人権だより

第1号

発行者:人権係

発行日:1999年10月27日(水)

     人権だより  第1号
                            1999年10月27日発行
                                   人権係

          人権講演会のまとめ

 9月30日午後に1年生対象の人権講演会を行いました。講師は石田貞さん(東日
本部落開放研究所・副理事長)でした。

◎ 差別の実態
 ・千葉・関谷戸小学校、校舎新築・移転の際、被差別部落のある地域に移転するこ
  とに反対運動が起こる。「生徒全員が部落出身者だと思われるのは困る!」
 ・埼玉・上里町の小学校移転の際、反対運動。移転先が、親元を離れて暮らす障害
  者施設(上里学園)があることと、同和対策審議会の集会所がある近くである為。
 ・結婚差別 教師を父に持つ女性と、部落出身者の男性が結婚することになった時、
  女性の父親から身元を探られ、結婚話を断られてしまった。納得のいかない男性
  は彼女に会いに家を訪ねるが、父親が「娘の心変わりだ。」と言うだけで直接彼
  女は会ってくれない。諦めて家を去る男性に彼女の声で「塩をまいて!」という
  言葉がかけられた。

◎ 狭山事件
  昭和38年、身代金20万円を要求する女子高校生誘拐殺人事件が起こった。解
 決出来ない警察は、死体発見現場にほど近い被差別部落出身の石川一雄さんを別件
 逮捕。理由は20万円を大金と思う低い経済カと、脅迫文の筆跡から。冤罪(無実
 の罪)防止の為に検事側の持つ物的証拠を弁護側にも公開するように、国連の人権
 規約委員会が勧告したほど当時の司法は人権を無視したものであった。

◎ 就織差別
  入社試験の際の社用紙(財産・自宅の坪数・支持政党・家族の学歴など)での合
 否判定→高校統一応募用紙(本人の意欲・能力・適正)で判断する。

◎ 教科書無償化
  高知・長浜の部落の母親たちの運動から、教科書の無償化が全国に波及した。

◎ 同和教育とは何か?
  『身近に差別がないから必要ない』のではなく、差別を知り、自分がどう感じ
 どう行動できるかを考え直すこと。身近に潜む差別を見抜くカをつけ、知識だけで
 なく、生き方にまで活かせるように。
 『知ることによって差別が起こる場合かあるのでは?』―知って気になってしまう
 自分・差別の心がある自分に気づくことか大切なのです。

◎ 人権講演会アンケート結果
 1.内容はいかがでしたか?
   よかった(138)  ふつう(185)  悪かった(4)

 2.何が一番あなたの興味をひきましたか?(複数回答あり)
   (1) 差別の実態(128)
   (2) 差別の歴史(14)
   (3) 現在の就職における差別(23)
   (4) 狭山事件(74)
   (5) その他(52)・・・結婚について、熊谷女子校の取り組みについて

 3.感想(抜粋)
  ・中学の時にも、同和問題についての講演があったので、もうしなくたっていい
   じゃんと思っていました。けれど、今日の講演では、知らないこともたくさん
   聞けたのでとても良かったです。
  ・一人一人が部落間題のことを知り差別しないように心がけていくことが大切だ
   と思いました。差別される側の立場になって考える事ができる人か増えれぱ、
   部落差別は減ると思いました。
  ・差別している方にも色々考えはあるんだろうけど「差別している」って自覚し
   ていないのが問題だなと思う。
  ・「(差別のことを)知らされなければ気にしないでいられた」っていう話かあ
   ったけれど、それじゃ何も変わんないって思う。肝心なのは「気にしないコト」
   じゃなくて「よく理解するコト」だと思った。
  ・今まで部落差別についてあまり考えていなかったけど、「狭山事件」の内容を
   知り、こんな身近な所で差別か起きているんだなぁと知った。
  ・狭山に部落問題があったのは知らなかった。一番イヤだと思ったのは部落出身
   だということで結婚や就職が制限されてしまうことだ。
  ・生徒を教える立場にある教師が差別をしているというのに驚いた。(中略)知
   識として入れるのは簡単だか、それを実行にうつすのは一人一人の意識だと思
   う。
  ・特に婚約相手が塩をまくように言ったのが印象的で信じられなかった。
  ・もし自分の身近でおこった時に私は中学から学校てやってきた同和の教育をい
   かして差別をしないように考えられるかが不安です。それでも、初めから知ら
   ないほうが良いと思うのはいけないこでしようか。
  ・知ってしまうとやはり意識してしまうので、知らないほうがいいのでは?
  ・商売とかたくさんの人とかかわる仕事をしている家柄の人が、(部落の人との)
   結婚を考えてしまうのはわかる気がする
  ・私達に差別を無くしてほしいという前に大人達を改善すぺきてあろう。
  ・部落差別と聞いても、やはり実感かわかなかった。

------------------------------------(end)-----------------------------------

(Web管理者記)
前のページ(所高資料)に戻る
前のページ(経過)に戻る