「日の丸・君が代」
勉強会資料
発行:HR委員会
発行日:1999年10月14日(木)
(Web管理者記)
この資料には、発行日等の記載はありませんが、1999.10.14のLHR資料として
配布されたものです。
「日の丸・君が代」
勉強会資料
{この時間の目標}
『日の丸・君が代』を理解し、自分の意志を持てるようにする。
日の丸・君が代の問題は、今知っておけば高校生活以外でも役に立つと思います。
その為にもこのLHRは、これからの所高にとって、また、皆さんにとっても、とて
も大切なものになります。是非活発な意見を出し合い、充実した1時間にしましょう。
日の丸の歴史
日の丸の旗は江戸時代の文久二年(1862年)に幕府が「大日本国旗」として定
めた。しかし、日の丸というのは、古くは平安時代の壇ノ浦の合戦の扇の柄としてあっ
たり、江戸時代の朱印船貿易の船に張る旗としても使われていた。
ではなぜ 現在「日の丸」は批判されているのでしょうか。
………戦時中には大日本帝国の象徴として使われアジア各国を含めて諸外国にとって
も、そして日本の戦争責任としても新しい国旗に直す方がいいということなのです。
戦時中、日本と同盟国だったドイツやイタリアも現代では国旗をかえています。
君が代の歴史
君が代の歌は奈良時代に「よみびとしらず」歌った人がわからない歌ではあった。
しかし、歌の内容は最初は「あなたさまは千年も万年も長生きされますように」とう
たわれ広く世の中にしたしまれていた。しかし、江戸時代に殿様や公家にうたわれ、
それが明治時代に天皇を指す言葉として半強制的に使ったということです。今では、
君が代の“君”は天皇を指していると国でも解釈されているけれど本当はそうではあ
りません。又、君が代も国旗も戦争の象徴として使われたということも大きな問題な
のです。
●日の丸・君が代の良いところ
・国旗国歌を大切にすることで、国を愛し誇りに思う心をはぐくむことが必要だ。
・国歌を歌い一つにまとめる。すなわち、団結するのです。なんとこれは体育祭にお
ける校歌斉唱と同じではないですか!国歌だって本意的には誰に対して歌ったか解
らないのですから…。
・どう君が代を聴いても日本の象徴的なメロディーである。
・また歌の歌詞の中身の意味でいえば長寿の意味を表している。人間を国におきかえ
ると、国の長寿、すなわち恒久的な平和と解釈できる。
●悪いイメージ
・軍国主義の象徴で過去の清算ができていない。
・アジア各国の人々にとっても日の丸・君が代は侵略の象徴のように思われている。
・現在の日本の国旗・国歌にとっては、親しみがわくものではない。
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これが!!! 今までの
「日の丸・君が代に関する決議文」だ!!
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│ 「日の丸・君が代」に関する決議文 │
│ │
│ 高等学校学習指導要領の改訂にあたって │
│ │
│ 「日の丸・君が代」について、現在国政・県政の場においての解釈は様々 │
│ であり、法律上でも国旗・国歌としてして定められていません。又その点に │
│ ついての私達所高生一人一人の中での解釈も賛成・反対その他様々です。こ │
│ のような状況の中で、教育行政機関が「日の丸」の掲揚や「君が代」の斉唱 │
│ を強制することは、私たち一人一人の意志を全く無視した行為であり、又教 │
│ 育基本法第10条(教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対し直 │
│ 接責任を負って行われるべきものである)の「不当な支配」にあたることは │
│ 明確で、さらに憲法第19条(思想及び良心の自由はこれを侵してはならな │
│ い)をも明らかに侵しています。これは人格を形づくる時期にある高校生活 │
│ の場において、思想の統制・画一化につながるおそれが多分にあると考えま │
│ す。 │
│ よって私達所高生徒会は、この度高等学校学習指導要領を改訂した文部省 │
│ の行為に非常に大きな不満を感じるということをここに確認すると共に、今 │
│ 後我が校内での儀式その他における「日の丸」掲揚及び「君が代」斉唱の強 │
│ 制に一切反対します。 │
│ 1989年度 所沢高校生徒会長 泉谷 衆 │
│ 1989年12月27日 所沢高校生徒会本部 │
│ 1990年 2月14日 同 HR委員会 │
│ 1990年 2月22日 同 生徒総会 │
└────────────────────────────────────┘
☆要約すると…
(1)色々な考え方をする人がいる中で(学校という公の場で)思想の
統制・画一化につながることをするのはおかしい!!
(2)この問題は、国家単位という大変大きな問題で、いまだに議論されている
中、これを強制することは、一人一人の意志を無視した行動
である。
と思った先輩達がこの決議文を作成 !!
