですか。この規定が適用されたかどうか、あ    なたはわからないの? ○証人(舩津) わからないわかるっていうのは、ちょっと難しい質問で……。 ○請求人代理人(中山) いやいや、難しくないですよ。この規定が適用されたのか    どうかですよ、本件の審議で。それぐらい答えてくださいよ。なぜ答えられな    いんですか。 ○証人(舩津) 急施という意味がちょっと、申し訳ないです、わからないです。 ○請求人代理人(中山) この請求人を処分する委員会にかけているわけでしょう、    教育委員会に。この委員会にかける際に、本件議案をかける際に、この規定が    適用されたのかどうかぐらい、あなたはわかるでしょう、それわからないんで    すか、わかるかわからないか。 ○証人(舩津) わかりません、それは。 ----------------------------------------------------------------------------  「但し、急施を要する場合はこの限りでない」という規定が適用されたか否か分か  らないということですが、次の書類は何でしょう。 ============================================================================   ┌────┐  ┌────┐   │取扱注意│  │持ち回り│                    至急   └────┘  └────┘  起  案   平成10・3・24     施行予定   平成10・3・25  決  裁   平成10・3・25     施  行   平成10・3・26  件  名   教職員の人事について   別案のとおり3月25日開催の定例教育委員会に、案1により協議題として  提出し、協議がととのったうえは、案2により議案として提案し、議決を得た  うえは、案3により措置し、昇給については案4のとおり決定し案5により校  長あて通知してよいか伺います。                             起案者 船津和信                             電話6725番  (以下、省略) ============================================================================  1998.3.23 事故報告作成日付  1998.3.24 事故報告収受日付  1998.3.24 起案文書作成日付  1998.3.25 定例教育委員会開催  1998.3.26 戒告処分  このような日程で行われていながら、「但し、急施を要する場合はこの限りでない」  という規定が適用されたか否かが分からないとは、?。   ここは一つ、藤井均教育委員長に出ていただいて、はっきりさせないと、坂巻幸  次人事委員長も判断にお困りになるのではなかろうかと思ったりもします。
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