☆しかし !! 今年、日の丸・君が代は、法律で国旗・国歌として定められた
のです!! ということは「法律でも国旗・国歌として定められていません。」と書い
てあるこの決議文は、間違えていることになってしまいます。でも、強制的に日の丸・
君が代をやらされることが決まったわけじゃないし、議論が終わったわけでも
ありません。
「日の丸・君が代に関する決議文」の歴史
1989年に学習指導要領が改定されました。それにより、それまで「入学式や卒
業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するこ
とが望ましい。」となっていたものが「入学式や卒業式…(中略)…国歌を斉唱する
よう指導するものとする。」となりました。このため今まで各学校の判断に任せら
れていた日の丸・君が代が半ば強制的に行われてしまう可能性が出てきたのです。そ
こで危機感を感じた先輩方が「日の丸・君が代に関する決議文」を制定しました。
制定から10年間に渡って受け継がれてきた決議文ですが、今年の8月9日に
日の丸・君が代が法制化されたため、決議文に矛盾が生じました。
簡単に説明すると…
┌────────────────────┐
│ 1989年 学習指導要領が改正された │
└────────────────────┘
卒業式などの儀式で日の丸・君が代を行うのが…
改正後
{今まで} 望ましい →→→→→→→→→ 指導する
そのため
{今まで} 各校の判断に →→→ 日の丸・君が代が半ば強制的に
まかされていた。 行われるおそれが……?!
「これは やばい !!」
そこで
┌──────────┐
│ 決議文制定 !! │
└──────────┘
10年間 受け継がれてきたが……
┌──────────────────────┐
│ 1999年8月9日 日の丸・君が代法制化 │
└──────────────────────┘
上位法優先の原則
〈上位に在る「法」が優先される〉
↑憲法…日本国憲法
│条約…国際人権規約、子どもの権利条約…など
│法律…学校教育法、教育基本法…など(国会が定める)
│政令…学校教育施行法…など(内閣が決める)
│省令…学校教育施行規則…など(省が出す)
│通知…┐
│ │この二つは平行している。学習指導要領…など
│告知…┘
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モメ
←
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決議文についてのアンケート
勉強会を終えて更にアンケートをとりたいと思います。やり方は4項目の中から
一つ選んで○をつけて下さい。質問や意見は一言欄に書いて下さい。みなさん協力
して下さい。
生徒会本部
『残す』主張
法制化により日の丸・君が代が国旗・国歌になりました。確かに法そのものに強制
力はありません。しかし「学習指導要領」により、私達は先生方に日の丸・君が代を
指導されます。
埼玉県の教育長らは、「無理やり歌わせることはできないが、意義を理解させるよ
うねばり強く指導する」と「強制」の区別ははっきりされていない!!このことから
も、今年はより強制される可能性が高くなると考えます。
そんな今だからこそ盾となるもの、つまり決議文が必要だと思います。
無くしてしまうと生徒総会で議題に出なくなります。すると私達はどこで意思表示
をすればいいのでしょうか。簡単にはみんなの総意は出せなくなるし、所高の方向性
も定まらなくなってしまうと思います。3年生も3学期は学校に来ないため、生徒全
員の意見を採ることが出来なくなってしまうし、卒業行事の準備などでみんな忙しく
なり、じっくり考えることはできません。そのため今無くしてしまうと復活させるの
は大変な作業になります。今、落ち着いて考えたものを残した方がいいと思います。
よって私達は、決議文は文章を変えて残した方がいいと思います。
『消す』主張
無理やり歌わせようとしたり、見させようとする行動は、今まで無かった。つまり
いままでは強制はなかったといえる。まして校長先生との対話では「強制することは
できない」「公の立場上言えないんだけどね」とおっしゃっている(あえて校長先生
の味方をするつもりはないが)。まずあり得ないが不安を解消する意味で言わせても
らうと、もし強制について保障するという問題が出てくるのならば、決議文よりも優
先される諸条約、さらには憲法でも保障されているのであえて残す必要はない。(文
末にその条約等を載せておく。)それに今現在は何の問題も起きていないのだから、
「関心を持て」「考えろ」などといってもそれは無理な問題である。問題の起きたと
きに考えた方が、そのときに適した、行動を起せる。あえて未来のための束縛条件を
作る必要はない。だからといって意思表示ができなくなるなどというばかげたことに
はなりえない。なぜならば所高における自主性がそれを保障しているからだ。意思表
示をするところは生徒会本部ではなく、卒業記念祭実行委員及び、卒業準備委員が対
象になっている。日の丸・君が代の実行に関する最終的な判断や、意思表示をするこ
とについては、直前までじっくりと考えられるような体制をとるということで、折り
合いがついている。最後になったが、最終的な判断(式への出欠等)は、個人個人に
よって違うはずである。そのような場において、個人の自由を奪う総意というものを
自ら作り出すという行為があって良いのだろうか。
以上のような理由で決議文を残さない方がいいのだ。
憲法19条:思想信条の自由
子供の権利条約12条:意見表明権、参加権。
学校教育法28条50条:校長の権限の保障
教育基本法10条:不当な支配の非正当性。
以上のことが生徒会本部の意見です。参考にして下さい。
※最終的な決定はアンケートで決まるのではなく生徒総会で決めます。
3項目についてそれぞれ○をつけて下さい。
(1) 変えて残す・消す・その他
(2) 興味ある・興味ない
勉強会の内容について
(3) わかった・わからない
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│ 一言欄 │
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(Web管理者記)
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